触肢 |
サソリの触肢は鋏になっています。
この鋏で獲物を捕らえることができます。コガネサソリ科の仲間は毒が弱い分、この触肢がよく発達し、刺されるよりも挟まれるほうがずっと痛いです。
触肢は、基節,転節,膝節,脛節,跗節から成り、鋏の部分は脛節と跗節とで鋏になっており、餌を噛み砕くことができます。 |
![](../photo/jp-scorpion/yaeyama41.jpg)
ヤエヤマサソリの触肢
体長の割りに発達した触肢をしている。 |
![](../photo/jp-scorpion/madara43.jpg)
マダラサソリの触肢
触肢を使い、餌であるコオロギの幼虫を捕らえている。 |
歩脚 |
歩脚は4対(第1歩脚〜第4歩脚)あり、基節,転節,膝節,脛節,蹠節,跗節,爪から成り立っています。
種類によって歩くスピードは様々ですが、一般的にはクモのようには速くありません。 |
頭胸部 |
クモと同様に頭部と胸部は一体になっており、硬い背甲で保護されています。
前方は3対の側眼で、上部は背甲中央部にある1対の中眼で見ることができます。
裏面には4対の歩脚や胸板,生殖板,櫛状板(ペクチン)があります。
ペクチンと呼ばれる櫛状板は、サソリにしか見られない櫛のような形をした器官で、役目はよく分かりませんが、振動を感知する感覚毛的な働きをするのでは?と思ってます。 |
鋏角 |
顎にあたる部分で、1対の鋏になっていて、構造は触肢と共にカニムシによく似ています。
獲物を噛み砕きながら消化液でドロドロにして吸収します。 |
前腹部 |
サソリだけに見られる特徴として、腹部が前腹部と後腹部に分かれます。
形状も役目もまったく異なっており、前腹部は他の生物の腹部と同じ働きをしています。
前腹部の背面は硬い前腹背板で保護されています。 |
後腹部 |
後腹部はサソリの最大の特徴で、見た目は尻尾のように見えますが、腹部が変化したものです。
後腹部先端にある尾節を獲物まで届くように細長くなっていて、更に毒を溜めておく役目をしている為、毒が強い種ほど太く発達しています。
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尾節 |
![](../photo/jp-scorpion/madara48.jpg)
マダラサソリの尾節
長いほうが毒針、短いほうが袋刺。 |
サソリの最大の武器である毒針のある器官です。
どの種のサソリでも、触肢で獲物を捕らえて、毒針を獲物に突き刺し毒を注入することで、即座に獲物の動きを止めて逃さず捕食することができます。
攻撃方法は種類によってまちまちで、マダラサソリ等の後腹部が発達している種では、上から刺し、ヤエヤマサソリなど後腹部が非常に小さく、朽木内などの隙間に生息している種は、横から刺します。 |
書肺口 |
呼吸の為の肺に当たる器官です。血液を通じてガス交換する肺とは異なり、書肺は体組織に直接酸素を取り込みます。原始的なクモ形類の仲間ほどこの書肺を持っています。サソリの仲間は腹部の裏側に4対の書肺があります。
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