ホーム > アミメカゲロウ目 > ヘビトンボ科 > クロスジヘビトンボ亜科
 
ヤマトクロスジヘビトンボ
学名:Parachauliodes japonicus

ヤマトクロスジヘビトンボ(2010.5.6)
Data
和名 ヤマトクロスジヘビトンボ
開張 90〜102mm
分布 本州,四国,九州,南西諸島
出現期 5〜7月
樹液や果汁
 幼虫は水生昆虫などを捕食する。
解説 クロスジヘビトンボの一種。
タイリククロスジヘビトンボParachauliodes continentalis)と大変よく似ているが、翅脈の形状で同定することができるタイリククロスジヘビトンボとの相違点参照
本種等のヘビトンボの幼虫は、水生昆虫でカワムカデと呼ばれてよく釣りの餌に使われる。幼虫は肉食性で、カゲロウ類の幼虫やミズムシAsellus hilgendorfi)等を捕食する。
幼虫は成熟すると上陸し、土中で蛹化する。
 
日本に生息するヘビトンボの仲間は以下の10種が知られている。
和名/学名 分布
ヘビトンボ
Protohermes grandis
北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島,種子島
アマミヘビトンボ
Protohermes immaculatus
奄美大島,徳之島,久米島
ミナミヘビトンボ
Neochauliodes sp.
石垣島,西表島
ヤマトクロスジヘビトンボ
Parachauliodes japonicus
本州,四国,九州,南西諸島
タイリククロスジヘビトンボ
Parachauliodes continentalis
本州,四国,九州,対馬
ヤンバルヘビトンボ
Parachauliodes yanbaru
沖縄島
モンヘビトンボ
Neochauliodes formosanus
対馬
アマミモンヘビトンボ
Neochauliodes amamioshimanus
奄美大島
サキシマモンヘビトンボ
Neochauliodes nigris
石垣島,西表島
ヤエヤマヘビトンボ
Neochauliodes azumai
石垣島,西表島
撮影メモ 2007年3月の西表島旅行で出会った74種目の生き物。山道にある小川沿いの茂みのシダの葉上に黒くて大きなヘビトンボと思われる虫を見つけた。翅脈を見るとヤマトクロスジの特徴が見られたので暫定的に本種としたが、全体的に黒褐色で別種の可能性がある。
 
73種目 74種目 75種目
幼虫の写真は鎌倉市内の小川で発見した時のもの。流れの比較的緩やかな場所の石の下から見つけることができた。実際に本種が羽化するか確かめる為に、3匹の幼虫を採集し飼育している。
2010年5月6日の写真はヤマグワの小枝に止まっていた成虫を撮影したもの。幼虫はよく見られたものの鎌倉で成虫を見たのは初めてである。すぐ下が沼なので撮影には注意を要した。この沼は以前、ニッポンヨコエビGammarus nipponensis)を採集した浅い沼である。水面には本種の翅だけが浮いていた。
西表島で撮影した成虫とは若干体色が異なるが、翅脈によりどちらも同種であることも確認できた。
PHOTO

沼の上で休む本種@
(2010.5.6)

沼の上で休む本種A
(2010.5.6)

シダの葉上で休む本種@
小川沿いの茂みで発見した。
(2007.3.14 西表島)

シダの葉上で休む本種A
(2007.3.14 西表島)

幼虫@
近似種とは本種の頭楯が白いことで区別が付く。
(2008.4.27)

幼虫A
発見時の写真。石の下に見られた。
(2007.7.8)
タイリククロスジヘビトンボとの相違点

本種の翅脈
前翅前縁寄りにある太い翅脈(R脈)とRs脈で囲まれた第2室から出る翅脈は1本のみ。
翅の形はタイリククロスジよりも細長い。
幼虫の場合は、大顎の間にある頭楯が白色。
(2010.5.6)

タイリククロスジヘビトンボの翅脈
前翅前縁寄りにある太い翅脈(R脈)とRs脈で囲まれた第2室から出る翅脈が2本出る。
翅はヤマトクロスジより幅広く、むしろヘビトンボに近い。
幼虫の場合は、大顎の間にある頭楯が黒色。
(2013.5.25 静岡県)
 
先頭ページへ