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マレーコーカサスオオカブトムシ
Chalcosoma chiron kirbyi
産地:マレーシア キャメロンハイランド
〜第2部〜

コーカサスの飼育を止めて1年、ヘラクレスの飼育にハマってしまった訳だが、
未だ、ヘラクレスの飼育質問よりコーカサスの質問が多く、値段に関係なく人気の高さが伺える。
やはりカッコいいものはカッコいいのだ!
前回、卵がすべて孵化せず大失敗に終わってしまったのだが、
もう一度、改めてマレーコーカサス飼育にチャレンジしてみたい。


マレーシア キャメロンハイランド産/WILD コーカサスオオカブトムシ♂98mm



Mサイズペア到着
2003年11月22日
 奈良○○クワセンターからマレーシア キャメロンハイランド産/WILD コーカサスオオカブトMサイズペア+1♀が到着した。
サイズは♂98mm・♀61mm・♀57mmだった。
コーカサスの飼育は大変で、正直この前まで見るのもイヤになっていた。
しかし、飼育をやめて1年経つと前回失敗に終わってしまったマレー産にもう一度トライしたくなり、奈良オオで♀1匹サービスで大変安く販売されていたので、購入しもう一度大型個体を狙うことにしました。


マレーシア キャメロンハイランド産/WILD:♂98mm
中型のサイズの個体。
やはり光沢が強くヘラクレスには無い魅力がある。
(2003.11.22)

 
マレーシア キャメロンハイランド産/WILD:♀61mm
やや小型の♀。
(2003.11.22)

交尾
 到着当日に撮影し、ついでに交尾もしてくれるかと♂を♀61mmに乗せてみたらすんなり交尾してくれた。
20分くらいで終了した。


交尾@
♀に乗せるとそのまま交尾した。
(2003.11.22)

 
交尾A
とりあえず交尾までは成功。
(2003.11.22)

産卵用ケース
 以前は大プラケースで産卵させていたが、より多くの卵が得られるように特大プラケースで♀単独で産卵させることにした。
マットは先ほどヘラクレス・オキシデンタリスの採卵した後の埋め込みマットをそのまま使用することにした。
真っ黒で固め易い使用済み主体のマットである。
ケース下部4cm程固く詰めてケース7分目までは軽く抑える程度にセット、産卵の促進にスカスカで使い道のないコナラ材を1本埋めてみた。
2匹の♀ともまったく同じセットにした。
産卵させること自体は簡単なのだが、前回のように孵化しないことがあるので、今度はどういう結果になるのか楽しみである。
前回の卵は見るとよく分かるが、小さく貧弱で交尾したにも関わらず無性卵だということが分かる。
交尾したように見えても成功していなかった可能性が高い。
今回も肉眼で合体しているところを確認しているので、うまくいくとよいのだが。

♀57mm交尾失敗
12月14日
 もう1匹の♀にも交尾させようと♂を乗せたが、♂は敵と間違え角で挟もうとしかせず危険なので交尾は延期することにした。

採卵
12月20日
 そろそろセットから1ヶ月経つので♀61mmのほうの産卵用ケースの採卵をおこなうことにした。
マットの湿度が高く、底面はオレンジ色になってしまっている有様で採れるか心配だったのだが、有精卵と思われる丸く成長した卵がたくさん採れ、合計37個の卵が採卵できた。
去年まったく孵化しなかった卵と見比べていただければ一目瞭然だろう。
採卵した卵はプリンカップ大3個に12,3個ずつセットして、人工孵化させることにした。


卵@
今回は丸く成長していてとても健康的な卵が得られた。
無性卵では卵は成長しないので、細長い楕円のままである。
(2003.12.20)


 
卵A
コーカサスオオカブトは多産な代わりにヘラクレスの卵より一回り小さい。
(2003.12.20)

♀57mmの採卵
2004年1月2日
 もう1匹の♀57mmの採卵をおこなうことにした。
マットをひっくり返してみると♀の死骸が出てきた。死後かなり経っているようだった。
マットをほぐしてみると、孵化したての真っ白な1齢幼虫が出てきた。
この幼虫は卵の皮も食べられるようにそのままプリンカップで管理することにした。
他、卵10個と幼虫4頭採れ、爆産とはいかなかったが、交尾させずに産んでくれていてまずまずの結果となった。
10個の卵はすべて幼虫が透けて見えるのでまず孵化してくれることだろう。
10万アクセスプレゼントの賞品にしているので、採れた幼虫はプレゼントにまわし、採れた卵が孵化したものの中から数匹選んで飼育していこうと思う。


孵化したての1齢幼虫
卵の皮を脱いだばかりで、まだ尻に皮が残っている。
(2004.1.2)

 
1齢幼虫
1齢幼虫は合計5頭採れた。
(2004.1.2)

幼虫飼育開始
1月18日
 結局、♀61mmから得られた卵は1個も孵化しなかった。
♀57mmから得られた卵10個はすべて孵化してそのうち、5頭を飼育することにした。
1頭ずつ2Lブロー容器に移して、腐葉土と市販の専用マットを混ぜたものを使用した。

マット交換(1回目)
4月30日
 すっかり忘れてほったらかしにしてしまっていた2Lブロー容器の幼虫を取り出してみることにした。
3頭が3齢幼虫になっていて、2頭脱皮間近の2齢幼虫だった。
3齢幼虫は41g、31g、29gだった。
セットしてから3ヶ月以上経過しているが、マットもそれほど劣化していなくて、順調に大きくなってくれていたようだ。
3齢幼虫の雌雄判別をしてみたが、腹部にある♂の窪みが確認できず、残念ながらすべて♀のようだった。
残り2頭の2齢幼虫が♂だとよいのだが。
3頭の3齢幼虫は大プラケースで一緒に飼育することにした。

 2齢幼虫は脱皮が近く、赤っぽくなっていたのだが、なぜ赤いのか?と思いよく観察してみると表皮の下に新しい体毛ができており、ちょうど表皮と新しい表皮の間に新しい体毛が挟まれている状態になってそれが透けて見えていたのであった。
体全体も表皮が2重になっている状態なので、皮が厚くなり黄色くなっているようだ。


3齢幼虫@
まだ初期なので、それほど大きくない。
(2004.4.30)

 
3齢幼虫A
やはりかなり闘争的で、触るとすぐに噛み付こうとする。
(2004.4.30)


2齢幼虫@
脱皮が近く、赤っぽくなっている。
(2004.4.30)

 
2齢幼虫A
脱皮が近くなるとなぜ赤くなるのかと思い、よく観察してみると、なんと表皮の下に新しい体毛があり、ちょうど表皮と下の新しい表皮の間に新しい体毛が挟まれている状態になっていて、それが透けて見えていたことが分かった。
(2004.4.30)

♂幼虫のマット交換
7月11日
 2齢幼虫だった2頭も3齢幼虫になっていて、どちらも♂だった。
既に糞だらけになってしまっていたが、中プラケースで単独飼育することにした。

♀蛹化
8月21日
 ♀が1頭蛹化した。1ヶ月ほど前にマット上で暴れているのを見かけたが、既に3頭とも蛹室を造り終えていた。

その後の飼育
2004年後半は管理人の病気のため、ほとんどの飼育種の飼育管理ができなくなり、本種に関してはそのままの状態で♀が完品で羽化したが、♂だけは中プラケース内で暴れ続け、死んでしまった。
大プラケースで黒土を使っていれば大型個体として羽化していたのかもしれず、かなり悔しい。
またいつか飼育したいオオカブトである。


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