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コガネグモダマシ
学名:Larinia argiopiformis

コガネグモダマシ(2008.10.10)
Data
和名 コガネグモダマシ
 別名:ホシコガネグモダマシ
体長 ♂:6〜8mm
♀:9〜12mm
分布 本州,伊豆諸島,四国,九州,トカラ列島,沖縄諸島
出現期 4〜10月
昆虫
解説 シャコグモのようなコガネグモダマシ属の一種。
淡褐色で毛深く、昼間はススキの穂に隠れていることもあり、擬態の効果があるようだ。
オニグモなどと同様に通常は夜に円網を貼り明け方に撤去するが、地域や個体によって日中も網を張る。
農薬などに弱く、比較的自然が守られている環境に生息していると思われ、あまり見かけないクモだが、生息地では個体数が少ない訳ではなく、夜行性であることや擬態効果が高いことが発見されにくい要因になっているようだ。
和名の“ダマシ”はトリノフンダマシのような鳥の糞に似せているからというように、本種もコガネグモに似せているようなニュアンスに聞こえるが、本属に限っては意味合いが間逆であり、とてもコガネグモ科の仲間に見えないことに由来しているようである。個人的にはシャコグモダマシ、或いはススキダマシなどと名付けたほうが分かり易いような気がする。
 
国内に生息するLarinia属は以下の7種。
和名/学名 分布
コガネグモダマシ
Larinia argiopiformis
本州,伊豆諸島,四国,九州,トカラ列島,沖縄諸島
ボネコガネグモダマシ
Larinia bonneti
北海道,本州
キタコガネグモダマシ
Larinia jeskovi
北海道
ミナミコガネグモダマシ
Larinia phthisica
西表島,与那国島
ネッタイコガネグモダマシ
Larinia fusiformis
奄美諸島,沖縄諸島,八重山列島
ムネグロコガネグモダマシ
Larinia onoi
本州,八重山列島
セキグチコガネグモダマシ
Larinia sekiguchii
本州
 
写真は10月10日に日当たりの良い草むらで日中に網を張っていた個体を撮影したもの。初めて見るクモで慌てて撮影したが、撮影中にジガバチモドキの仲間(オオジガバチモドキ?)が本種に襲い掛かりあっという間に連れ去ってしまった。物凄い勢いで網に飛び込んできたので、最初は網に掛かった虫を本種が捕食しているのかと思ったのだが、本種と掴み合い恐らく毒針で刺した後に連れ去ったようだ。本種のそばには、ナガコガネグモと人面模様のコガタコガネグモも見られた。この個体がいた近くでまだ網を張っていた個体を発見することができた。
PHOTO

♀のアップ
(2008.10.10)

ススキの穂に紛れる♀
ススキの穂とよく似ているので、保護色効果が非常に高い。
(2008.10.10)

マルカメムシを捕食する♀@
(2008.10.10)

マルカメムシを捕食する♀A
(2008.10.10)

マルカメムシを捕食する♀B
(2008.10.10)

巣内の♀
初めて本種を発見した時の写真だが、この直後、ジガバチに襲われてしまった。
(2008.10.10)

ジガバチモドキの仲間に捕獲される♀
初めて見た本種をアップで撮影しようとした瞬間、ジガバチモドキの仲間が巣に体当たりしたかと思うと、本種に襲い掛かりあっという間に連れ去ってしまった。
(2008.10.10)
 
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