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スティーブンスツヤクワガタ
学名:Odontolabis stevensi stevensi

♂76mm(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)
Data
和名 スティーブンスツヤクワガタ
 別名:スチーブンスツヤクワガタ,ブラックスティーブンス
体長 ♂:44.2〜91.4mm
♀:38.0〜47.6mm
分布 スラウェシ北部〜南部
樹液
 幼虫は発酵が進んだマットを食べる。
寿命 約1年
飼育難易度 簡単 ★★★☆☆ 困難
解説 スラウェシ島に生息するツヤクワガタの一種。
本種は4亜種に分けられているが、この基亜種(原名亜種)が最も大型になる。
スラウェシ島に広く分布する普通種で、北部は全身黒化した個体が多いが、中部から南部にかけては上翅の側縁沿いが黄褐色になる個体も出現する。
大アゴは長歯型は必ず先端近くに内歯がある。

 
ツヤクワガタ属(Odontolabis)の本種は以下の4亜種に分けられている。
亜種区分/学名 分布
基亜種
Odontolabis stevensi stevensi
スラウェシ北部〜南部
南スラウェシ中部亜種
Odontolabis stevensi mamaesaensis
南スラウェシ州中部
南スラウェシ南部亜種
Odontolabis stevensi yasusukei
南スラウェシ州南部
サンギール諸島亜種
Odontolabis stevensi duivenbodei
サンギール諸島(タフナ島)
 
トップの写真は12月22日にネットオークションで購入した天然個体の♂76mmを撮影したもの。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ 2021年12月22日
アリストからスラウェシ島・パロロ・パル産の長歯型のペアが到着した。雌雄共に真っ黒な個体だった。
撮影後、♀は前日にコバエシャッター大にセットしておいた産卵用ケースに投入した。産卵用ケースの内容は、フォーテックのカブト1番のみにしてみた。
セット後、♀はマットから出ようと蓋によじ登ろうとばかりしていた。蒸れているもののマットは熱を持っていないようなので、少し様子をみたい。
その後も一向に♀が出ようとばかりしているため、8分目だったマットを7分目に減らしてみた。
夜になると、マットに深くに潜って側面から一部が見えたので安堵した。このまま産卵して欲しい。

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12月26日
夜間からマット底面に潜り、ギーギーとケースを擦る音を出していた。恐らく産卵行動をしていると思う。
 
12月28日
飼育中のサンギール諸島亜種(以下サンギール産)と同様、本亜種の♀も同じようにゼリーには見向きもせずマット上を歩き回っていたので新しいものに交換するとすぐに食べだした。古いゼリーは勿体ないので他のクワガタに与えるようにした。
 
12月29日
マットを掘り返し、産卵の有無を確認したが卵は見つからなかった。マットの加湿が足りない可能性も考え、水分量を大幅に増やしマットを強く握るとジュクジュク音を立てる位に加水した。再セット後、♀は長時間ゼリーを食べていたが深夜にはマットに潜った。
 
2022年1月1日
夜間はマット上で盛んに歩き回るというより走り回るほど元気で、たびたび飛翔もしていた。♂も元気に歩き回っていたので、♂を産卵用ケースに入れて様子を見てみたものの、まったく♀に興味を示さなかった上に威嚇して挟む寸前になったので再び♂を隔離した。
 
1月2日
サンギール産の産卵用マットに赤枯れマットを1割混ぜたところ、マットに潜ったきりになったので、少しでも産卵の可能性があればと思い、本亜種についても同じように赤枯れマットを1割混ぜることにした。使用した赤枯れマットは自己採取したスダジイ由来のもの。
既存のマット自体は縮んでケースの6割弱程になっていたので、赤枯れマットを1割足して7割強となった。
 
1月8日
再セット以来、マットに潜っている時間が明らかに長くなっているので、産卵状況を確認することにした。マット中を探しまくった挙句にようやく3個の卵を見つけることができた。少ないものの産卵に至ったことは喜ばしい。採った卵はプリンカップ大に同じマットと一緒に管理することにした。
現状のマットに赤枯れを含む使用済みのマットも少し足して再セットした。
 
1月10日
赤枯れマットの割合を増やしたサンギール産が好調なため、本亜種についても赤枯れを追加して再セットした。試しに加水はしないでみることにした。♀はケースの下層部に潜ってはいたが現時点で卵は見つからなかった。
 
1月13日
1/10の再セット時、実験的にあえて加水しなかったので、現時点の産卵状況を確認することにした。結果はゼロ個。マットは強く握ると塊にはなるが、ややパサパサするほど乾燥が進んでいたため、本種には適していないと判断、マット自体は問題ないとして現状のマットに加水するのみとした。
 
1月15日
卵3個の内、1個が死滅した。
 
1月22日
前回の採卵から2週間経ったので2回目の採卵をすることにした。
結果は卵10個が得られた。卵はマットの小さな塊の中に若干余裕のある空間がありその中に産み付けられていたが、マットの塊はさほど固くはなく、触れるとすぐに砕けた。
同種別亜種のサンギール産の成績が良すぎるのは1個1個丁寧に団子を作って産み付ける本種に対し、バラ撒くように産卵する産卵方法の違いかもしれない。この産卵方法の違いは亜種による差でもないらしく、マットなどの環境に応じての行動なのかは不明。
得られた卵は新たにプリンカップ大にセットした。
産卵用ケースはマットの補充はせず同じマットで再度セットした。
 
1月25日
1/22に採卵した10個の内1個はすぐに死滅した。1/8に採卵した卵は成長しており、孵化が近そうだ。
 
1月26日
更に1個の卵が潰れていて死滅した。他は問題なさそうだが、全般的にサンギール産と比べて本亜種の卵は小さく貧弱な印象を受ける。同種で更に本亜種のほうが♀の体長が大きいにも関わらずである。原因が無精卵である可能性も考えられるので、1週間ほど様子を見て孵化しないようであれば無精卵であるとみなし、ペアリングさせるしかない。でなければ本亜種に関しては卵が脆弱であることと、マットの塊の中に産卵して後から♀に潰される心配が少ないことから、採卵するペースを更に伸ばしたほうがいいようだ。
 
1月27日
天然物であるから交尾済みと考えていたが、改めて卵を見ても透明感が強く、どうも無精卵である可能性が高くなってきたので♂を産卵用ケースに入れることにした。
 
1月29日
卵はだいぶクリーム色になって透明度がなくなってきた。もしかしたら取り越し苦労だったのかもしれない。
産卵用ケースは日中に雌雄ともに活動しており、♀は歩き回っているものの♂にほとんど近づかず、♂は♀に興味を示すものの追いかけるところまでいかず交尾成立とはならなかった。マルバネクワガタ類に比べてツヤクワガタのペアリングは難しい。
 
1月31日
日中に最初の卵が孵化していた。取り越し苦労で良かったが、サンギール産より卵が小さく、成長も遅い傾向があるようだ。♂は頃合い見て単独飼育に戻そうと思う。
 
2月1日
日中に♀がマット上を歩き、♂は樹皮の下で休んでいる状態だったが、やはり♀殺しは怖いので♂を単独飼育に戻すことにした。
 
2月19日
前回の採卵から4週間が経過したので、3回目の採卵をすることにした。♀はマット上の木片の裏で休んでいた。
マットを掘り出すと、81個の卵が出てきた。卵もある程度成長したものから産んで日が浅い小さくみずみずしいものまであった。今回の採卵で当初サンギール産より難しく卵も弱いというのは誤りで、産卵開始するまでに日数を要していたようで、最初の採卵では産みたての脆弱な卵を採っていたようである。
死滅した卵も含めるとこれで94個もの卵を得られたことになる。ここにきて産卵ペースが上がってきたのは、環境への慣れかマットの熟成が進んだからか、とにかく基亜種も条件が整うと100個以上の卵を産む種であることに間違いない。
得られた卵は6つのプリンカップ大に、13個×3、14個×3でセットした。マットは下部3cmを産卵用マットに、残りは産卵用マットにNマットを混ぜたものでセットした。
産卵用ケースのマットが半減したため、カブト1番とNマットを半々の割合で混ぜたもので補充した。
 
2月21日
♂が死んでいた。既に固くなっており、昨日から同じ姿勢で静止していて気になっていたが休んでいるかもしれないとそっとしておいたので昨日から死んでいたと思われる。生存期間は60日間でほぼ2ヶ月だが、本種の寿命は長いらしいので野外で長く生きてきた個体だったのだろう。
♀と5日間ほど同居させたことがあるので交尾しなかったとは言い切れないが観察していた限りでは♀が♂に全く興味を示さず交尾した可能性はゼロに近い。恐らく交尾済みであることで交尾を拒絶するような習性があるのかもしれない。
 
2月23日
初回採卵分の2頭の1齢幼虫について、孵化から21と23日が経過しているので、そろそろ単独飼育することにした。
サンギール産で孵化後の死亡率がゼロだったので、心配はしていなかったが、やはり2頭共に元気な状態だった。サンギール産と同様、あらかじめ作成しておいた以下の混合マットを既存のマットに混ぜて500mlクリアボトルにセットした。
・カブト1番:4割
・Nマット:3割
・赤枯れマット:2割
・ヤエマル使用済マット:1割
 
3月6日
1/22採卵分のプリンカップについて単独飼育にすることにした。
10個入れていたプリンカップから7頭の1齢幼虫と1齢幼虫の死骸が1頭出てきた。なぜ死んだかは不明だが、腐敗はしていないものの明らかに死んでいた。
マットか幼虫同士による喧嘩なのか分からないので、7頭については念のため今回使用するマットはNマット主体の混合マットを使用した。
 
3月12日
前回の採卵から3週間経ったので、4回目の採卵をすることにした。
結果は30個。別に明らかに死んでいる卵も1個あったのでそれを入れると1日の産卵数は平均すると約1.5個。前回は約2.9個だったので産卵のピークは過ぎたようだ。産卵数は125個にもなるでそろそろ打ち止めかもしれない。
得られた卵は3個のプリンカップ大に10個ずつセットした。産卵用マットは減った分をNマットで補充した。
 
3月20日
2/19採卵分の6個のプリンカップのうち、1個を開けて単独飼育することにした。
卵13個入れていたが、11頭の1齢幼虫が得られたので、2個は卵のうちに死滅したようだ。得られた11頭中、1頭については生気がなくほとんど動かなかったため、170mlプリンカップで様子を見ることにした。10頭については500mlクリアボトルで、マットはカブト1番主体にしてみた。
種親の♀は未だに元気で、2日前にはケース内を飛び回るほどであった。
 
3月21日
2/19採卵分の残り5個のプリンカップのうち、1個を開けて単独飼育することにした。
昨日と同様、卵13個入れていたもので、11頭の1齢幼虫が得られた。今回はすべて元気な状態だった。
今回は3頭について実験的にカブト1番のみを使用して飼育可能か確かめることにした。
2/23にセットした2頭の1齢幼虫については、セット時に撮影したマットにコバエと思われる幼虫がいたことをセット直後に発見したため、コバエが発生次第駆除して対応する予定で毎日こまめにチェックしていたのだが、一向にコバエが発生せず、数日前から幼虫ばかりが大発生する状態になっており、あまりにマットの劣化が激しくマット上もナメクジが這いまわった跡のようにべた付いた粘液が見られた為、マットをすべて交換することにした。
幼虫を取り出したところ、1頭目については成長せずかなり衰弱した状態となっていた。2頭目については完全に消滅して死骸すら見つからなかった。
今回の状況は予想外のもので、事前に作成していたマット自体にはまったくコバエは発生しておらず、セット時かプリンカップで管理中にコバエに進入・産卵されたのかもしれない。プリンカップは画鋲を使用した通気孔しか開けれおらずコバエが侵入できないようにはしていたのだが、今後も同じようなケースがでないよう細心の注意を払いたい。ただ、発生したマットは最初の2個の卵を管理していたマットのみなのが不幸中の幸いであった。
しかし、コバエの成虫が発生しておらず大量の粘液を出していることから通常コバエと呼ばれている小さいクロバネキノコバエ類ではないやや大きめのキノコバエの可能性が高い。
 
4月2日
2/19採卵分の残り4個のプリンカップのうち、1個を開けて単独飼育することにした。
卵13個を入れていたもので、早くも2齢幼虫1頭、1齢幼虫が9頭得られた。孵化せず腐りもしない卵が1個あった。残り2個は見つからないため、死滅と判断した。
3/20の生気がなかった1齢幼虫についても見つからないため死滅と判断した。
 
4月3日
2/19採卵分の残り3個のプリンカップを開けて単独飼育することにした。
まず1個目は卵14個を入れていたものだが、2齢幼虫3頭、1齢幼虫5頭の合計8頭が得られた。
2個目も卵14個を入れていたものだが、1齢幼虫9頭が得られた。
3個目も卵14個を入れていたものだが、2齢幼虫1頭、1齢幼虫10頭が得られた。
今回は孵化率は約67%であまり良くなかったが、過密気味なので孵化率ではなく、事故かもしれない。
現在、67頭を単独飼育中で、単独飼育待ちも含めると100頭を超えるため、ヤフオクへの出品も検討したい。
前回の採卵から3週間経過しているので、5回目の採卵をすることにした。
結果は24個の卵が得られた。前回より更に6個少なく、明らかにピークは過ぎているものの予想より減り方は少なく横ばいに近い。
 
4月10日
♀が死んでいた。毎日チェックはしていなかったので数日以内に死んだようだ。
 
4月23日
3/12採卵分の3個のプリンカップの幼虫を単独飼育することにした。
プリンカップにはそれぞれ10個ずつ卵を管理していたが、
1個目は2齢幼虫2頭、1齢幼虫4頭と少なかった。孵化率というより過密による事故ではないだろうか?
2個目は2齢幼虫1頭、1齢幼虫6頭だった。
3個目は2齢幼虫2頭、1齢幼虫7頭だった。
生存率にムラがあるのは少々気になるところ。
最初の2個から出した幼虫については500mlクリアボトルで単独飼育するが、そろそろ在庫も少なくなってきたため、3個目の9頭についてはプリンカップ大(430cc)で単独飼育することにした。現在単独飼育中の幼虫は89頭にもなるので2齢幼虫の状態での販売も検討したい。
 
5月4日
飼育状況の確認も兼ねて、4/3にセットした幼虫を6頭出してみることにした。結果、8本のクリアボトルから6頭の2齢幼虫とまったく大きくなっていない1齢幼虫、死滅1頭という結果となった。成長しない1齢幼虫は普通に動くものの半透明のようでどうやら病気のようだ。2齢幼虫6頭は元気な状態だったので、販売に回した。
 
5月5日
最後に採卵したプリンカップ2個について、1ヵ月経過しているので、単独飼育することにした。
1個目は卵12個を入れていたものだが、1齢幼虫6頭と孵化しない卵1個のみ得られた。2個目も卵12個を入れていたものだが、1齢幼虫10頭が得られた。
現在飼育中の幼虫は合計103頭にもなる。クリアボトルは在庫がまた無くなってきたので、近い容量のプリンカップ中(430cc)を使用した。
 
5月9日
3/21に実験的にカブトマットのみで飼育した1齢幼虫3頭が気になり、生存確認してみたところ、2頭は死滅、1頭は生きていたが成長せず1齢幼虫のままという結果となった。
1齢幼虫では栄養価が高すぎたようだ。しかしこれで許容範囲が分かったので今後に活かしていきたい。
 
5月14日
そろそろ最初にセットした1齢幼虫のクリアボトルのサイズアップをすることにした。
3/6から飼育開始している500mlクリアボトル8本について幼虫を確認したところ、キノコバエの幼虫が発生してマット交換をした1頭についてはダメージが大きかったとみえて死滅していた。
残りの7頭については、2齢幼虫が2頭、3齢幼虫が4頭だった。3齢幼虫のうち、2頭は薄っすら♀斑が見られたので、800mlクリアボトルで単独飼育することにした。
3齢幼虫の中で1頭は取り出す時に後脚を中脚に擦り合わせ、「ゴーゴー」と振動を伴う音を出していた。頭部も大きく、非常に攻撃的だったので明らかに♂であり、化けそうな予感がしたので、この1頭のみ2300mlクリアボトルに入れ、残りは3齢初期で雌雄判別もできなかったので2齢幼虫も含め、無難に1500mlクリアボトルで単独飼育することにした。
 
5月16日
中盤から後半にかけての2齢幼虫をヤフオクに出しているが、今日は3/12に採卵し、4/23から単独飼育中の6頭を出したところ、2齢幼虫の状態ではっきりとした♀斑がある個体が1頭出てきた。どうやら個体差があるようだ。
 
6月4日
今日は3/20にカブトマット主体で500mlクリアボトルにセットした1齢幼虫10頭についてマット交換を兼ねたボトルのサイズアップをすることにした。
幼虫のうち1頭はマット内で3齢幼虫の状態で真っ黒になって死んでいた。特にマットの劣化もなく、原因は不明。他は2齢幼虫が3頭、3齢幼虫が6頭だったが、カブト1番を主体にした割に成長は遅めで大型化する気配もなかった。
1頭については♀斑が見られたので800mlクリアボトルにセット、残りは1500mlクリアボトルにセットした。
 
6月18日
3/1に1齢で500mlクリアボトルにセットした9頭について、ボトル交換することにした。
実際には11頭だったが、このうち3頭は実験的にカブト1番のみで飼育して2頭死滅しており、気になる1頭については元気であるものの未だに2齢幼虫のままであった。栄養価が高いので順応すれば大型化するかと思っていたが弊害のほうが大きいようだ。
他の8頭については3齢幼虫になっておりすべて順調に成長していて、4頭は♀斑が出ていたので800mlクリアボトルにセットした。残り4頭については比較的大型の2頭は♂に間違いなく2300mlクリアボトルにセット、2頭は1500mlクリアボトルにセットした。
本種やサンギール産などで使っていた500mlクリアボトルが大量に空きが出たこともあり、後半の個体10頭で在庫がなかったためプリンカップ大を代用していたものも500mlクリアボトルに変更した。マットは劣化していたため、三分の一程Uマットを混ぜた。
 
6月26日
今日は4/2に500mlクリアボトルにセットした幼虫10頭について、ボトル交換することにした。
幼虫を出してみると3頭は♀斑が確認でき、確認できない5頭は♂と思うが、1頭はまだ3齢初期だったので判別は確実ではない。2頭についてはセット後早いうちに死滅したようでマットに変化もなく死骸も見つからなかった。
♂と思われる5頭については1500mlクリアボトルに、♀は800mlクリアボトルにセットした。マットはここ数日の炎天下を利用して日光消毒したラコダールツヤクワガタの産卵用に使用したマットとカブト1番、Nマット、既存のマットを5:2:2:1の割合で混ぜたものを使用した。
ケチっている訳ではなく、これまでの飼育で無理に栄養価の高いマットを与えても逆効果となる傾向が見られたためである。
 
7月26日
今日は500mlクリアボトルで管理している残りの幼虫についてボトル交換を行うことにした。
残りは24本で、飼育種が増えてボトル交換が追いついておらず2〜3か月放置していたのでサイズ的には期待できないかもしれない。
24本中、6頭は死亡しており、18頭は3齢幼虫で後半の個体はまだ3齢初期だった。♀と確認できる個体は10頭だった。
♀と3齢初期で小さく感じた個体は800mlのクリアボトルに、その他の♂は1500mlのクリアボトルに移動させた。マットは新品のマットによる拒絶反応を避けるため、サンギール産の幼虫のマット交換時に出た使用済みマットを主体に既存のマットを混ぜるのみとした。
 
8月8日
2つだけ500mlクリアボトルのままで放置してしまっていたため、急遽ボトル交換することにした。
1齢幼虫で飼育開始し3か月放置状態となっていたが、暴れることもなくマットの中心で居食い状態で順調に大きくなっていた。1500mlクリアボトルにセット、サンギール産で劣化したマットから急に新しくするとショックで死亡するケースを確認しているため、ツヤクワの幼虫飼育で使用したマットを主体にUマットを1割混ぜる程度とした。
 
8月16日
2300mlクリアボトルで単独飼育している1本にコバエの幼虫が発生してしまっていたので、マットの全交換をすることにした。
幼虫はかなり大きく成長してややクリーム色がかって成熟してきたようだ。2300mlクリアボトルでツヤクワの幼虫飼育で使用したマットにUマットを3割程混ぜたものでセットした。
 
12月16日
1500mlクリアボトルでマットが縮み、明瞭な変色部があるものがあったので、繭玉を作成し蛹か羽化しているのではと思い、慎重に掘ってみたところ、繭玉を作成中と思われる幼虫が顔を出してしまった。小さな窓しか開けなかったのでそのまま埋め戻し蛹化を待つことにした。
しかし、ほぼ同時期に飼育を開始しているサンギール亜種は既に♀が羽化し活動を開始、♂も羽化が始まっている状況で、本亜種は未だに蛹化もしていないというのは同種でありながら亜種によって成長するスピードにかなり開きがあるようだ。
 
2023年1月28日
3齢幼虫で死亡する個体が非常に多く、大半は死亡していた。
まだ未確認のボトルもあり、2300mlのクリアボトルを開けてみると、底面のマット全体が固くなっており繭玉はなく死滅かと思いきやマットの底にむき出しの状態で♀の蛹が出てきた。
ちゃんと生きているのでこのまま羽化させたら確実に羽化不全になるところだった。
代わりの蛹室はちょうど4日前に羽化したサンギール亜種の♀の繭玉があったので、早いが♀を取り出してこの繭玉に蛹を入れて羽化させることにした。
残りのボトルから羽化してくる成虫もいるかもしれないが、今回の飼育は成功とは言えないので今回の飼育で得られたデータを活用し今後も飼育法を模索していきたい。
 
1月29日
まだ確認していないボトルでいかにも繭玉を作って縮んでいるものがあるので確認してみることにした。
マット下層は全体的に固く密になっており、どこにあるか分からないがボトル側面から見ると真空パックのように空気が入り込んでない横長の楕円があり、その上を慎重に削っていくと前蛹と思われる幼虫の一部が確認できた。
タイミングはまだ早かったとは思うが、ここまで来たら新たに繭玉を作らずこのまま蛹化してくれると思う。3齢時、頭部の大きさから♂と判別していた個体だったので♂の羽化に期待したい。
 
2月1日
12/16に繭玉の作成を邪魔してしまった幼虫はその後、ボトル底部の側面から見える位置で前蛹となっており非常に小さく期待していなかったのだが、夜に無事に蛹化してくれた。
通常、繭玉を作成する種は側面から内側が見えることはほとんどないので珍しいケースだと思う。今回は繭玉の作成を邪魔してしまったことが影響したのだろう。
下半身の一部しか見えないので雌雄は分からないが小ささから♀ではないかと思うが3齢幼虫時に♂と判断している個体だったので極小の♂という可能性もあり得る。
 
2月7日
朝、♀が羽化していた。昨晩の23時半には蛹がうつ伏せになっており、羽化寸前の状態になっていたのを確認していたが問題なく上翅が伸びて鮮やかなオレンジ色になっていた。
 
2月10日
繭玉に窓を開けていた前蛹が蛹化した。♂を期待していたが残念ながら♀だった。
まだ未確認のボトルは5本となってしまったが、1本の繭玉を開けてみたところ悪臭を放つ腐敗した前蛹となっていた。
もう2本も確認すると今度は真っ黒に色付いた♀成虫が出てきた。既に体は完全に固まっており、羽化後かなり経過した個体のようだった。原名亜種の飼育では幼虫時の死亡率が高かったため、かろうじて♀が羽化できた感じなので♂は出て来ない可能性が高いようだ。使用するマットは改善の余地がありそうだ。
 
2月11日
残り3本中2本を開けてみることにした。1本目は特に繭玉も作らずトンネル内で死亡、2本目は繭玉を作成し羽化直前の状態で死亡していた。これまでの飼育では3齢幼虫までは順調だったが、それ以降死亡率が高くなっているが、死亡するタイミングがあまりにもランダムで原因がよく分からない。
残り1本を残しているが、変色部もなく恐らくダメだろう。
 
2月12日
残りの1本も確認したが3齢で死亡していた。ケース底面から見える蛹も窓を開けてみたがやはり♀で♀のみ4匹になってしまった。
しばらくはサンギール亜種に注力するため、原名亜種のブリードは中断しようと思う。今回の飼育で得られたデータを分析し、飼育方法を改善して再挑戦したい。
 
3月22日
2/10に成虫で取り出した♀が後食を開始した。サンギール産のデータでは♀の場合、羽化から73日前後で後食を開始しているので、同じだとすると羽化日は1/8前後ということになる。
PHOTO

♂76mm@
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

♂76mmA
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

♂76mmB
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

♂76mmC
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

新成虫の♀44mm@
(2023/3/9 スラウェシ島産/WF1)

新成虫の♀44mmA
(2023/3/9 スラウェシ島産/WF1)

新成虫の♀42mm
(2023/2/12 スラウェシ島産/WF1)

♀46mm@
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

♀46mmA
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

産卵用ケース
(2021/12/22 スラウェシ島産/WILD)

飛び立とうとする♀46mm@
(2022/1/1 スラウェシ島産/WILD)

飛び立とうとする♀46mmA
(2022/1/1 スラウェシ島産/WILD)

卵@
(2022/1/8 スラウェシ島産/WF1)

卵A
(2022/1/8 スラウェシ島産/WF1)

卵B
(2022/1/22 スラウェシ島産/WF1)

プリンカップ内の1齢幼虫
(2022/1/31 スラウェシ島産/WF1)

卵C
(2022/2/19 スラウェシ島産/WF1)

卵D
(2022/2/19 スラウェシ島産/WF1)

1齢幼虫@
(2022/2/23 スラウェシ島産/WF1)

1齢幼虫A
(2022/2/23 スラウェシ島産/WF1)

1齢幼虫B
(2022/2/23 スラウェシ島産/WF1)

1齢幼虫C
(2022/2/23 スラウェシ島産/WF1)

1齢幼虫D
(2022/2/23 スラウェシ島産/WF1)

1齢幼虫E
2頭目の個体。
(2022/2/23 スラウェシ島産/WF1)

2齢初期の幼虫@
(2022/4/2 スラウェシ島産/WF1)

2齢初期の幼虫A
(2022/4/2 スラウェシ島産/WF1)

2齢初期の幼虫B
(2022/4/2 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫@
(2022/5/4 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫A
(2022/5/4 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫B
(2022/5/4 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫C
(2022/5/4 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫D
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫E
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

2齢幼虫F
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

♀の2齢幼虫
(2022/5/16 スラウェシ島産/WF1)

3齢幼虫@
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

3齢幼虫A
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

3齢幼虫B
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

♀の3齢幼虫@
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

♀の3齢幼虫A
2月中旬に孵化した個体。
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

幼虫を入れたクリアボトル各種
(2022/5/14 スラウェシ島産/WF1)

♂の3齢幼虫@
(2022/8/16 スラウェシ島産/WF1)

♂の3齢幼虫A
(2022/8/16 スラウェシ島産/WF1)

♂の3齢幼虫B
(2022/8/16 スラウェシ島産/WF1)

♀の蛹(個体No.28)@
(2023/1/28 スラウェシ島産/WF1)

♀の蛹(個体No.28)A
(2023/1/28 スラウェシ島産/WF1)

♀の蛹(個体No.28)B
繭玉はサンギール亜種のものを流用。
(2023/1/29 スラウェシ島産/WF1)

繭玉内の前蛹(個体No.105)@
(2023/1/29 スラウェシ島産/WF1)

繭玉内の前蛹(個体No.105)A
(2023/1/29 スラウェシ島産/WF1)

クリアボトル内の♀の蛹(個体No.104)
(2023/2/1 スラウェシ島産/WF1)

♀の蛹(個体No.28)C
繭玉はサンギール亜種のものを流用。
(2023/2/5 スラウェシ島産/WF1)

♀の蛹(個体No.28)D
(2023/2/6 スラウェシ島産/WF1)

羽化中の♀(個体No.28)@
(2023/2/7 スラウェシ島産/WF1)

羽化中の♀(個体No.28)A
(2023/2/7 スラウェシ島産/WF1)

羽化中の♀(個体No.28)B
(2023/2/7 スラウェシ島産/WF1)

羽化直後の♀(個体No.28)@
(2023/2/8 スラウェシ島産/WF1)

羽化直後の♀(個体No.28)A
(2023/2/8 スラウェシ島産/WF1)

羽化直後の♀(個体No.28)B
(2023/2/8 スラウェシ島産/WF1)

羽化3日後の♀(個体No.28)
(2023/2/10 スラウェシ島産/WF1)

繭玉内の♀42mm(個体No.26)
(2023/2/10 スラウェシ島産/WF1)

羽化4日後の♀(個体No.28)
(2023/2/11 スラウェシ島産/WF1)

繭玉内で死亡した羽化直前の♀の蛹
(2023/2/11 スラウェシ島産/WF1)

蛹室内の♀(個体No.104)
(2023/2/12 スラウェシ島産/WF1)
 
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