ホーム > コウチュウ目 > コガネムシ科 > ハナムグリ亜科
 
クロハナムグリ
学名:Glycyphana fulvistemma

採集した個体(2019.7.15 対馬産)
Data
和名 クロハナムグリ
体長 13〜15mm
分布 北海道,本州,佐渡島,隠岐諸島,四国,九州,対馬,五島列島,屋久島,八重山諸島
出現期 5〜8月
花の蜜や花粉
 幼虫は朽木や腐植土を食べる。
解説 黒色のハナムグリ。
体色は艶消し状の黒色で上翅に白色の紋がある。前胸背板にも小さな白色紋が出るが個体差により大きさが異なり、側縁に沿って白色になるものも出現する。
あまり数は多くなく、分布も局所的。
海外では台湾,ロシア東部,朝鮮半島,中国,インドシナに分布している。
 
写真は7月14日に対馬で産卵に来たと思われる本種を採集して撮影したもの。シイの太い立ち枯れた朽木を歩き回り、隙間を探して入り込もうとしているところが観察できた。以前から見てみたかったハナムグリだったので感激して産卵に挑戦しようと採集した。飼育記録については飼育メモに記載していく。
飼育メモ 2019年7月15日
対馬から帰宅した当日中に産卵用ケースをセットした。ケースはミニプラケースを使用し、マットは去年ヤエヤママルバネクワガタの幼虫飼育で購入して余っていたUマットを入れた。
 
7月27日
産卵状況を見ようと掘り返したところ、マットの上層〜中層にかけて1齢幼虫が9頭出てきた。まだセットして12日程しか経っていないので卵が確認できればと思っていたのでいきなりの幼虫に驚いた。しかし、卵は見つからなかったので産卵が止まっている可能性がある。ケースはそのまま幼虫用にして、追加で新しく同じ内容の産卵用ケースを作り♀を入れた。
続きを表示
8月12日
最近、♀がマット上で確認できないのでマットを掘り返してみたところ、♀は生きていたが新たに卵も幼虫も確認できなかった。
 
8月17日
ケース側面から大きくなった幼虫が見えるようになったので撮影しようと掘り出したところ既にマットが糞だらけになっていた。Uマットもあるがハナムグリとしては朽木食の傾向が強そうなので交換するマットは自己採集のツシマヒラタで使用している「幼虫・成虫両用プレミアムタイプ クワガタムシ専用マット」にした。ケースも2つに分けたかったが残りが少なかったためミニプラケース7分目程度でなくなってしまい、残りはUマットで補充した。幼虫は9頭共に元気で既に3齢幼虫にまで成長していた。
 
8月24日
前回マットの消費スピードが予想以上に早かったのでマットの状態を調べようと少しほじってみたところ、土繭らしき塊が出てきた。辺りからも数個見つかったのでまたも予想外の成長スピードに驚いた。
 
8月25日
土繭を確認するために探したところ、マットの表面から1cm程度のところから次々に見つかり、9個すべて確認することができた。同じように埋め戻し蛹化・羽化を待つことにした。
 
8月31日
蛹の撮影ができるかと土繭の1個を壊してみた。あまりの成長スピードにもしやと思っていたがやはり既に羽化しており新成虫が出てきた。白色紋が前胸背にも広く出ていて綺麗な個体だった。個体差もあると思うが恐らく活動と共に消えていくようで飼育中の種親も現在はほぼ真っ黒になっている。新成虫はまだ薄赤く、腹部は真っ赤で羽化からさほど日数が経っていないと思われる。種親がまだ元気な段階で越冬もしない内に羽化までしてしまうのは予想外だった。
 
9月8日
新成虫をすべて取り出してみた。既に土繭から出ていた個体も数匹おり、活発に動いていた。皆種親よりも一回り大きな個体で自然界より栄養状態が良かったようだ。
 
9月21日
ミニプラケース内のマットを調べてみたがまだ産卵はしていないようだった。ケースが狭いとよくないと思い、ミニプラケよりは大きいコバエシャッターの小に移した。産卵促進になればと何年も前のクワガタ用の産卵材が穴だらけになったものを入れてみた。
PHOTO

立ち枯れの朽木に産卵に来た♀@
(2019.7.14 対馬)

立ち枯れの朽木に産卵に来た♀A
(2019.7.14 対馬)

立ち枯れの朽木に産卵に来た♀B
(2019.7.14 対馬)

産卵用ケース
ミニプラケースを使用した。
(2019.7.15 対馬産)

1齢幼虫@
(2019.7.27 対馬産)

1齢幼虫A
(2019.7.27 対馬産)

1齢幼虫たち
(2019.7.27 対馬産)

1齢幼虫と10円玉
(2019.7.27 対馬産)

3齢幼虫@
(2019.8.17 対馬産)

3齢幼虫A
(2019.8.17 対馬産)

3齢幼虫B
(2019.8.17 対馬産)

3齢幼虫C
(2019.8.17 対馬産)

マット交換時の3齢幼虫たち
(2019.8.17 対馬産)

土繭@
(2019.8.25 対馬産)

土繭A
(2019.8.25 対馬産)

土繭から取り出した新成虫@
(2019.8.31 対馬産)

土繭から取り出した新成虫A
(2019.8.31 対馬産)

土繭から取り出した新成虫B
腹面。
(2019.8.31 対馬産)

新成虫たち
(2019.9.8 対馬産)
 
先頭ページへ