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  サソリの魅力
 

 
はじめに
現在、私はサソリ・サソリモドキの飼育に夢中です。
そこでサソリについて特集してみたいと思います。
 

 
    サソリとは
 
サソリとはクモ形類(クモ綱)のサソリ目の仲間です。
サソリというと、猛毒を持つ危険な生き物というイメージが強いのですが、実際には人体に無害な弱い毒しか持たないものが大部分で、猛毒を持つ種はキョクトウサソリ科の仲間の一部にしかすぎません。
サソリの祖先は海に生息していた体長2m以上もあるウミサソリ類とされてるのと同時にカブトガニ類ともされていて、ウミサソリ類とカブトガニ類は共に三葉虫から分化している為、どちらとも近く実際のところ、分かっておりません。
 
サソリ目の仲間には、世界最大のサソリとして有名なダイオウサソリ(Pandinus imperator)を初めとするコガネサソリ科(Scorpionidae)や、ヤエヤマサソリ(Liocheles australasiae)でおなじみのヘミスコルピウス科(Hemiscorpiidae),近年、特定外来生物被害防止法に指定されてしまったキョクトウサソリ科(Buthidae),頭胸部が狭い,脛節に棘がないなどの特徴を持つヒラタサソリ科(Bothriuridae),人気種デザート・ヘアリー・スコーピオン(Hadrurus arizonensis)が有名なカラボクトヌス科(Caraboctonidae)など、魅力的な種が世界に1,600種以上も生息しています。国内に生息しているのは、八重山諸島・宮古島に分布しているヤエヤマサソリと江戸時代に浸入した帰化種マダラサソリの2種です。マダラサソリはキョクトウサソリ科の仲間ですが、既に国内に生息している種なので現在でも飼育が楽しめます。
 

 
    各部の名称
 
表
 
頭胸部
 
裏
 
 
触肢
サソリの触肢は鋏になっています。
この鋏で獲物を捕らえることができます。コガネサソリ科の仲間は毒が弱い分、この触肢がよく発達し、刺されるよりも挟まれるほうがずっと痛いです。
触肢は、基節,転節,膝節,脛節,跗節から成り、鋏の部分は脛節と跗節とで鋏になっており、餌を噛み砕くことができます。

ヤエヤマサソリの触肢
体長の割りに発達した触肢をしている。

マダラサソリの触肢
触肢を使い、餌であるコオロギの幼虫を捕らえている。
歩脚
歩脚は4対(第1歩脚〜第4歩脚)あり、基節,転節,膝節,脛節,蹠節,跗節,爪から成り立っています。
種類によって歩くスピードは様々ですが、一般的にはクモのようには速くありません。
頭胸部
クモと同様に頭部と胸部は一体になっており、硬い背甲で保護されています。
前方は3対の側眼で、上部は背甲中央部にある1対の中眼で見ることができます。
裏面には4対の歩脚や胸板,生殖板,櫛状板(ペクチン)があります。
ペクチンと呼ばれる櫛状板は、サソリにしか見られない櫛のような形をした器官で、役目はよく分かりませんが、振動を感知する感覚毛的な働きをするのでは?と思ってます。
鋏角
顎にあたる部分で、1対の鋏になっていて、構造は触肢と共にカニムシによく似ています。
獲物を噛み砕きながら消化液でドロドロにして吸収します。
前腹部
サソリだけに見られる特徴として、腹部が前腹部と後腹部に分かれます。
形状も役目もまったく異なっており、前腹部は他の生物の腹部と同じ働きをしています。
前腹部の背面は硬い前腹背板で保護されています。
後腹部
後腹部はサソリの最大の特徴で、見た目は尻尾のように見えますが、腹部が変化したものです。
後腹部先端にある尾節を獲物まで届くように細長くなっていて、更に毒を溜めておく役目をしている為、毒が強い種ほど太く発達しています。
。
尾節

マダラサソリの尾節
長いほうが毒針、短いほうが袋刺。
サソリの最大の武器である毒針のある器官です。
どの種のサソリでも、触肢で獲物を捕らえて、毒針を獲物に突き刺し毒を注入することで、即座に獲物の動きを止めて逃さず捕食することができます。
攻撃方法は種類によってまちまちで、マダラサソリ等の後腹部が発達している種では、上から刺し、ヤエヤマサソリなど後腹部が非常に小さく、朽木内などの隙間に生息している種は、横から刺します。
書肺口
呼吸の為の肺に当たる器官です。血液を通じてガス交換する肺とは異なり、書肺は体組織に直接酸素を取り込みます。原始的なクモ形類の仲間ほどこの書肺を持っています。サソリの仲間は腹部の裏側に4対の書肺があります。
 

 
    生殖
 
交接
サソリには、雌雄で交接するものと、ヤエヤマサソリやブラウン・アリゲーター・バック・スコーピオン(Hottentotta eminii)のように、交接せずに♀だけで単為生殖するものがいます。
サソリの求愛行動は、♂は♀の前で前後左右にダンスして♀の気を惹き、精包を地面に置いて、手をつなぐように触肢同士で挟み、♂が後ずさりしながら♀に精包を受け取らせます。この行動はサソリダンスと呼ばれています。
お産
サソリは産卵せずに1齢幼生を産み、背中に乗せて保護します。妊娠していると、腹部が膨れ、体節間膜が張ってくるのですぐに分かります。
幼生は2齢になると、親から離れて自分で獲物を捕食するようになります。

幼生を背負うヤエヤマサソリ
ヤエヤマサソリは♀だけで単為生殖する。

幼生を背負ったマダラサソリ
マダラサソリは雌雄で交配する。
 

 
    国産奇蟲の特徴
 
日本に生息している奇蟲と呼ばれている魅力的なサソリ及びサソリモドキの特徴をまとめてみました。
和名 ヤエヤマサソリ マダラサソリ サソリモドキ
画像


体長 小型:29〜37mm 中型:約60mm
※半分以上を後腹部が占める。
大型:約50mm
※尾鞭は体長に含まれない。
生殖 単為生殖 有性生殖 有性生殖
繁殖 お産,1齢を背中で保護 お産,1齢を背中で保護 抱卵,卵・1齢を保護・育成
毒 弱い
※人体にとっては無毒。
弱い
※ミツバチ程度。
無し
※尾鞭から高濃度の酢酸を噴霧。
生息数 普通 やや珍しい
※農薬の為、近年減少傾向にある。
やや多い
※ただし局所的に分布している。
環境 多湿 やや乾燥気味 多湿
成長 普通 早い 遅い
 

 
    飼育上のご注意
 
サソリの飼育は過去に、サソリマニアが飼育していた猛毒を持つイエロー・ファットテール・スコーピオンが脱走した事件が問題となり、イエロー・ファットテール・スコーピオンが属するキョクトウサソリ科の仲間が国内に生息するマダラサソリを除きすべてが特定外来生物被害防止法によって、輸入および飼育が禁止となってしまいました。
このような悲劇を二度と起こさないために、サソリの仲間を飼育するに当たって、絶対に脱走させないようお願いします。
 

 
    最後に
 
ざっと紹介してみましたが、サソリの魅力のほんの一部でも分かっていただけたら幸いです。
外国産のものに比べ国産サソリは大変繁殖が容易でペットとして末永く楽しめると思いますので、是非挑戦してみてください。
 

 
    累代飼育マニュアル
 
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