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ムネビロスナゴミムシダマシ
学名:Gonocephalum japanum japanum

ムネビロスナゴミムシダマシ(2021.7.10)
Data
和名 ムネビロスナゴミムシダマシ
 別名:スナゴミムシダマシ,ミヤケスナゴミムシダマシ
体長 11〜13mm
分布 北海道,利尻島,奥尻島,本州,粟島,佐渡島,隠岐
出現期 5〜9月
腐食物
解説 スナゴミムシダマシの仲間。
落ち葉の下などに見られ、キノコや腐食質のものを食べると思われる。
主に砂浜や河原などの砂地に生息する同属の中で本種のみ多湿な土壌を好む。
本種はスナゴミムシダマシとされていたがゴミムシダマシの仲間は分類が大幅に整理され、本種の和名も変更になった。
伊豆諸島産は前胸背板前角がより強く前方に突出、体表の顆粒が大きいという特徴から別亜種(miyakense)とされる。
 
国内に生息するスナゴミムシダマシ属(Gonocephalum)は基亜属の以下の22種(1亜種)。ただし、最後の4種は記載以降記録がなく、他国の標本が混入した可能性があり、実際には18種と思われる。
和名/学名 分布
オオスナゴミムシダマシ
Gonocephalum pubens
本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,四国,小豆島,九州,平戸,壱岐,対馬
ヤエヤマオオスナゴミムシダマシ
Gonocephalum kondoi
多良間島,石垣島,竹富島,上地島,西表島
イオウスナゴミムシダマシ
Gonocephalum adpressiforme
硫黄島,南硫黄島,南鳥島
ヤマトスナゴミムシダマシ
Gonocephalum coenosum
本州(近畿以西),隠岐,淡路島,四国,小豆島,九州,壱岐,五島列島,対馬,下甑島,久米島,慶良間列島,宮古島,来間島,伊良部島,下地島,多良間島,石垣島,竹富島,西表島,鳩間島,波照間島,小浜島,与那国島,尖閣諸島(魚釣島)
センカクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum senkakuense
与那国島,尖閣諸島(魚釣島)
タカラヒメスナゴミムシダマシ
Gonocephalum takara
トカラ列島(中之島,宝島),石垣島,西表島,波照間島,与那国島
リュウキュウスナゴミムシダマシ
Gonocephalum okinawanum
トカラ列島(中之島,宝島),奄美大島,徳之島,沖縄島,久米島,粟国島,石垣島,西表島,与那国島
オガサワラスナゴミムシダマシ
Gonocephalum potti
小笠原諸島(父島,兄島,弟島)
ミナミスナゴミムシダマシ
Gonocephalum moluccanum
トカラ列島(宝島),喜界島,奄美大島,伊平屋島,沖縄島,久米島,粟国島,石垣島,西表島,与那国島
シナスナゴミムシダマシ
Gonocephalum klapperichi
本州,伊豆諸島(新島),九州(豊後姫島)
コスナゴミムシダマシ
Gonocephalum coriaceum
北海道?,国後島?,本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,伊豆諸島(大島,新島,神津島,八丈島,八丈小島),四国,小豆島,九州,平戸,五島列島,対馬,男女群島,下甑島,黒島,馬毛島,種子島,屋久島,トカラ列島(中之島),奄美大島,沖永良部島,波照間島,石垣島,与那国島
ダイトウスナゴミムシダマシ
Gonocephalum aokii
北大東島
ヒメスナゴミムシダマシ
Gonocephalum persimile
北海道,奥尻島,本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,伊豆諸島(御蔵島,八丈島),四国,小豆島,九州,対馬
ヒメカクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum terminale
北海道?,本州,四国,九州,壱岐,天草諸島,下甑島
カクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum recticolle
国後島,択捉島,北海道,利尻島,奥尻島,本州,佐渡島,淡路島?,四国?,九州?
ムネビロスナゴミムシダマシ
Gonocephalum j. japanum
北海道,利尻島,奥尻島,本州,粟島,佐渡島,隠岐
ムネビロスナゴミムシダマシ(伊豆諸島亜種)
Gonocephalum j. miyakense
伊豆諸島(大島,新島,神津島,三宅島,御蔵島,八丈島)
ホソスナゴミムシダマシ
Gonocephalum sexuale
北海道,本州,淡路島,四国,九州
サワダスナゴミムシダマシ
Gonocephalum sawadai
本州(千葉県,東京都,神奈川県,静岡県)
スジスナゴミムシダマシ
Gonocephalum bilineatum
本州?
ヨコシワスナゴミムシダマシ
Gonocephalum annamitum
四国?
オオメスナゴミムシダマシ
Gonocephalum macrophthalmum
四国?
ホソカクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum titschacki
四国?
 
トップの写真は7月10日に登山道までの畑沿いの道路上を歩いていた本種を撮影したもの。
7月15日の写真は夜間、静岡県の標高約1,200m付近のブナやアセビの多い林縁の倒木周辺にいたもの。個体数は多かった。地元で見かける個体に比べ、前胸背はさほど幅広くない個体だった。
PHOTO

畑沿いの道路にいた個体@
(2021.7.10)

畑沿いの道路にいた個体A
(2021.7.10)

畑沿いの道路にいた個体B
(2021.7.10)

夜間、朽木周辺にいた個体@
体長は12mmだった。
(2017.7.15 静岡県)

夜間、朽木周辺にいた個体A
(2017.7.15 静岡県)

夜間、朽木周辺にいた個体B
(2017.7.15 静岡県)

夜間、庭にいた個体
タイワンサソリモドキの餌を探そうと落ち葉などを退けて捜している時に発見したもの。体長は12mmだった。
(2007.8.26)
近似種との相違点

ムネビロスナゴミムシダマシ
前胸背:側縁中央が外側に広がり平圧、内側は全体的に弱く膨隆する。大きめの顆粒がある。
上翅:明瞭な点刻列がある。基部中央付近から中央付近にかけて隆起があるか隆条がある。大小2種の顆粒があり、大きい顆粒は黄褐色の短毛が生えるが細く目立たない。
(2001.7.15 静岡県)

ヒメスナゴミムシダマシ
前胸背:膨隆する。顆粒は大きく不規則な形状をしている。側縁は後角前で湾曲する
上翅:隆起がなく平坦。微細な顆粒があるが疎ら。切断状の淡黄色の短毛が目立つ。
(2021.5.25)

ヒメカクスナゴミムシダマシ
前胸背:側縁付近は幅広く平圧するが内側は膨隆する。側縁は後角前で湾曲しない。
上翅:隆起がなく平坦。大小2種の顆粒があり、大きい顆粒は切断状の淡黄色の短毛が生える。
(2021.7.31 静岡県産)

コスナゴミムシダマシ
前胸背:盛り上がらず比較的平坦。微細な顆粒によりザラザラしている。
上翅:隆起がなく平坦。微細な顆粒がある。切断状の淡黄色の短毛がある。
(2021.7.17)

オオスナゴミムシダマシ
前胸背:側縁は後角前で湾曲しない。黄褐色のカールした短毛を多数生やす。
上翅:明瞭な条溝がある。微細な顆粒が密にある。黄褐色のカールした短毛を多数生やす。
(2021.7.31 静岡県産)
 
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