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コケクダアブラムシ
学名:Eutrichosiphum heterotrichum

ツブラジイ上の無翅型(2010.5.29)
Data
和名 コケクダアブラムシ
 別名:コケブカアブラムシ
体長 2〜2.5mm
分布 本州,他不明
出現期 5〜10月
ツブラジイ,アカガシ,コナラの汁
 幼虫も同様。
解説 ツブラジイなどに集まる小型のケクダアブラムシ。
淡褐色から暗褐色の斑紋があり、やや緑味を帯びる。
初夏にツブラジイの葉の裏の葉脈沿いに見られることが多い。
 
2009年6月7日の写真はツブラジイの若葉の葉の裏にいた幼虫を撮影したもの。本種と同じ場所に本種よりやや大きく、円形で扁平な姿をした異様な虫がいた。調べてみるとヨツボシテントウPhymatosternus lewisii)の幼虫であることが分かった。大きさから恐らく、産まれたばかりの本種の幼虫を餌としているのだろう。
撮影当初、シイの種類が分からなかったのでアブラムシの容姿からマテバシイケクダアブラムシEutrichosiphum heterotrichum)と同定した。
しかし、再度同じ木を確認してみたところ、幹は白っぽく違和感があるものの葉はスダジイそっくりでマテバシイのような葉ではないことから、マテバシイ以外のシイで似た種を探したところ、ツブラジイに行き当たった。ツブラジイに付くケクダアブラムシであれば、別種で2種がおり、その内コケクダアブラムシ(Eutrichosiphum pasaniae)と酷似している為、誤同定であることに気が付いた。
別種ということが分かると、当サイトの写真及び図鑑の写真も含め、マテバシイケクダアブラムシの眼がかなり鮮やかな赤色をしているのに対し、本種の眼は暗赤色であるのが分かる。体型も本種のほうが細長いようである。寄主植物の種類が分かるだけで、同時に様々な発見がある。
2010年5月29日に去年撮影した同じツブラジイに去年より多くの本種を見ることができた。その中で大きめの黒い無翅型がおり、去年撮影していたのは本種の終齢幼虫であることが分かった。有翅型の幼虫も見られたが、残念ながらその成虫は見ることができなかった。
6月11日に同じツブラジイを確認したところ、コロニーは減っていたが、有翅型を見つけることができた。
関連リンク  アブラムシ特集
PHOTO

ツブラジイ上の有翅型の成虫と幼虫
(2010.6.11)

ツブラジイ上の有翅型@
(2010.6.11)

ツブラジイ上の有翅型A
(2010.6.11)

ツブラジイ上の幼虫@
(2010.5.29)

ツブラジイ上の幼虫A
(2010.5.29)

ツブラジイ上の幼虫B
(2009.6.7)

ツブラジイ上の幼虫C
(2009.6.7)

ツブラジイ上の幼虫D
(2009.6.7)

ツブラジイ上のコロニー
右下には有翅型の幼虫がいる。
(2010.5.29)
 
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