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ヒカゲチョウ
学名:Lethe sicelis

ヒカゲチョウ(2005.9.19)
Data
和名 ヒカゲチョウ
前翅長 29〜32mm
分布 本州,四国,九州
出現期 5〜10月
樹液,腐った果実
 幼虫はイネ科のゴキダケ,メダケ,クマザサ,他、タケやササ類などの葉
解説 ジャノメチョウ科の比較的地味なチョウ。
林内に見られる。地味ではあるが、目玉模様は意外と綺麗である。
ヒメウラナミジャノメは明るい庭にもよく飛んでくるが、本種はまず飛んでこない。林内に行くと本種を多く見ることができ、ジャノメチョウ科の中でももっとも薄暗い林内を好むチョウと言える。
極めて低空を飛び、すぐに草木の葉上に止まるので、撮影は容易であった。
サトキマダラヒカゲと共に樹液に見られることも多い。
 
本種の幼虫を自宅の庭で見かけることがあるが、何のチョウの幼虫か分からず撮影だけしていたが、本種を検索したところそっくりの幼虫が紹介されていたので、本種の幼虫であることが分かった。
ヒメジャノメの幼虫も本種と似ているが、頭部が茶褐色なので、判別できる。ヒメウラナミジャノメの幼虫も検索して調べた限りでは本種ほど緑が鮮やかでなく、頭部の突起も本種ほど尖っていないようである。
 
更に針葉樹林内にあった赤い花を咲かせているブドウ科と思われる低木の葉の裏に緑色をしたチョウの蛹を発見した。何のチョウか知りたかったので、持ち帰ったところ、羽化前日は緑色の蛹の翅の部分だけが赤くなっていたので、綺麗なチョウを期待したのであるが、羽化当日、全身が茶色くなっており、本種が羽化した。幼虫・蛹ともに生息数の多さを物語っている。恐らくイネ科のササ属の植物等の食草が豊富にあるのだろう。
PHOTO

シダに止まる本種
薄暗い林内に多い。
(2005.9.19)

翅を開く本種
表の翅の目玉模様は痕跡程度に小さいものが3つあるだけである。
(2005.9.19)

幼虫
食草を求めて移動していたようである。
(2005.9.10)

幼虫の頭部
頭部が耳のように二つに分かれて可愛らしい顔をしていた。
(2005.9.10)

蛹@
林にあったブドウ科と思われる低木の葉の裏にチョウの蛹を見つけた。
持ち帰ったところヒカゲチョウが羽化した。
(2005.9.19)

蛹A
翌日、翅の部分が赤くなったので、綺麗なチョウが羽化するのを期待していたが、翌々日には茶色くなり、ヒカゲチョウが羽化した。
(2005.9.20)

羽化直前の蛹
昨日は翅の部分だけ赤くなっており、綺麗なチョウを期待したが、朝見たところ、全身茶色くなっていた。更に10分後に見たときには既に羽化していた。
(2005.9.22)

羽化@
10分前に見たときは蛹だったので、出社直前に見たところ羽化が完了しており、一瞬目を疑ってしまった。
(2005.9.22)

羽化A
羽化したての新成虫は目玉模様も鮮やかで美しい。
(2005.9.22)
 
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