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カブトムシ
学名:Trypoxylus dichotoma septentrionalis

カブトムシの♂71mm(2008.8.10)
Data
和名 カブトムシ
体長 ♂30〜80mm
分布 北海道,本州,四国,九州
出現期 6〜8月
主にクヌギ,コナラの樹液
飼育  産卵
マット中に産卵。♀1匹で100個以上産むこともある。
外国産オオカブトのようにマットを固めてその中に1つずつ産み付けるようなことはせず、ばら撒くように産卵するので、マットが多少目が粗くても構わず産卵してくれる。
マットの湿度も湿ってさえいればよく、多少多湿になっても産卵して孵化できる。

 幼虫
幼虫期間は9〜10ヶ月。腐葉土や完熟したオガクズマットで成長する。
 成虫飼育
羽化後、活動開始したらすぐにペアリング&産卵が可能である。
♀単独で産卵させるのがよいが、中プラケースで1ペア飼育し、100個以上産卵したことがある。
飼育難易度 簡単 ★☆☆☆☆ 困難
 非常に簡単ではあるが、蛹室は縦に作るため、蛹化用にケース下部を微粒子マット(黒土でもよい)で固めに詰めないと羽化不全してしまうので、要注意。
解説 日本全土に分布する最も有名なカブトムシ。
夜行性でクヌギやコナラの樹液に集まる。
♂は発達した頭角があり、餌場に集まる他の虫をその角で投げ飛ばしたり、頭角と短い胸角で挟んで落とすことができる。外国産のカブトムシの仲間と比較しても、引けをとらないほど立派である。
その造形から子供達に大変人気がある。1999年の外国産カブトムシの輸入解禁に伴い、本種よりも大きな外国産カブトに人気が移ってしまい気味ではあるが、シンプル イズ ベストとも言える本種は根強い人気を維持している。
ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus)同様、体色は赤褐色から暗褐色まで変異がある。
 
本種とノコギリクワガタを飼育した子供達は、よくノコギリクワガタのほうが強いとよく聞くが、これは狭く足場が確保しにくい飼育ケース内の話であり、自然下では樹液を出しているしっかりとした幹が戦いの場であるので、本種の強力な脚力で踏ん張り投げ飛ばす戦法で有効に戦える為、大抵本種に軍配が上がる。
本種の飼育は大変容易で幼虫はクワガタ飼育に使ったマットや菌床などで大きく成長する。
幼虫は、自然の林内よりも、畑に使用する堆肥や、積み上げられて腐った畳などに局所的に大量に見つかる。
自然界では、朽ちた倒木の下や腐葉土内で見つかる。
本種の飼育は非常に簡単ではあるが、非常に繁殖力が強く、1匹で100個以上産卵することも多いので、多くの幼虫を飼育することになるとマット交換が追いつかないと栄養不足となり、羽化不全を起こしてしまうので注意が必要である。
 
近年、本種はサビイロカブト属(Allomyrina)に含まれていたが、近年、カブトムシ属(Trypoxylus)として独立したそうなので、虫ナビでも学名を修正した。
 
Trypoxylus属のカブトムシは以下の1種,7亜種がいる。
 
学名 和名 分布
T.dichotoma ssp. カブトムシ 中国,朝鮮
T.dichotoma septentrionalis カブトムシ 北海道,本州,四国,九州
T.dichotoma takarai オキナワカブト 沖縄
T.dichotoma inchachina クメジマカブト 久米島
T.dichotoma tsuchiyai ツチヤカブト 口永良部島
T.dichotoma tunobosonis ツノボソカブト 台湾
T.dichotoma dichomus (カブトムシ) 中国
T.dichotoma politus (カブトムシ) タイ
 一部図鑑に掲載されていない亜種についてWikipediaを参考にした。
関連リンク  カブトムシ飼育記
 カブトムシ写真集
 カブトムシ累代飼育マニュアル
PHOTO

夜間にクヌギの樹液に来た♂
飛来した♂が樹液付近でしばらくホバリングした後に止まって樹液を舐め始めた。
高い場所だった為、望遠マクロで撮影。
写真の上の蛾はシマカラスヨトウ
(2014.7.6 静岡県)

自宅の外灯に飛来した♂@
3日連続で飛来した。
(2013.8.14)

自宅の外灯に飛来した♂A
(2013.8.14)

♂71mm@
日中にペアで樹液に来ていたところを採集したもの。
(2008.8.10)

♂71mmA
(2008.8.10)

♂71mmB
(2008.8.10)

♂71mmC
(2008.8.10)

コナラの樹液に集まるペア
(2008.8.9)

飼育中の本種
(2008.8.9)

カブトムシ♂79mm
(2002.4.27)

クヌギから落ちてきた小型個体@
クヌギの高いところに樹液が出ており、カナブンやカブトムシが群がっていた。大型のカブトムシに投げ飛ばされてしまったようだ。
(2006.7.30)

クヌギから落ちてきた小型個体A
(2006.7.30)

クヌギから落ちてきた小型個体B
(2006.7.30)

クヌギから落ちてき小型個体C
(2006.7.30)

上から見たカブトムシの♂80mm
頭角は長く立派である。
(2005.8.15)

横から見たカブトムシの♂78mm
(2004.4.24)

前から見たカブトムシの♂80mm
頭角と胸角で敵を挟んで投げることができる。
(2005.8.15)

赤味の強いカブトムシの♂78mm
黒い個体も多いが、このように鮮やかな赤い体色をした個体も出現する。
(2004.5.5)

飛び立つ瞬間のカブトムシの♂78mm
カブトムシは体が重いので、一度高いところに登ってから飛び立つ。
(2004.5.5)

クヌギの樹液に来たカブトムシの♂80mm
主にクヌギの樹液に集まる。
夜行性だが、日中に採集できることも多い。
(2005.8.15)

自宅の外灯に飛来した♀
(2013.8.11)

赤味の強いカブトムシの♀45mm
♀は毛深い。♂ほどではないが、♀も赤っぽい個体が出現する。
(2003.9.7)

クヌギの樹液に来た♀50mm
(2005.8.15)

クヌギの樹液を吸う♀
(2007.8.11)

マットの塊りに産み付けられた卵
♀は後ろ脚でマットを固め、産卵管を伸ばしてその中に産み付ける。
(2008.8.10)

卵の拡大写真
産卵から比較的日が浅い卵。真っ白で細長い。
(2008.8.10)

卵@
カブトムシは非常に多産で1匹の♀が100個以上産むことも少なくない。
(2005.9.4)


卵A

1齢幼虫@
2年以上前に購入した古くて多湿気味なマットでもたくさんの幼虫が得られた。
(2008.8.21)


1齢幼虫A
(2008.8.21)


2齢幼虫
(2005.9.4)

3齢幼虫
非常に大きく成長し、3齢幼虫になるが、更に成熟すると黄色っぽくなり、蛹化する。
(2003.10.12)

蛹@
蛹室は縦に造るので、飼育ケース下部に黒土などを固めに詰めていないと羽化不全してしまうことが多い。
(2006.7.16)

蛹A
(2006.7.16)

蛹B
(2006.7.16)

蛹C
(2006.7.16)

♀の蛹@
(2006.7.16)


♀の蛹A
(2006.7.16)

♀の蛹B
(2006.7.16)
 
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