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ナミハンミョウ
学名:Sophiodela japonica

ナミハンミョウ(2007.8.7)
Data
和名 ナミハンミョウ
 別名:ハンミョウ,道おしえ
体長 20mm
分布 本州,淡路島,四国,小豆島,九州,対馬,種子島,屋久島,口永良部島
出現期 4〜9月
昆虫(アリ,ミミズなど)
 生きたものを大アゴで捕らえる。
幼虫は地面に穴を作り、近づいたアリなどを穴から捕食する。
解説 タマムシと並んで、日本に生息する最も美しい甲虫。
鮮やかな上翅はビロウド状で光沢はない。
このような鮮やかな模様は、炎天下による体温の上昇を避けるために太陽光を反射するためと思われる。
本種は幼虫が砂地にしか生きられないため、生息地は限られており、生息場所を離れることはない。
本種は「道教え」という名でも有名で、生息場所では人が歩くたびに前方に少し飛んですぐに止まるので、その様子がまるで道を教えるために招いているかのように見えることに由来している。遠くに逃げないのは生息場所が限定されているためである。
ハンミョウ(斑猫)という和名は、獲物に襲い掛かり鋭い大アゴで銜える姿はまるで猫のように見えることに由来しており、英名ではタイガービートルと呼ばれている。
最近では見かけなくなっているようだが、綺麗な小川が流れて更に日当たりのよい砂地があるような場所であれば、多数見ることができる。
本種は主に赤を基調にする模様をしているが、稀に色彩変異が見られ、赤色が金緑色をしたものを、ab.viridissima、背面の金属光沢が無い個体をab.konoi、屋久島で見られる肩紋の後紋が無い或いは縮小した個体をab.lyakushimanaとされている。
最近になって従来亜種だった奄美産と沖縄産がそれぞれ別種となったようだ。
 
国内に生息しているSophiodela属は以下の3種。
和名/学名 分布
ナミハンミョウ
Sophiodela japonica
本州,淡路島,四国,小豆島,九州,対馬,種子島,屋久島,口永良部島
アマミハンミョウ
Sophiodela ferriei
奄美大島,徳之島,加計呂麻島
オキナワハンミョウ
Sophiodela okinawana
沖縄島,石垣島,与那国島
 
写真は8月7日に神社の敷地内で撮影したもの。この場所にはいつも多数の本種を見ることができ、今までは2005年9月13日に同じ場所で撮影したものを紹介していたが、今回は望遠マクロレンズを使用し、新たに撮り直した。
運がいいことに、赤味のない変異種(ab.viridissima)も撮影することができた。
対馬では雑木林内の山道で1匹だけ本種を見ることができ、赤味の少ない個体だった。1匹だけなので何とも言えないが地元では大抵の個体が赤い個体なので地域によって傾向が異なるのかもしれない。
PHOTO

林道にいた青みの強い個体@
(2019.7.12 対馬)

林道にいた青みの強い個体A
(2019.7.12 対馬)

林道にいた青みの強い個体B
(2019.7.12 対馬)

自然公園内にいた個体@
(2011.5.14)

自然公園内にいた個体A
(2011.5.14)

神社の敷地内にいた個体
(2007.8.7)

虫を食べる本種
(2007.8.7)

前方から見た本種
(2007.8.7)

横から見た本種
(2007.8.7)

変異種(ab.viridissima)@
赤い部分が金緑色になっている。
(2007.8.7)

変異種(ab.viridissima)A
(2007.8.7)

頭部のアップ
長く鋭い大アゴが確認できる。
美しい体色とは裏腹にかなりの悪党面。
(2005.5.5)

幼虫の巣@
砂地に見られる。
ハンミョウが多く見られた神社の敷地は砂地でできており、大量の本種と共に巣も足の踏み場がないほど多く見られた。
(2005.9.23)

幼虫の巣A
小さい昆虫が通りかかると幼虫が穴から顔を出し、引きずり込んで捕食する。
(2005.9.23)
 
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