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コオイムシ
学名:Appasus japonicus

コオイムシ(2008.11.5) 撮影場所:井の頭自然文化園(水生物館)
Data
和名 コオイムシ
 別名:あべこべ虫
体長 17〜20mm
分布 北海道,本州,隠岐,四国,九州,下甑島
出現期 5〜10月
小魚,カエル,貝類などの体液
 生きたものしか食べない。
エサに口針を刺して消化液を注入し、体外消化して吸収する。
大きめの獲物は集団で捕食することもある。
飼育難易度 ★★★☆☆
 生きたものしか食べないが、野外にたくさんいるダンゴムシや水槽内でよく繁殖するモノアラガイもエサとなるため、エサ不足に困ることは少ないが、一種だけ与えていると食べなくなるようなので、複数の種類をバランスよく与える必要がある。
タイコウチのような長い呼吸管がないため、水深を浅くするか、溺れないように水草を多く浮かべておく必要がある。
 産卵期間は5月から7月。
♀が♂の背中に卵を産みつける。
卵は少しずつ孵化して、幼虫を親が捕食してしまうので、食べないように親に十分にエサをやったり、幼虫が隠れられるように水草を多く入れるなどの工夫が必要である。
幼虫は共食いをするので、個別飼育か水草などの隠れ家を多く用意する。
解説 タガメを小さくしたような水生昆虫だが、♂が卵を背負うという面白い特徴がある。
生きたエサしか食べないので、飼育は大変そうに見えるが、野外で用意に入手できるダンゴムシArmadillidium vulgare)や水槽内でよく繁殖するモノアラガイやサカマキガイがエサとなるため、飼育は非常に容易である。
しかし、管理人はダンゴムシばかりを与えていたところ、日に日に食べなくなり、最後は飢え死にしてしまったことがある。恐らく同じエサばかりでは栄養のバランスが偏ってしまうのだろう。
タガメほどではないが本種も同様に、農薬などの環境汚染の影響で生息数を大幅に減らしているのが残念である。
 
国内に生息するコオイムシ属(Diplonychus)は以下の3種。
和名/学名 分布
コオイムシ
Appasus japonicus
北海道,本州,隠岐,四国,九州,下甑島
オオコオイムシ
Appasus major
北海道,本州,四国,九州
タイワンコオイムシ
Diplonychus rusticus
与論島,沖縄島
PHOTO

上から見た本種@
タガメによく似ているが、本種は小さく、♀が♂の背中に卵を産み付ける。

上から見た本種A
タガメによく似ているが、本種は小さく、♀が♂の背中に卵を産み付ける。

水面付近で獲物を待つ本種
尻から呼吸するため、尻を水面から出した状態でいることが多い。

モノアラガイを捕食する本種@
モノアラガイが好物で、モノアラガイがあまり動かなくてもよく捕食する。

モノアラガイを捕食する本種A
器用に殻の中に口針を差込み、中身を吸い取ってしまう。

ダンゴムシを捕らえた瞬間の本種
獲物のダンゴムシを落としてやると素早く捕らえた。

ダンゴムシを捕食中の本種
ダンゴムシの表皮は固いので、柔らかい腹部に口針を刺し、消化液を注入して、吸い取る。


♂がいない時は流木などに産卵することもある。
 
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