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コスナゴミムシダマシ
学名:Gonocephalum coriaceum

コスナゴミムシダマシ(2021.7.17)
Data
和名 コスナゴミムシダマシ
体長 6.7〜8.0mm
分布 北海道?,国後島?,本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,伊豆諸島(大島,新島,神津島,八丈島,八丈小島),四国,小豆島,九州,平戸,五島列島,対馬,男女群島,下甑島,黒島,馬毛島,種子島,屋久島,トカラ列島(中之島),奄美大島,沖永良部島,波照間島,石垣島,与那国島
出現期 5〜10月
腐植質
解説 スナゴミムシダマシの一種。
小型で体色は黒色で艶消し状。
前胸背板は前角と後角が角ばる。
上翅は切断状の淡黄色の短毛が生える。
同属のヒメスナゴミムシダマシに似るが、ヒメスナゴミムシダマシの前胸背板は膨隆するのに対し、本種では前胸背板は膨隆せず平べったいことで区別できる。
草むらのある道路などやや乾燥気味の地表でよく見られる。
 
国内に生息するスナゴミムシダマシ属(Gonocephalum)は基亜属の以下の22種(1亜種)。ただし、最後の4種は記載以降記録がなく、他国の標本が混入した可能性があり、実際には18種と思われる。
和名/学名 分布
オオスナゴミムシダマシ
Gonocephalum pubens
本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,四国,小豆島,九州,平戸,壱岐,対馬
ヤエヤマオオスナゴミムシダマシ
Gonocephalum kondoi
多良間島,石垣島,竹富島,上地島,西表島
イオウスナゴミムシダマシ
Gonocephalum adpressiforme
硫黄島,南硫黄島,南鳥島
ヤマトスナゴミムシダマシ
Gonocephalum coenosum
本州(近畿以西),隠岐,淡路島,四国,小豆島,九州,壱岐,五島列島,対馬,下甑島,久米島,慶良間列島,宮古島,来間島,伊良部島,下地島,多良間島,石垣島,竹富島,西表島,鳩間島,波照間島,小浜島,与那国島,尖閣諸島(魚釣島)
センカクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum senkakuense
与那国島,尖閣諸島(魚釣島)
タカラヒメスナゴミムシダマシ
Gonocephalum takara
トカラ列島(中之島,宝島),石垣島,西表島,波照間島,与那国島
リュウキュウスナゴミムシダマシ
Gonocephalum okinawanum
トカラ列島(中之島,宝島),奄美大島,徳之島,沖縄島,久米島,粟国島,石垣島,西表島,与那国島
オガサワラスナゴミムシダマシ
Gonocephalum potti
小笠原諸島(父島,兄島,弟島)
ミナミスナゴミムシダマシ
Gonocephalum moluccanum
トカラ列島(宝島),喜界島,奄美大島,伊平屋島,沖縄島,久米島,粟国島,石垣島,西表島,与那国島
シナスナゴミムシダマシ
Gonocephalum klapperichi
本州,伊豆諸島(新島),九州(豊後姫島)
コスナゴミムシダマシ
Gonocephalum coriaceum
北海道?,国後島?,本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,伊豆諸島(大島,新島,神津島,八丈島,八丈小島),四国,小豆島,九州,平戸,五島列島,対馬,男女群島,下甑島,黒島,馬毛島,種子島,屋久島,トカラ列島(中之島),奄美大島,沖永良部島,波照間島,石垣島,与那国島
ダイトウスナゴミムシダマシ
Gonocephalum aokii
北大東島
ヒメスナゴミムシダマシ
Gonocephalum persimile
北海道,奥尻島,本州,粟島,佐渡島,隠岐,淡路島,伊豆諸島(御蔵島,八丈島),四国,小豆島,九州,対馬
ヒメカクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum terminale
北海道?,本州,四国,九州,壱岐,天草諸島,下甑島
カクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum recticolle
国後島,択捉島,北海道,利尻島,奥尻島,本州,佐渡島,淡路島?,四国?,九州?
ムネビロスナゴミムシダマシ
Gonocephalum j. japanum
北海道,利尻島,奥尻島,本州,粟島,佐渡島,隠岐
ムネビロスナゴミムシダマシ(伊豆諸島亜種)
Gonocephalum j. miyakense
伊豆諸島(大島,新島,神津島,三宅島,御蔵島,八丈島)
ホソスナゴミムシダマシ
Gonocephalum sexuale
北海道,本州,淡路島,四国,九州
サワダスナゴミムシダマシ
Gonocephalum sawadai
本州(千葉県,東京都,神奈川県,静岡県)
スジスナゴミムシダマシ
Gonocephalum bilineatum
本州?
ヨコシワスナゴミムシダマシ
Gonocephalum annamitum
四国?
オオメスナゴミムシダマシ
Gonocephalum macrophthalmum
四国?
ホソカクスナゴミムシダマシ
Gonocephalum titschacki
四国?
 
トップの写真は7月16日に近所の小さい公園内の舗装された歩道を歩いていた本種を採集して撮影したもの。炎天下の中、草むら沿いの舗装された道路を歩いている本種をよく見かける。
6月14日の写真は川沿いの乾いた砂礫上を歩いていたもの。撮影地は日当たりの良い乾いた砂礫でそばにはクズが茂って松の枯れ葉が落ちている環境だった。スナゴミムシダマシの仲間は似た種が多いので同定の為に一旦持ち帰った。体長が8mmであったことや、前胸背の形状などから本種であることは間違いないのだが、川沿いの歩道で見かける個体は上翅に毛がほとんどない個体が多いという点については謎である。
他にも河川の下流付近の草むらのある石の下や河口や海岸付近の石の下から発見している。
PHOTO

近所の公園内にいた個体@

近所の公園内にいた個体A
(2021.7.17)

近所の公園内にいた個体B
(2021.7.17)

近所の公園内にいた個体C
(2021.7.17)

近所の公園内にいた個体D
(2021.7.17)

川沿いの歩道にいた個体@
(2021.6.18)

川沿いの歩道にいた個体A
(2021.6.18)

川沿いの歩道にいた個体B
(2021.6.18)

海岸の石の下にいた個体@
(2021.5.3 新潟県)

海岸の石の下にいた個体A
(2021.5.3 新潟県)

海岸の石の下にいた個体B
(2021.5.3 新潟県)

河川敷にいた個体@
採集後に撮影。
(2015.6.14)

河川敷にいた個体A
(2015.6.14)

河川敷を歩く本種@
乾いた砂礫上を歩いていた。
(2015.6.13)

河川敷を歩く本種A
(2015.6.13)

河口付近の石の下にいた個体@
(2021.4.10)

河口付近の石の下にいた個体A
(2021.4.10)

下流付近の茂みの石の下にいた個体@
(2020.5.29)

下流付近の茂みの石の下にいた個体A
(2020.5.29)
近似種との相違点

コスナゴミムシダマシ
前胸背:盛り上がらず比較的平坦。微細な顆粒によりザラザラしている。
上翅:隆起がなく平坦。微細な顆粒がある。切断状の淡黄色の短毛がある。
(2021.7.17)

ヒメスナゴミムシダマシ
前胸背:膨隆する。顆粒は大きく不規則な形状をしている。側縁は後角前で湾曲する
上翅:隆起がなく平坦。微細な顆粒があるが疎ら。切断状の淡黄色の短毛が目立つ。
(2021.5.25)

ヒメカクスナゴミムシダマシ
前胸背:側縁付近は幅広く平圧するが内側は膨隆する。側縁は後角前で湾曲しない。
上翅:隆起がなく平坦。大小2種の顆粒があり、大きい顆粒は切断状の淡黄色の短毛が生える。
(2021.7.31 静岡県産)

ムネビロスナゴミムシダマシ
前胸背:側縁中央が外側に広がり平圧、内側は全体的に弱く膨隆する。大きめの顆粒がある。
上翅:明瞭な点刻列がある。基部中央付近から中央付近にかけて隆起があるか隆条がある。大小2種の顆粒があり、大きい顆粒は黄褐色の短毛が生えるが細く目立たない。
(2001.7.15 静岡県)

オオスナゴミムシダマシ
前胸背:側縁は後角前で湾曲しない。黄褐色のカールした短毛を多数生やす。
上翅:明瞭な条溝がある。微細な顆粒が密にある。黄褐色のカールした短毛を多数生やす。
(2021.7.31 静岡県産)
 
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