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ルデキンツヤクワガタ
学名:Odontolabis ludekingi

長歯型の♂73mm(2022/8/16 スマトラ産/WILD)
Data
和名 ルデキンツヤクワガタ
 別名:ルデキングツヤクワガタ
体長 ♂:42.0〜74.6mm
♀:39.5〜42.0mm
分布 スマトラ南部
ココヤシやコフネヤシの花の蜜など
 幼虫は発酵が進んだマットを食べる。
飼育難易度 簡単 ★★★☆☆ 困難
解説 スマトラに生息するツヤクワガタの一種。
ラコダールツヤクワガタなどのツヤクワガタに似るが、本種はやや小型で頭部に褐色紋がなく、上翅会合部のV字状の黒帯はラコダールよりはやや太い程度。
他種よりやや小さいとはいえ最大個体では74.6mmと大型の部類のツヤクワガタで長歯型は内歯の位置が中央から先端寄りまで個体差がある。
上翅の黄褐色部は鮮やかさはないが、細かな曲線状の斑紋があり美しい。
♀の上翅の黒帯は♂に比べ遥かに太い。

 
トップの写真は8月16日にネットオークションで落札した♂を撮影したもの。前回♀単品が安く出品されていたので産卵に挑戦してみたがまったく産卵していないため、改めてペアでリベンジすることにした。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ 2022年8月14日
ヤフオクでアリスト出品の大型のペアを落札した。
前回♀単品で購入したが、まったく産卵せず未だに生きているものの明らかに衰えてきたので、気が早いがリベンジすることにした。
もっともそれほど思い入れのある種ではない上、入荷量も非常に多く安価でブリードする必要性はあまり感じないが、ツヤクワ飼育をする上で本種についてもクリアしておきたいという思いがある。
恐らく前回の♀は野外で産卵を終えている個体に当たってしまった可能性もある。
産卵用ケースは前回同様コバエシャッター大を使用し、フォーテックのカブト1番を篩にかけて微粒子にしたものとUマットとNマット、ツヤクワの産卵用や幼虫飼育に使用した使用済みマットを主体に、菌糸ビンの使用済みの菌糸カスと赤枯れマットも少し混ぜたもので作成した。

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8月16日
大型のペアが到着した。♂73mm・♀43mm、インドネシア・スマトラ島・ベンクール産の野外採集品とのこと。
♂に白色の小さなダニがかなり付いていたのである程度歯ブラシで落とした。
撮影後、♀はあらかじめ用意しておいた産卵用ケースに入れて産卵を待つことにした。
♂は試しに5/26に購入したもののまったく産卵しない♀の産卵用ケースに入れて同居させることにした。
 
8月17日
日中、ゴトンゴトンという大きな音に驚いて、ただ事ではないと音のするほうを見ると昨日同居させたほうの産卵用ケースで♂がものすごい勢いで♀を追い掛けて挟もうとしているところだった。
幸い♀は逃げ回って無傷だった。♂はプラケース小で単独で飼育することにした。少しでも発見が遅れていたら手遅れになるところだった。
5/26に買ったもののまったく産まない♀で、上翅の黄色部が部分的に黒ずんで老いを感じるもののまだ元気なのでマットを再セットしてみた。マット自体は雑虫の発生もなく粘度のある産卵にはかなり適していると思うのだがまったく産まないので恐らく卵は持っていないのではないかと思っているが、1日の同居により♂と交尾した可能性もあり少しでも卵を産卵してくれればと思っている。
 
9月6日
既に古い♀は死亡、現在の♀は元気だがまったく産む気配がないため、マットが合わないと判断し、マットを変更して再セットすることにした。
スティーブンスアルケスなどのツヤクワガタでは産卵するマットだったと思うが、本種には適さないようで、ストリアータケファロテスが好むマットにした。
マットの内容はアマミマルバネ用に作成したもののコバエに進入されて劣化した赤枯れ主体の発酵マットを日光消毒したものにオオチャイロハナムグリの幼虫飼育の使用済みマットやNマットを混ぜたものを使用した。
一度劣化したことにより粘度が高いマットになっており、団子が作りやすいので産卵に期待したい。
 
9月8日
セット後、♀は長時間ゼリーを食べていたが、朝確認したところ、相変わらずマットに潜らず樹皮の裏で休んでいたが、そばに1個の卵を発見した。
偶発的に得られはしたもののまだマットが気に入らないようなのでマット上層部に自己採取した土を更に混ぜて加水して様子を見ることにした。
 
9月9日
夜、マット上で頭部だけ出しているのでまた休んでいると思いきや、ケース側面から見ると大きな円形を描いており、その団子に止まっている状態だった。ポコポコ産むアルケススティーブンスなどとは違い、ブルークのように大きな円形を描いてできた団子の中に1個ずつ丁寧に産み付ける習性かもしれない。
 
9月10日
9/8に得られた卵が萎みだした。無精卵の可能性があるため、危険ではあるが♂を産卵用ケースに入れてペアリングさせることにした。
夜、早速餌場で交尾しているところを確認できた。発見後、1時間後にようやく交尾器を抜いたのですぐに♀から♂を引き離し、無事に交尾を完了することができた。今後の産卵に期待したい。
 
9月23日
再セットから2週間経過したので、産卵確認をすることにした。
今回、♀はマット深くには潜ってはいないが、上層部付近を潜ったり出てきたりを繰り返している様子だったので自信はあった。
結果はマットの表面に3個あり、マットの上層付近を中心に卵が見つかり、合計24個の卵を得ることができた。
得られた卵は430ccのプリンカップ4個に6個ずつセットした。マットは既存のマットを主体にNマットを混ぜたものを使用した。
マットは自己採取した土を混ぜたことにより大きめの線虫が目立ったので可能な限り取り除いた。産卵用ケースのマットの深さはあまり重要ではないと判断し、マットの質が変わらないようNマットを少量混ぜる程度にしてケースの5分目程度の深さでセットした。
ツヤクワガタの産卵数は多いので恐らくこれでも産み始めだと思うので今後多数の産卵が期待できそうだ。
 
9月29日
卵が1個孵化した。夜にまた1個が孵化した。
 
10月11日
種親の♂が死亡した。餌切れはさせていないので寿命と思われる。
産卵用ケースのゼリーを交換しようと蓋を開けるとマット上に直に卵が3つあった。120ccのプリンカップで管理しようと産卵用ケースのマットを取ると更に卵が出てきて合計6個をプリンカップにセットした。
産卵密度が高く、非常に多くの卵を産卵したようなので、週末に採卵したい。
 
10月15日
プリンカップで管理している孵化した1齢幼虫を単独飼育に移行することにした。
3個の430ccのプリンカップ4個に25個の卵を管理していたもので、得られた1齢幼虫は23頭で孵化率は92%と非常に高かった。
幼虫は500mlクリアボトルで単独飼育、マットはツヤクワガタの幼虫飼育に使用したマットを主体にUマットとNマットを少し混ぜたものを使用した。
産卵用ケースも採卵したところ、卵27個、1齢幼虫8頭が得られた。卵はマットの上層部に集中しており、またマット上に産んだ卵も1個あった。
当初産卵させるのが難しかったが、一旦産卵モードに入るとどんどん産み続けるようだ。
卵は3個の特大プリンカップに9個ずつ、1齢幼虫は500mlクリアボトルで単独飼育とした。
産卵用マットにNマット・Uマット・クロシマノコギリクワガタの産卵用に使用した土化したマットで補充した上で、卵・幼虫用にも使用した。
 
10月22日
種親の♀が死亡していた。ゼリーも手付かずだったので死んで数日は経過しているようだ。
潜った形跡すらなく、卵も見つからなかった。既に66個の産卵を確認しているのでこれ以上産まれても捌ける自信もないので正直なところほっとしている。
 
11月5日
10/15に採卵して孵化した幼虫を単独飼育に切り替えることにした。
3個の特大プリンカップに9個ずつセットしたものだが、孵化率は高く、9頭、8頭、8頭の合計25頭の幼虫が得られた。
マットはツヤクワガタ使用済みのマットを主体にしたが、プリンカップ毎に多少変化させ、カブト1番・Uマット・ノコギリ幼虫使用済みマットの3種類をそれぞれ混ぜてみた。
初回採卵した個体について、2齢幼虫になっているか確認したところ、最初の2頭が死滅しており、2頭は1齢幼虫、5頭目が2齢幼虫となっていた。何故死滅したのか分からないが、スペースの都合上、天井すれすれの位置に置いているため、高温気味になっている可能性があり、高温に弱いのかもしれない。
念のため、確認した2齢幼虫については1500mlクリアボトルに既存のマットのみでセットし、別の場所で飼育することにした。
 
12月3日
500mlクリアボトルで飼育中の内、14頭についてクリアボトルのサイズアップをすることにした。
14頭中8頭が2齢幼虫、2頭が3齢幼虫、4頭は死滅していた。マットは非常に小さいタイプのコバエが発生していたのでマット全交換することにして、1500mlクリアボトルにセット、比較的大きめの3齢幼虫1頭については2300mlクリアボトルにセットした。
マットはクロシマノコギリクワガタの産卵用に使用したマットやツヤクワガタ幼虫使用済みマット、Uマット、Nマットを混ぜたものを使用した。
 
2023年2月12日
1500mlクリアボトルのうち2本にコバエの幼虫が発生してしまっていたのでマット交換することにした。どちらも去年の12/3に2齢幼虫でセットしたものだが3齢幼虫になっており順調に大きくなっていた。
どちらも薄っすらと線状の♀斑のようなものが見えたので♀と判断しマット全交換のみ行い1500mlクリアボトルのままで飼育続行することにした。
マット全交換になるので拒絶されないようツヤクワガタの幼虫飼育済みのマットに少量Uマットを混ぜたものでセットした。
 
3月4日
今日は9本のマット交換をすることにした。前回2齢で今回は3回目のマット交換になり、7頭3齢幼虫、1頭は大きなトンネルが目立ちマットの塊があるのみで幼虫の姿が見えないので繭玉を作成した可能性がある。
そのまま様子を見ることにした。
残り1頭は2齢のままマットに馴染めず早いうちに死滅していたようだ。
7頭中1頭は比較的大型なので長歯型を目指し、3200mlクリアボトルにセットした今回はXLマットクワガタ用を混ぜてみることにした。
次に大きめの幼虫2頭は2300mlクリアボトルに、残り4頭はマット交換のみとした。
 
3月26日
マット交換しようとしたら既に繭玉になっているようだった。
 
5月6日
3/26に確認した繭玉を開けてみることにした。蛹を期待していたが既に新成虫になっていた。♀で42.5mm、上翅の黄褐色部は色味がなく暗い色をしていた。今後明るくなっていくのか確認したい。
 
6月29日
かなり前から繭玉を作成していたボトル1本について繭玉を開けてみたところ♀の蛹が出てきた。5/6に取り出した♀は異常に早かっただけのようだ。
 
7月15日
まだ幼虫の個体も多いようなので確認を兼ねて一部をマット交換したところ、1匹繭玉を作成しており、割ってみると♀の成虫が出てきた。
3齢で死亡している個体が複数見られ、元気な個体はNマットを補充する程度にした。死因は不明だがマットの劣化による栄養不足かもしれない。
個体によって成長にかなりバラつきがあるのが気になる。
 
7月20日
6/29に確認した♀が成虫になっていた。まだ色が浅いので恐らく昨晩羽化したと思われる。
PHOTO

長歯型の♂73mm@
(2022/8/16 スマトラ産/WILD)

長歯型の♂73mmA
(2022/8/16 スマトラ産/WILD)

♀43.2mm(No.55)@
(2023/7/15 スマトラ産/WF1)

♀43.2mm(No.55)A
(2023/7/15 スマトラ産/WF1)

種親の♀43mm
(2022/8/16 スマトラ産/WILD)

♀42mm@
(2022/5/26 スマトラ産/WILD)

♀42mmA
(2022/5/26 スマトラ産/WILD)

産卵用ケース@
まったく産まなかった。
(2022/8/16 スマトラ産/WILD)

産卵用ケースA
赤枯れ主体に変更。
(2022/9/6 スマトラ産/WILD)

卵@
この卵は孵化しなかった。
(2022/9/8 スマトラ産/WF1)

卵A
(2022/9/8 スマトラ産/WF1)

卵B
(2022/9/23 スマトラ産/WF1)

卵C
(2022/9/23 スマトラ産/WF1)

プリンカップ内で孵化した1齢幼虫
(2022/9/29 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫@
(2022/10/15 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫A
(2022/10/15 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫@
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫A
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫B
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

2齢幼虫@
(2022/12/3 スマトラ産/WF1)

2齢幼虫A
(2022/12/3 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫@
(2022/12/3 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫A
(2022/12/3 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫B
(2022/12/3 スマトラ産/WF1)

3齢幼虫@
(2023/2/12 スマトラ産/WF1)

3齢幼虫A
(2023/2/12 スマトラ産/WF1)

3齢幼虫B
(2023/3/4 スマトラ産/WF1)

3齢幼虫C
(2023/3/4 スマトラ産/WF1)

3齢幼虫D
(2023/3/4 スマトラ産/WF1)

繭玉内の♀
(2023/5/6 スマトラ産/WF1)

繭玉から取り出した新成虫♀42.5mm(No.17)@
(2023/5/6 スマトラ産/WF1)

繭玉から取り出した新成虫♀42.5mm(No.17)A
(2023/5/6 スマトラ産/WF1)

繭玉から取り出した新成虫♀42.5mm(No.17)B
(2023/5/6 スマトラ産/WF1)

繭玉の♀の蛹(No.62)
(2023/6/29 スマトラ産/WF1)

繭玉から取り出した新成虫♀43.2mm(No.55)@
(2023/7/15 スマトラ産/WF1)

♀が入っていた繭玉
(2023/7/15 スマトラ産/WF1)

羽化直後の♀(No.62)
(2023/7/20 スマトラ産/WF1)
 
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