ヒメタイコウチ | |
学名:Nepa hoffmanni | |
ヒメタイコウチ(2007.9.1 兵庫県産/WILD) |
Data | ||||||||||||||||
和名 | ヒメタイコウチ | |||||||||||||||
体長 | 18〜22mm | |||||||||||||||
分布 | 本州(愛知県及び隣接県,兵庫県),四国(香川県) | |||||||||||||||
出現期 | 3〜11月 | |||||||||||||||
餌 |
虫類 陸生の虫を食べる。 |
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解説 |
局所的に生息している変わった生態をした変り種のタイコウチ。 本種は水中には適応しておらず、湧水が染み出す程度の浅い水辺に生息しており、水上で陸生の虫を捕食する。 陸生の傾向が強いかと思いきや、飛ぶことができず、ごく限られた生息環境で生き残っている実に興味深い種であり、氷河期の依存種との説まである。 姿はタイコウチ(Laccotrephes japonensis)によく似ているが、本種は小型で、腹部は幅広く、呼吸管は非常に短い。 しかも、呼吸できる状態であっても陸地がないと死亡率が高いとされており、水中に適応できていない半水生の昆虫である。 越冬期間は12月から2月までと非常に短い。繁殖期も4〜6月と短い。 本種を無償でお譲りいただいたながみねさんにはこの場をお借りして深くお礼を申し上げます。
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飼育メモ |
2007年8月20日〜 ながみねさんより、兵庫県産ヒメタイコウチ5匹が到着した。中プラケースにミズゴケで陸地を作り、1.5cm程度水を入れたセットを2つ作り、3匹と2匹分けて入れた。 生息地自体暑くても湧水自体は冷たいので水温の上昇には弱い可能性もあるので、比較的涼しい玄関内に設置した。 餌はヤエヤマサソリ(Liocheles australasiae)用に購入したヨーロッパイエコオロギ(Achetus domesticus)を与えたところ、捕食するのが確認できた。 今日もコオロギを与えようとしたところ、ケースの近くに翅が縮んで飛べないハエ(羽化したて?)がいたので、そのままケースに放り込むと、水面に落ちた瞬間に近くの本種が水中から捕らえて、水中で捕食した。陸で食べていることもあるが、捕食中はよく水中で食べていることが多く、陸の獲物を水中に引きずり込んで食べる習性もあるようだ。 数日おきに餌を与えているが、5匹共すべて元気にしている。野生では密度も非常に高いようなので、管理の手間を省くため、5匹を中プラケースで一緒にした。 しばらく餌やりをしていなかったが、だいぶ寒くなってきたので、与えても恐らく食べないと思う。動きも非常に鈍いので、越冬の準備が必要かもしれない。越冬はもう少しミズゴケを入れる程度で大丈夫だと思う。春まで生きていればよいのだが。 |
PHOTO | |
ヒメタイコウチ (2007.8.20 兵庫県産/WILD) |
飼育ケース (2007.8.20 兵庫県産/WILD) |