ベリコサツヤクワガタ | |
学名:Odontolabis bellicosa | |
![]() ♂68mm(2023/11/23 東ジャワ産/WILD) |
Data | |
和名 | ベリコサツヤクワガタ 別名:ジャワオニツヤクワガタ |
体長 | ♂:52.7〜89.0mm ♀:50.0〜55.1mm |
分布 | ジャワ,バリ島 |
寿命 | 約半年? |
飼育 |
産卵 マット産み。発酵が進んで黒っぽくなったクワガタ用マットかカブトマットでもよい。 幼虫 産卵で使用したマットと同じもので飼育できる。幼虫期は1年ほど。 成虫飼育 ♀殺しや♀同士でも殺し合う可能性があるため、単独飼育したほうがよい。 |
飼育難易度 |
簡単 ★★★☆☆ 困難 カブトマットでも産卵するが、幼虫飼育はやや難あり。 |
解説 |
ジャワとバリ島に生息するツヤクワガタ。 全身黒色で短歯型と中歯型が多く、長歯型は稀。大アゴは直線的で長歯型では先端部と基部にのみ内歯がある。 頭部・前胸背板の光沢は鈍く、上翅は光沢が強い。 頭部外縁部と前胸背側縁に突起がある。 現地では500〜1000メートルに生息し、トゥトゥップやミカン類の樹液に集まる。 オニツヤクワガタ(Odontolabis siva)やダールマンツヤクワガタ(Odontolabis dalmanni)と酷似しており、ダールマンツヤクワガタの1亜種になる可能性がある。 飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。 |
飼育メモ |
2023年11月20日 ヤフオクで本種の売れ残り1ペアがまだ残っていたので飼育することにした。 特に思い入れのあるツヤクワガタでもないが、18年前に挑戦した種でカブトマットだけで少数だが羽化までは成功している。 大量に出てしまったツヤクワ系の使用済みマットを活用して金をかけずにブリードしたいというのが本音ではあるが、未だ慣れないツヤクワ飼育の修行の意味でも改めて挑戦してみたい。 続きを表示11月21日 11/23に届くことになったので、先に産卵用ケースをセットすることにした。 ケースはコバエシャッター大を使用し、マットはツヤクワ系の産卵に使用した使用済みマットを主体にカブト一番とUマットを少し混ぜたものを使用した。ただ、カブト一番は購入から1年程度経過したもので、購入当初から薄っすらと青カビが生えて質があまり良さそうではないものである。 生体が到着した。♂68mmと♀47mmのペア、インドネシア・東ジャワ・アルゴプーロ産、11/3通関の野外採集品とのこと。 コンディションは良好で♂は歩き回るため撮影し辛かった。 天然物なので交尾はさせず、♀だけで産卵用ケースに入れてみた。 産卵用ケースを確認してみたがまだ卵は見つからなかった。マットの状態は使用済みマットを使用している分、粘度も高く問題はなさそうなので特に変えずに産卵を待ってみることにした。 一向に産卵する気配がないため、交尾させることにした。♂を産卵用ケースに入れてしばらく待つとすんなりと交尾が始まり、1時間後にようやく交尾が完了した。 産卵用のマットもUマットを更に追加して再調整してみた。 マット上に明らかな隆起が見られ、モウホツヤクワガタなどで見られたような団子状の塊が複数あり、ようやく産卵し始めたようだ。 産卵確認のため、マット上から見える団子状のマットを崩してみたところ、3個の塊から1個ずつ卵が出てきた。 採卵はこの3個のみとし、430ccプリンカップで管理、♀は潜っていることが多くなっているので、これ以上は掘り返さずそっとしておくことにした。 産卵した1個が孵化した。2個は死滅してしまったようだ。 低温を好むホソクワガタ類やエレガンスセスジクワガタの飼育のため、17〜21℃付近で温度管理しているが、種親の♀は順調に産卵してしれているようだ。 プリンカップ内にコバエが大量に発生してしまったので、急遽マット交換をすることにした。500mlクリアボトルにNマットとUマットを半々でセットしてみた。 種親の♀はかなり弱ってきてそろそろ寿命のようだ。 種親は数週間ゼリーが手付かずな状態になっており、♀が既に死亡していたのでマットから卵と1齢幼虫を採取することにした。♂はまだ元気である。 結果、卵18個、1齢幼虫15頭だった。(他に2頭取り出し時に圧死)。マットには少しコバエが発生していたが、栄養価が低いこともあって数が少ないのでマット内にいるコバエの幼虫は可能な限り取り除いた上で、Uマットを少々混ぜたマットで飼育することにした。 正直、クワガタ飼育ではマット代が最も負担となっているので、飼育難易度が上がるが可能な限り使い回して節約したい。 卵は特大プリンカップにセット、1齢幼虫はマットのみ調整した上で産卵用ケースのまましばらく多頭飼育することにした。 かなり放置してしまったが、500mlクリアボトル内に大きく成長した3齢幼虫が見えたので、マット交換することにした。 産卵用ケースはマットがかなり劣化し、コバエも少し発生していた。幼虫は1齢の死骸が多数見られ、生きているものは2齢幼虫9頭だった。恐らく土化が進んでいたため、コバエすら大量に発生できない位の状況だったようだ。 プリンカップの卵は1齢幼虫6頭でこちらもマットが悪かったようで孵化後に死亡したものが多かった。 3齢幼虫は大型化を目指し、2300mlクリアボトルにUマットとNマットを約半々程度でセットした。 残りの幼虫はコバエシャッター大に残り僅かとなったUマットとNマットをすべて使ってUマット1割、Nマット5割、残りはXLマットを使用した。ただ、XLマットは安いが生存率では悪い印象。 NマットとUマット半々で1齢からかなり大きな3齢幼虫になっていたことから、この配分でほぼ確実に飼育は可能だということは分かるのだが、マット代やエアコン代を考えると金銭面で続けたいと思うような趣味ではなくなってきてしまっているのが現状である。 クリアボトルから蓋を齧る音がよく聞こえるようになったのと、コバエシャッター大で多頭飼育中の幼虫が過密になってきているように見えるので、マット交換をすることにした。 コバエシャッター大からは丸まると太った3齢幼虫が14頭確認でき、コバエシャッター大2個に7頭ずつ飼育することにした。 クリアボトルの幼虫は蓋を開けると大きなトンネル内にすぐに逃げ込み姿を見ることができなかったが、トンネルを壊してマット交換すると暴れ続けて死亡するといったことが他のツヤクワガタでよく見られたので、環境をなるべく変えないためトンネルの一部のマットを取ってUマットを混ぜたものを再び戻すのみとした。 体調不良等であまり活動できず飼育から離れてしまっていたが、夜ガサゴソと音がするので発生源を確認すると、3齢幼虫を飼育していた2300mlから♀の新成虫が自力ハッチしていた。体長は51mmと大型でまるでマルバネクワガタを思わせる立派な個体だった。 大型化を目指して個別飼育したのはこの1匹のみだったので♀だったのは残念だった。残りはすべて多頭飼育なので大型化は期待できないと思う。 取り出した♀は餌をやるとすぐに食べ初めた。 |
関連リンク | ベリコサツヤクワガタ飼育記 |