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リュウキュウツヤハナムグリ(奄美亜種)
学名:Protaetia pryeri oschimana

ムクゲの花に群がる本種(2018.8.13 八丈島)
Data
和名 リュウキュウツヤハナムグリ(奄美亜種)
体長 11〜16mm
分布 奄美諸島(奄美大島,加計呂麻島,与路島,請島,喜界島,徳之島),伊豆諸島(八丈島,八丈小島,青ヶ島)
出現期 6〜9月
花の蜜や果実,樹液など
 幼虫は腐植土を食べる。
解説 光沢の強いハナムグリの一種。
沖縄に分布する基亜種の奄美亜種で、光沢がより強く斑紋がないのが特徴。
体色は緑銅色で上翅肩部から前側縁にかけて赤銅色の個体が多いが、全体的に暗赤銅色〜黒銅色のものまで個体差がある。
本来南西諸島に生息している種だが、近年伊豆諸島の一部の島に進入し急速に個体数が増えている。
 
日本に生息するリュウキュウツヤハナムグリは以下の6亜種に分けられる。
学名 分布
基亜種
Protaetia p. pryeri
沖永良部島,与論島,沖縄諸島(沖縄島,伊平屋島,伊是名島,伊江島,粟国島,渡嘉敷島,久米島)
奄美亜種
Protaetia p. oschimana
奄美諸島(奄美大島,加計呂麻島,与路島,請島,喜界島,徳之島),伊豆諸島(八丈島,八丈小島,青ヶ島)
宝島亜種
Protaetia p. esakii
九州南部(佐多岬),枇榔島,硫黄島,馬毛島,竹島,トカラ列島(宝島,横当島)
悪石島亜種
Protaetia p. akusekiana
トカラ列島(悪石島)
中之島亜種
Protaetia p. tsutsuii
トカラ列島(中之島,口之島,平島)
宮古亜種
Protaetia p. nitidicosta
宮古諸島(宮古島,池間島,伊良部島,水納島,多良間島)
 
写真は8月13日に八丈島の畑沿いのムクゲの花に群れていた本種を撮影したもの。ハチジョウコクワガタも見られた。飛翔中の本種もよく見られ、数は非常に多かった。また、植物園内のブルーベリーに似た果実やそれが落ちたものに数百匹の本種が群がっていた。林内の朽ちた広葉樹の倒木の下には恐らく本種の幼虫と思われる大きめの幼虫が3匹見つけることができた。大きさから本種の幼虫だと思ったが確証がないため、持ち帰って飼育してみることにした。飼育記録については飼育メモに記載する。
飼育メモ 2018年8月14日
八丈島から帰宅後、持ち帰った3頭の3齢と思われる幼虫を中プラケースに腐葉土を入れて飼育を開始した。
 
2019年7月21日
セット後、すっかり忘れていた飼育ケースを掘り返してみたところ、3個の土繭が出てきた。割ってみると中からピカピカの新成虫が出てきた。ケースはそのままの状態でゼリーをセットした皿木を入れた。
 
8月3日
新成虫が活動を開始した。
 
8月9日
ケース底面から卵が見られるようになった。
 
8月12日
マットを掘り出してみたところ、卵42個、1齢幼虫20頭が出てきた。すべて飼育するのは大変だが、卵は2つのプリンカップに、幼虫はプラケースミニにすべて入れた。マットはUマットを使用した。
 
9月1日
幼虫の様子を見るため、マットから幼虫を掘り出したところ、すべて2齢幼虫になっていた。1齢幼虫ほど毛深くはないが飼育中のクロハナムグリに比べるとかなり毛深い。
プリンカップも開けてみたところ、1〜2齢幼虫が36頭出てきた。6頭足りないので恐らく孵化できなかったものや他の幼虫によって潰されるなどしたと思われる。幼虫は合計で56頭となるが、種親ケースにも湧いているので更に多くの幼虫がいることになる。
飼育用ケースはプラケースミニではさすがに過密になるため、中プラケースを使いたいところだが空きがなかったため、やや小さめのサイズとなるコバエシャッター小でしばらくの間持たせることにした。マットは手元にある「幼虫・成虫両用プレミアムタイプ クワガタムシ専用マット」を主体にUマットも少し混ぜたものを使用した。採集した環境からカブトムシの幼虫とまったく同じでよいと思われるのであまり気を使わなくてもよいどころか嫌というほど繁殖する種なので今後の飼育は適当となりそうである。
PHOTO

ムクゲの花に群がる本種
(2018.8.13 八丈島)

ムクゲの花の汁を吸う本種@
(2018.8.10 八丈島)

ムクゲの花の汁を吸う本種A
(2018.8.12 八丈島)

ムクゲの花の汁を吸う本種B
(2018.8.12 八丈島)

ムクゲの花の汁を吸う本種C
(2018.8.12 八丈島)

腹面@
光沢の強い個体
(2018.8.14 八丈島)

落ちた果実に群がっていた個体
この個体は光沢が鈍かった。
(2018.8.14 八丈島)

腹面A
光沢が鈍い個体。
(2018.8.14 八丈島)

落ちた果実に群がる本種
ブルーベリーのような実に数百匹もの本種が群がっていた。
(2018.8.14 八丈島)

自然下での3齢幼虫
林内の倒木の下にいた。
(2018.8.12 八丈島)

土繭
発見した3頭を持ち帰ったところ、腐葉土内で土繭を発見した。
(2019.7.21 八丈島産)

土繭から出した新成虫@
(2019.7.21 八丈島産)

土繭から出した新成虫A
(2019.7.21 八丈島産)

土繭から出した新成虫B
(2019.7.21 八丈島産)

土繭から出した新成虫C
(2019.7.21 八丈島産)

卵@
(2019.8.12 八丈島産)

卵A
(2019.8.12 八丈島産)

1齢幼虫@
(2019.8.12 八丈島産)

1齢幼虫A
(2019.8.12 八丈島産)

1齢幼虫B
(2019.8.12 八丈島産)

2齢幼虫@
(2019.9.1 八丈島産)

2齢幼虫A
(2019.9.1 八丈島産)

2齢幼虫B
(2019.9.1 八丈島産)

2齢幼虫C
(2019.9.1 八丈島産)

2齢幼虫D
(2019.9.1 八丈島産)
 
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