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サキシマヒラタクワガタ
学名:Dorcus titanus sakishimanus

サキシマヒラタクワガタ♂74mm(石垣島産)
(2003.4.26)
Data
和名 サキシマヒラタクワガタ
体長 ♂:28〜79mm(飼育下では84mm)
♀:25〜39mm
分布 八重山諸島(石垣島・西表島・竹富島・波照間島・与那国島)
出現期 5〜9月
アカメガシワなどの樹液
寿命 2〜3年
飼育  産卵
材・マットに産卵する。
材は太くやや柔らかめの材が適している。マットに産卵した場合、ケース側面などから卵が観察できることがある。

 幼虫
通常の発酵マットで良い。
マット飼育で十分大型になるが、ギネス級の大型作出には菌糸ビン飼育のほうが有利と思われる。

 成虫飼育
やや気が荒いので、数日のペアリング後、♀単独飼育で産卵させると良い。
飼育難易度 簡単 ★☆☆☆☆ 困難
 マットにも材にも多数産卵する。
♀殺しもあまりない。
解説 大型になる国産のヒラタクワガタの仲間。
日本のヒラタの中では最も安く出回っている。日本のヒラタではツシマヒラタと同じく大型になり大顎も太く人気がある。
国産のヒラタの中でも特に立派だが採集・飼育とも容易なので大変安価で入手し易い。通常出回っているのは、ほとんど石垣島産のものである。
会社仲間に羽化した1ペアのみいただいて飼育したが、強い繁殖力で毎年大量に繁殖している。
飼育を止めようとほっといたこともあったが、そのケースから小型化した新成虫ペアが羽化してしまうほどであった。
本種は飼育が容易な上に大型個体も出易く、マット飼育でオオクワの70mmオーバーを出すことは困難だが、本種ではさほど難しくない。入門種としても最適である。
飼育下では最近84mmの超特大も出ている模様。
国産ヒラタクワガタ(titanus属)には下記の全12亜種がいる。
和名/学名 分布
ヒラタクワガタ
D.titanus pilifer
本州(山形県以南),伊豆諸島(大島,利島,新島,式根島,神津島,三宅島),隠岐,四国,九州,甑島列島,熊毛諸島(竹島,硫黄島,黒島),種子島,屋久島,馬毛島,口永良部島
ツシマヒラタクワガタ
D.titanus castanicolor
対馬
ダイトウヒラタクワガタ
D.titanus daitoensis
大東諸島
アマミヒラタクワガタ
D.titanus elegans
奄美大島,加計呂麻島,与路島,請島,喜界島?
ハチジョウヒラタクワガタ
D.titanus hachijoensis
伊豆諸島(八丈島)
ゴトウヒラタクワガタ
D.titanus karasuyamai
五島列島
オキナワヒラタクワガタ
D.titanus okinawanus
沖縄諸島
オキノエラブヒラタクワガタ
D.titanus okinoerabuensis
沖永良部島
サキシマヒラタクワガタ
D.titanus sakishimanus
八重山諸島
タカラヒラタクワガタ
D.titanus takaraensis
トカラ列島(宝島)
イキヒラタクワガタ
D.titanus tatsutai
壱岐
トクノシマヒラタクワガタ
D.titanus tokunoshimaensis
徳之島,与路島,請島
 
関連リンク  サキシマヒラタ飼育記
 サキシマヒラタ写真集
PHOTO

♂74mm(石垣島産)
70mmオーバーの大型個体だが、マット飼育で羽化した個体である。

♂69mm(石垣島産)
大アゴが太く、内歯も前方に向いて出る。

♂65mm(西表島産/WF1)
西表島自己採集のボロ♀から産卵させた5匹中唯一の♂。残りは♀であった。
(2007.5.12)

♂61mm(石垣島産)
大アゴは立体的で迫力がある。

♂58.5mm(石垣島産)
中型の個体。

♂39mm(石垣島産)
小型個体では、大アゴの内歯もほとんど消失してしまい、同種とは思えないほど変異する。
大型・中型個体では前胸背板と頭部に点刻が密にあったが、小型では点刻が消失し、光沢が出る。

♀41mm(石垣島産)
新成虫は光沢が強い。
写真の♀は羽化後日が浅いため、やや赤っぽい。

倒木上の♀35.5mm
日中、西表島の森林内で産卵中と思われる♀が倒木上をノロノロと歩いていた。後にこの♀から5頭の幼虫が得られた。
(2006.6.28 西表島)

新成虫の♀38mm(西表島産/WF1)@
ピカピカの新成虫はとても綺麗。
(2006.12.22)

新成虫の♀38mm(西表島産/WF1)A
(2006.12.22)

新成虫の♀38mm(西表島産/WF1)B
(2006.12.22)

卵の1齢幼虫(石垣島産)
卵は黄色っぽい。

1齢幼虫(石垣島産)
柔らかく湿っぽい材を好む。

2齢初期幼虫(西表島産)
天然物のためか産卵数は非常に少なく4頭しか採れなかった。
(2006.8.17)

2齢中期幼虫(西表島産)
初期の幼虫の3倍ほどある。
ちなみに1齢と2齢幼虫の違いは体の大きさではなく、頭部の大きさで判別できる。
(2006.8.17)

3齢幼虫(18g)(西表島産)
より大型を目指し、中プラケースへ移動させた。
(2006.11.12)

3齢幼虫(石垣島産)
成長が早く、2ヶ月もすれば大きな3齢幼虫に育つ。

蛹(石垣島産)
特徴ある太い大アゴが確認できる。

♀の蛹(石垣島産)

蛹化した♀(西表島)
(2006.11.12)
 
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