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ミクラミヤマクワガタ
学名:Lucanus gamunus

新成虫の♂29mm(2023/10/12 神津島産/CBF5)
Data
和名 ミクラミヤマクワガタ
体長 ♂:23.6〜34.7mm
♀:25〜26.5mm
分布 伊豆諸島(御蔵島,神津島)
出現期 5〜7月
 神津島はやや早く4月下旬から出現する。
なし
寿命 1ヶ月
飼育難易度 簡単 ★★★☆☆ 困難
解説 御蔵島と神津島にのみ生息するミヤマクワガタ。
全身黒褐色のタイプ、頭部・前胸背板が赤褐色のタイプ、上翅に黄褐色紋が現れるタイプ、頭部・前胸背板が赤褐色で上翅に黄褐色紋が現れるタイプの大きく分けて4つの型が存在する。ただし、黄褐色紋が現れるタイプは少ない。また、黄褐色紋の大きさも様々である。
徘徊性で飛ぶことはない。
 
国内に生息するミヤマクワガタ属(Lucanus)は以下の3種(1亜種)。また、海外にも2亜種がいる。
和名/学名 分布
アマミミヤマクワガタ
Lucanus ferriei
奄美大島
ミクラミヤマクワガタ
Lucanus gamunus
伊豆諸島(御蔵島,神津島)
ミヤマクワガタ
Lucanus m. maculifemoratus
北海道,奥尻島,本州,佐渡島,飛島,隠岐,四国,九州,五島列島(福江島),甑島列島,熊毛諸島(黒島)
(イズミヤマクワガタ)
Lucanus m. adachii
伊豆諸島(大島,利島,新島,神津島,三宅島)
(タカサゴミヤマクワガタ)
Lucanus m. taiwanus
台湾
(チョウセンミヤマクワガタ)
Lucanus m. dybowskyi
中国(山西省,甘粛省,四川省),ロシア南東部(アムール),朝鮮半島
 
トップの写真は9月17日にネットオークションで購入した2齢幼虫を撮影したもの。今月末よりヤフオクのガイドラインの改訂により、準絶滅危惧の本種は出品禁止されるため、ブリーダーから直接買える最後のチャンスと思い落札した。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ@ 2021年11月18日
種親とされる黄紋型に惹かれて3齢幼虫5頭を購入。雌雄判別したかったが、♀の卵巣は確認できなかった。見えにくいだけなのか♂に偏ったのかは分からない。
クリアボトル(500ml)を3本、クリアボトル(800ml)を2本で単独飼育することにした。
マットは500mlのほうは安全重視でNマット主体でUマット・マルバネ系使用済みマット・自己採取のスダジイ腐葉土マットを混合したものを使用した。
800mlのほうはUマットの割合を多めにした。
セット内容はマットもボトルも在庫がなくなってきた中でのやりくりもある。

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12月25日
全てのボトル内にコバエが発生していた。混合マットなのでいずれかのマットに入っていたのかもしれない。ただ、まだマットの劣化は見られないことから、毎日数回チェックして発生したコバエを駆除することにした。
 
2月23日
去年発生していたコバエは数が少なかったこととこまめな駆除が功を奏して発生しなくなっているが、線虫によるマットの劣化が激しい500mlのクリアボトル2本はマット交換することにした。
幼虫は特に大きくなっていないが、成熟が進んで透明度がなくなっていた。本種の雌雄判別法は不明だが、2頭については♀斑が見えず透明度がないため見えにくいだけなのか♀なのかは分からなかった。
取り出した2頭の幼虫はクリアボトルを800mlに変更し、マットは既存のマットから可能な限り線虫を取り除いたものと、NマットとUマットの混合マットにした。やや多湿にし過ぎたので問題がないかしばらく様子をみたい。
 
2月27日
やはり2/23のボトル交換は加水し過ぎてマット下部が変色しだしたので再度マットを交換した。幼虫は元気だった。今度は既存のマット2割にUマット8割にした。
 
7月5日
かなり放置していたが、2つのボトルについて1週間程前に蛹室の窓らしき空間が確認できるようになっていて、500mlクリアボトルについては蛹の一部が確認できた。もう1本の800mlクリアボトルのほうは抜け殻らしきもののみ見えるのだが、少し傾けたりしても反応はまったく確認できなかった。恐らく蛹化していると思う。
他のボトルは外部から確認はできないだけで蛹室を作成しているか蛹化している可能性もあると思う。
 
7月23日
蛹室らしき小さい窓があるが蛹が確認できず動く様子すらまったくないので、嫌な予感がして、掘ってみたところ蛹化不全で死亡していた。
他の幼虫も蛹で死んでいたものや前蛹や幼虫のまま死亡しているなどで全滅していた。
残念な結果になってしまったが、原因としては6月にとても暑い日が多く、まだ早いかと思いクーラーをつけていなかった期間があり、暑さに耐えきれなかった可能性が高い。
今回の失敗を踏まえてまた挑戦してみたい。
飼育メモA 2022年9月12日
残念ながら幼虫飼育を失敗したため、本種の飼育はしばらく自粛するつもりだったが、今月末よりヤフオクでガイドラインの改訂があり、準絶滅危惧の本種は出品禁止されることになってしまい、ブリーダーから直接購入できる最後のチャンスとなってしまったため、同じ出品者より再度幼虫を落札した。
今回は2齢幼虫5頭として出品されていた。飼育温度を気を付けると共に使用するマットについてもよりミヤマに適した黒土を使用するなど工夫してみたい。
尚、出品者の写真と文面から察するに黄紋が出る系統でも、羽化後消失する個体も多く出ているような印象を受けた。
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9月18日
幼虫が到着した。2齢幼虫2頭、3齢幼虫3頭のようだった。800mlクリアボトルで単独飼育、マットはHEIWAの黒土(ふるい通し)5割、残りはUマットとNマットを半々の割合で混ぜたものを使用した。
 
11月7日
すべてのクリアボトルからコバエが発生していた。マット自体はまだ劣化はしていなかったが、マットを全交換することにした。
幼虫はすべて3齢幼虫で順調に成長しているようだった。マットはHEIWAの黒土(ふるい通し)5割、Uマット5割とした。Nマットを使用しなかったのは在庫がなかったということもあるが、3齢幼虫にまで成長しているので問題ないと判断した。
 
2023年10月8日
クリアボトルに黒色に変色した箇所が見られるようになっており、恐らく蛹室によるものだと思ってそっとしておいていたのだが、マットの状態を確かめようと蓋を開けてみるとなんと♀がマット上に出てきていた。この時期に羽化していること自体は想定内ではあったが、そのまま越冬すると思っていたので意外だった。恐らくこのまま越冬に適した場所に移動して越冬するのだろう。
ともあれ今回はエアコンで高温にならないように管理できていたので問題なく羽化までさせることができているようだ。
新成虫の♀は残念ながら黄紋がなかったが、頭部・前胸背板が赤褐色をしている美しい個体だった。コバエシャッターミニに移動させ、後食するとは思えないが念のためゼリーも入れて管理することにした。
 
10月12日
♂も見たいので無作為だがもう1匹取り出してみることにした。やはりボトル下部の黒い箇所に蛹室があり、中から♂が出てきた。
色彩は♀とまったく同じで、黄紋はなかった。残りも暇を見て取り出したい。
 
10月14日
残りの成虫を取り出してみることにした。同じ色彩の♀と全体が黒色の♀が出てきたが、同じ色彩の♀は腹がかなり出ている個体だった。最後の1匹は残念ながら蛹室内で死亡していた。
マットがかなり乾燥が進んでしまっていたので、湿度を保っていればもっとよい結果になっていたと思う。
PHOTO

♂29mm@
(2023/10/12 神津島産/CBF5)

♂29mmA
(2023/10/12 神津島産/CBF5)

♀24mm@
(2023/10/8 神津島産/CBF5)

♀24mmA
(2023/10/8 神津島産/CBF5)

♀24mmB
(2023/10/8 神津島産/CBF5)

♀25.5mm
(2023/10/14 神津島産/CBF5)

2齢幼虫@
(2022/9/18 神津島産/CBF5)

2齢幼虫A
(2022/9/18 神津島産/CBF5)

3齢幼虫@
(2022/9/18 神津島産/CBF5)

3齢幼虫A
(2022/9/18 神津島産/CBF5)

3齢幼虫B
(2021/11/18 神津島産/F1)

3齢幼虫C
(2022/11/7 神津島産/CBF5)

3齢幼虫D
(2022/11/7 神津島産/CBF5)

3齢幼虫C
(2021/11/18 神津島産/F1)

3齢幼虫D
(2021/11/18 神津島産/F1)

幼虫飼育用クリアボトル
Nマットを主体に有り合わせの混合マットを使用した。
(2021/11/18 神津島産/F1)

3齢幼虫E
(2022/2/23 神津島産/F1)

3齢幼虫F
(2022/2/23 神津島産/F1)

3齢幼虫G
(2022/2/23 神津島産/F1)

蛹化不全
高温で管理してしまったため、羽化できなかった。
(2022/7/23 神津島産/F1)

蛹室を作成したクリアボトル
(2023/10/8 神津島産/CBF5)

蛹室内の♂
(2023/10/12 神津島産/CBF5)

蛹室内の♀
(2023/10/14 神津島産/CBF5)
 
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