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カナブン
学名:Pseudotorynorrhina japonica

バナナトラップに来た♂(2018.7.15 新潟県)
Data
和名 カナブン
体長 23〜31.5mm
分布 本州,粟島,佐渡島,伊豆諸島(大島,利島,新島,式根島,神津島),淡路島,厳島 (宮島),隠岐諸島,四国,小豆島,直島,沖ノ島,九州,壱岐,対馬,平戸島,五島列島,上甑島,中甑島,下甑島,屋久島,種子島,黒島
出現期 6〜9月
主にクヌギ,コナラの樹液
 幼虫はクズ由来の腐葉土。
解説 樹液に来るもっともポピュラーなコガネムシ。
銅色の個体がほとんどだが、緑色まで連続的な体色変異がある。
アオカナブンも緑色だが、本種よりも明るい緑色で角度により緑・黄・オレンジ色に輝く。
本種が属するハナムグリ亜科の仲間は頭部が四角く、大きな三角形の小楯板が特徴である。
また、上翅は閉じたままで飛翔することができ、飛翔中腹部が無防備にならない。
昼行性で、特にクヌギの樹液を好み、夏場は必ずといってよいほど多数の本種が集まっている。
近年幼虫の食性が明らかになり、クズ由来の腐葉土を食べることが分かった。
身近にいる近縁種にクロカナブンアオカナブンがいる。
国内に生息するカナブン属(Pseudotorynorrhina)は本種のみ。
 
トップの写真は2018年7月15日の朝5時前、新潟県で夜間仕掛けたバナナトラップに飛来した本種を撮影したもの。2023年7月14日に庭に本種が飛来し、草の茂みに潜っていったので産卵に来た可能性があるので、採集したところ前脛節の形状からやはり♀だった。クズが生えるような場所ではなかったので、近所の林道でクズの枯れ葉を集めてきて産卵させることにした。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ@ 2023年7月14日
庭に本種が飛来し、茂みに潜っていったので採集したところ、前脛節の形状からやはり♀であることが分かった。クズが生えるような場所ではなかったので、近所の林道でクズの枯れ葉を集めてきて産卵させることにした。
産卵用ケースはコバエシャッター小を使用し、土とクズの枯れ葉を混ぜたマットでケースの半分ほど入れてみた。

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7月15日
気が早いが産卵状況を確認し、まだ産卵していなかった。かなり土が浅かったので土を追加した。
 
7月16日
近所の林道のクヌギに♂と緑色型の♀がいたので採集し、同じ産卵用ケースに入れて飼育することにした。
 
7月28日
これまでのところ、数回産卵状況を確認していたものの卵は見つかっていなかったが、今日再度マットを確認してみると1齢幼虫が3頭見つかった。これまで産卵していないと思っていたが卵を見つけられらかっただけのようなので慎重に探して見ると土に覆われた卵らしきものが見つかった。てっきり白色の卵だと思い込んでいたが土でカモフラージュしているようで見つけられていなかったことが分かった。
卵も幼虫もしばらく産卵用ケースで飼育することにした。
 
7月29日
産卵用ケースが幼虫飼育も兼ねるのでケースをコバエシャッター中に変更した。
 
8月9日
産卵用ケースの状況を確認したところ、茶系の♀は既に死亡、茶系の♂は瀕死の状態、緑色の♀はまだ元気な状態だった。
幼虫は76頭もの1齢幼虫が確認できた。
 
9月3日
幼虫が増えて、コバエシャッター中では過密気味になってしまったので、コバエシャッター大と交換することにした。
恐らく2匹が産んだと思われる幼虫は数えきれないほど多く体感では200頭前後と思われる。種親は8月中旬には寿命で死亡している。
既に大半が2齢幼虫になっていた。マットは腐葉土主体のツヤクワ系の産卵に使用したマットを主体に、クズの枯れ葉と既存のマットを混ぜたものを使用した。この調子だとあっという間に食い尽くされてしまいそうなので、近いうちにまたクズの枯れ葉を取りにいかなければなさそうだ。
 
10月19日
幼虫のマット交換をすることにした。マットはほぼ糞と微粒子となっていて栄養状態はあまり好ましくなさそうだ。幼虫は3齢に加齢しているものも多く見られた。数を数えたところ64頭で明らかに数を減らしている。既存のマットにクズの枯れ葉とツヤクワガタの幼虫飼育に使用した土化したマットも混ぜた。ただ長続きしないと思うのでクズの枯れ葉の確保が重要となってきそうだ。
 
11月1日
マットがまた微粒子状になっており、数も減らしているようなので全滅をさけるため10頭をコバエシャッター小に退避させ、ツヤクワガタで使用し土化したマットとクズの枯れ葉を混ぜたもので飼育することにした。コバエシャッター大のマットについても少し減らして同様のもので補充した。あまり多くてもクズの枯れ葉が持たないので数が減ることは想定内で、少数でも羽化させることをゴールとしたい。
 
12月3日
幼虫の状態を確認したところ、前回10頭を退避させたコバエシャッター小は数を減らし4頭になっていた。ただ4頭は大きく成長しており何が悪かったのかよく分からないがツヤクワガタの使用済みマットと相性はよくないようだ。
コバエシャッター大のほうも数を減らし10頭になってしまったので、14頭をコバエシャッター中で飼育することにした。
既存のマットにクズの枯れ葉を追加し、黒土も混ぜてみた。
PHOTO

クヌギの樹液に来た本種
上が♂、下が♀。
(2023.7.16)

クヌギの樹液に来た本種A
上が♂、下が♀。
(2023.7.16)

バナナトラップに来た♂
(2018.7.15 新潟県)

♂の裏面。
上部の丸いものは中胸腹板突起。その下に後胸腹板があり、中央の縦溝がアオカナブンに比べて深い。
(2023.7.16)


(2023.7.14)

カリンの樹液に来た♀@
(2006.7.15)

カリンの樹液に来た♀A
頭部は四角く特徴的。
(2006.7.15)


(2002.8.14)

産卵用ケース
(2023.7.14)

卵@
(2023.7.28)

卵A
(2023.7.28)

1齢幼虫@
(2023.7.28)

1齢幼虫A
(2023.7.28)

1齢幼虫B
(2023.7.28)

1齢幼虫C
(2023.7.28)

1齢幼虫D
(2023.8.9)

2齢幼虫@
(2023.9.3)

2齢幼虫A
(2023.9.3)

2齢幼虫B
(2023.9.3)

3齢幼虫@
(2023.10.19)

3齢幼虫A
(2023.10.19)

3齢幼虫B
(2023.10.19)

3齢幼虫の頭部
(2023.10.19)

3齢幼虫たち
(2023.10.19)

3齢幼虫C
(2023.12.3)

3齢幼虫D
(2023.12.3)

3齢幼虫E
(2023.12.3)
雌雄の相違点

♂の前脛節
細長く、外歯は1本のみ。
(2023.7.16)

♀の前脛節
幅広く、外歯は2本。
(2023.7.14)
 
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