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カステルナウツヤクワガタ
学名:Odontolabis castelnaudi castelnaudi

中歯型の♂81mm(2022/10/22 スマトラ産/WILD)
Data
和名 カステルナウツヤクワガタ
 別名:カステルツヤクワガタ,カステルナウディツヤクワガタ,カステルナウディーツヤクワガタ
体長 ♂:51.1〜94.0mm
♀:41.0〜53.8mm
分布 マレー半島,スマトラ,ボルネオ
樹液やココヤシの花の蜜など
 幼虫は発酵が進んだマットを食べると思われる。
飼育難易度 簡単 ★★★★★ 困難
解説 ツヤクワガタの大型種。
大アゴは3つの型があり、長歯型では細長く直線的で、基部に小さな内歯、先端付近に先端が二又に分かれた大きな内歯がある。
短歯型では幅広く湾曲し、基部に太い内歯、後方に小さな内歯が並ぶ。中歯型は短歯型に似る。
上翅は短黄褐色で、基部沿いと会合部沿いは細い黒帯で縁どられる。
基亜種は最も大型になり、各亜種とは内歯の位置や大アゴの長さに違いがある。
飼育は難しくまだ飼育法が分かっていないため、飼育難易度は五つ星とした。
 
ツヤクワガタ属(Odontolabis)の本種は以下の3亜種に分けられている。
亜種区分/学名 分布
基亜種
Odontolabis castelnaudi castelnaudi
マレー半島,スマトラ,ボルネオ
亜種:inomatai
Odontolabis castelnaudi inomatai
シムルエ島,バニャック諸島(バビ島)
亜種:mentawaiensis
Odontolabis castelnaudi mentawaiensis
メンタウエイ諸島(パガイ島,シベルト島)
 
トップの写真は10月22日にネットオークションで購入したスマトラ島・ベンクール産天然個体の中歯型の♂を撮影したもの。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ@ 2021年11月23日
生体が明日届くので、先に産卵用ケースをセットしておくことにした。
ケースはコバエシャッター中を使用した。マットはNマットと自作スダジイの赤枯れマットを主体に、マルバネ系使用済みマット・スダジイ周辺の土も少し混ぜて作成した。
割合については体感ではあるが以下の通り。
・Nマット4割
・赤枯れマット3割
・使用済みマット2割強
・土1割弱

土については、マットの粒子の繋ぎとして塊が作りやすくなる効果を期待してごく少量を混ぜた。ケースにマットを入れて軽く押す程度にした。マット上には転倒防止も兼ねて赤枯れの乾燥した朽木を何個か配置した。
同時に購入のブルークツヤクワガタについても、まったく同じ内容にした。

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11月24日
♂は短歯型とはいえ、ぶっとい大アゴに頭でっかちでプラスチックのオモチャのような印象を受けた。
凶悪な容姿の割に大アゴで挟む行為はほとんどなく大人しい感じだった。可能であれば交尾させて♀だけ産卵用ケースに入れたいと思い、♀のそばに♂を置いてみてしばらく様子を見ることにした。しばらくすると♂が♀に気付き、♀に触った状態で体を上下にカクカクする行動を確認した。すると連動するかのように♀も上下にカクカクした。ただ、その後♂が興味を失った様子で♀から離れてしまい交尾には至らなかった。
♂は気が荒くなく♀殺しを危険は非常に低いと判断し、雌雄共に産卵用ケースに入れることにした。♂はマット上でゆっくり歩いたり少し潜ったりしていた。
夜は♀がマット上に出ていたがじっとしていた。
 
11月25日
♂が朝から一日中ゼリーを食べている。♀はまたマットに潜っているようで姿が見えない。雌雄共にあまり活発ではない印象。夜ゼリーが減ってきて頭の大きい♂では食べにくそうだったので新しいゼリーに交換した。ケースの蓋を開けると♂は図体の割に威嚇もせず歩いて逃げた。
 
11月26日
♂は相変わらずゼリーから離れない。今の所、昼夜の差がなく夜行性かどうかも分からない。
♀は依然マット上に姿を現さないでいる。ケース側面や底面に変化は見られなかった。産卵していればよいのだが。
 
11月27日
夜8時半に様子を見たところ、♂は相変わらずゼリーを食べていたが、ケース側面のマット中のやや上層辺りから♀の頭部が見えた。数日潜ったきりということと、マット中で移動していることから産卵している可能性が高い。
 
11月29日
♂は朽木の下で休んでいることが多くなった。念のため、ゼリーを新しいものに交換した。こまめにチェックしているが♀は依然、マットに潜ったままである。
 
12月3日
夜7時過ぎ、購入以来潜ったきりの♀がマット上に出ていた。特に弱っている様子もなく、ケース越しに覗き見たこちらに反応するほど元気だった。本種はツヤクワガタの中でも難しいとされる種だが、状況的に産卵に専念していたとしか思えないので期待が高まる。明日産卵確認をしたい。
♂はゼリーを食べているので♀と接触して交尾を期待していたが、2時間後に再度確認したところ♀だけ潜ってしまったようで見当たらなかった。
 
12月4日
マットを掘り返してみたが残念なことに卵は見つからなかった。最近たまたま入手できたBE-KUWA No.26のツヤクワガタ特集号によると飼育方法が分かっていないC群に含まれ、「黒土を若干混ぜた赤枯れマット」or「赤枯れマットだけ」でのみ産卵したことはあるものの、そのマットでの幼虫飼育はできず死滅するようだ。
ただ、産卵場所を探して動き回るような行動が見られなかったため、産卵していると思っていたが、そうではないとすると産卵しようとしていたが固め難かった可能性もあるのかもしれない。
上記を踏まえて現状のマットの半分を赤枯れマット主体+土少々を混ぜ、水分量を増やしたもので再セットすることにした。
セットした矢先、ゴソゴソ音がすると思ったら、交尾を拒否した♀に逆上した♂が怒っていて、♀の左前脚を根元から切ってしまっていた。再セット時に♂が猛烈に♀にアプローチしていたが、♀がそのまま潜ったため安心していたのだが、残念なことをしてしまった。♂は隔離したが♀は普通に歩けなくなってしまい、産卵する可能性は少なくなった。ただし、致命傷を負っていなければ産卵する可能性もゼロではないため、しばらく様子を見ることにする。
 
12月13日
♀がマット上で死んでいた。事故の後は♀はマット上の樹皮の裏に隠れていることが多く、少し歩いてそのまま死んでしまったようだ。
残念だがブリードは断念したい。後は♂を飼いきって終了としたい。機会があればまた挑戦したいが何分飼育法が確立されていない種であるため、当面は他のツヤクワガタに力を入れていきたい。
 
2022年4月9日
♂が死んでいた。毎日チェックはしていなかったので数日前には死んでいたと思う。4ヶ月少々生きたことになり、天然物としては長く生きたほうだと思う。
また余裕が出たら挑戦したい。
飼育メモA 2022年10月19日
またアリストから本種が出品されていたので、リベンジすることにした。長歯型はなかったが、大きい♀で挑戦したいので、出品されている中で最も大型のペアを落札した。
今回はBE-KUWAのツヤクワ特集号の情報より、本種は黒土主体で腐葉土を混ぜたマットがよいとの情報が得られているので、試してみたいと思う。
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10月20日
生体が明日届くので、先に産卵用ケースをセットしておくことにした。
ケースはコバエシャッター中を使用した。マットに使用する自己採取の土はカメラツヤクワガタの産卵セットにすべて使い切ってしまったので、急遽採りに行ってきた。
自己採取の土は腐葉土の役割も兼ねているため、自己採取の土と黒土を6:4の割合で混ぜたものを使用した。
割合については体感ではあるが以下の通り。
・自己採取の土:6割
・HEIWAの黒土(ふるい通し):4割
・ミラクルマット:少量

水分量としてはツヤクワ向きのやや多め、ケース下部だけ固めて他はふんわりとマットを入れた。
前回♀殺しに遭っているので、極力ペアリングはさせず持ち腹での産卵に挑戦したいと思う。
夜になって♀が死亡し、発送を見送ったとの連絡があり急遽別のペアを落札した。
雌雄共に少しサイズダウン(♂82mm・♀53mm → ♂81mm・♀51mm)になったが、到着直後に死亡という最悪の事態にならず良かったと思う。
 
10月22日
生体が到着した。雌雄共に元気ではあるが、♀の右の上翅に大きな暗色の染みがあった。これは他のツヤクワガタでも寿命が近づくとできるもので、後天的なものなので当たりハズレでいうとハズレかもしれない。
ともあれ、産まないとは限らないので準備していた産卵用ケースに♀を入れて産卵に挑戦していきたい。
PHOTO

中歯型の♂81mm@
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)

中歯型の♂81mmA
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)

中歯型の♂81mmB
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)

短歯型の♂75mmA
(2021/11/24 スマトラ産/WILD)

短歯型の♂75mm@
(2021/11/24 スマトラ産/WILD)

短歯型の♂75mmA
(2021/11/24 スマトラ産/WILD)

♀51mm@
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)

♀51mmA
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)

♀51mmB
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)

♀47mm@
(2021/11/24 スマトラ産/WILD)

♀47mmA
(2021/11/24 スマトラ産/WILD)

産卵用ケース
(2022/10/22 スマトラ産/WILD)
 
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