ホーム > コウチュウ目 > コガネムシ科 > ハナムグリ亜科
 
オオチャイロハナムグリ
学名:Osmoderma opicum

♂の成虫(2023.3.14 静岡県産/WF2)
Data
和名 オオチャイロハナムグリ
体長 26.3〜36.1mm
分布 本州,宮島,四国,九州,馬渡島,平戸島,屋久島
出現期 7〜9月
ミズナラなどの樹液やイワガラミの花の蜜を食べることもあるが稀
 幼虫は広葉樹や針葉樹のフレークを食べる。
解説 国内最大の大型ハナムグリ。
体色は艶のある黒褐色で、やや平たい体型をしている。
♂の前胸背に1対の明瞭な縦隆起がある。
成虫は強い芳香があるという。
樹木の洞内に棲息しているが、珍品。
国内に生息するオオチャイロハナムグリ属(Osmoderma)は本種のみ。
 
写真は1月20日にネットオークションで購入した3齢幼虫を撮影したもの。最近は在宅勤務で時間的に余裕が出てきたので飼育種を増やしており、ハナムグリの仲間も採集で得難い国産種については殖やしていきたい。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ 2022年1月16日
2〜3齢幼虫10頭を落札した。
国産ハナムグリとしては最大であることや、マルバネクワガタのようなマットを好むようなので、飼育してみることにした。正直10頭もいらなかったが、流通量も少ないようで1件しか出品していなかったため落札に踏み切った。
飼育用のマットは以下のレシピで混合したもので、コバエシャッター中で飼育する予定。
アマミマルバネクワガタ用赤枯れ主体マット4割
ヤエヤママルバネクワガタ産卵使用済みマット3割
・Uマット3割

続きを表示
1月20日
夜、幼虫が到着した。1頭オマケしていただいたようで11頭だった。
早速、予定通りマットを作成してコバエシャッター中に11頭入れた。出品者からアドバイスも書かれていただいており、やや乾燥気味の完熟マットが良いとの事だった。経験者によるアドバイスは大変ありがたい。ただ読む前にマットを作成してしまったが、マルバネクワガタ類と同様の水分量としたがツヤクワガタ類のような多湿ではないのと、頂いたプリンカップのマットも一緒に入れたので問題はないと思う。
低温飼育されていたとのことで、加温する場合はゆるやかにとのアドバイスも頂き、比較的低温の天袋に設置することにした。
 
3月6日
幼虫は非常に元気でケース側面からもよく確認できている。やや過密だと思うので、ケースをコバエシャッターの中から大に変更することにした。
マットは糞が目立っていたので、篩にかけて糞を取り除いた既存のマット3割、カブト1番4割、Nマット2割、カブト1番をツヤクワの産卵用に篩にかけた後の粗いマット1割を混ぜたものを使用した。
 
8月15日
コバエが大量発生していたため、マットの全交換をすることにした。
出てきた幼虫は9頭だった。1頭は死骸で見つかったが残り1頭は死骸も見つからなかった。
9頭は前回のマット交換時より更に大きく成長して、色彩もクリーム色となり成熟していた。
マットはヤエヤママルバネクワガタとツヤクワの幼虫飼育に使用したマットを主体にUマットを混ぜたものを使用した。
 
10月10日
マット上で1頭死んでいたので、心配になりマット中を探してみたところようやく1頭見つかったので、念のためこの1頭は800mlクリアボトルで自己採取の土を半分混ぜたもので飼育することにした。
 
11月7日
かなりの長期間ケースの外から幼虫が見えない状態が続いており、マットが合わなかった場合、最悪全滅しているのではと不安になったため、マットを掘り起こしたところ、かなり大きめの繭玉が出てきた。カバイロハナムグリの繭玉より遥かに大きくて驚いた。マットを掘り起こす際に小さめの繭玉を割ってしまい少し皺が寄った前蛹と思われる幼虫も見えてしまったので埋め戻した。
繭玉を割ってしまった1頭は犠牲になってしまう可能性があるが、マットが合わずに全滅という最悪の事態にはなっていなかったので安心した。
2022年9月29日からヤフオクのガイドライン改訂により残念ながら本種についても出品が禁止されてしまったため、飼育用のペアが揃えばよいと思っている。
この時期に繭玉を作っているとは思ってもいなかったため、幼虫が確認できない理由が分かった。本種は2年1化なので繭玉内で越冬することになるが越冬形態は何か分からないが活動開始まで放置していたほうがよさそうである。
 
2023年3月12日
夜、マット上に成虫が2匹いるのを発見した。
大きいほうは前胸背の隆起が明瞭で♂の特徴がよく表れている個体だった。小型のほうは前胸背の隆起も弱く♀かと思ったが、頭部の凹みなど♂の特徴も見られるので小型の♂かもしれない。
大型のほうはやや腹が出ている個体なので残りの個体に期待したい。
繭玉を開けてみたいところだが夜なのでゼリーを与えるのみとした。
 
3月14日
他の個体も出してみようとマットを掘り起こしたところ、♀と思われる個体が出てきたが動かず既に死んでいるようだった。繭玉が2個出てきたので開けてみると1個目は蛹の尻らしきものが見えたのですぐに埋め戻した。2個目は幼虫が出てきてしまった。
2匹の成虫が活動を開始したので皆既に成虫になっていると思っていたが、かなりバラつきがあるようだ。ブリードできるかかなり微妙になってきたが、ヤフオク出品禁止になったこともあり、今後入手も販売もしにくい虫となってしまったので、♀が出なかったら諦めたい。
PHOTO

♂の成虫
(2023/3/12 静岡県産/WF2)

小型の♂@
(2023/3/14 静岡県産/WF2)

小型の♂A
(2023/3/14 静岡県産/WF2)

小型の♂B
(2023/3/14 静岡県産/WF2)

♀@
(2023/3/14 静岡県産/WF2)

♀A
(2023/3/14 静岡県産/WF2)

3齢幼虫@
(2022/1/20 静岡県産/WF2)

3齢幼虫A
(2022/1/20 静岡県産/WF2)

3齢幼虫B
(2022/1/20 静岡県産/WF2)

3齢幼虫C
(2022/1/20 静岡県産/WF2)

幼虫飼育用ケース
(2022/1/21 静岡県産/WF2)

3齢幼虫C
(2022/8/15 静岡県産/WF2)

3齢幼虫D
(2022/8/15 静岡県産/WF2)

3齢幼虫E
(2022/8/15 静岡県産/WF2)

繭玉@
(2022/11/7 静岡県産/WF2)

繭玉A
(2022/11/7 静岡県産/WF2)
 
先頭ページへ