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ハサミツノカメムシ
学名:Acanthosoma labiduroides

外灯に飛来した♂(2012.7.27 山梨県)
Data
和名 ハサミツノカメムシ
体長 ♂:17〜19mm
♀:約18mm
分布 北海道,礼文島,利尻島,南千島,本州,四国,九州
出現期 5〜10月
ウルシ科(ツタウルシ,ヤマウルシ),ミズキ科(ミズキ),ヤナギ科(ヤナギ類),ミカン科(キハダ,サンショウ,イヌザンショウ)などの植物の汁
解説 赤く大きな鋏を持つカメムシ。
体色は鮮明な緑色で、前胸背側角と鋏は鮮やかな赤色。
尻部に鋏があるのは♂で、交尾の際、♀を挟んで逃がさないようにすることができる。
同属のヒメハサミツノカメムシとよく似ているが、やや小さく、赤い鋏はハの字状にやや開いているのに対し、本種はやや大きく、赤い鋏はまっすぐ並行に伸びることで区別できる。
幼虫は全体的に黄緑色で前胸背から翅芽にかけて側縁が紅色で縁どられる。
 
国内に生息するツノカメムシ属(Acanthosoma)の仲間は以下の9種。
和名/学名 分布
フトハサミツノカメムシ
Acanthosoma crassicaudum
本州,四国,九州
セアカツノカメムシ
Acanthosoma denticaudum
北海道,南千島,本州,四国,九州,対馬,屋久島
エゾツノカメムシ
Acanthosoma expansum
北海道,南千島,本州,四国,九州
ヒメハサミツノカメムシ
Acanthosoma forficula
北海道,本州,四国,九州
オオツノカメムシ
Acanthosoma giganteum
本州,四国,九州
ツノアカツノカメムシ
Acanthosoma haemorrhoidale angulatum
北海道,本州,四国,九州
イシハラハサミツノカメムシ
Acanthosoma ishiharai
本州,四国
ハサミツノカメムシ
Acanthosoma labiduroides
北海道,礼文島,利尻島,南千島,本州,四国,九州
ミヤマツノカメムシ
Acanthosoma spinicolle
北海道,礼文島,利尻島,南千島,本州,四国,九州
 
写真は7月27日の夜、山梨県の標高1600m付近の山地の外灯の下のアザミの葉上に止まっていた♂を撮影したもの。近くに設置したライトトラップにはおびただしい蛾に紛れて、斑紋が綺麗なミヤマハサミツノカメムシツノアカツノカメムシも見られた。
♀の写真は5月2日に神奈川県南部の森林内で見つけたもの。更に以前にはセアカツノカメムシの♂との異種間交尾も見られた。
幼虫の写真は8月16日に近所の川沿いの並木道に使われていたケヤキの樹皮上に止まっていたもの。この日は地域によっては40℃を超える記録的な猛暑で熱中症になりかけて早々に退散した。
PHOTO

外灯に飛来した♂@
(2012.7.27 山梨県)

林内にいた♀@
(2017.5.2)

林内にいた♀A
(2017.5.2)

セアカツノカメムシの♂との異種間交尾中の♀
(2006.6.10)

ケヤキ上の幼虫@
(2020.8.16)

ケヤキ上の幼虫A
(2020.8.16)
 
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