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ストリアータツヤクワガタ
学名:Odontolabis striata

♀49.7mm(2022/7/2 スマトラ産/WF2)
Data
和名 ストリアータツヤクワガタ
体長 ♂:25.0〜53.0mm
♀:23.5〜33.8mm
分布 マレー半島南部,スマトラ,ビリトン島,ボルネオ,カリマタ島,ジャワ
寿命 約8ヶ月
樹液
 幼虫は発酵が進んだマットや赤枯れマットを食べる。
飼育難易度 簡単 ★★★★☆ 困難
 赤枯れマットを使用することで産卵は容易だが、幼虫飼育は難しい。
解説 黄褐色の毛による模様が特徴的なツヤクワガタの中型種。
体色は黒褐色で、頭部及び前胸背板は全体的に黄褐色の毛を生やす。
上翅は縦帯状に黄褐色の毛を生やす。
本種は同属のケファロテスツヤクワガタOdontolabis cephalotes)(以下ケファロテス)に似るが、ケファロテスでは小型で細身、♂の大アゴ基半部は縦方向に板状であるのに対し、本種はやや大型で体格が良く、♂の大アゴ基半部は太く幅広いことで区別できる。♀では眼縁突起に違いがあり、ケファロテスは台形状で側方へ強く突出、本種では耳状の弱い突起になる。ケファロテスツヤクワガタとの相違点参照

 
トップの写真は6月23日にネットオークションで購入したスマトラ産の♂を撮影したもの。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ@ 2022年6月21日
ケファロテスの飼育が苦戦していたが、2ペア目ですんなり産卵まで行けたので、次は本命の本種をヤフオクで落札した。
本当はケファロテスの幼虫飼育までできてから挑戦すべきとは思っていたが、珍品だからかなかなか入荷のない種で、このチャンスを逃すわけにもいかず落札せざるを得なかった。

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6月23日
生体が到着した。今回もクワガタ依存症様のブリード個体で、インドネシア・スマトラ・ベンクール産、♂49.7mm・♀31.7mmのWF2ペア、6月中旬に活動開始とのこと。
成虫を取り出すと湿気で黒ずんでいた体色がみるみると黄色い毛が目立つようになった。
まずは成熟させるため、♂はコバエシャター小、♀はクリアスライダーに移動させた。
産卵はまだ先ではあるがマットの熟成期間も考え産卵用ケースを作成しておくことにした。
内容は成果のあったケファロテスとほぼ同じ内容にした。
ケースはコバエシャッター中を使用、マットの内容は以下の通り。
オオチャイロハナムグリの幼虫飼育に使用しているマット
・雑木林で採取した黒土
ヤエマルドロマルの幼虫飼育で使用済みのマット
・赤枯れマット
レニノコの幼虫飼育に使用した菌糸カス(ごく微量)

上記を篩にかけてある程度微粒子にしたものを強く握ってじゅくじゅくするくらいに加水したものでセットした。
 
7月16日
そろそろペアリングをさせるため、♂を♀のケースに入れることにした。
夜、マット中で♂が♀を追い掛けており、♀が身動きせず♀殺しをしているように見えて急いで取り出したが幸い♀は死んだふりをしていただけのようだった。ただ、ペアリングは改めて行いたい。
 
7月18日
今度は産卵用ケースにペアで入れてみることにした。前日、♂だけ入れて落ち着かせておき、♂が潜って眠っているようなので♀を入れてみた。
夜、♀の右前脚脛節が欠損していた。恐らく♂に挟まれたと思われる。♂は想像以上に気が荒く、ペアリングはかなり難しいようだ。致命傷は受けていないようではあるが、とりあえず♂を隔離した。
 
7月21日
産卵は諦めかけていたが、♀はマット中でかなり活動的に動いており、産卵している可能性がでてきた。残念なことにコバエも発生しているので、1日数回駆除するようにしている。
 
7月31日
♀を単独にして以来、潜ったり餌を食べたりを繰り返していたので、卵が得られるかと思い採卵してみることにした。
マットを出すとマットの中層から下層にかけて120個もの卵を得ることができた。良いほうに予想が外れてくれたようだ。交尾せずにこれだけの産卵をするとは思えないので交尾後、♂が♀を攻撃していたのだと思う。
得られた卵は430ccのプリンカップ12個に10個ずつセットした。マットは以下の3パターンでセットした。

A:ケファロテスの幼虫用に作成した比較的新しいマット(赤枯れマット主体でUマットやヤエマル幼虫で使用したマット、菌糸ビン飼育で使用した菌糸カスなどを混ぜたもの)を主体に産卵に使用したマットを3割程混ぜたもの
B:Aの上に更に赤枯れを増量したもの
C:ケファロテスの幼虫用に作成した比較的新しいマットのみ

上記Aのマットをプリンカップ5個、Bのマットをプリンカップ5個、Cはプリンカップ2個でセットした。
正直これほど採れるとは思ってもみなかったのでマットは即席で考えたものだが、産卵用マットにコバエが発生しているのが気掛かりではあるが安全を考えると混ぜたほうがよいとも思ったので大半で使用し、新しいマットのみはコバエが発生しないメリットと産卵用マットを混ぜないリスクがあるので2個のみとした。

♀はまだ元気そうなのでUマットと赤枯れマット少々を混ぜて再セットした。
 
8月6日
毎日卵のチェックをしており、今日初めて1個が孵化した。他も死滅するような卵もなく、多数の幼虫が得られそうだ。
深夜0時を回ったところで再度確認したところ、更に3頭孵化していた。
 
8月7日
夜、孵化した数を数えてみたところ新たに9頭孵化し、12頭の1齢幼虫が確認できた。
 
8月9日
これまでで孵化した卵は24個になった。ただ、Aのマットで管理している卵で孵化後翌日に溶けるように死んだ個体が2頭いた。
その他の幼虫は孵化後ある程度活動して移動しているものも多いため、個体差の可能性もある。
 
8月14日
順調に孵化が続いており、現時点で82頭もの孵化を確認している。
ただ、今後幼虫飼育できるかが最大の難関で先に幼虫飼育を開始しているケファロテスでも一筋縄ではいかない気配があり、試行錯誤することになりそうだ。
 
8月19日
産卵用ケースにコバエが少し発生していたので駆除しているとマットの表面付近に2個の卵を発見した。
 
8月20日
今日は2度目の採卵を行うことにした。
結果は昨日得られた2個も含め卵71個、1齢幼虫8頭が得られた。
卵は430ccのプリンカップ7個に卵を9個ずつ、1個に卵8個をセット、1齢幼虫は500mlクリアボトルに4頭ずつセットしてみた。
マットは作り置きしていたものと産卵用のものを混ぜたものを使用した。
産卵数はこれで199個になるので、小型ながらも相当多産な種のようだ。
 
8月31日
7/31採卵分の幼虫を単独飼育に切り替えることにした。
観察した限りでは孵化率は高いものの孵化後死亡する個体を数頭確認しており、生存率も気になっていた。
430ccのプリンカップ12個に卵10個ずつ入れていたものだが、52頭の1齢幼虫が得られた。その他に胴体が縮み瀕死の2頭もいたので回復するとは思えないが念のためにプリンカップで管理することにした。
多少マットの内容を変えていたものの死亡率が偏ることもなく、平均的だった。
幼虫25頭は250ccのプリンカップ、残りは120ccのプリンカップでいずれも単独飼育にした。
マットも赤枯れマット主体の無難なものにしたが、Uマットを混ぜたものとフォーテックのカブト1番を混ぜたものの2種類にした。
 
9月4日
前回の採卵から2週間程経過したので、3回目の採卵を行うことにした。
結果は28個の卵が得られた。今回の産卵数は1日平均すると1.8個なので採卵毎に半減はしているが、これまでの産卵数を合計すると227個という驚きの成果となった。
得られた卵は430ccのプリンカップ3個に卵を9・9・10個でセットした。
産みたてと思われる卵もあり、♀もまだ元気なので今後も多少は期待できそうだ。
 
9月9日
♂が死んだ。餌切れはさせていなかったので、寿命だと思うが後食開始から3ヵ月弱で死んだことになる。
 
9月11日
250ccのプリンカップを買ったので、生存確認も兼ねて120ccのプリンカップで飼育中の幼虫を移動させることにした。
全26個の120ccのプリンカップ中、生存していた幼虫は8頭とかなり生存率は低かった。マットは赤枯れマットの割合は高めで無難なものにしたつもりではあったが、死亡率が高い原因についてはマットの添加物が悪影響を与えている位しか思いつかなかった。
 
9月29日
生存率の低さについて、こまめな加水が返って悪かったのかマットに問題があるのかなど考えてはいるものの結論は出ていないが、後半の個体は加水するペースをかなり減らして管理していた。
8/20採卵分について孵化後1ヶ月以上は経過しているので、プリンカップでの単独飼育に切り替えることにした。
生存率は62個中、17頭で27.4%とやはり低かった。マットはツヤクワ系としては乾燥がやや進んでいる状態でやはりこまめな加水はすべきだったと思う。
ただ、ケファロテスでは単独飼育後は生存率が上がって順調に成長しているので近縁種である本種も同様に飼育できると思っている。
得られた17頭は250ccのプリンカップで単独飼育、本種やケファロテスの産卵・幼虫飼育に使用したマット4割、ケファロテスの幼虫用に作成した比較的新しいマット2割、既存のマット2割、赤枯れマット2割位で混ぜたマットで飼育することにした。
 
9月30日
8/31に250ccプリンカップで単独飼育中のうち、2個にコバエの幼虫が発生していたので、500mlクリアボトルでの単独飼育に切り替えることにした。
1頭は死滅していたが、もう1頭は2齢幼虫に加齢していた。500mlクリアボトルで単独飼育、マットは使用済みマットと赤枯れマットを主体にNマットを少し混ぜたものを使用した。
他のプリンカップについても時間がある時にクリアボトルに移したい。
 
10月6日
8/20に採取した1齢幼虫4頭を500mlクリアボトルで多頭飼育しているマットから1mmに満たないコバエが少し発生したので、マットの上部を取り除いたところ、2齢幼虫が顔を出した。生きているか分からなかったが順調に成長していることが分かって安心した。
 
10月11日
種親の♀が死亡した。前回の採卵後、ほとんどマットに潜らず衰えている様子だったので産卵はしていないと思う。
 
10月12日
♀が死んだので産卵用ケースを片付けようとマットを出したところ、1齢幼虫が14頭も出てきた。ただ、皆孵化直後くらいの大きさで成長していないような印象を受けた。
これで産卵数は241個となった。恐らく産卵用ケースの中で死滅した幼虫も多いと思われるので、実際には更に多いことになる。
得られた幼虫は4個の500mlクリアボトルに3頭ずつ、残り2頭は250ccのプリンカップに1頭ずつ入れた。今回のマットは産卵用マット8割、ストリアータ用に作成したマット1割、ミラクルマット1割にしてみた。
 
10月15日
プリンカップで飼育中のうち、コバエの幼虫が発生していたものが6個あったので、生存確認したところ、4頭が2齢幼虫、2頭は死滅していた。ただ、死滅した2頭は恐らく1齢初期で成長できずに死亡したと思われ、成長するようになった幼虫は加齢後もどんどん成長しているようなので、マットに順応さえすれば問題なく飼育できそうだ。
 
11月6日
今日は最後に採取した2頭以外でプリンカップで飼育している幼虫について1ヶ月以上経過しているので、500mlクリアボトルに移動させることにした。
幼虫は10頭で、取り出してみると2齢幼虫5頭、1齢幼虫2頭で死滅は3頭だった。1齢幼虫についてもほぼ成長していないので死亡する可能性がある。
7頭は既存のマットに本種の幼虫飼育で使用したマットを半々にツヤクワ飼育済みの発酵の進んだマットも1割程度混ぜてみた。
 
11月11日
10/16に2齢幼虫で500mlクリアボトルで飼育している幼虫について、外側から大きめのトンネルが見えたので既に加齢しているか確認するため掘り出してみたところ、3齢幼虫になっていた。掘り出した分のマットに赤枯れマットとUマットを少し混ぜて埋め戻した。
 
12月5日
非常に小さいコバエが少し発生しているボトルが目立ってきたので、6本についてマット交換することにした。3齢幼虫3頭、2齢幼虫2頭、1頭は死亡していた。加齢後に死亡したケースは初めてで使用しているマットや設置場所に違いもないため、原因は不明だが弱い個体だったのかもしれない。
3齢幼虫は以前見た時よりも更に成長していたので順調といっていい。
マットは全交換し、以前本種に使用後、乾燥させておいた使用済みマットを主体にしてUマットと少量赤枯れマットも混ぜたものを使用した。
 
2023年1月21日
食いの激しい4本についてマット交換を行うことにした。1頭は♀斑が確認できる3齢幼虫で既存のマットにUマットを混ぜ、赤枯れマットは微量混ぜる程度とした。
2頭は♀斑がないので♂幼虫と思われ、大きいものとやや小さいが透明感があり頭部は大型の個体よりもやや大きく見えるのでどちらも800mlのクリアボトルに変更した。
残り1頭も3齢だがかなり小さいので、♀と同様マットの補充のみとした。
 
1月21日
500mlクリアボトルで飼育中の30本について、ボトルのサイズアップを兼ねたマット交換をすることにした。
結果は16頭の3齢幼虫と1頭の2齢幼虫、他1頭は取り出し時に潰してしまった3齢1頭、残りは死滅していた。
前回のセット時1齢または2齢だったものなので死滅していたものも結構あったが想定の範囲内であり、3齢になればマットの劣化さえ注意していれば問題なさそうだ。
3齢はすべて800mlクリアボトルにセット、2齢はマット交換のみとした。
 
4月8日
いくつかのボトルで大きなトンネルと変色部が見えるので繭玉を作成したようだ。
 
5月7日
800mlクリアボトルのうち、1本にコバエの幼虫が発生してしまっていたので、繭玉を割ってみることにした。
ボトルの側面からは明瞭なトンネルのみ確認できる状態で、繭玉自体はボトル中心部のやや下層付近にあった。慎重に削っていくと♂の新成虫が出てきた。前蛹でなければいい位に思っていたのだが既に羽化しているとは予想外で、種親には負けるが立派な大アゴの個体になっていた。体色はまだ薄赤く、羽化後日が浅そうであった。
 
5月20日
他のボトルで羽化していそうな♂の繭玉を1つ選び割ってみることにした。
慎重に繭玉を探して穴を開けてみると黄色と赤色の横長のものが見えてどういう状況か判断するのに時間が掛かったが羽化直前の♂の大アゴであった。
成虫が透けて見えているので今日明日にも羽化すると思われる。5/7に取り出した♂は恐らくコバエの影響でマットの状態が悪化し羽化を急いだ可能性がある。
通常♀のほうが先に羽化するが、置き場所による温度にも影響するので、♀はもう少し待ってから掘り出したい。
♂の蛹は夜見た時には既に羽化中だった。
 
6月4日
1本の繭玉を割ってみたところ、♀の成虫が出てきた。この個体は幼虫時に♀斑が確認できなかったものなので、♂の偏りを心配していたが判別できなかっただけのようだった。
先に確認した♂2匹も取り出して体長を測定したところ、38.7mmと40.8mmの個体だった。49.7mmもある種親には及ばないが、1年足らずで長歯型を羽化させられたことは素直に喜びたい。
あと参考までに去年の7/31にA〜Cの3種類でセットした生存率は以下の通りであまり差がなく、強いて言えば若干Cが高い程度だった。
A・・・6/50(12%)
B・・・7/50(14%)
C・・・3/20(15%)
 
6月9日
幼虫が小さかったため、唯一500mlクリアボトルで飼育した個体の繭玉を割ってみることにした。♀斑が確認できないだけで♀かもしれないと思っていたが、やや小型の♂が出てきた。37.2mmだった。
他のボトルも見たところ、繭玉を作った形跡がまだなく、幼虫が確認できるボトルもあったため、先に羽化した4匹に比べて羽化まではかなり掛かりそうだ。
これは置き場所の違いで、先に羽化した4匹は比較的高い場所で飼育していたことで高温により成熟が早まったと思われるので、残りの個体は大型個体が期待できるかもしれない。
 
6月28日
5/7に取り出した♂が後食を開始した。
 
7月14日
5/20に羽化した♂が活動を開始した。羽化後の休眠期間は55日間だった。
 
7月16日
6/9に取り出した♂が後食を開始した。休眠期間で逆算すると4/15前後が羽化日のようだ。
 
10月21日
5月頃に羽化したものは9月頃1ペアで販売、残りの♂2匹は今も飼育中である。
残りの個体はいくつかのボトルでまだ幼虫であることを確認しており、飼育温度により1年1化か2年1化に大きく分かれるようだが1本だけ繭玉を作ったような変色部が見られた。
 
10月30日
繭玉による変色部が見られている1頭について、繭玉内を確認してみることにした。慎重に繭玉上部を削っていくと真っ白で平らなものが見えたので白いカビの生えた死骸かと思いきや、更に削っていくと蛹の前胸背板の部分で、立派な長歯型の♂の蛹だった。
 
11月7日
♂が羽化した。羽化を確認した♂は4匹目となる。またブリードしたいので♀も欲しいところ。
 
11月27日
時期的に既に羽化している可能性が高いと思うのでランダムに2つのボトルを確認してみることにした。最初のボトルでは頑丈な繭玉を確認したものの前蛹で死亡していた。2つ目のボトルでは♀の成虫が出てきた。
 
2024年5月20日
去年取り出した♀が活動を開始していた。去年の11/27に繭玉から取り出した♀なので半年休眠したことになる。
 
5月25日
朝、ガリガリ音が聞こえるので調べてみるとクリアボトル内で♂が活動を開始していた。羽化時期は分からないが最後にマット交換をしたのが去年の2/25で以来ほったらかし状態だったが少なくとも休眠期間は長かったと思われる。
1ペア揃ってしまったが赤枯れマットはまだあるが、他のマットを切らしているのでブリードについては考えたい。
 
5月29日
立て続けに自力脱出した♂が出たことから、他にも活動している個体がいないかクリアボトルを確認したところ、1個だけ大きな縦穴に囲まれるように繭玉があるものを見つけたので繭玉を割ってみたところ♀の成虫が出てきた。
これで2ペアとなったが、他のボトルはマットに変化がほとんど見られないものばかりなので期待はできそうにない。
 
6月6日
また自力ハッチして♂2匹を取り出した。
 
6月13日
また自力ハッチして♂1匹を取り出した。
♂にやや偏ったのは残念だが思ったより、多くの成虫を得ることができ、♂5匹、♀2匹となった。
このまま単独飼育を続けるのは勿体ないので、マットを注文して再度ブリードに挑戦してみたいと思う。
 
6月25日
1週間程腰を痛めて飼育もままならかかったのだが、ようやく回復してきたので購入したマットを使用して産卵用ケースをセットすることにした。
幼虫飼育済みのマット・赤枯れマット・XLマット・Nマット・Uマットを混ぜたものを使用し、コバエシャッター中にセットした。
ペアリングは産卵用ケース内で目視で確認することにして、複数♂がいることを生かして♂を1匹ずつ交尾するか試し、なかなか♀に興味を示さなかったが、4匹目でようやく♀に反応して交尾に至った。
交尾は小一時間続いたが、交尾器を抜くのがかなりあっさりしていたのでもしかしたら失敗している可能性もあるので時々追い掛けも試したい。
2ペア目のペアリングは日を改めて行いたい。
 
6月29日
期待してなかったボトルから♀が自力ハッチしていた。♂に比べて♀が少なかったのでちょうど良かった。
2匹目の♀のペアリングを試したが♂がなかなか反応せず、しばらく放置して気付いたら♂が尻を伸ばした状態でマットに潜るところだった。交尾した可能性があるので同じようにセットした産卵用ケースに♀を入れた。
飼育メモA
〜WILD編〜
2023年3月22日
現在、本種は産卵に成功し、WF3の幼虫を飼育中ではあるが滅多に入荷がない天然物がかなりの数入荷しているようなので、迷いに迷ったが天然物からの累代飼育にも挑戦することにした。
本種は成功しているものの、1齢幼虫時の死亡率が非常に高かったので、今回は1齢時の死亡率を下げることも目標にしたい。
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3月24日
明日到着することになったので、先に産卵用ケースを準備しておくことにした。
ケースはコバエシャッター中、マットはドロマルバネクワガタの産卵用に準備していたものの使用時期を逃してしまったマットと本種の幼虫飼育に使用した使用済みマットを主体に、赤枯れマットとツヤクワガタ類の幼虫飼育に使用したマットも混ぜたものを使用した。
 
3月25日
生体が到着した。産地はスマトラ島パダン産。サイズフリーで比較的安価の即決価格だったため、てっきり小型個体だろうと思っていたのだが、雌雄共に大型個体の上、新成虫のような状態の良い個体で驚いた。体長は♂48mm、♀33mmだった。
天然物なので交尾済みと判断し、♀だけで産卵用ケースに入れることにした。
 
3月28日
♀はセット以来ゼリーを食べ続けておりあまりに長いので、♂を入れて交尾させてみることにした。
すぐに交尾が始まり、交尾後も1時間程♀から離れなかったが、安全のため♂を隔離した。
 
3月30日
♀の食欲はすさまじく交尾後もずっとゼリーにかぶりついていたが、ようやくマットに潜った。
 
4月8日
産卵状況を確認したところ、6個の卵を見つけることができた。卵は250ccプリンカップにセット。産卵用ケースはマットを加水して再セットした。
 
4月29日
前回の採卵から丁度3週間になるので、2度目の採卵をすることにした。
結果51個の卵が得られた。430ccプリンカップ5個に卵10個または11個セットした。マットは産卵用マットが減ってしまうため、本種の幼虫飼育に使用した使い古しのマットやNマット、赤枯れマットで補充したものを使用した。
♀はまだ元気なので再度産卵に期待したい。前回採卵したうち、1個の孵化も確認できた。
 
5月4日
4/29に採卵したものも多数孵化していた。
 
5月20日
4/8の初回採卵分の幼虫を取り出したところ、1齢幼虫が1頭しか見つからなかった。複数孵化しているところは確認していたので、マットが適さなかった可能性がある。マットは乾燥しておらず問題はなさそうだったが黒っぽい色で熟成が進み過ぎるのも良くないのだろうか?
多頭飼育が好ましいのである程度長期間プリンカップで飼育するつもりだったが、プリンカップでの飼育は危険と判断し、4/29の採卵分51個についても500mlクリアボトルでの複数飼育に切り替えることにした。
得られた1齢幼虫は37頭とまずまずの数が得られ、プリンカップ毎に3〜4頭ずつ500mlクリアボトルに移動させた。
今回の飼育では当初の予定通り、死亡率を下げるために2,3齢まで多頭飼育するので、単独飼育と差が出るか観察していきたい。
 
6月10日
前回の採卵からかなり放置して6週間程経過しているので3回目の採卵をすることにした。
結果、卵14個、1齢幼虫41頭が得られた。孵化後日数が経過している幼虫も多いが順調に成長しているようで、産卵用マットだけでも問題ないようであった。これで産卵数は112個となるので成功と言える。
卵は430ccプリンカップに、1齢幼虫は3頭ずつ500mlクリアボトルに産卵用マットを主体としてNマット等をブレンドしたものでセットした。
 
10月21日
残念なことに500mlで飼育していた幼虫が全滅していた。コツをつかんだと思いきややはり難しい。しいて言えばこまめな観察を怠っていたことによる加水不足かもしれない。
♂は衰えてはいるものの今も生きており、寿命は8ヶ月前後のようだ。
PHOTO

♂46mm(No.121)@
(2024/5/25 スマトラ産/WF3)

♂46mm(No.121)A
(2024/5/25 スマトラ産/WF3)

♂47.5mm(No.74)
(2023/11/16 スマトラ産/WF3)

♂40.8mm(No.53)@
(2023/6/4 スマトラ産/WF3)

♂40.8mm(No.53)A
(2023/7/17 スマトラ産/WF3)

♂40.8mm(No.53)B
(2023/7/17 スマトラ産/WF3)

♂40.8mm(No.53)C
(2023/7/17 スマトラ産/WF3)

♂38.7mm(No.4)@
(2023/6/4 スマトラ産/WF3)

♂38.7mm(No.4)A
(2023/6/4 スマトラ産/WF3)

♂37.2mm(No.139)@
(2023/6/9 スマトラ産/WF3)

♂37.2mm(No.139)A
(2023/7/17 スマトラ産/WF3)

♀32.1mm(No.56)@
(2023/11/27 スマトラ産/WF3)

♀32.1mm(No.56)A
(2023/11/27 スマトラ産/WF3)

♀32.1mm(No.56)B
(2024/5/26 スマトラ産/WF3)

♀32mm(No.111)@
(2024/5/29 スマトラ産/WF3)

♀32mm(No.111)A
(2024/5/29 スマトラ産/WF3)

♀31.1mm(No.102)@
(2023/6/22 スマトラ産/WF3)

♀31.1mm(No.102)A
(2023/6/22 スマトラ産/WF3)

種親の♂49.7mm@
(2022/7/2 スマトラ産/WF2)

種親の♂49.7mmA
(2022/7/2 スマトラ産/WF2)

種親の♂49.7mmB
(2022/6/23 スマトラ産/WF2)

種親の♂49.7mmC
(2022/6/23 スマトラ産/WF2)

種親の♂49.7mmD
(2022/6/23 スマトラ産/WF2)

種親の♂49.7mmE
(2022/6/23 スマトラ産/WF2)

ケファロテスツヤクワガタ(左)と本種
(2022/7/2 スマトラ産/WF2)

種親の♂31.7mm
(2022/6/23 スマトラ産/WF2)

産卵用ケース
(2022/6/23 スマトラ産/WF2)

卵@
(2022/7/31 スマトラ産/WF3)

卵A
(2022/7/31 スマトラ産/WF3)

プリンカップ内で孵化した1齢幼虫
(2022/8/6 スマトラ産/WF3)

1齢幼虫@
(2022/8/31 スマトラ産/WF3)

1齢幼虫A
(2022/8/31 スマトラ産/WF3)

1齢幼虫B
(2022/8/31 スマトラ産/WF3)

2齢初期の幼虫@
(2022/9/30 スマトラ産/WF3)

2齢初期の幼虫A
(2022/9/30 スマトラ産/WF3)

2齢初期の幼虫B
(2022/9/30 スマトラ産/WF3)

2齢幼虫@
(2022/10/15 スマトラ産/WF3)

2齢幼虫A
(2022/10/15 スマトラ産/WF3)

2齢幼虫B
(2022/10/15 スマトラ産/WF3)

3齢初期の幼虫@
(2022/11/11 スマトラ産/WF3)

3齢初期の幼虫A
(2022/11/11 スマトラ産/WF3)

3齢初期の幼虫B
(2022/11/11 スマトラ産/WF3)

3齢幼虫@
(2022/12/5 スマトラ産/WF3)

3齢幼虫A
(2022/12/5 スマトラ産/WF3)

♀の3齢幼虫@
(2023/1/21 スマトラ産/WF3)

♀の3齢幼虫A
(2023/1/21 スマトラ産/WF3)

♂の3齢幼虫@
(2023/2/25 スマトラ産/WF3)

♂の3齢幼虫A
(2023/2/25 スマトラ産/WF3)

♂の3齢幼虫B
(2023/2/25 スマトラ産/WF3)

繭玉内の新成虫♂(No.4)@
(2023/5/7 スマトラ産/WF3)

繭玉内の新成虫♂(No.4)A
(2023/5/7 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♂の蛹(No.53)@
(2023/5/20 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♂の蛹(No.53)A
(2023/5/20 スマトラ産/WF3)

羽化中の♂(No.53)
(2023/5/20 スマトラ産/WF3)

羽化直後の♂(No.53)@
(2023/5/21 スマトラ産/WF3)

羽化直後の♂(No.53)A
(2023/5/21 スマトラ産/WF3)

羽化直後の♂(No.53)B
(2023/5/21 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♀(No.102)
(2023/5/21 スマトラ産/WF3)

♂の蛹(No.74)@
(2023/10/30 スマトラ産/WF3)

♂の蛹(No.74)A
(2023/10/30 スマトラ産/WF3)

♂の蛹(No.74)B
(2023/10/30 スマトラ産/WF3)

♂の蛹(No.74)C
(2023/10/30 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♂の蛹(No.74)@
(2023/10/30 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♂の蛹(No.74)A
(2023/10/30 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♂の蛹(No.74)B
(2023/11/7 スマトラ産/WF3)

繭玉内の♂の蛹(No.74)C
(2023/11/7 スマトラ産/WF3)

♂の羽化(No.74)@
(2023/11/7 スマトラ産/WF3)

♂の羽化(No.74)A
(2023/11/7 スマトラ産/WF3)

♂の羽化(No.74)B
(2023/11/7 スマトラ産/WF3)

♂の羽化(No.74)C
(2023/11/7 スマトラ産/WF3)

♂の羽化(No.74)D
(2023/11/8 スマトラ産/WF3)

♂の羽化(No.74)E
(2023/11/8 スマトラ産/WF3)
]
♂の羽化(No.74)F
(2023/11/9 スマトラ産/WF3)
]
繭玉内の♀(No.56)
(2023/11/27 スマトラ産/WF3)
]
新成虫たち
(2024/6/25 スマトラ産/WF3)
]
交尾@
(2024/6/25 スマトラ産/WF3)
]
交尾A
(2024/6/25 スマトラ産/WF3)
WILD編

♂48mm@
(2023/3/25 スマトラ産/WILD)

♀33mm
(2023/3/25 スマトラ産/WILD)

産卵用ケースA
(2023/3/25 スマトラ産/WILD)

卵@
(2023/4/8 スマトラ産/WF1)

卵A
(2023/4/29 スマトラ産/WF1)

卵B
(2023/4/29 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫@
(2023/5/20 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫A
(2023/5/20 スマトラ産/WF1)
ケファロテスツヤクワガタとの相違点

♂:本種(右)とケファロテスツヤクワガタ(左)
本種の大アゴの形状は幅広いのに対し、ケファロテスでは細く縦方向に板状。
(2022/7/2 スマトラ産/WF2)

♀:本種(左)とケファロテスツヤクワガタ(右)
上翅の暗色の帯(無毛の部分)が本種のほうが細い。
(2023/12/2)

本種の♀の頭部
複眼外縁にある眼縁突起は幅が狭く耳状。
その他、腹面の腹節にも毛が生えていた。
(2023/6/22 スマトラ産/WF3)

ケファロテスツヤクワガタの♀の頭部
複眼外縁にある眼縁突起は幅広く台形をしている。
その他、腹部の腹節には基部以外に毛が生えていなかった。
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

本種の♀の腹面
腹面の腹節にも毛が生えていた。
(2023/6/22 スマトラ産/WF3)

ケファロテスツヤクワガタの♀の腹面
腹節には基部以外に毛が生えていなかった。
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)
 
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