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モーニッケノコギリクワガタ飼育記 Prosopocoilus mohnikei mohnikei 産地:スマトラ |
購入 | スマトラ産WILD:モーニッケノコギリクワガタ♀24mm 真っ黒でまるで別のクワガタの様。形もノコギリのように丸みを帯びてない。 |
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2003年5月10日 弥○カブ○・クワガ○ワールドよりスマトラ産WILD モーニッケノコギリクワガタ♂41mm・♀24mmが到着した。販売されていた中では一番小さいものを選んだが珍品なので少々高価だった。天然物なのでペアリングさせないで、そのまま産卵させることにした。 届いた成虫を取り出してみると♀が真っ黒でドルクス系のクワガタのように見え、間違えたのかと驚いたが、こういうものらしい。 |
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産卵用セット | 産卵用中プラケース 新品埋め込みマットにコナラ材でセットしてみた |
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産卵用ケースは中プラケースに新品の埋め込みマットを使用し、普通のコナラ材を2本適当に埋めた。この種もマット産みか材産みか分からない。 | |||
セット変更 | |||
6月15日 モーニッケノコを飼育した虫友によるとどうやらモーニッケノコはマットには産卵せず材はマットに埋めないほうが良いらしいとの事。そのセットで成功したらしい。 マットを浅く敷き材をマット上に出してみた。湿度も高めで蒸れ気味だったため、保湿版を取り除き保湿シートだけにして乾燥しやすいようにした。 |
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ペアリング | |||
6月16日 念のためペアリングさせることにした。♂は小型なのでそれほど♀殺しの可能性は低そうだ。♂を♀のいる産卵用ケースに入れて3日間待つことにした。 6月20日 昨日♂を取り出すのを忘れてしまい、少し不安だったが、ケースを開けて♂を取り出そうとすると♀の上に乗っている状態だった。既に数回は交尾していたと思われるので、そのまま♂を取り除いた。ありがたいことに♀は無傷で無事だった。 |
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産卵 |
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6月28日 材1本に産卵痕らしきものを複数みつけることができた。メンガタの産卵痕のように表面に打痕のような感じの痕が見られた。交尾もよかったと思うが、乾燥気味が重要なようだ。 |
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材割り | |||
8月2日 産卵を開始してから1ヶ月経過したので、材割りをしてみることにした。 材はとても柔らかくなって手で簡単に割ることができた。1齢幼虫がどんどん出てきて21頭と卵も7個採れた。他1頭は残念ながら潰してしまった。 主に材表面近くから見つかった。1本は表面を割っただけで再度産卵用に使い、もう1本は完全に割った。 予想以上に採れて大満足。4頭は交換要員か販売用としてストック、他の17頭はコーヒービンに1頭ずつセットした。 卵はプリンカップで孵化させることにした。 種親の♀は衰えてきている感じだったが、材を1本追加した。 珍品のノコではあるが、案外条件が合えばよく産んでくれるようである。 |
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1齢幼虫@ 割ると次々に幼虫が出てきた。 (2003.8.2) |
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1齢幼虫B (2003.8.2) |
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孵化 | |||
8月17日 すっかり忘れていたプリンカップを見てみると既に卵はなく、幼虫の多数の食痕と1齢幼虫が1頭見えた。 孵化率も高そうな感じだ。 |
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2齢幼虫 | |||
8月20日 500mLブロー容器4個の蓋を開けてみると皆マット上に出ていた。どうやら蒸れていたようだった。急いで通気穴を増やして蓋を緩めに閉めた。コーヒービンのほうは蒸れてないようで、幼虫は出ていなかった。 8月21日 マット上に出ていた幼虫4頭は3頭は潜っていて、1頭まだマット上にいたが元気だった。潜れないだけかもしれないので、マットに穴を開けていれてやった。 |
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2齢幼虫(左)と1齢幼虫(右) (2003.8.18) |
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材割り | |||
9月1日 細いコナラ材にまた産卵跡が見られたが、材が乾燥しすぎで少々心配だったので、割ってみることにした。 1齢幼虫4頭と卵1個が採れた。♀はまだ元気だったので、新しい材を2本入れた。 |
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マット交換 | 3齢幼虫@ 結構大きくなってはいたが、♂幼虫はほとんど5gだった。 (2003.10.25) |
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10月25日 幼虫を飼育していたマットに菌糸が廻ってしまったようで、泥状に劣化してしまっていた。 急遽8頭、マット交換をおこなったが、残念ながら2頭は見つからなかった。 取り出した幼虫のほとんどは♂幼虫のようで、♀の卵巣が見られるものは8頭中3頭しかみられなかった。 ♂幼虫も大きくはなっているが、ほとんど5gだった。 作成したマットも残り少なくなってしまったこともあり、400mLのコーヒービンで飼育続行することにした。 9月1日に採取した幼虫4頭はプリンカップで管理していたが、取り出してみると2頭になっていた。この2頭もジャムビンで飼育することにした。卵は孵化しなかった。 |
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3齢幼虫の頭部 (2003.10.25) |
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♀蛹化 | |||
11月12日 数日前、前蛹だった♀幼虫が蛹化していた。 11月26日 2頭目も蛹化した。 11月28日 3頭目も蛹化した。 11月30日 蛹化しかけた状態で、止まってしまった♀の前蛹がいた。 恐らくそのまま死んでしまうようだ。 12月3日 4頭目も蛹化した。 11月30日のものはそのまま死んでしまった。 12月6日 5頭目も蛹化した。 12月10日 6頭目がいつの間にか蛹化した。 12月14日 7頭目が蛹化した。 2004年1月13日 8頭目の♀が蛹化した。 |
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♀羽化@ | |||
11月25日 最初に蛹化した♀が羽化した。 12月11日 2頭目の♀が羽化したが、残念ながら前開き不良だった。 11月30日に蛹化不全で死んでしまった♀に続いてなかなか羽化不全などが多いみたいだ。 マットが合わなかったからかもしれない。 |
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新成虫♀取り出し | 新成虫♀24mm かなり小さいが、真っ黒でピカピカしていてとても綺麗!青空が映り込んでいる。 (2003.12.14) |
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12月14日 羽化した♀が黒くなり、そろそろ取り出してみることにした。 やはり新成虫なので、光沢が強くピカピカしていた。 羽化不全の少ないサバゲノコやギラファノコなどと違い、蛹化・羽化不全が多いようなので、残りの♀も無事羽化してくれるか不安である。 |
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♀羽化A | |||
12月15日 3頭目の♀が羽化した。完品のようだ。 12月22日 4頭目の♀が羽化した。 12月27日 5頭目の♀が羽化した。 12月31日 6頭目の♀が羽化した。 2004年1月5日 7頭目の♀が羽化した。 蛹化不全を起こした1頭と前翅開き不良の1頭以外はすべて完品で羽化してくれたみたいだ。 思ったより羽化不全が少なくて安心した。 |
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♂蛹化 | |||
♂が蛹化したが、脱皮しきれず大アゴと前足が皮に引っ掛かり曲がってしまった。 2004年1月11日 深夜1時頃、寝る前に棚の奥に置いておいた幼虫群の様子を見てみるとなんと♂がたくさん蛹になっていた。 数えると7頭も大きめの蛹になっていて、大型独特の湾曲した大アゴを確認することができた。 まだ蛹化して間もないと思われる半透明の蛹もいて、すべて1週間以内に蛹化したようだ。 前蛹も2頭確認できた。 1頭、蛹室内にキノコが発生・成長してキノコで蛹室内が充満していたものがあったので、急遽取り出してみたが、まだ前蛹の幼虫がキノコに押し潰されて身動きが取れない状態だった。キノコを取り除いたら、無事に動き安心したが、そのまま気づかずに蛹化させていたら蛹化不全を起こしていたことであろう。 ♂はもう少し掛かると思っていたので、思わぬ大量の蛹の発見に感激した。 1月12日 7頭もいるので撮影のため、大きめの蛹を取り出してみることにした。 モーニッケとしては大きいとはいっても、50mmくらいの成虫になると思う。 蛹室は壊さずそのまま同じ蛹室で蛹化させることにした。 1月13日 前蛹だった2頭も蛹化した。♂と♀だった。 他、蛹室を造った幼虫も2頭ほど見られた。 |
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蛹@ 種親よりも強い湾曲した大アゴが確認できる。 (2004.1.12) |
蛹A (2004.1.12) |
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♂羽化 | 羽化 綺麗な完品で羽化させることができた。 (2004.1.24) |
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1月23日 取り出した蛹が色付いて、今にも羽化しそうな状態になっていた。 1月24日 帰宅午前0時、昨日羽化寸前だった色付いた蛹を見てみると羽化の最中だった。 大アゴはまだ折れ曲がった状態で、後翅を伸ばし乾かしているところだった。 前翅も綺麗に閉まっていて、完品での羽化で安心した。 朝、見ると大アゴも伸びて羽化が完了していた。 まだ色は浅いが、長歯型の♂を初めてみることができた。 また、2匹目の♂も羽化していた。長歯型ではあるが、やや小型。 |
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1月25日 3匹目の♂も羽化した。この♂も1匹目と同じくらいの大きさだった。 いずれも完品で羽化している。 1月27日 4匹目の♂も羽化した。 1月30日 5匹目の♂も羽化した。 1月31日 6匹目の♂も羽化した。 さらに数日前から1頭羽化寸前の蛹があったが、まったく羽化する気配がなく、そのまま死亡してしまったようである。 やはり他の種よりも蛹化・羽化時の死亡が多いようだ。 |
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新成虫♂取り出し | 新成虫の♂53mm@ まずまずのサイズの個体を羽化させることができた。 菌糸ビンで更に大型を目指してみたい。 (2004.2.22) |
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1月31日 最初に羽化した♂を取り出してみた。 53mmだった。サイズとしてはまあまあだが天然物のギネスが59mmということを考えるともっと大型サイズの個体を見てみたいものである。 2代目では更に大型を菌糸ビンでも飼育してみたいと思う。 2月21日 更に♂♀取り出してみたところ最大で54mmの♂が出てきた。 最小個体でも48mmであった。 1月31日に取り出した♂53mmは前翅に若干黒っぽいシミが見られたが、綺麗に消失していた。どうやら羽化後日が浅いとヘラクレスのように水分が多い時は黒っぽくなっていたらしい。他の個体にも多少シミが見られるが、いずれ消失すると思われる。 |
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新成虫の♂51mm 天然物のギネスサイズは59mmなのでまだまだ大型を狙いたい。 (2004.1.31) |
新成虫の♂54mm (2004.2.21) |
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飼育結果 | |||
4月25日 結局、26頭飼育して、2頭幼虫時に死亡、4頭は蛹化・羽化不全で死亡し、20匹の成虫が得られた。 ♂は40mm後半から最大で54mmだった。 ♂52mm・♀30.5mmを残し、他はすべて販売した。 ♂は1月25日に羽化したのだが、未だにほとんどエサを食べない。 ♀は少し後食しているようだが、ほとんど活動している様子はない。 非常に休眠が長いみたいである。 それほど、気が荒いようには見えないので、大プラケースに産卵用ケースをセットして、ペアを入れてそのまま産卵するのを待つことにした。 材はかなり湿っているので、保湿板は使わず保湿シートのみにして、乾燥しやすい状態にした。 |
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活動開始 | |||
8月1日 まったく活動しなくて、すっかり忘れてしまっていたのだが、思い出して見てみると劣化した状態のゼリーがほとんど食べられていて、♀が皿木の上に乗っていた。♂も材の下から頭を出しているので、羽化から半年以上してやっと活動を開始したようだ。 乾燥が進みすぎていたので、少し給水をおこなった。 |
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飼育終了 | 産卵痕 材にはおびただしい産卵痕があった。 (2006.2.5) |
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2006年2月5日 2005年はクワガタ飼育から離れてしまって、まったく面倒を見ていなかった。事情があったとしても、何を言っても言い訳にしかならないので、素直に反省したい。 マルスゾウカブトの幼虫達のスペース確保のため、手付かずだったモーニッケノコのケースを片付けることにした。 すると材にはおびただしい産卵痕があった。 WILDからの♀では比較的産卵は容易でもブリード物の場合、産卵が難しくなるクワガタも多いが、本種ではブリード物でもよく産卵してくれることが分かった。 本種は珍品とされているノコギリだが、飼育法さえ正しければ繁殖は容易であることが分かった。本種は乾燥気味を好むため、乾燥しすぎずやや乾燥気味を保つところがポイントになるだろう。 |