ヤマトサビクワガタ | |
学名:Dorcus japonicus | |
![]() ♂22.5mm(2019.6.29) |
Data | |
和名 | ヤマトサビクワガタ |
体長 | ♂:15〜25mm ♀:17〜22mm |
分布 | 九州(佐多岬),奄美諸島(徳之島) |
出現期 | 7〜9月 |
餌 | 果実,樹液など |
解説 |
比較的近年に見つかった小型のクワガタ。 上翅の点列状の凹みなどから毛束が生えており、泥が付着することで黒い体色が錆びたような独特の色彩となる。 小型で♂の大アゴもあまり発達しない。 日本固有種。 9月24日、飼育ケース内を見る限り産卵している様子は確認できなかったが、産卵材を裏返すと1齢幼虫が5頭マット上にいた。プリンカップにクヌギのマットを入れて飼育することにした。 11月4日、種親のケースの側面や底面から複数の幼虫が見えていたので取り出してみたところ、18頭の幼虫が得られ合計24頭になった。大きめの幼虫も多く恐らく3齢幼虫になっているようであった。産卵材にもいるはずだが飼育用のプリンカップをすべて使い切ってしまったのでそのままにしておくことにした。今回得られた幼虫の飼育用マットはNEOグランディスという菌糸入りの栄養価の高めのマットを使用してみた。 種親は元気だが常に皿木とゼリーのカップとの間にペアで隠れている状態が続いている。 幼虫飼育について細かな記録は取っていないが、0〜1回のみのマット交換で羽化できている。無添加のクヌギマットは乾燥が早くて管理しにくく乾燥死させてしまった幼虫もあった。乾燥が早いということは幼虫が糞で作成する発酵サイロの作成ができていないことになり、発酵の浅いマットは好ましくないことになる。前述の栄養価の高めのマットでは保湿効果が高く加水の必要がまったくなかった。プリンカップで飼育したが、マット交換の際、1匹のみプリンカップより少し容量の多い小型のジャム瓶に入れてみたところ、6月1日に羽化を確認、6月28日にはマット上に這い出てきた。体長は22.5mm(正確には23mmに近い)もある♂であった。プリンカップは一部死亡したもの以外はすべて羽化して活動している。 自然界では稀な種ではあるものの飼育下では条件が良いためかコクワガタ並みかの繁殖力があるクワガタであった。 |