アマミマルバネクワガタ | |
学名:Neolucanus protogenetivus protogenetivus | |
♂57mm(2023/9/2 徳之島産/F2) |
Data | |||||||||||||||
和名 | アマミマルバネクワガタ 別名(愛称):アママル |
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体長 | ♂:44.3〜65.2mm ♀:42.0〜52.8mm 飼育下では69.9mmの記録がある。 |
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分布 | 奄美大島,徳之島 | ||||||||||||||
出現期 | 9〜10月 | ||||||||||||||
餌 | なし(飼育下では昆虫ゼリーを食べる) 幼虫はシイ類の赤腐れしたフレークを食べる。 |
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寿命 | 2ヶ月 | ||||||||||||||
飼育難易度 | 簡単 ★★★★☆ 困難 | ||||||||||||||
解説 | 奄美に生息するマルバネクワガタの一種。 体色は黒色で頭部と前胸背板はやや艶消し状。上翅は光沢があり、黒色〜暗褐色まで個体差がある。 大型になるが原歯型が多く、ヤエヤママルバネクワガタやオキナワマルバネクワガタに比べ、長歯型は滅多にみられない。 請島に生息するものは別亜種ウケジママルバネクワガタ(Neolucanus protogenetivus hamaii)とされ、基亜種より更に艶消し状で、前胸背後角前方の突出が弱いなどの特徴がある。 成虫は主に9月に活動する。 幼虫期間は長く、4〜5年と推測されている。
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飼育メモ |
2021年10月26日 1齢幼虫4頭を購入。クリアボトル(800ml)、マットはUマット・Nマット・ヤエヤママルバネクワガタ(以下ヤエマル)幼虫飼育使用済みマットのブレンド。血統別に管理するため、これら4頭はAラインとする。 続きを表示11月12日 Aラインの幼虫をクリアボトルにセットして以来、徐々に線虫が増えてきてしまっている。他で使用しているものは線虫が見られないことから購入時のマットにいたようだ。 別血統を入手するため、同産地のネットオークションで同産地の2齢幼虫4頭を購入。両血統同士でペアが得られればと思っている。 やや大きめのプリンカップに4頭一緒に入っていた。4頭一緒にコバエシャッター中にセットした。マットは5割自作のスダジイ赤枯れマット、残りはNマットを主体にUマットとマルバネ系幼虫・産卵使用済みマットを混ぜたものを使用した。ただし、産卵に使用したマットはまったく産まなかったマットの流用で比較的新鮮なものである。 本来は幼虫飼育用に赤枯れマットと添加発酵マットを混ぜて1か月は寝かせて馴染ませたほうがよいが、何分ネットオークションでの購入という都合上、入手してからの対応となってしまうのが難点である。 マット交換のショックをできるだけ和らげるようセットしたケース端のマットに大きな窪みを掘り、その中に幼虫がいたマットを少し敷き、4頭をある程度間隔を分けて配置して、残りのマットで埋めるようにした。これら4頭はBラインとする。 Aラインの4つのボトル全てにコバエが発生した。線虫と思っていたがどうやらコバエの幼虫だったようだ。混合マットに使用した使用済みマット・Nマット・UマットはBラインの他、他のクワガタ飼育にも多用しているが、どのセットからもコバエは発生していないことから幼虫購入時に一緒に入っていたマットにコバエの卵か幼虫が入っていたことになる。 マット全交換による環境の急変の影響も避けたいので、劣化の激しい上層部のマットをコバエとともに取り除き、急遽作成した赤枯れマット主体に使用済みマットを混合したもので補充した。ただしNo.1(幼虫番号)は都合上使用済みマットのみを補充した。 幼虫の安否も心配だったため、No.3とNo.4のボトルは中層までマットを取り除いたところ、無事が確認できた。幼虫は取り出さず取ったマットの分だけ前述したマットを補充した。 今後、コバエの発生状況をこまめにチェックして可能な限り駆除しようと思う。過去コバエの発生に悩まされた経験があり異常な繁殖力を痛感しているが、今では室内に一匹のコバエも発生していない環境が維持できているため、少なくとも他のマットへの侵入だけは何としても避けたい。 コバエが発生したAラインについては毎日数回こまめにチェックしているが、今のところコバエは発生していない。ただ、やはり線虫と思われるものは依然確認できるので、線虫とコバエの両方がいたのかもしれない。 どちらかというと線虫よりコバエのほうがマットへのダメージが大きいと思うので、コバエの混入が少なく繁殖を抑えられるようであればマットの状態を維持しやすくなりそうだ。 AラインのNo.2のボトルから1匹のコバエを確認、駆除した。予想以上に発生率が少なかったが毎日チェックしていた甲斐があった。 各ボトルは側面からみるとマットの劣化が目立つが、マットを少しほじってみると内部はそれほどの劣化は確認できないのでまだ保ちそうだ。線虫の状況次第では、Bラインのマットを使用しての全入れ替えも検討したい。 やはりマットの劣化を放置できないが、かといってマットを100%替えることによる事故も防ぎたいので、100%替えても安全なマットを作ることにした。 やり方としては、現状コバエシャッター中で飼育中の線虫が発生していないBラインのマット半分と、新たに作成するマットを半々で、更にマットが安定するようAラインについてもコバエシャッター中で4頭一緒に飼育することにした。 まず新しいマットの作成は使用するコバエシャッター中が手元にないので入手後の作業になる。 計画としては新しいマットをスダジイ由来の赤枯れマット6割、Nマット2割、Uマット1.5割、クワガタ飼育使用済みマット0.5割でコバエシャッター中にブレンドした状態で1ヶ月放置して馴染ませたものを使用する。 コバエシャッター中が届いたので早速マットを作成して1ヶ月待つことにした。赤枯れといってもBE-KUWA情報だと使えるものと使えないものがあるらしく、自作がどちらかなのかは定かでないので心配ではある。 Aラインのクリアボトルの状況は毎日頻繁にコバエチェックをしているが、数日に1回程度のペースでまだランダムにコバエが数匹発生する状況。ただコバエ絶滅まであと一歩といったところではあるが、線虫も発生しているのでやはりマット交換は必要と考え、マットの熟成の1ヶ月にはまだ少し満たないが、冬休みの時間を利用してマット交換をすることにした。 まずBラインのコバエシャッター中を掘り返してみたところ、マットの下層付近に4頭2齢幼虫の状態で見つかった。前回と同様の2齢幼虫ではあるが、順調に大きく成長していた。 Bライン用にマットを半分採取後、12/8に作成して寝かせておいたマットを混ぜたものでマット交換をした。 Aラインのクリアボトルを掘り返してみると、最下層部のほぼ土化した固い部分にトンネルのような空間の内部にいる2齢幼虫が確認できた。全ボトル同じ状況でAラインと同様に全頭無事に成長していた。 当初、Aラインについてはコバエと線虫の除去のため、マット全交換・多頭飼育する予定だったが、現状のマットと新たに用意したマットの質があまりに異なっていてマット交換によるショックのほうがリスクが高いと判断し、幼虫がいる最下層だけを残し、上から新しいマットを補充するようにした。マットの比率としては新品マット9割と既存の下層マット1割。 恐らくコバエはほぼ排除できたと思うが、線虫とは共存することになる。ただ、栄養価としては低いマットなので大量発生することはなく、悪影響はあまりないので気にしないようにしたい。 Aラインのボトルは前回のマット交換からコバエは発生しなくなったが、外から見てかなりマットの劣化が進んでいるように見えるので、交換用のマットを事前に仕込んでおくことにした。 コバエシャッター大に赤枯れ5L、N及びUマットをそれぞれ5L入れて加水して1か月熟成を待つことにした。 そろそろマット交換をすることにした。まだ2齢幼虫のままで、どのクリアボトルも底におり、あまり移動していないようだった。ボトルの幼虫周辺の固められた部分はそのままにして、その他は既存のマットとあらかじめ作っておいた赤枯れ主体のマットを半々に混ぜたものでマット交換した。 ボトルの外から3齢幼虫の頭部を確認していたため、800mlクリアボトルで単独飼育しているAラインのボトル交換をすることにした。 4本とも3齢幼虫になっており、1頭はうっすらと♀斑らしきものが見えたため、ボトルのサイズアップはせずに埋め戻した。他の3頭は1500mlクリアボトルに移し、既存のマットにほぼ同じ内容で作り置きしていたマットを混ぜたものでセットした。 Aラインの1500mlクリアボトルの2頭がマット上に出てきていたので、栄養価が足りなくなってきた可能性を考え、マット交換することにした。 既存のマットにUマットと赤枯れマットをマットが縮んだ分補充する程度で混ぜて同じボトルで再セットした。 5/29にボトルのサイズアップをしなかった幼虫についてもかなりマットが土化していたので、ほぼ同じ内容のマットで500mlクリアボトルにサイズアップした。 Aラインはもう1頭1500mlクリアボトルで飼育しているが、ボトル底面にいて落ち着いていることとマット交換によるリスクも考え、この幼虫のマット交換は見送ることにした。 4頭で多飼育しているコバエシャッター中のマットが縮んで半分ほど減っており、幼虫が窮屈そうになっていたのでマットを追加することにした。追加するマットは特に作成していなかったので、即席でUマットを主体にマルバネ系の使用済みマットと赤枯れマットをそれぞれ少量混ぜる程度にした。 作成したマットは既存のマットに混ぜず上に乗せるようにしたので、そのまま幼虫が食べるまでに熟成するのではと思っている。 1500mlクリアボトルで単独飼育中の1つに明確な変色部があり、繭玉を作成したと思われる。最近かなり活発にケースを齧ったりしていたので繭玉を作成中だったようだ。 他のボトルや多頭飼育中のケースでは変色部がないものの幼虫が確認できないので既に繭玉を作成している可能性がある。 ガサゴソと大きな音が聞こえるので探して見ると本種の幼虫を飼育しているコバエシャッター中で♂がマット上で活動していた。体長は57mmの個体だった。 1500mlクリアボトルも1匹♂が出てきていて2匹の♂を確認することができた。恐らく他の個体も既に成虫になっていると思うので休日にでも確認したい。 既に羽化しているか確認することにした。 コバエシャッター中からは既に自力ハッチ済みの♂と♀が1匹ずつ得られ、1頭は3齢幼虫で死亡していた。 1500mlクリアボトルで飼育していた残り3本については繭玉から♂の蛹、まだ3齢幼虫のままが1匹、羽化不全を起こし既に死亡していた♀1匹だった。 1500mlクリアボトルでは成績が悪い結果となったが、マットの色は真っ黒で、コバエシャッター中のものは赤色をしていたので、赤枯れマットの比率が低かったことが原因かもしれない。 ともあれ別血統同士でペアにすることができるため、ブリードに挑戦したい。 そろそろ交尾させることにした。あらかじめ作成しておいた産卵用ケースに♀を入れ、♀に乗せるように♂を入れるとすぐに交尾させることができた。 しばらくすると交尾が完了したが、♀から小さくて細長い白色の精包らしきものが出た。確か前に交尾した精包が出るような仕組みだったと思うが、初めての交尾で出るのは失敗なのか2個精包を入れたのかよく分からない。産卵状況によっては再度交尾させたい。 産卵用ケースはコバエシャッター大を使用し、マットは幼虫飼育に使用したマットを主体に赤枯れマットとNマット・Uマット・使用済み菌糸ビンの食いカスを混ぜたものを使用した。 セット以来、ゼリーがまったく減っておらずマットに動きもないため、確認したところマット内でバラバラになっていた。 理由は分からないがマットの内容以前の問題だったようだ。極端に♂に偏ってしまったため、♂だけの飼育で終わってしまいそうだが、その分他のマルバネの飼育に集中していきたい。 |