マルバネクワガタ属の一種 | |
学名:Neolucanus sp. | |
![]() ♂44.8mm(2022/5/21 ベトナム産/F3) |
Data | |
和名 | マルバネクワガタ属の一種 |
体長 | ♂:約45mm ♀:約34mm |
分布 | ベトナム中部 |
餌 | 樹液? 幼虫はシイ類,カシ類の赤枯れしたフレークを食べると思われる。 |
寿命 | 2〜3ヶ月 |
飼育難易度 | 調査中 |
解説 | ベトナムに生息するマルバネクワガタの一種。 マルバネクワガタの中型種で、大アゴは短歯型。 頭部・前胸背は赤味を帯びた黒色。 上翅は黄褐色で会合部を中心にV字状の暗色部がある。 マルギナトゥスマルバネクワガタ(Neolucanus marginatus)とシミリスマルバネクワガタ(Neolucanus similis)に酷似するが、本種の特徴としては上翅のV字紋の境界が赤くぼやけ、黒色部も赤味と光沢がやや強い。 マルギナトゥスマルバネクワガタにはベトナム南部個体群という未記載亜種もいて頭部・前胸背の赤味と光沢が強いという特徴があり同種の可能性もある。 シミリスマルバネクワガタの特徴としてはV字の黒色部が中央部で消失する個体も多く、本種も似た傾向はあるようだ。 飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。 |
飼育メモ |
2022年5月19日 以前から欲しかったマルギナトゥスマルバネクワガタまたはその近縁種がマルバネクワガタsp.として出品されていたので、どうしても欲しくて競り合った末に落札することができた。出品されていた方は前回落札したアカマルバネクワガタと同じクワガタ依存症様で、マルバネsp.として販売されていた個体で種は分からないがシミリスに似ているとのコメントを頂いた。シミリス自体も以前はラトゥスマルバネクワガタだったり、他の2種も含まれる可能性があるとかで今後も整理される可能性が高い。 続きを表示5月21日 新成虫のペア(♂44.8mm・♀34.5mm)が到着した。♂は5月上旬、♀は5月中旬に活動を開始しているとの事。 撮影を済ませて、まずはコバエシャッター小で成熟するのを待つことにして、今のうちに産卵用ケースを作成しておくことにした。 コバエシャッター中を使用し、マットは去年ヤエヤママルバネクワガタの産卵用使用済みマットとアマミマルバネクワガタの幼虫飼育用に仕込んでいた赤枯れ主体のマットを主体にNマットとUマット、赤枯れマットを少し混ぜたものを使用した。 既に活動を開始していることや本種の寿命も分からないこともあって、少々早いが交尾させてみることにした。♂を♀のそばに置くとすんなりと交尾させることができた。体感で30分くらい交尾していたように思う。交尾器を外したタイミングで♂が♀を挟みそうになったので引き離したが♂に親指を挟まれてかなりの力で非常に痛く、外した後に出血する程であった。 ♀はすぐに産卵用ケースに入れたが、よく見ると肛門から非常に小さいが2〜3mm程の白く細長いものが出ていた。よくマルバネクワガタ類が交尾後に排出する精包に似てはいたがそれにしては小さく萎んでいて、更に初めての交尾なので前の精包は存在していないため初回の交尾特有のものなのか不明。ただ、♀は非常に元気なのでいじらずに様子をみたいと思う。 夜、♀がマット上に出てきていたので確認したところ、既に肛門から出ていた白い物質は無くなっていた。初回の交尾で出てくるものなのか、交尾に失敗した現象なのかが気になるところではあるが、日中もマットの深い部分まで潜ったりしていたので、とりあえずは産卵に専念させたい。 前回の交尾から2週間近く経過したので、改めて交尾させることにした。日中どちらもマット上を歩いていたので、♂を♀の上に乗せるとすぐに交尾させることができた。30分位続いてようやく交尾が終わったが、♀からは特に精包のようなものが出てこなかった。♂は交尾器に白い紐のようなものは付いていたようだがよく分からない。 ♂が死んだ。暑さに弱かったのかは分からないが、後は♀に賭けるしかない。 |