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ヘラクレス・リッキー
旧学名:Dynastes hercules lichyi

ヘラクレス・リッキーの♂144mm(コロンビア産/F1)
Data
和名 ヘラクレス・リッキー
体長 ♂:60〜170mm
分布 ベネズエラ(北西部〜南西部),コロンビア(北部),エクアドル(北部の中央部),ペルー(中央部),ボリビア(北部,中央部)
寿命 約1年
飼育  産卵
マットを固め、その中に卵を1個ずつ産み付ける。
マットの質・木目の細かさ、湿度など条件が合わないと産まないことも多い。
マットの木目が細かくて握って塊りが崩れないものが適している。

 幼虫
完熟した添加発酵マットに菌糸の食いカスやフスマなどを添加することで、より大きく成長する。
菌床や発酵の浅いマットでは成長しない。

 成虫飼育
寿命は大変長く1年近く生きる。
♀の成熟は時間が掛かり、後食を開始して1ヶ月以上待たないといけないようだ。
あまり闘争的ではなく落ち着いていて、観賞用としても適している。
飼育難易度 簡単 ★★★☆☆ 困難  特に雌雄の羽化ズレを意識して飼育していなくても、羽化ズレは2ヶ月ほどだったので、累代は十分可能であった。
解説 世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトの中で最もポピュラーな個体群。
飼育でも基亜種とされていた個体群よりも大型になりやすく初心者からマニアまでお勧めできる。
ただし、極太の胸角を持った個体は出にくい。
大陸にいるので、分布域の限られた小アンチル諸島のものに比べ角の突起の位置や数など個体差が大きい。
上翅の色も濁った黄土色から鮮やかな黄褐色まで変異があるが、青白い上翅を持つものも出現し、ブルーヘラクレスと呼ばれ珍重されている。
しかし、一向にブルーヘラクレスのブリード個体が出現しないことと、直射日光を長時間浴びて紫外線により変色したという説もあり、遺伝だけではないようである。
 
ヘラクレスオオカブトは下記の12亜種に分けられていたが、現在ではすべてシノニムとされている。
  
学名 和名 分布
Dynastes hercules hercules ヘラクレス・ヘラクレス グアドループ諸島(バステール島),ドミニカ島
Dynastes hercules bleuzeni ヘラクレス・ブリュゼニ ベネズエラ東部
Dynastes hercules ecuatorianus ヘラクレス・エクアトリアヌス コロンビア東南部,エクアドル東部,ペルー北東部,ブラジル西部,ボリビア北部〜中央
Dynastes hercules lichyi ヘラクレス・リッキー ベネズエラ(北西部〜南西部),コロンビア(北部),エクアドル(北部の中央部),ペルー(中央部),ボリビア(北部,中央部)
Dynastes hercules morishimai ヘラクレス・モリシマイ ボリビア西部〜中央部
Dynastes hercules occidentalis ヘラクレス・オキシデンタリス パナマ(南部),コロンビア(西部),エクアドル(北西部)
Dynastes hercules paschoali ヘラクレス・パスコアリ ブラジル東南部
Dynastes hercules reidi ヘラクレス・レイディ セントルシア島,マルティニーク島(北部)
Dynastes hercules septentrionalis ヘラクレス・セプテントリオナリス メキシコ南部,グァテマラ,ホンジュラス,ニカラグア,コスタリカ,パナマ北部
Dynastes hercules takakuwai ヘラクレス・タカクワイ ブラジル西部
Dynastes hercules trinidadensis ヘラクレス・トリニダデンシス トリニダート トバゴ
Dynastes hercules tuxtlaensis ヘラクレス・トゥーストラエンシス メキシコ南部
関連リンク  ヘラクレス・リッキー飼育記
 ヘラクレス・リッキー写真集
 ヘラクレスオオカブトの蛹化
 ヘラクレスオオカブトの羽化
 ヘラクレスオオカブト 亜種の見分け方
 ヘラクレスオオカブトの飼育マニュアル
PHOTO

♂144mm@(コロンビア産/F1)
非常に長い胸角の大型個体。

♂144mmA(コロンビア産/F1)
胸角はヘラヘラほど太くないが、個体によってはヘラヘラに匹敵するほどの極太個体が出現する。

♂141mm(コロンビア産/F1)
上翅の色は種親に遺伝するようである。

♂143mm(コロンビア産/F1)
上翅に黒紋がなく、色も鮮やかで綺麗な個体。
この種親は雌雄ともに鮮やかなオレンジ色をしていた。

♂86mm(コロンビア産/F1)
極小個体。
大きさはまったく遺伝しない。ちなみに紹介しているすべての大型リッキーの種親はこの極小の♂である。

♀(コロンビア産/F1)
リッキーと呼ばれていた個体群の♀は、鮮やかな黄土色のものが多い。
(2004.3.13)


大粒の卵で4mm程度である。

1齢幼虫
孵化当初は小さいが、マットを食べて、日々どんどん大きくなる。

2齢幼虫
成長した1齢幼虫を2齢幼虫と間違えられることもあるが、加齢するごとに頭部や気門が大きくなるので、違いは明確である。


3齢幼虫
大型個体では140gを超える。


前蛹
羽化したのはリッキーであった。
(2003.12.13)

前蛹
蛹化が近づくと、白かった幼虫の体色が黄色になり、蛹室を作り前蛹になる。
蛹化直前で体がまっすぐになっている。
※詳しい蛹化シーンは「ヘラクレスオオカブトの蛹化」をご覧下さい。




角曲がりになるかは蛹になる時に決まる。
マットが粗かったり、劣化していたりすると蛹室が崩れ、角曲がりの原因となる。

 
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