カメラツヤクワガタ | |
学名:Odontolabis camela | |
![]() ♂59mm(2022/10/15 ルソン島産/WILD) |
Data | |
和名 | カメラツヤクワガタ 別名:カメルスツヤクワガタ |
体長 | ♂:44.1〜63.1mm ♀:37.0〜40.6mm |
分布 | フィリピン(ルソン島,ミンドロ島,カタンドゥアネス島) |
寿命 | 4〜5ヶ月 |
飼育難易度 | 簡単 ★★★★★ 困難 |
解説 |
フィリピン北部に生息する珍品ツヤクワガタ。 中型種で全身黒色、長歯型では内歯がなく、弧を描くように湾曲する。 中歯型では内歯が並ぶが、内歯の数には個体差がある。 珍品で長歯型は更に稀である。 飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。 |
飼育メモ |
2022年10月11日 飼育スペースきちきちで何とか維持していたが、最近寿命で死ぬ個体が複数出てきて多少余裕が出てきたこともあり、ヤフオクで珍品の本種が♂1♀2のトリオで出品されていたので、落札した。かなり高騰する種だが、今回は競り合うこともなく落札できた。 飼育が難しい種ではあるが、難しいツヤクワガタは大抵赤枯れマットか土に依存しているようで、合うマットさせ用意できれば飼育は十分可能であることが分かってきたので、本種についても挑戦してみたいと思う。 続きを表示10月15日 成虫トリオが到着した。ルソン島南カマリネス州Tinambac産WILD、♂59mm、♀44mm、♀36mm(左後フセツ麻痺・爪取れ有り)とのこと。以後、♀44mmをAライン、B品の♀36mmをBラインとする。 Bラインの♀は大型の♀に比べ、上翅が短めで頭部と前胸背に滑沢な部分もあり、別種のように異なっていた。 産卵用のセットはコバエシャッター中を使用し、BE-KUWAのツヤクワ特集を参考に土系と判断、マットは以下の内容とした。 ・自己採取した土:4割 ・HEIWAの黒土(ふるい通し):2割 ・ツヤクワ幼虫に使用したマット:2割 ・Nマット:1割 ・赤枯れマット:1割 ・樹液酒場のmiracle mat(以下ミラクルマット):少量 まずはペアリングさせず持ち腹での産卵に挑戦したいと思う。 Aラインの♀はセット以来、潜ったきりなので産卵しているのかもしれない。Bラインは時々マット上に出てきているようでゼリーが少し汚れていた。日中、マット上でじっとしていたところも確認している。 比較的マット上にいることが多いBラインについて産卵状況を確認することにした。 ♀はマットの木片の裏に隠れていた。 マットを手で掘ってみたところ、上層〜中層付近に2mm程の卵を1個発見した。これはもっと産んでいるのではとすべてマットを取り出したもののその他に卵を見つけることはできなかった。 1個とはいえ、1週間足らずで産卵させることができたことは嬉しい。 Aラインはマットに潜ったきりなので、Bラインよりも期待している分、♀が姿を現すまではそっとしておく予定である。 得られた卵は120ccのプリンカップに産卵用のマットでセットした。 産卵用ケースも加水のみ行い、再セットした。 Aラインの♀が昨晩からマット上にいるので、朝、マットを取り出して産卵状況を確認したが産んでいなかった。 既存のマットは真っ黒で十分土化しているので、試しに赤枯れマットを1割程追加して、更にジュクジュクに加水した上で再セットした。 ♀は既に右中脚のフ節が欠損しており、長期戦は難しそうだ。 Aラインの♀がマット上で死んでいた。天然個体なので仕方ないが小さくてB品のBラインの♀より早く死ぬとは思っておらずこれからという時に死亡とは残念だ。 とても産卵しているとは思えないが状況確認は日を改めて行いたい。 Bライン、2回目の採卵を行うことにした。結果は1個でやはり難しいが採れたことだけでも喜ぶべきかもしれない。 前回同様、採れた卵はプリンカップにセットした。 大型の完品の♀が2週間弱で死に、小型のB品の♀が元気で少ないながらも産卵に至るとは予想外だった。特に衰えている感じはないので、もう少し産卵に期待したい。 11/3に採卵した卵が残念ながら萎んでしまった。 夜、10/21に採卵した卵が孵化した。現状、卵がたった1個だけなので綱渡り状態ではあるが、なんとか孵化まで行けて感激である。 幼虫は孵化後活発に活動し、順調に成長しているので500mlクリアボトルに移動させることにした。 使用するマットは産卵用マットにチャイロマルバネクワガタ用に作成して余っていたマットを半々にUマットも少し混ぜてみた。 ♀は再セット後に間もなく死亡しており、すっかり意気消沈してしまっていたが、辛うじて得られた1頭が3齢幼虫になっているのが500mlクリアボトルの側面から確認できたので、マット交換とクリアボトルのサイズアップをすることにした。 マットはほぼ土化していたが、幼虫は大きく成長して元気だった。♀斑は確認できないので♂かもしれない。 800mlクリアボトルを使用し、マットはドロマルバネクワガタの産卵用に作成したもののタイミングが合わず熟成が進んだマットを使用することにした。熟成が進んだとはいえ、ミミズが発生してしまっており、無数にあるミミズの卵を可能な限り取り除いたもので、他は既存のマットとストリアータツヤの幼虫飼育の使用済マット、多少赤枯れマットを混ぜる程度にした。 今回、累代飼育は叶わなかったが、1頭のみの飼育で♂の成虫までいければ今後の飼育にも生かせるので頑張ってみたい。 ♂は思いのほか寿命が長く、現在瀕死の状態ではあるが未だに生存している。 1頭のみの幼虫のマットがかなり劣化しているのでマット交換しようと取り出したところ、マット中にむき出しの状態で♀の蛹が出てきた。 マットにはミミズと線虫が多数発生していて、繭玉を作れなかった可能性がある。 こういう時に備えて置いておいた他のツヤクワガタの繭玉の上部を取り除いた蛹室に♀の蛹を移した。 朝蛹を確認したところ無事に羽化していた。まだ体が真っ赤なので昨夜に羽化したと思う。 ♀の産卵数が少なく、1頭しか得られなかったにも関わらず羽化まで行けたことは予想外だった。 |