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ケファロテスツヤクワガタ
学名:Odontolabis cephalotes

♂33.5mm(2023/12/10 スマトラ産/WF1)
Data
和名 ケファロテスツヤクワガタ
体長 ♂:27.0〜36.2mm
♀:22.6〜26.4mm
分布 スマトラ,ボルネオ
樹液
 幼虫は発酵が進んだマットや赤枯れマットを食べる。
寿命 約8ヶ月
飼育難易度 簡単 ★★★★☆ 困難
 赤枯れマットを使用することで産卵は容易だが、幼虫飼育は難しい。
解説 黄褐色の毛による模様が特徴的なツヤクワガタの中型種。
体色は黒褐色で、頭部及び前胸背板は全体的に黄褐色の毛を生やす。
上翅は縦帯状に黄褐色の毛を生やす。
本種は同属のストリアータツヤクワガタOdontolabis striata)(以下ストリアータ)に酷似するが、ストリアータはやや大型で体格が良く、♂の大アゴ基半部は太く幅広いのに対し、本種はやや小型で細身、♂の大アゴ基半部は縦方向に板状であることで区別できる。♀では眼縁突起に違いがあり、ストリアータは耳状の弱い突起、本種では台形状で側方へ強く突出する。ストリアータツヤクワガタとの相違点参照
以前は本種がストリアータの中歯型、本当のストリアータは長歯型とされていたようだが、飼育で別種であることが確認されたとされる。
同属のリツェマエツヤクワガタ(Odontolabis ritsemae)も形は本種とよく似ているが、毛が生えておらず強い光沢を持ち色彩も異なる。

 
トップの写真は6月13日にネットオークションで購入したスマトラ産の天然個体の♂を撮影したもの。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ@ 2021年11月21日
ネットオークションでの競り合いの末、1ペアを落札した。
ストリアータかケファロテスツヤクワガタ(以下ケファロテス)かの同定は行っていないようで「?」付きの出品だったため、画像から同定を行ったところ、以下の理由からどちらもケファロテスと同定した。
・♂の大アゴの基半が縦の板状となっている
 (ストリアータでは幅広く平たい)
・♀の眼縁突起が強く突出している
 (ストリアータでは耳状の弱い突起であるのに対し、ケファロテスでは台形状に強く突出する)

ただし、♀に関しては台形というより三角形であるため、正確には両種のどちらにも該当しないが、台形or三角形は個体差レベルとして突起の大きさで判断し、ケファロテスと同定するのが妥当と判断した。

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11月23日
生体が明日届くので、先に産卵用ケースをセットしておくことにした。
ケースはコバエシャッター小を使用した。BE-KUWA No.66に本種は赤枯れが有利との記述があったため、マットは自作スダジイの赤枯れマット6割、Nマット4割を混合して作成した。
ケースにマットを入れて軽く押す程度にした。
 
11月24日
ペアが到着した。産地はINDONESIA-Mt,Bakayan-South Kalimantanとなっているので、ボルネオ島の南カリマンタンになるようだ。
交尾させようとしたが、♂が見向きもしなかったため、恐らく自然状態でないと難しいと判断し、小型種で♀殺しもないと思うので雌雄共に産卵用ケースに入れることにした。♀はオークション時の写真では正確な同定ができていなかったが、写真を見ての通り眼縁突起はやや歪ではあるが台形状の強い突起だったことが確認できた。
 
11月25日
17時半頃、少しの間、部屋の電気を消して数分程度の用事を済ませて戻ってきたところ、♀がマット上に出てきていた。夜行性で警戒心も高いようで、また潜ってしまった。
夕食後、再び部屋の電気をつけると♀がブンブン飛ぼうと活発に活動していた。♂はマットに大アゴの一部だけ出した状態で明らかに活動待ちの状態だった。少し面白いのは大アゴを持つ♂は通常マット深くには潜らないが、ケースの角から真下にほぼ直角に潜り、綺麗なU字のカーブを描いて出てきていたこと。
♀は部屋の電気をつけることでまたすぐにマットに潜ったことから、気休めかもしれないがケースを布製の小さめのテーブルクロスで包んでみた。
 
11月26日
朝6時過ぎにテーブルクロスを捲ってみると雌雄共にマット上を歩き回っているところが観察できた。ただ、ゼリーを食べた形跡はなかった。あまり木登りが得意ではない感じがしたので皿木のゼリー半分に割ってマット上に直に置いてみることにした。
日中はテーブルクロスを取っていたが、夕方マット上を歩く♂が確認できた。新しい環境に慣れてきたのかもしれない。
夜、夕食を終えて部屋に入ると♂がマット上に置いたゼリーを舐めていた。特に逃げる様子もないので、このままテーブルクロスなしで観察できそうだ。22時過ぎには♀も同じゼリーに来ていた。
 
11月27日
雌雄共にほぼ昼夜を問わずゼリーを食べるようになっていた。せっかく順応したので、今の環境を維持して見守っていきたい。ゼリーは新しいものに交換し、今回は半分に切ったゼリーの片方だけを置いて、雌雄の出会いを演出してみた。
 
11月28日
日中は雌雄共にゼリーを食べているがお互いに無関心のようだった。18時40分頃、部屋に入ってケース内を確認してみると、ゼリーを舐めている♀の上に♂が乗っていた。ただ、♂は交尾とは反対の体勢だったので、交尾を終えた後なのかこれから交尾しようとしているのかは分からない。
 
11月29日
朝、交尾の体勢になっているのが確認できた。合体はしていないようだが交尾後のメイトガードをしている可能性が高い。
日中は♀の姿が見えなかったが、夕方になるとまたペアでゼリーに来ていた。
 
12月1日
朝6時、完全に交尾しているところが確認できた。日中、♂がケースの端で交尾器を伸ばしてマットに突っ込んでいる状態になっていて少し心配したが弱っているような様子はなかった。♀は離れた場所を歩いていた。
 
12月2日
♂の交尾器は出しっぱなしの状態になっていた。弱ってる感じはしないので、もしかしたら♀に挟まれたのかもしれない。
♂は日中ずっとゼリーを食べているが、交尾器を出したままになっているため交尾は不可能と判断し、♀殺しがないよう♂をケースから出してコバエシャッタータイニーに隔離させた。
 
12月6日
再セット後も♀はマット上をよく歩いており、産卵してはいないようだ。気温は20℃前半で管理しているが、低温を好むタイプかもしれないので、床置きにしてみた。天然個体なので♀の当たり外れもあるが、現時点で飼育は難しいようなので、飼育難易度は四つ星に変更した。
 
12月11日
ここ数日、時々チェックはしていたが、状況は変わらないようなので、現状のマットを6割、市販の赤枯れマットを3割、フォーテックの産卵一番を1割にして再度セットした。正直なところこれで無理なら諦めようかと思う。
 
12月15日
マット上で活動するようにはなったものの、産卵しているか確認してみたがまったく卵が見つからなかった。更に温度の高い上段に設置してみた。
 
12月17日
産卵ケースを上段に設置後、明らかに活発になり、盛んに飛ぼうとしていた。元気になったのはいいが、やはり産卵する気はない様子。マットは自作と市販の2種類の赤枯れマットを使用しており、どちらも合っていないということは考えにくいので、後は湿気くらいかと思う。無酸素による嫌気性バクテリアが発生しない程度ギリギリに加水してみた。
ゼリーはまだ新鮮だと思うのだが、どうも少しでも劣化すると見向きもしなくなるようで、取り替えたら即舐め始めた。既に購入当時の臆病なところはまったくなくなっている。
 
12月26日
♀はゼリーを食べて元気な様子だったが、産卵確認をしたところ卵は確認できなかった。
しきりにマットに潜ってケース底面までカーブを描くような坑道が確認できてはいたのだが、まだマットが気に入らないようだ。本種については赤枯れが有効といった情報しかないので、赤枯れ2種でもダメということであればダメ元でカブトマットと赤枯れ半々の混合マットで試してみることにした。
カブトマットはフォーテックのカブト1番を使用した。カブト1番は目が粗くスチーブンスツヤのセット時に篩で濾して残った目が粗いものをミキサーにかけた後、再び篩で濾したものを使用している。
 
12月31日
カブトマットを使用したその後については結論から言うとまったくの不向き。
マットに潜ろうともせずゼリーを食べる以外はケースから出ようとしかしなくなっており、当初からカブトマットは選択肢にはなく苦し紛れでの使用だったが、予想以上に相性が悪いことが分かった。いろいろごちゃ混ぜになって正確な内容が分からない使用済みマットがあるが、赤枯れを使っていることは間違いないので、カブトマットを止めて使用済みマットのみを使用し、マットを強く握るとジュクジュク音を立てる位に加水した。
 
2022年1月1日
昨日の再セット以来、♀はマットに潜ったきりで新品のゼリーも食べた形跡もない。潜ろうとさえしなかったカブトマットに比べると雲泥の差だが産卵まで行くかどうかは待つしかない。
 
1月5日
夜になってようやく♀がマット上を歩いていたので、産卵状況を確認してみた。長期間潜っていたものの卵は確認できなかった。ただ、明確に反応が変わったので現状のマットに赤枯れマットを3割混ぜたもので再度セットした。腐りはしなかったが多湿過ぎてドロドロしていたので今回は加水は止めておいた。
ちなみに長期間交尾器が出っぱなしになっていた♂はいつの間にか交尾器を仕舞ったようで見えなかった。
 
1月9日
♀はゼリーにほとんど手を着けずに潜りっぱなしの状態になっている。ただ、今までの状況から産んでいない可能性もあるので確認してみた。やはり産んでいなかった。そろそろネタも尽きてきたが今度は赤枯れの割合を更に上げて7割にしてみた。水分量も前回と同じで手で握ると塊になるがジュクジュク音は立てない程度とした。
 
1月13日
産卵状況を確認してみたが、卵は見つからず。ネタも尽きてきたので同じマットで飼育続行することにした。
 
1月16日
諦めかけていたものの、想像していたより本種の寿命は長いようで飛び回りはしないもののまだ元気のようなので試せることは試しておきたい。
まだ試してないマットとして自己採取した黒土が残っていたので、黒土7割と最近購入したスダジイの赤枯れマットを3割混ぜたもので再セットした。
 
1月18日
♂が死亡した。購入から58日間生きた計算になる。後は♀が死ぬまでに産むかどうかだけである。
 
1月29日
産卵状況を確認したが、またまた状況は変わらず。
今度は新たに購入したスダジイ由来の赤枯れマットを5割既存のマットに混ぜたもので再セットした。購入した赤枯れマットは自己採取のものと同じではあるが、自己採取したマットは熟成が進んでいるのかやや粘りがある感じなのに対し、購入したものはサラサラ・パサパサした感じで発酵が浅い感じがした。
 
2月26日
産卵状況を確認したが、相変わらず。♀はまだ元気な様子。マットを加水して再セットした。
 
3月21日
産卵状況を確認したが、今回も相変わらず。ただ、ケース側面から弧を描く坑道が見られたため、産もうとはしているようだ。マットは湿度が高すぎた可能性もある。
今回は加水せず、マット底面は既存のマットで固めに詰めて、赤枯れの割合を過半数に増やした層と若干増やした層を4重ほどに重ねてセットしてみた。
 
5月29日
♀が死亡した。マットを確認したが卵もなく残念ながら飼育終了となった。
小さいながら長生きで毛による独特の模様が美しい魅力的なツヤクワガタなので、またリベンジしたい。
飼育メモA 2022年6月10日
ヤフオクでアリストからまた本種が出品されていた。今回は最初からストリアータではなく、ケファロテスとして8ペアが出品されており、前回のリベンジのため1ペアを落札した。
前回の失敗を踏まえ飼育方法を改めて再挑戦することにした。
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6月11日
6/13に届くことになったので、予め産卵用ケースをセットすることにした。
ケースはコバエシャッター中を使用。
以下のマットを作成してみた。
オオチャイロハナムグリの幼虫飼育に使用しているマット
・雑木林で採取した黒土
ブルークツヤクワガタで使用した産卵用マット
ヤエマルドロマルの幼虫飼育で使用済みのマット
・赤枯れマット
レニノコの幼虫飼育に使用した菌糸カス(ごく微量)

上記を篩にかけてある程度微粒子にしたものを強く握ってジュクジュクするくらいに加水したものでセットした。
 
6月13日
生体が到着。インドネシア・スマトラ・ベンクール産の天然個体。♂42mm・♀26mmと前回よりはるかに大型の個体だった。
今回は大型個体ということもあって、♂はかなり気が荒くすぐに挟もうとしていかにもクワガタらしかった。
同居も考えていたがここまで気が荒いと♀殺しも心配なので、♀単独で産卵させることにし、産卵用ケースにセットした。
♀のコンディションもかなりよく、ケースに入れるなりすぐにゼリーにかぶりついた。
 
6月15日
長時間ゼリーを食べていることが多いが、食べ終わると数時間マットに潜り、またゼリーを食べるという行動を繰り返しており、以前の個体のようにマット上で休んだり歩き回ったりすることがないので今回は期待できそう。
 
6月21日
まだセットして一週間ほどしか経っていないが、産卵の有無を確認したかったのでマットの中層あたりを掘り返してみたところ、卵が1個発見することができた。
探せばまだあると思うが、1個のみ採取してセットを元に戻した。卵は120ccのプリンカップにセットし、孵化を待つことにした。とりあえずリベンジは果たせそうではあるが、ブルークツヤクワガタのようにマットが合わないと1齢幼虫で死亡してしまうこともあり得るので気が抜けない。
♀は採卵時に一時的にマットから取り出したことが影響したのか、ゼリーを食べたり歩き回ったりを繰り返し、なかなか潜らなくなってしまったようだ。落ち着くまで待とうと思う。
 
7月5日
雌雄共にマット上にいたので、♂を産卵用ケースに入れてペアリングを試してみたが、しばらく放置して数時間後に覗いてみると♂が♀を挟もうと攻撃していたため、慌てて♂を取り出した。♀は無傷のようだった。
 
7月7日
♀がマット上でじっとしていたので、採卵していることにした。
マットの上〜中層から卵がどんどん出てきて20個も得られた。採った卵は120ccのプリンカップ2個に6個ずつ、250ccのプリンカップ1個に8個セットした。
残念ながら6/22に採卵した1個は死滅したようだった。この時の卵は産みたてで楕円だったが、今回採卵したものは成長して球状に成長しているので期待できそうだ。
産卵用ケースのマットは目減りしてしまったが、マットの深さは重要ではなさそうなので、赤枯れマットを一握り混ぜただけで再セットした。
 
7月15日
7/11から岩手に遠征に行って帰宅後に確認したところ、見える範囲で4頭ほど孵化していた。
 
7月16日
改めて確認したところ、5頭の1齢幼虫が確認できた。卵がマットに埋もれているものもあり、もっと孵化している可能性もある。
1齢幼虫は活発に動いて回りのマットを食べているように見えた。どうにか産卵・孵化まで成功したが、マットが合うかどうかが3つめの関門である。
 
7月29日
プリンカップ内で1齢幼虫1頭が死亡したのを確認した。産卵用マットのままでは栄養価が足りない可能性もあるので、明日にでもマット交換を兼ねて単独飼育に移行したい。
 
7月30日
予定通り、プリンカップを開けてみることにした。
プリンカップは3個で7個の卵を管理しているプリンカップからは2頭、6個の卵のプリンカップからは4頭、8個の卵のプリンカップからは6頭の生存を確認できた。
頭部を残し、胴体が完全に萎んで死亡していた幼虫も複数見られた。
使用するマットは2週間程前に作り置きしていたマット(赤枯れマット主体でUマットやヤエマル幼虫やツヤクワ幼虫で使用したマット、菌糸ビン飼育で使用した菌糸カスなどを混ぜたもの)で、120ccのプリカップに既存のマットも多少混ぜて1頭ずつセットした。
 
前回の採卵から3週間少々経過したので、採卵してみることにした。
♀はまだ元気でゼリーを食べていた。マットからは予想に反して卵ではなく、1齢幼虫が24頭得られた。卵は1個のみだったので、産卵のピークは過ぎたようだ。
マット取り出し時に圧死、或いは最初から死んでいたものもあり、それらも含めると産卵数は50個以上となる。
得られた幼虫は前述と同様のマットで120ccかそれ以下で在庫のあるプリンカップは15個だったので、単独飼育は15頭、残りは250ccのプリンカップ3個に3頭ずつセットした。
これから加齢できるかが最大の難関だと思う。
 
8月12日
幼虫が育つか心配で毎日プリンカップはチェックしているが、3頭入れているプリンカップのマット表面に小さな穴が開いているものがあり、もしやと思い少し穿ってみると幼虫が確認できた。生きていることが確認できただけでもほっとした。
他の単独で飼育しているプリンカップで幼虫がマット上に出てしまっているものが1頭のみいた。原因は不明だが、マットの状態は他と変わらないため、このまま様子をみたいと思う。
 
8月13日
マット上に出ていた幼虫は依然マット上にいるが、弱っている様子もなく、多少移動したりしながら元気に動いている。気休め程度ではあるが、幼虫用に作成したマットをごく微量そばに置いてみた。
他のプリンカップも確認したところ、更に1つ単独飼育しているものがマット上に出ているのを発見した。原因を考えてみたところ、数日前から乾燥を防ぐために個々に加水していたので、急な加水でマット上に逃げてきたのかもしれない。ただ、やり過ぎたようなことはないのでよく分からない。
昨日マット上に出ていた幼虫は日中観察した限りではマット上にいるものの元気にしていたので安心していたが夜、再度確認してみると真っ黒になって死んでいた。マット上はどちらかというと乾燥気味なので多湿が適している可能性を考えマット上のもう1頭はまだ元気なので試しに回りを加水してみた。
 
8月14日
プリンカップのマット上に出てきている1頭と、マット上の縦穴から見える1頭は特に移動せずにいるが、やはり何か問題があってマット上にいると思われるため、試しに赤枯れマットの粉をほんの少量幼虫がいる付近に落としてみた。
 
8月15日
マット上に出てきている1頭は明確な窪みを作ってその中で過ごすようになり、ちょうどもう1頭のマット上から見える縦穴の中にいるものと同じ状態となった。
 
8月19日
♀が横になっていたので、確認したら瀕死の状態だった。特に傷付いている様子もなく、寿命のようだ。
 
8月20日
♀が完全に死亡した。恐らく産卵はいていないと思うが、明日確認したい。
マット上に出ていた幼虫はトンネルを作っておりもう大丈夫そうだ。加水したのが良かったかごく微量降りかけた赤枯れが良かったのかは分からない。
 
8月28日
小さいプリンカップだと乾燥が進みやすいなど環境が安定しないので250ccのプリンカップで単独飼育しようと最も小さいプリンカップで管理していたマットを開けてみたところ幼虫は死滅していた。
不安になって他のプリンカップもマットを出してみたところ、合計30個のプリンカップで飼育していた36頭の幼虫は21頭死滅し、15頭(1齢幼虫13頭、2齢幼虫2頭)となっていた。
死滅が多いものの生存し成長している幼虫がいることも事実なので素直に喜びたい。
得られた幼虫はすべて250ccのプリンカップで単独飼育することにした。マットは同じ作り置きしていたものに既存のマットと赤枯れマットを混ぜたものを使用した。
 
9月23日
250ccのプリンカップのうち、1個に大量にコバエの幼虫が発生していたため、マット交換することにした。
死滅を疑っていたが、健康そうな1齢幼虫が出てきた。
500mlクリアボトルで単独飼育することにし、マットの急激な変更は避けたいので、既存のマットをマットプレスで圧力をかけた上で目に見えるコバエの幼虫を取り除いたマットを再利用し、ストリアータの幼虫飼育の使用済みマットを半々程度で混ぜた上で、赤枯れマットも少量加えたものでセットした。
 
9月26日
種親の♂のゼリーを交換しようと、ゼリーの上に乗っている♂を取ろうとするとぽろっと体が崩れて既に死んでいた。とても死んでいるようなポーズではなかったので気付かなかったが、数日前には既に死んでいたようだ。
前回の♂と比べると倍近く長く生きたことになる。
 
9月27日
他にも4つのプリンカップでコバエの幼虫が発生していたため、生存確認とクリアボトルへの移動も兼ねてマット交換することにした。
4頭中3頭が大きく成長した2齢幼虫となっており、1頭は消滅していた。
3頭は頑丈に固められたトンネル内におり、とても元気で問題なさそうだった。
コバエが発生しているため、使用するマットはほぼ全交換、ストリアータ用に作成したマットと各種使用済みマット、Nマットと赤枯れマットを混ぜたものを使用し、500mlクリアボトルにセットした。新しいマットに順応してくれるようトンネルの壁面のマットを多少緩衝材として入れたので、コバエが再発生しないようこまめにチェックはしていきたい。
 
9月30日
250ccプリンカップで単独飼育中のうち、4個にコバエの幼虫が発生していたので、全6個のプリンカップを500mlクリアボトルでの単独飼育に切り替えることにした。
8個中2頭は死滅していたが、6頭はすべて2齢幼虫になっており順調に成長している様子だった。
6頭は500mlクリアボトルで単独飼育、マットは使用済みマットと赤枯れマットを主体にNマットを少し混ぜたものを使用した。
これで飼育中の幼虫は10頭となってかなり数は減らしてしまったが、ここまでくれば幼虫もかなり丈夫になっており、飼育は楽になると思われる。今後の課題としては1齢幼虫に与えるマットの改良になってくると思う。
 
11月5日
飼育中の500mlクリアボトルのうち、3本に少しコバエの幼虫が発生していたので、マット交換することにした。
マットの劣化もあり生存しているか気になっていたが、3本共に無事ですべて3齢幼虫に成長していた。
マットはコバエの幼虫が混入しないように基本的に全交換、ストリアータの幼虫飼育に使用したマットを主体にツヤクワ飼育済みマットと赤枯れマットもそれぞれ少量混ぜてみた。
念のため、コバエの幼虫を取り除いた既存のマットも緩衝用に多少は使用した。
孵化後の1齢での死亡率は非常に高かったが、2齢に成長した段階で死亡率は今のところゼロになっている。大型種ではないので栄養価の低いマットでじっくり育てるのがよさそうである。
 
11月22日
9/27と9/30にマット交換したうち、4本にコバエの幼虫が発生していたのでマット交換することにした。
いずれも無事で、3齢幼虫3頭と2齢幼虫1頭だった。更に3齢幼虫は3頭すべてに♀斑が確認できた。ツヤクワガタの仲間は♀斑が出ない種類が多いようだが本種については明瞭に表れるようだ。
 
2023年2月25日
ストリアータのマット交換をしてマットが1本分余ったので、去年の11/5にマット交換したうちの1本についてクリアボトルのサイズアップを兼ねたマット交換をすることにした。
外から幼虫が見えていなかったが、大きく成長しており♀斑が見えないので恐らく♂のようだった。800mlクリアボトルに移し長歯型を狙いたい。
 
3月5日
去年からマット交換していない残りの幼虫のマット交換をすることにした。
10頭いるが3頭は加齢できなかったようで死滅、6頭は3齢幼虫、1頭はまだ2齢幼虫のようだった。
普段滅多に幼虫が外から確認できることはなく、マットが縮んでボトルとマットが完全に分離して揺らすとコロコロと音を立てるものもあり、死んでいると思い期待していなかったのだが、マットの中から♂と思われる3齢幼虫を確認することができた。5頭はすべて♀だった。
今のところ♂が2頭のみとなり、累代飼育がかなりシビアになってきたが、3齢にもなれば死なせずに羽化までいけると思う。
♂は800mlクリアボトルに、他は500mlのまま飼育することにし、マットも既存のマットやストリアータで使用したマットを主体に、Uマットを少々、赤枯れマットも1割混ぜる程度にした。
 
5月26日
ストリアータでは♂の羽化を複数確認していることから、同時期の本種も蛹化か羽化しているのではないかと思い、♀の幼虫を確認してみることにした。
結果は特に繭玉らしきものはなく、3齢幼虫のままだった。ただとても元気でコンディションはとてもよく、このまま蛹化・羽化までいけそうである。
 
7月6日
500mlクリアボトルの1本で♀の3齢幼虫がマット上に出てきてしまっていたので、マットに赤枯れマットを追加して再セットしてみた。
 
10月17日
7/6にマット上に出てきてしまった3齢幼虫はその後マットを食べることなく死んでしまった。
他の幼虫も気になり、500mlクリアボトル1本を開けてみることにした。
慎重に掘っていくと繭玉から♀の蛹が出てきた。本種の蛹を撮影する機会は滅多にないので繭玉の上部を開けてから取り出して撮影後、元に戻した。
 
10月22日
夜、♀が羽化した。
 
11月4日
5/26時点で♀の3齢幼虫だった個体について、繭玉が作成されていたので繭玉上部を開けてみたところ、蛹になっていた。
 
11月9日
朝、♀の蛹が既に羽化しているのを確認した。まだ赤いが羽化後1日経過したと思われる。同時期に羽化したストリアータに気を取られてしまい、気付くのが遅れてしまった。
 
11月25日
♂2匹と♀1匹のボトルを確認したところ、♂は死滅、♀は既に成虫になっていた。
♂の頭部の殻程度しか痕跡がなかった状況からかなり前に死亡していたようだ。マット交換時に拒食を防ぐため、使用済みマットを主体にしており、♀では問題がなかったが♂では栄養価が足らなかったのかもしれない。
 
12月3日
♀単品では需要もないようでこのまま飼い続けるのも勿体ないので、ヤフオクに出品されていたペアを落札した。♀の眼の位置が左右不対称で少し安めだったとはいえ、送料込みで7千円少々となった。
PHOTO

♂42mm@
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♂42mmA
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♂42mmC
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♂42mmD
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♂42mmE
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♂33.5mm@
(2023/12/10 スマトラ産/WF1)

♂33.5mmA
(2023/12/10 スマトラ産/WF1)

♂27mm@
(2022/1/8 ボルネオ産/WILD)

♂27mmA
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

♂27mmB
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

♂27mmC
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

♀25.4mm(No.29)
(2023/12/3 スマトラ産/WF1)

♀24.8mm(No.20)@
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

♀24.8mm(No.20)A
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

♀24.8mm(No.20)B
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

♀24.8mm(No.20)C
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

♀24.8mm(No.20)E
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

♀24.8mm(No.23)
(2023/12/2 スマトラ産/WF1)

♀23.5mm
複眼の位置が左右不対称の個体。
(2023/12/10 スマトラ産/WF1)

♀26mm@
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♀26mmA
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♀26mmB
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

♀20mm@
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

♀20mmA
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

♀20mmB
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

♀20mmC
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

産卵用ケース@
赤枯れマットを使用。
(2021/11/24 ボルネオ産/WILD)

産卵用ケースA
カブトマットと赤枯れの混合マットに変更。
(2021/12/26 ボルネオ産/WILD)

産卵用ケースB
(2022/6/13 スマトラ産/WILD)

卵@
(2022/6/21 スマトラ産/WF1)

卵A
(2022/6/21 スマトラ産/WF1)

卵B
(2022/7/7 スマトラ産/WF1)

卵C
(2022/7/7 スマトラ産/WF1)

プリンカップ内で孵化した1齢幼虫
(2022/7/16 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫@
(2022/7/30 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫A
(2022/7/30 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫B
(2022/7/30 スマトラ産/WF1)

1齢幼虫C
(2022/7/30 スマトラ産/WF1)

窪みの中で生活する1齢幼虫@
(2022/8/17 スマトラ産/WF1)

窪みの中で生活する1齢幼虫A
(2022/8/17 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫@
(2022/8/28 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫A
(2022/8/28 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫B
(2022/8/28 スマトラ産/WF1)

2齢初期の幼虫C
(2022/8/28 スマトラ産/WF1)

2齢幼虫@
(2022/9/27 スマトラ産/WF1)

2齢幼虫A
(2022/9/27 スマトラ産/WF1)

2齢幼虫B
(2022/9/27 スマトラ産/WF1)

2齢幼虫C
(2022/9/27 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫@
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫A
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫B
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

3齢初期の幼虫C
(2022/11/5 スマトラ産/WF1)

♀の3齢幼虫@
(2022/11/22 スマトラ産/WF1)

♀の3齢幼虫A
(2022/11/22 スマトラ産/WF1)

♀の3齢幼虫B
(2022/11/22 スマトラ産/WF1)

♂の3齢幼虫@
(2023/2/25 スマトラ産/WF1)

♂の3齢幼虫A
(2023/2/25 スマトラ産/WF1)

♂の3齢幼虫B
(2023/2/25 スマトラ産/WF1)

♂の3齢幼虫C
(2023/3/5 スマトラ産/WF1)

♀の3齢幼虫C
(2023/5/26 スマトラ産/WF1)

♀の蛹@
(2023/10/17 スマトラ産/WF1)

♀の蛹A
(2023/10/17 スマトラ産/WF1)

♀の蛹B
(2023/10/17 スマトラ産/WF1)

♀の蛹C
(2023/10/17 スマトラ産/WF1)

♀の蛹D
(2023/10/22 スマトラ産/WF1)

♀の羽化@
(2023/10/22 スマトラ産/WF1)

♀の羽化A
(2023/10/22 スマトラ産/WF1)

♀の羽化B
(2023/10/23 スマトラ産/WF1)

♀の羽化C
(2023/10/26 スマトラ産/WF1)

繭玉内の新成虫♀(No.23)@
(2023/10/28 スマトラ産/WF1)

繭玉内の新成虫♀(No.23)A
(2023/10/28 スマトラ産/WF1)

繭玉内の♀の蛹@
(2023/11/4 スマトラ産/WF1)

繭玉内の♀の蛹A
(2023/11/4 スマトラ産/WF1)

繭玉内の新成虫♀(No.20)
(2023/11/9 スマトラ産/WF1)

繭玉内の新成虫♀(No.29)
(2023/11/25 スマトラ産/WF1)

繭玉内の新成虫♀(No.25)@
(2023/12/1 スマトラ産/WF1)

繭玉内の新成虫♀(No.25)A
(2023/12/1 スマトラ産/WF1)
ストリアータツヤクワガタとの相違点

♂:本種(左)とストリアータツヤクワガタ(右)
本種の大アゴの形状は細く縦方向に板状に対しストリアータでは幅広い。
(2022/7/2 スマトラ産/WF2)

♀:本種(右)とストリアータツヤクワガタ(左)
上翅の暗色の帯(無毛の部分)が本種のほうが太い。
(2023/12/2 スマトラ産/WF1)

本種の♀の頭部
複眼外縁にある眼縁突起は幅広く台形をしている。
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

ストリアータツヤクワガタの♀の頭部
複眼外縁にある眼縁突起は幅が狭く耳状。
(2023/6/22 スマトラ産/WF3)

本種の♀の腹面
腹節には基部以外に毛が生えていなかった。
(2023/11/16 スマトラ産/WF1)

ストリアータツヤクワガタの♀の腹面
腹面の腹節にも毛が生えていた。
(2023/6/22 スマトラ産/WF3)
 
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