基本的なクワガタ累代飼育マニュアル |
![]() もちろんクワガタ飼育中級者の方にも参考になるようできるだけ深く掘り下げて解説しておりますので、ぜひこのマニュアルをご参考いただき、飼育に役立てていただきたいと思います。 |
目次 | |||
1 | 種親の入手 | 6 | 小麦粉発酵マットの作成法 | 11 | 蛹化 |
2 | 飼育用品の準備 | 7 | 産卵ケースのセット | 12 | 人工蛹室 |
3 | 飼育温度 | 8 | 材割り | 13 | 羽化 |
4 | ペアリング | 9 | 人工孵化 | 14 | 新成虫 |
5 | 材の加水 | 10 | 幼虫飼育 | 15 | 放虫について |
種親の入手 | |||
累代飼育では繁殖させることが第一条件ですので、ペアであることはもちろんのこと、成熟期間についてもすぐにペアリング可能なのかどのくらい成熟期間を設けないといけないのかも、あらかじめ確認しておき、計画を立てて飼育することをお勧めします。 特に国産オオクワガタでは、♀は羽化した年には産卵せず、翌年から産卵するようになりますので、ご注意ください。 どのクワガタにも言えますが、天然採集個体(材割採集を除く)であれば、ほぼ確実に交尾済みですので、♀単品で購入して産卵させることも可能です。 欲しいクワガタの種親が交尾可能あるいは産卵可能なものかどうか判断する必要があります。 ネットショップなどで購入する個体を確認できない場合でも完品と表示されていればまず問題ありませんし、B品と表示されていても以下の点をクリアしているなら問題ありません。
同じ種類でも体長はずいぶん個体差があります。大型個体作出は大きい種親からの方が遺伝的に有利と言われていますが、よほどのマニアで無い限りあまり気にしなくてもよいでしょう。小型の種親から大型個体の作出は十分可能なので、累代飼育のみの目的で購入するのであれば安価な小型ペアがお勧めです。 「大型個体を育てたいので種親も大型個体を入手したい」とか「小さい個体が羽化したのは種親が小さかったからだ」といった声もよく聞かれますが、もしその人が仮にオオクワを飼育していたとして、いつも75mmオーバーを作出していてギネスサイズになると羽化不全で困っているといったトップブリーダーな方ならそれは正しいでしょう。しかし、ほとんどの方が80mmはおろか70mm以上を出すだけでも精一杯だと思います。大きさの遺伝というのは種としての限界サイズの遺伝情報でしかありません。ですから、種親が60mmだったからその子供が80mmにならず、68mmにしかならなかったというのは極めてナンセンスで、言い訳以外の何者でもありません。 どんなに小さい種親からでもハンディキャップはありません。それどころか安く付きますし、自分で羽化させて初めて大型個体を目にする感動は言葉にならないほど大きいものです。
以下に初心者の方にも容易に繁殖が楽しめる種類を紹介いたします。 もちろん外国産クワガタは温度管理が必要になりますので、あらかじめ管理できるように準備をしてから入手してください。 ここで紹介しているのはごく一部ですので、当サイトの飼育記をご参考に判断ください。
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飼育用品の準備 | |||
繁殖させるには、最低でも以下の6点が必要になります。ただし、マット産みのものは産卵材はなくても産卵しますが、産卵材を使用することにより、産卵を誘発する重要な役目もします。
![]() プラケースが一般的です。 種類によってプラケースの大きさを選びましょう。種類によっては♂が♀を挟み殺してしまうケースがあるので(特にヒラタクワガタの仲間)、小さめのケースで単独飼育、産卵用に大きめのケースを用意しましょう。 ![]() よく埋め込みマットにコバエが卵を産み付け、マットを劣化させ、コバエが大発生してしまいます。その為、プラケースと蓋の間に市販されている保湿&防虫シート各種を挟みコバエの浸入を防ぎます。最近ではコバエ防止用のフタが売られており、効果が抜群なようで人気があります。 ![]() カブト・クワガタ専用に市販されています。マット産みの場合、完熟発酵したマットがよいでしょう。安価で市販されています。 普通に安価で販売されているマットは目が粗めですので、産卵に使用する場合は、フルイにかけて微粒子にしてご使用ください。 ノコギリクワガタやミヤマクワガタの場合、黒土が最適です。(ただし、黒土は幼虫飼育には使用できません。) 埋め込みマットは、材産みのクワガタではあまり重要ではないので、安価な未発酵マットでも構いませんが、針葉樹マットだけは産卵を抑制する可能性もありますので、成虫管理用にのみの使用に留めたほうがいいでしょう。更に針葉樹マットは乾燥が激しいので、乾燥死には十分注意が必要です。 ![]() 市販の昆虫ゼリーが安く市販されています。 ゼリーのフタを開けて皿木にセットします。 産卵促進にバナナを与えても良いですが劣化が非常に早いので注意しましょう。クワガタに与えたゼリーがあまり減っていなくても、変色してきたら新しいゼリーと交換してください。 産卵用に高タンパクゼリー(黄色や白のゼリー)も販売されていますが、食いがあまりよくないことが多いので、補助用にしたほうがよさそうです。 ゼリーのフタを開けずにカッターでフタを十字に切って与えるとゼリーにマット等が付着せず、長持ちさせることができますが、中〜大型の♂ではうまくゼリーを食べることができない場合もありますので、ご注意ください。 ![]() ゼリーの蓋を剥がし、そのままカップごと皿木の穴に入れます。クワガタは通常皿木の下を住家にします。 劣化しやすいのが難点ですが、針葉樹のものは劣化しにくいです。 よく産卵するクワガタは劣化した皿木にも産卵することがあります。 ![]() クワガタの多くは朽ち木に産卵します。椎茸栽培で使用したクヌギ・コナラのホダ木が一般的です。クヌギ材の方が少し高価です。コナラ材はクヌギに比べ少し柔らかめです。芯が太いものは材割り時割りにくく、♀も材に浸入しにくくなるので、出来るだけ芯の小さいものを選びましょう。外国産のクワガタは大きめで柔らかめの材を好む傾向にあります。購入時は乾燥しているので半日加水して、陰干ししてからマットに埋め込み使用します。 材の硬さで使用するクワガタの種類を使い分けましょう。オオクワはやや硬め、コクワガタやヒラタクワガタなどはやや柔らかめのものがいいです。オウゴンオニクワガタやタランドスオオツヤクワガタなどは普通のクヌギやコナラのホダ木では産卵せず、少々高価ですが、霊芝材という材で産卵します。 ![]() オオクワガタに最も適した飼育法です。 菌種により適温が違うので、特に低温飼育が出来ない方は購入前に確認したほうがよいでしょう。メタリフェルなど菌糸ビン飼育に向かない種類もあります。 ヒラタクワガタの仲間では乾燥に弱いので、オオクワガタ専用の乾燥した菌糸ビンには向いていないので、注意が必要です。 ![]() 幼虫飼育に使うマットはクヌギやコナラなどのオガコを発酵させたマットを使用します。あらかじめ、発酵されているものも販売されています。 安価な未発酵のマットに小麦粉などの添加剤で発酵させて添加発酵マットを作成することもできます。 ![]() 幼虫飼育に使うビンです。サイズも各種販売されています。 コクワガタなどの小型のクワガタでは、インスタントコーヒーのビンが適しています。 コバエが浸入しないようにタイベスト紙を蓋とビンの間に挟むとよいでしょう。 その他、プラケースなどでまとめて飼育することも可能です。しかし、個体数が多くなるに従い、死亡率も高くなります。 ![]() マットをビンに詰める時に使います。木製のものが軽くて一番使いやすいです。 かなりの労力になりますので木製のものをお勧めします。 |
飼育温度 | |||
飼育温度は夏場は上がり過ぎないようにする必要がありますが、冬場は国産であれば温度管理しなくても越冬します。 ミヤマクワガタなど山地性のクワガタは暑さに大変弱いので、夏場でも22℃〜25℃くらいで温度管理し、なるべく25℃を超えないようにするとよいでしょう。 初心者に最適なクワガタにミヤマクワガタを紹介していないのはこの温度管理があるためで、飼育そのものは容易です。 他、コクワガタやヒラタクワガタなど低地にも生息するものでは22℃〜28℃までで飼育・繁殖が可能です。30℃を超えると一時的には耐えてくれますが、長時間さらしますと暑さのために死んでしまいますので、ご注意ください。 更に室温では28℃だったとしても、ケースのフタの通気が悪く蒸れている場合、ケース内の温度は軽く30℃を超えてしまいますので、注意が必要です。 エアコンを使用して、年間を通じて温度管理する方法が一番安全かつ確実な方法です。電気代は掛かりますが・・・。 管理人では、夏場は30℃を越えない程度に、冬場は18℃を下回らない程度に管理することで少しでも電気代が掛からないようにしています。 温室を使用されている場合、市販のバイメタル式サーモ内臓のヒーターは非常に精度が悪いので、お勧めできません。 |
ペアリング | |||
だいたい気温が上昇する6〜7月頃が一番産卵しやすいです。 ペアリングはまず♂をペアリング用ケースにセットします。ペアリングケースはマットを3,4cm程度敷き、皿木や止まり木などで隠れ家を作ってやります。1週間ほどして♂がその環境に慣れたら、♀を入れます。3日位したら♀を取り出し、産卵用ケースに移します。特に気が荒い種類ほど♀が殺されてしまう確率が高くなるので気を付けましょう。 特にヒラタクワガタの仲間やトカラノコギリクワガタなどの南西諸島のノコギリクワガタは大変気が荒いので、ペアリング期間は出来るだけ短くしたほうがいいでしょう。 ただし、♀殺しがほとんど無い種類は産卵用ケースでペアで飼育するだけでよいです。国産のオオクワガタやノコギリクワガタ、コクワガタ、外国産ではメタリフェルホソアカクワガタ、ニジイロクワガタ、パプアキンイロクワガタなどはほとんど♀殺しはありません。ただし、オオクワガタは産後の♀が栄養補給に動物性タンパク質を摂取する性質がありますので、♂を襲うことがあり、産卵を始めたら♂は取り出しておいたほうがいいでしょう。 |
材の加水 | |||
バケツやプラケースなどに水を入れ、材を入れて半日ほど加水します。材は軽い為、浮いてしまうので蓋をして浮くのを防ぐとよいでしょう。 半日経ったらマイナスドライバーなどで材の樹皮を剥がします。(♀の体力の消耗を防ぐ効果があります) 半日以上陰干しをして、産卵材として使用します。加水後はカビが生えやすいですが、特に問題はありません。 材によって堅さが異なるので複数加水して、その中から一番適したものを選ぶと良いでしょう。 初心者向きではないオウゴンオニクワガタなどは通常のホダ木には産卵しませんが、霊芝材を使用すると産卵させることができます。 |
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![]() 加水 浮いてしまう場合ので、蓋をします。プラケースでおこなうと簡単です。 |
![]() 樹皮を剥ぐ 樹皮を剥がなくても♀が剥ぐことになりますので、産卵させることは可能ですが、綺麗に樹皮を剥ぐと♀もすぐに産卵することができ、体力の消耗も防ぐことにもなる。 |
小麦粉発酵マットの作成法 | |||
焦げ茶色になるまで発酵させることが常識になっていますが、うちでは発酵の浅いものでも好結果を得ています。添加剤は薄力小麦粉、フスマなどが一般的です。 作成時、コバエに侵入されないよう、保湿シートなどを挟んでください。一度侵入されて卵を産まれると線虫とよく似たコバエの幼虫が大量発生してマットが著しく劣化して使用不能になってしまいます。 | |||||||||||||||||
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![]() 肌色が茶色になったら使用可能 大プラケースでガラスビン(ハチミツ1000)8個分あります。 |
![]() ビンやブロー容器に固く詰めて使用する できるだけ固く詰めます。 マットを詰める時は市販の木製ハンドプレスが最も使い易い。 |
産卵ケースのセット | |||
オオクワガタなどの大型のクワガタであれば大プラケースか特大プラケース、コクワガタやゼブラノコギリクワガタといった小型のクワガタであれば中プラケースで十分です。 マット産みの場合、ケース下部5cm程固めにマットを詰め、その上に材を置き、更にマットをケース7分目まで入れて材を半分以上あるいは完全に埋めてしまうといいようです。クワガタ幼虫飼育に使った微粒子になったマットを使っても良い結果が得られました。 ただし、メタリフェルホソアカクワガタの場合、マットにばら蒔くように産むので特に固める必要はありません。 材とマットの両方に産む種類に使う材は太く、やや柔らかめのものが適しています。 ノコギリクワガタやミヤマクワガタは黒土を使用することで好結果が得られます。ただし、ミヤマクワガタは暑さに弱いため、高温にならないように温度管理が必要です。 |
材割り | |||
マット産みの場合、ケース下部や側面から卵が見える場合があるので注意して観察します。 1ヶ月程経ったら材割りをおこないます。マイナスドライバーなどで材を割ります。もし、堅くてとても割れそうになかったらもう少し待って幼虫にある程度材を食べさせ割りやすくなってからおこないます。 幼虫は大変傷付き易いので、くれぐれもマイナスドライバーなどで傷つけることがないように、少しずつ慎重に割っていきましょう。 あまり日数が経過しすぎると2齢幼虫になってしまい大型作出には不利になってしまいます。 しかし、菌糸ビン飼育の場合、あまり早すぎると菌に巻かれて死亡する率が高くなります。 卵が出た場合はプリンカップで人工孵化させます。 1齢幼虫が採れたら菌糸ビンか発酵マットを詰めたビンにセットします。 |
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![]() 割り出し時の1齢幼虫(サキシマヒラタ) 材を割る時、マイナスドライバーなどで幼虫を潰さないよう注意。 |
![]() 割り出し時の2齢幼虫(ダイオウヒラタ) 2齢幼虫になってからの飼育では大型作出には不利である。 |
人工孵化 | |||
プリンカップに発酵マットを固く詰め、箸で穴を開け、卵を落として埋め戻します。カップ側面にセットすると孵化が確認でき、便利です。 孵化して頭部が色付いたらマット飼育の場合、即ビンに投入します。菌糸ビンの場合、菌糸に巻かれて死亡する場合があるので、ある程度マットを食べさせ、1齢幼虫中期くらいで入れたほうが安全です。 |
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![]() プリンカップにセットした卵(ダイオウヒラタ) |
![]() プリンカップで孵化した幼虫(ダイオウヒラタ) |
幼虫飼育 | |||
プラスドライバーなどでマットに穴を開けてやり、幼虫を落とします。 蓋とビンの間にタイベスト紙を挟んでコバエの侵入を防ぎます。菌糸ビンの場合、発酵マットより大きな通気穴が必要です。 幼虫の食べる量を食痕で判断して多く見られるようになったらマット交換をします。1齢幼虫で大体3ヶ月、以後2ヶ月にもう一度交換、大型種は更に2Lビンまたはプラケースなどサイズを大きくしてマット交換します。 菌糸ビンの場合、使用しているキノコ菌の種類によっては高温に非常に弱いものがあるので、低温管理ができない場合、高温に比較的強いものを探すしかないでしょう。 菌糸ビン飼育でなかなか食跡が見られない場合、心配になりますが、これは居食いといってビン中心に空間を造り、バクテリア等最適な環境に整えてゆっくり菌床を食している場合が多く、大型になる可能性も高いので、そのまま幼虫が確認できるまでそっとしておくといいでしょう。 |
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![]() 菌糸ビン使用例(オオクワガタ) 菌糸ビンの場合、特に食痕が分かりやすい。 |
![]() 中プラケースでのマット飼育(ギラファノコギリクワガタ) 大型種では2Lビンやプラケースでの飼育が望ましい。 |
蛹化 | |||
ガラス面に蛹室を造ることが多いので、蛹を確認したらビンをあまり動かさずそっとしておきましょう。蛹は強い衝撃に弱く、死亡することがあるので注意が必要です。 だいたい一ヶ月で羽化します。 菌糸ビンの底で蛹室を造り、水が溜まっている場合は羽化不全の危険があるので、ビンを逆さにするか、蛹を注意して取り出し、人工蛹室を作ってやるとよいでしょう。 ただし、蛹化直後の蛹は特に衝撃に弱いので最低でも蛹化後一週間はそっとして置きましょう。 |
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![]() 蛹化の様子(サバゲノコギリクワガタ) |
![]() 蛹化したての蛹(メタリフェルホソアカクワガタ) 蛹化したばかりの蛹は半透明で、衝撃に特に弱い。 |
人工蛹室の作成 | |||
トラブル又は観察の為、蛹を取り出した場合は人工蛹室で管理する必要があります。 蛹室が崩れていなければそのまま露天掘りの状態で羽化させることも可能です。 人工蛹室はミニコンテナなどに黒土などで使用する個体の蛹室の大きさと同じ位の蛹室を固めに作ります。 蛹をセットしたら保湿シートを挟み、蓋をして乾燥を防ぎましょう。 とにかく蛹はデリケートなので傷付け無いよう慎重に取り扱います。 一度作った人工蛹室は何度でも使えるので重宝します。 再利用する時、長く放置していた場合、ヒビ割れしていることがあるので、ラップなどを蓋に挟んで乾燥しないようにする必要があります。 |
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![]() 菌糸ビン飼育で蛹室内にキノコが生えてしまうことがある 羽化する前に速やかに人工蛹室に移しましょう (サキシマヒラタクワガタ) |
![]() 人工蛹室にセットした蛹(トカラノコギリクワガタ) |
羽化 | |||
蛹化して一ヶ月程経つと羽化します。 羽化後、活動を開始するまでそのままにして置くのが最も良いが、2週間程経てば取り出しても問題ありません。 ただし、あまりいじくり回さず活動開始するまでそっとしておきましょう。 しかし、ギラファノコギリクワガタの大型の♂の場合、体が大きい分、成熟するまで時間が掛かるため、早くに取り出してしまうと後食までに死亡してしまう可能性が非常に高いので、1ヶ月は待ちましょう。 羽化直後から数日の個体は柔らかいのでくれぐれも触らないようにしましょう。 国産ノコギリクワガタの場合、必ず羽化後1年間休眠するので、厚めに敷いたマットに埋めて出てくるまで1年間待ちます。あまりいじり過ぎると休眠できずに死んでしまいます。 トカラノコギリクワガタの場合、WF1の新成虫において、温度管理していても8月までに羽化したものと8月以降に羽化したもので、前者は羽化後約2ヶ月で活動開始、後者はそのまま休眠に入ってしまいました。(ただしF2個体ではバラつきました)休眠はマットが適当に湿っていればそのままほっとくだけでよいです。ただ、バラツキもあると思うので一応ゼリーはセットして様子を見ましょう。 |
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![]() 羽化中のトカラノコギリクワガタ |
![]() 羽化直後のヒラタクワガタ まだ色も浅く、柔らかい。この時点ではまだ前翅は柔らかいので、決して触ってはいけない。 |
新成虫 | |||
ノコギリクワガタやミヤマクワガタはそのまま翌年の夏まで休眠しますので、ケースにマットを厚めに入れて、マット内で眠らせます。 羽化後、活動するようになったら、ミニコンテナなどで1匹ずつ管理します。 事故の少ない種類は複数で飼育します。 メタリフェル、ニジイロ、パプアキンイロは多頭飼育しても問題ありません。 種類によって後食を開始してから♀が成熟するまで時間が掛かるものがあるので、ペアリングさせる場合時期を調節しましょう。 オオクワガタでは羽化した翌年の暖かくなる5月〜7月頃が産卵に最も適しています。 |
放虫について | |||
逃がして問題のないクワガタは地元で採れたクワガタだけです。 離島産のクワガタ、例えばサキシマヒラタクワガタも絶対に逃がしてはいけないクワガタです。もちろん逃がせばヒラタクワガタと交雑してしまいます。 無論、交雑する可能性の無いクワガタでも、大抵強いものが多いため、国産クワガタが追いやられて絶滅してしまう危険があることに変わりはありません。 野外で発見された外国産クワガタの数は多いですが、意図的に放虫するような悪質で非常識な方がそんなにいると思いますか? 意図的でないものが大部分ではないでしょうか? そこで皆様に是非、以下のことを実行していただくようお願いいたします。 この危険を回避するために、採卵した後のマットや材はそのまま捨てずにまだ幼虫が出てこないかケースに集めてフタを閉めて、そのまま数ヶ月間保管しておいてください。数ヶ月もすれば大きく成長した幼虫が容易に見つかるはずです。 或いは産卵に使用したマットなどをカブトムシの幼虫のエサにするというのも良い方法で、管理人は状況により使い分けています。是非お試しください。 自分の採集したクワガタが、名前もないただの雑種だったらこれほどつまらないものはないでしょう。 このような悲劇が起こる前に、虫を買い与える親御様も含め、クワガタ飼育に関係するすべての方々がこの危険を自覚する必要があります。 |