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リンゴドクガ
学名:Calliteara pseudabietis pseudabietis

ライトトラップに飛来した♂(2013.5.17 静岡県)
Data
和名 リンゴドクガ
開張 ♂:36〜46mm
♀:49〜60mm
分布 北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島
出現期 4〜5,7〜8月
無し
 幼虫はバラ科(リンゴ,ナシ,サクラ類),ヤナギ科(ヤナギ類),ブナ科(クヌギ,アベマキ,コナラ),タデ科(イタドリ),カキノキ科(カキノキ),レンプクソウ科(サンゴジュ),マメ科(ハリエンジュ),クルミ科(オニグルミ)などの葉を食べる。
解説 白っぽい体色をしたドクガ。
♀は白く、2本の横線がある。
♂では2本の横線の間が灰褐色になるものが多い。
幼虫は白く長い毛が生えており、背中に黄白色の毛の束が並び、尻部上方に赤い毛の束がある。更に危険が迫ると背中の黒い毛の束を出して威嚇する。
「日本産蛾類標準図鑑(学研)」によると対馬産は♂の第8背板の尾端の形がウスリー地方の亜種(modesta)に似ているのでこの亜種に含まれる可能性があるとされる。
海外では朝鮮半島,ロシア南東部に分布している。
 
国内に生息するCalliteara属は以下の6種(3亜種)。
和名/学名 分布
スギドクガ
Calliteara argentata
北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島
リンゴドクガ
Calliteara pseudabietis pseudabietis
北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島
リンゴドクガ(亜種 modesta)
Calliteara pseudabietis modesta
対馬?
アカヒゲドクガ
Calliteara lunulata lunulata
北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島
アカヒゲドクガ(南西諸島亜種)
Calliteara lunulata takamukuana
沖縄島,石垣島,西表島
ウスジロドクガ
Calliteara virginea
本州
スズキドクガ
Calliteara conjuncta
本州,四国,対馬
シタキドクガ
Calliteara taiwana aurifera
本州(関東地方以西),四国,九州,屋久島,奄美大島,沖縄島
 
トップの写真は5月17日の夜22時頃、静岡県の標高600m付近の雑木林に設置したライトトラップに飛来した♂を撮影したもの。翅はずっと開きっぱなしで深夜2時前にようやく閉じた。その後、本種が止まっているライトトラップのシートの右側に同属のスギドクガCalliteara argentata)も飛来した。
以前、ミズキの大木から落ちてきた幼虫を採集し、♂を羽化させたことがある。ミズキの周りにはハリエンジュの大木が複数あるので、ミズキではなくハリエンジュを食べていた可能性もある。
採集した幼虫はほとんど何も食べずに1週間ほどで繭になり、翌年の4月7日に羽化した。
♀の写真は5月2日の夜、山梨県の標高1,000m付近の林縁に設置したライトトラップに飛来したもの。♂は5月のライトトラップによく飛来していたが♀が飛来したのはこれが初めてだった。
PHOTO

ライトトラップに飛来した♂@
標高600m付近で撮影。
(2015.5.5 静岡県)

ライトトラップに飛来した♂A
(2013.5.17 静岡県)

ライトトラップに飛来した♂B
(2013.5.18 静岡県)

ライトトラップに飛来した♂C
(2013.5.17 静岡県)

飼育下で羽化した♂@
(2008.4.7)

飼育下で羽化した♂A
(2008.4.7)

飼育下で羽化した♂B
(2008.4.7)

飼育下で羽化した♂C
(2008.4.7)

飼育下で羽化した♂D
(2008.4.7)

ライトトラップに飛来した♀@
(2016.5.2 山梨県)

ライトトラップに飛来した♀A
(2016.5.2 山梨県)

幼虫@
ミズキの大木から落ちてきた。
(2007.10.28)

幼虫A
(2007.10.28)


(2008.4.7)
 
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