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ネプチューンオオカブトムシ
Dynastes neptunus
産地:コロンビア産
 
 
ネプチューンオオカブトはヘラクレスに似た体形をしているが、
頭部の角が長く、胸角はとても細くて更に2本の短い角もあったりと
相違点も多く、性質もかなり違うようだ。
このカブトもヘラクレスと並んで高価なカブトだが、
なんと奈良オオから天然のBペアを激安でGET!
B品なので心配ではあるが、とりあえず累代飼育に挑戦してみたい。


ネプチューンオオカブトの♂116mm



購入
2003年8月31日
奈良オオのHPにて激安Bペアを発見、即注文したのが無事到着した。
コロンビア産/WILD ネプチューンオオカブトムシ(以下ネプ)♂116mm・♀64mmBペアで、9,600円という激安価格で購入できた。
Bペアとはいっても胸角の先端が少し欠けていて後はまったくの完品だった。天然物だがスレもなく綺麗な光沢をしていてとても元気だったので比較的若い個体のようで大満足だった。
♀は右後ろ足のツメが欠けているだけで、こちらもとても元気だった。
早速写真を撮ってみたが動き回りなかなか撮らせてもらえなかった。
次回時期を見て再度撮影したい。


コロンビア産WILD:ネプチューンオオカブト♂116mm
ヘラクレスに比べると地味な色だが、角は長く繊細なイメージを受けるカブトムシだ。
(2003.8.31)

 


コロンビア産WILD:ネプチューンオオカブト♀64mm
右後ろ足のツメが欠けているが、産卵にはまったく影響ないので期待できそうだ。
(2003.8.31)

産卵セット
 昨日準備しておいた産卵用にセットした特大プラケースに♀をセット、念のため♂を♀に乗せてみたが交尾しなかったので、そのまま産卵させることにした。
産卵セットはヘラクレスリッキーなどとほとんど同じ安価な使用済みマット主体で作成した。
ケースの底4,5cmは黒土化した粒子の細かい使用済みマットでカチカチに固め、その上に使用済みマットとカブト専用マットも少し混ぜてセットしてみた。
B品なので、産卵は難しいかと思っていたが個体を見る限り期待できると思う。

交尾せず
9月7日
数日前から数回交尾させようと試しているのだが、今一♂が交尾してくれない。
♂♀ともに元気なのだが、今日も交尾してくれなかった。

産卵
9月10日
♀の調子はどうだろうかと産卵ケースを持ち上げてケース底面を見てみるとなんと大きく真っ白な卵が一つ見えた。
もちろん普通はマットを固めてその中に産み付けるので、多数の産卵が予想される。
天然物なので、交尾済みの可能性が高くかなり期待できる。

採卵
9月28日
そろそろ採卵することにした。
ケースをひっくり返してみると、♀はマット中で既に死んでいた。
卵は13個採れたが細長貧弱なものが汁が出ていて2個は死んでいた。
丸く成長している卵もあるが黄色く細長い卵もあり、孵化するか怪しい。
卵はプリンカップにセットして、孵化を待つことにした。
もっと採れるかと期待していたが、採れただけでもよかったと思う。

卵@
ケース下部のマットの塊りに産み付けられていた。
(2003.9.28)


 


卵A
結局まともな卵は11個採れたが、貧弱な卵もあり孵化率は悪そう。
(2003.9.28)


WILD♂とのお別れ
WILD♂116mm
♀は死んでしまったが、♂は未だに元気なので幼虫がたくさん採れなかった代わりに安価で販売した。
(2003.10.4)

10月4日
♂は未だ元気で、たくさん幼虫が採れたら販売も予定していたので替わりに♂を安価で販売することにした。すぐに売れてしまった。
もったいない気もするが、もっと大きな個体を飼育で羽化させてみたい。
孵化 孵化した1齢幼虫
3頭孵化していた。残り4個も孵化しそうで7頭の幼虫が得られそうである。少ないがオオカブトの幼虫飼育は大変なので7頭もいれば充分である。
(2003.10.18)


10月17日
 ふとプリンカップを見てみると3頭孵化していた。
あと孵化しそうな卵は4個で残り4個は腐ってしまった。
採卵時細長く黄色かった卵で、採卵した時点で死んでいたものと思われる。
幼虫飼育開始 1齢幼虫@
5頭しか孵化していなかった。
最初から2Lブロー容器で大型を狙いたい。
(2003.11.1)
11月1日
 幼虫を取り出すことにした。
5頭と卵1個以外は腐ってしまったのか見つからなかった。
5頭は1頭ずつ2Lブロー容器にセット、マットは市販の専用マットを使用した。
数が少ないので1頭ずつ大切に飼育していこうと思う。


1齢幼虫A
(2003.11.1)

 


2Lブロー容器 ※参考写真
孵化した1齢幼虫は2Lブロー容器で飼育。
マットも市販のよいものを使用して大型を狙う。
(2003.11.1)

♂116mm死亡
12月28日
 ♂116mmを購入していただいたS様から連絡があり、昨日ネプチューンの♂116mmが死んだそうだ。
ネプチューンの寿命は短いと聞いており、しかも天然物のB品なので、早死にだろうと思っていたが、4ヶ月も生きたことになり案外長生きみたいである。
幼虫のほうは、ブロー容器側面から元気な2齢幼虫が確認できる。

マット交換(1回目)
3齢幼虫
残念ながら、3齢幼虫3頭はすべて♀だった。
(2004.3.13)

2004年3月13日
 2Lブロー容器に入れてから既に4ヶ月以上経つが、ヘラクレスなどの大型カブトの幼虫に比べ、マットの減り方が極端に少ない。
外から3齢幼虫を確認できたので、ケース交換を兼ねてマットを交換することにした。
取り出してみると3齢幼虫が♀ばかり3頭、2齢幼虫が1頭、そして体は3齢で頭が2齢の奇形幼虫が1頭出てきた。
奇形幼虫は♂だったが、まず羽化までは無理だと思う。
残りの2齢幼虫が♂であることを祈るしかない。
♀3頭は大プラケースで一緒に飼育、2齢幼虫と奇形幼虫は中プラケースで一緒に飼育することにした。

2齢幼虫
飼育開始から既に4ヶ月以上経っているにもかかわらず、まだ2齢幼虫だった。成長速度はヘラクレスと比べずいぶんと遅い。
(2004.3.13)

 
奇形幼虫
体は3齢で頭部が2齢のままの奇形幼虫が出てしまった。
(2004.3.13)

マット交換(2回目)
♂の3齢幼虫
最後の幼虫が唯一の♂となった。
(2004.8.21)


8月21日
 2齢だった幼虫のマットが縮んでいたので、2回目のマット交換することにした。
マット交換から5ヶ月が経過していて3齢幼虫になっていたので、雌雄を判別してみたら、明確な♂の窪みが確認できた。体重は63gだったが、ネプはヘラクレスに比べて成長が非常に遅いらしいので、これからも少しずつ大きくなってくれると思う。
もう1頭いた奇形の幼虫はやはりマットを食べることができなかったようで、死骸すら見つからなかった。
 新しいマットを袋から出したところ既に白いウジが沸いていた。
心配してはいたのだが、通気穴がかなり大きく開いており、ハエが卵を産みつけてしまったようだ。もったいないのでそのまま使うことにした。マットは「快適カブトマット」で、快適ではないが、安いだけに文句は言えない・・・。


マット交換(3回目)
2005年1月1日
 ♀のマットが半分以下の縮んでいたので、3回目のマット交換することにした。
体重は45,43gだった。マットに発生していたウジは結局、地バチの仲間だった。交換するマットにもまだそのウジが沸いている。
♂のほうはまだマットが縮んでいなかったので、そのままにしておくことにした。
 
4月14日
 ♂のマットもかなり縮んできたので、マット交換した。
幼虫の体重は56gと縮んでしまっていた。
マット交換(4回目)
♀の3齢幼虫
黄色く成熟しており、蛹化が近いようだ。
(2006.1.7)


2006年1月7日
 マットの減り方も非常に少なく、♀のケースは3回目から1年もたってしまっていて(一度だけ減った分のマットを追加した)、だいぶ劣化していたので、4回目のマット交換をした。
体重は46g,49gだった。
かなり成熟しており、黄色く色付いていた。蛹化するのも時間の問題のようだ。
♂のケースを見ると蛹室を作成していた。羽化ズレは防げそうである。
あまりサイズは期待できないと思うが、羽化不全なく完品が羽化してほしいものだ。


蛹化

残念ながら極小個体だが無事に羽化して繁殖させたい。
(2006.1.15)
1月15日
 蛹室内で前蛹を確認していた♂を再度見てみると既に蛹になっていた。
オレンジ色に色付いており、2,3日前には蛹化していたようである。
早速掘ってみるとかなり小さい♂の蛹が出ていた。
2年以上掛かった割りに小型なのは温度が高めだったせいなのかもしれない。
本種は低温を好むので、大型を目指すなら20〜24℃付近で管理すべきだと思う。
しかし、通常♀は1年少々で先に羽化し、♂は2年以上掛かって羽化するようなので、今回はマット交換を少なさが♀の蛹化を遅らせ、♂と累代可能なズレに抑えることができた好例と言える。
♀はかなり成熟しているので、蛹室を造るのも時間の問題である。
2月4日
 ♀も2匹ともに蛹室を作成した。♂はまだ蛹のままであった。
これで、羽化ズレの心配がなくなって、安心した。
 
2月18日
 ♀のケースを確認したところ、2頭とも蛹になっていた。オレンジ色になっていたので、数日前に蛹化していたらしい。

♀の羽化
新成虫の♀57mm@
グラントシロカブトのケースに混入して飼育していたもの。
(2006.2.19)
2月19日
 グラントシロカブトの幼虫で他の個体とかけ離れて成長が遅い幼虫2頭を飼育していたケースがあったので、掘り出してみるとグラントではないカブトの♀の新成虫が出てきた。よく確認してみるとネプチューンオオカブトの♀であった。
思いがけずに♀が1匹増えてしまったが、さすがに♂1匹で3匹の♀にそれぞれ数回ペアリングさせるのは無理があるので、後から羽化する♀1匹は築地カブ市場行きにすることにした。

新成虫の♀57mmA
腹部の長さ、点刻、尻部の長い毛、ネプチューンとみて間違いない。
(2006.2.19)
 
新成虫の♀57mmB
この♀を使ってF2個体を得たい。
(2006.2.19)

♂の羽化
羽化間もない♂
ティティウスのような極小個体だが、唯一の貴重な♂なので、繁殖に力を入れたい。
(2006.3.28)

3月28日
朝♂を見たら羽化して間もない前翅の真っ赤な♂を見ることができた。
2ヶ月以上になるので、蛹のまま死んでしまうのではないかと心配していたのだが、昨日の時点で黒っぽくなっていたのでようやく羽化してくれるのかと思っていたところであった。
朝急いでいたが、写真だけは撮っておきたいと遅刻覚悟で大急ぎで撮影した。
本当にティティウスのような極小個体だが、今回はフルイに掛けて微粒子にした良質なマットを使用してたくさん産ませたい。
夜、見てみると前翅は赤黒くなっていた。
ちなみに♀はまだ休眠しており、蛹の♀もまだ羽化していない。
唯一の貴重な♂が完品で羽化してくれただけに、繁殖が楽しみだ。
後食開始
5月2日
 ♀が後食を開始した。
 
7月17日
 ♂と残りの♀2匹の詳細な記録は取っていなかったが、すべて後食を開始して2ヶ月近くになると思う。

ペアリング〜産卵セット
7月17日
 今日は曇りで昆虫撮影に出かけられない代わりに今まで現状維持だったカブクワ飼育を再開することにして、本種は少々遅めになると思うが、ペアリングさせることにした。
小型の♂はコロコロ走り回り、ネプチューンの風格は全く無かったが、繰り返し♀の上に乗せていると交尾行動を取るようになり、交尾を成功させることができた。
小一時間ほどで交尾が完了し、♀は特大プラケースで造った産卵用ケースにセットした。
室内の温度は30℃でネプチューンにとってはとても暑くて産卵は困難かもしれないが、去年のようにエアコンで冷やすと管理人がエアコンの涼しさに慣れてしまい屋外に出るとすぐに夏バテになり、昆虫撮影できない状態になるため、30℃を超えない程度の管理にするつもりだ。

新成虫の♂78mm
とても小さく、コロコロと小走りばかりしていた。
(2006.7.17)
 
小型ペアの交尾
(2006.7.17)

 

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