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ヤマトタマムシ
学名:Chrysochroa fulgidissima fulgidissima

♀(2023.7.30)
Data
和名 ヤマトタマムシ
 別名:タマムシ
体長 30〜41mm
分布 本州,佐渡島,冠島,淡路島,隠岐,四国,小豆島,九州,上甑島,下甑島,種子島,屋久島
出現期 6〜8月
エノキの葉
 幼虫は広葉樹の朽木を食べる。
解説 日本に生息するもっとも美しく大型のタマムシ。
体表はすべて金属光沢を持ち、緑色の地色に前胸部から上翅先端まで1対の赤いラインがある。
雌雄は腹面先端部の末端節の形状が異なり、♂では末端節の後縁が中央で内側に切れ込むが、♀では弧を描くことで区別できる。
夏場の日中に非常に高いところを飛び回っている。
本種の綺麗な金属光沢は夏場の高温になる太陽光を反射するためのものである。
本種の下翅は上翅と同じくらいの長さで、カブトムシのように下翅を折り畳む必要がないため、すぐに飛び立つことができる。
本種の翅を集めて作られた玉虫厨子(たまむしのずし)は有名。
幼虫は材飼育で飼育可能だが、孵化した幼虫が一度口にした材を使用しないと死んでしまうらしい。
クワガタ用の菌糸ビンでも飼育でき、更に材飼育よりも好結果が得られるようだ。
 
日本に生息するルリタタマムシ属(Chrysochroa)は以下の2種(3亜種)。
和名/学名 分布
ヤマトタマムシ
Chrysochroa f. fulgidissima
本州,佐渡島,冠島,淡路島,隠岐,四国,小豆島,九州,上甑島,下甑島,種子島,屋久島
ヤマトタマムシ(対馬亜種)
Chrysochroa f. coeruleocephala
対馬
ヤマトタマムシ(男女亜種)
Chrysochroa f. adachii
男女群島
ヤマトタマムシ(奄美・沖縄亜種)
Chrysochroa f. alternans
奄美大島,徳之島,喜界島,沖永良部島,沖縄島,伊平屋島,宮城島,久米島
オガサワラタマムシ
Chrysochroa holstii
小笠原諸島(父島,兄島,母島)
 
トップの写真は7月30日に庭に飛来した♀を撮影したもの。空のバケツに落ちてきた♀を発見して拾って撮影していたら、スダジイの倒木に産卵し始めた。翌年の7月7日には近所のエノキの切り株の中央にあった大きな洞の中に本種を発見した。発生したばかりの個体なのかあまり活発ではなくまだ撮影していない♂を期待したが残念ながら♀だった。
PHOTO

ケヤキの洞から出てきた♀@
(2024.7.7)

ケヤキの洞から出てきた♀A
(2024.7.7)

ケヤキの洞から出てきた♀B
(2024.7.7)

ケヤキの洞から出てきた♀C
(2024.7.7)

ケヤキの洞から出てきた♀D
(2024.7.7)

本種がいたケヤキの切株
中央の洞の中にいる。
(2024.7.7)

♀@
(2023.7.30)

飛び立つ瞬間の♀@
(2023.7.30)

飛び立つ瞬間の♀A
(2023.7.30)

産卵中の♀@
(2023.7.30)

産卵中の♀A
(2023.7.30)

♀A
飛翔中の♀を帽子を使って採集したもの。
(2006.8.6)

♀B
40mmもある大型の♀。
(2006.8.6)

♀C
(2006.8.6)

横から見た本種@
(2006.8.6)

横から見た本種A
(2006.8.6)

♀の腹面先端部
♀では末端節の後縁が弧を描くが、♂では中央で内側に切れ込む。
(2024.7.7)

♀の頭部
♀の複眼は♂より大きい。
(2024.7.7)
 
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