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カブトムシ Trypoxylus dichotoma septentrionalis 産地:神奈川県鎌倉市 〜鎌倉編〜 |
鎌倉産WILD:カブトムシの♀
(左上:♀35mm、左♀46mm、右:♀45mm)
普段はめったに飛んでこないのだが、
1日で3匹も玄関の照明に飛んできた。
♀飛来 | |||
夜8時ごろ、自宅の玄関の外灯に♀3匹立て続けに飛んできた。 ♀46,45,35mmで、1匹は極小個体、45mmは赤味が強い♀(以下赤カブ)だった。 自宅に飛んできたのはこれが初めてで、この日は特に蒸し暑く風もなかったので相当良い条件だったのだろう。もっとも過去1997年頃の夜勤帰りの早朝に近所の外灯に♀が落ちていたことがあったがその時はカブトに目覚めていなかったがあまりの懐かしさに持ち帰ってしばらく飼育したことはあった。 地元では農家などの私有地が多くカブトムシを採集できる場所はないが、やはり鎌倉の山にもカブトムシが生息しているのだなぁと思い嬉しくなった。 3匹とも天然物なので、もう8月下旬ということもあり、まず交尾済みだと思うので、そのまま産卵させることにした。とりあえずこの日は夜なので、セットは明日にすることにして3匹は中プラケースに一緒に入れておいた。 8月25日 特に赤カブから赤く綺麗な♂を羽化させたいので、大プラケースに単独でセットして、残り2匹は大プラケースに2匹一緒にセットした。 マットは外国産カブトの幼虫や成虫の埋め込みマットなどに使った古く黒土化したマットを使用、下4cmは固めに詰めた。 |
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赤カブ産卵 | ![]() 鎌倉産WILD:カブトムシの♀45mm なんと14日で92個も産卵、孵化まで確認した。 写真は産卵後の♀だが、完品のままでものすごく元気である。 100個以上産卵してくれることはまず間違いない。 よく飛ぶので、前翅の間にマットが詰まってしまっている。 とても赤いので、今後の累代が楽しみだ。 (2003.9.7) |
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9月7日 赤カブのエサ交換をするとケース側面から1齢幼虫が見えた。なんとセットから2週間しか経っていないのに既に孵化しているようだ。 他にも幼虫が見えたので、急遽掘り出すことにした。 掘り出してみるとなんと1齢幼虫30頭、卵61個も採れた。 他、潰れた幼虫も1頭確認した。 産卵セットから14日しか経ってなく1日に6.5個は産卵していたことになり、毎日平均して産卵していたとすると卵からなんとたったの10日以内に孵化していたことになる・・・。 卵も孵化中のものや産みたての小さく細長いものまでさまざまだった。 異常とも言える繁殖力で、以前から驚かされてはいたが、更に驚かされた。 もちろん使用しているマットは古いマットだが物置の上で真夏の炎天下で殺菌してミミズ1匹いない清潔なもので、他の外国産などの幼虫がまぎれていることは有りえない。 |
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卵は箸で穴を開けて1個ずつ落としてやり・・・といったやり方では日が暮れてしまう数なので、大プリンカップ2個に適当に混ぜた。 残り2匹の種親のケースも見てみると複数の1齢幼虫が見えていた。プレゼント企画なども検討してみようと思う。 |
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幼虫飼育開始 | ![]() 産卵セット後、14日でもう多数の1齢幼虫が沸いていた。 国産カブトの繁殖力の凄さは末恐ろしいものがある・・・。 (2003.9.7) |
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とても多いので、特に元気そうな1齢幼虫を12頭選び、大プラケースに6頭ずつセットした。 マットは今回は大型狙いで市販のカブト専用マットを3割ほどと天然の腐葉土とクワガタ幼虫に使った使用済みマットを混ぜたものを使用した。 大型狙いなので、3齢幼虫になったら、♂を選別して更に少数飼育にする予定。 残りの幼虫達は特大プラケースに入れた。 今では使っていないが以前庭のマット捨て場だったところに5頭放してやった。 |
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♀2匹の採卵 | |||
9月13日 ♀46mmと35mmの2匹一緒に飼育していたケースも採卵してみることにした。 小型の♀は既にバラバラになっていた。 卵55個、1齢幼虫54頭が採れた。2匹にしてはまずまずだと思う。 前回同様、5頭マット捨て場に逃がしてやり、49頭は特大プラケースに天然の腐葉土とヘラクレスに使用したがまだ糞が少ない良質なマットを混ぜたものを使用した。 |
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人工孵化 | |||
9月21日 プリンカップにセットしていた61個の卵が孵化していて、プリンカップが幼虫で溢れかえっていた。 既に2齢幼虫になっているものも多数見られた。 すぐに特大プラケースへセットした。 9月27日 プリンカップにセットしていた55個の卵のほうも孵化していて溢れてしまっていたので、特大プラケースへセットした。 一応、赤い♀と他2匹の♀とは別々に管理している。 |
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赤カブ再び幼虫採取 | |||
9月27日 赤カブのいる産卵ケースからまたも幼虫が沸いていたので、幼虫を採取することにした。 幼虫37頭(うち2頭潰した)、卵16個が採れた。 幼虫を採取してから気付いたのだが、赤カブがなんと幼虫を食べていた!! 前回92個産卵を確認しているのに、今回も54個産卵していたことになり、合計148個は産卵していることになる。 カブトまで産卵後の栄養補給に動物性タンパク質を摂取する行動が見られるようだ。 食べられている幼虫は体液と一緒に組織まで赤カブに吸われてしまっていて、なかなか取れなかった。 カブトの場合、大アゴが無いので意図しているとは考えにくいが、これだけ幼虫が沸いていると捕食は容易だったのだろう。 しかし、♀1匹で148個も産卵するとは驚きである。 |
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![]() よく見るとなんと幼虫を捕食していた! 皮や組織まで吸い込んでいてなかなか外れなかった。 |
![]() 148個も産卵したというのに、完品で異常なほど元気な♀。 撮影中も動き回り、鮮明な写真が撮れなかったのが残念!。 しかし、まだ産卵しそうな勢いである。 |
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♀死亡 | |||
10月5日 ♀が2匹死んでいた。 死ぬまでにまた産卵していた可能性もあるが、採卵はこの次にすることにした。 |
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プレ企画の経過 | |||
10月5日 今日から少しずつプレゼント企画に応募していただいた方で当選者を決めてお送りすることにした。日頃のリピーター様には既にお送りしているが、赤カブの子も必ず半分入れてお送りしている。 10月6日 早速プレ企画の当選者から写真付きで喜びの到着メールをいただき大変感激した。 カブト好きな自分の中ではよい企画だと思うのだが外産ブームの中、少々地味で応募があるか少々不安だったりした。 しかし、多くはないが本当に好きな方から応募がいただけたのでやってよかったと思う。 |
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3齢幼虫 | ![]() 1ヶ月で1齢幼虫から3齢幼虫になっていた。 (2003.10.12) |
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10月12日 ほぼ1ヶ月で飼育中の12頭は皆3齢幼虫になっていた。 大プラケースで6頭ずつ飼育しているが、マットの縮み方が激しく、減った分をクワガタ幼虫に使ったマットで追加した。 数頭雌雄を♂♀判別法で判別してみたが、♂の窪みがとても小さいが確認できたものもあるが、ないものでV字マークがあり窪みによる雌雄判別法は国産カブトでは当てはまらないようである。 10月25日 赤カブのケースを片付けようとケースからマットを出してみたら幼虫が10頭も出てきた。 なんと赤カブは1匹で少なくとも158個は産卵したことになりこれほど産卵させたことは初めてだ。 特大プラケースで飼育している幼虫達も大きくなって糞だらけになってしまったので、使用済みマット主体でマット交換した。 |
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プレゼント企画でかなり出たがまだ100頭以上もいる。 庭のマット捨て場は山になってしまいそれ以来、マットは捨てていないので、それほど放してやれないので販売やプレ協賛で減らしていくしかないだろう。 |
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種親♀2匹からの幼虫採取 | |||
11月22日 種親が死んでしまっていたので、ほったらかしにしていたケースに幼虫が沸いてマット上に出てきてしまっていたので、急遽取り出すことにした。 ほとんどが3齢幼虫になっていて21頭も採れてしまった。 しかし、赤カブには半分にも満たない数だ。 |
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マット交換(1回目) | |||
11月23日 9月7日から大プラケース2個で6頭ずつ飼育しているケースのマット交換をすることにした。 残念ながら1頭は見当たらなかった。 体重は41、40、30,29、28、27×3、26×3gだった。 糞だらけになっていたので、もう少し早めにマット交換すべきであった。 できるだけ大型を狙いたいので、特に大きめの41,40,30gの3頭の幼虫を大プラケースで飼育、他は普段は温度管理をしていない部屋で大プラケース2個で4、5頭で飼育することにした。1頭は外の特大プラケースから採ってきた。 |
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マット交換(2回目) | ![]() 成熟して黄色くなっていた。蛹化も近いと思われる。 (2004.3.14) |
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2004年3月14日 大プラケースで3頭一緒に飼育している幼虫のマットが半分以下に縮んでいたので、2回目のマット交換をすることにした。 1頭はマット上に出ていたのだが、それほどマットに糞は目立たずあまり劣化してはいなかった。 幼虫は3頭とも黄色く成熟していた。体重は42,38,30gと前回とほとんど変わっていなかった。 この幼虫以外の幼虫は温度管理していない部屋で飼育しているので、マットの縮みもなく成熟もしていないと思う。 |
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野外飼育の赤カブ | |||
3月19日 外で飼育している幼虫達も販売時のオマケに使ってかなり少なくなってきたので、マット交換も兼ねて数えてみることにした。 赤カブの幼虫は18頭になっていた。しかし、みな大きい。 他♀2匹から産まれた幼虫達はまだマットの劣化が見られない為にそのままにしておいた。 しかし、かなりマットが湿気ってしまっていた。数は赤カブよりも多いようだった。 羽化が待ち遠しい。 |
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蛹化 | |||
4月18日 大プラケースで3頭飼育しているケースをみたら、なんと既に3頭とも蛹になっていた。 ケース下部から蛹室内の蛹の一部が確認できた。 既に濃いオレンジ色だったので、4月上旬には蛹化していたと思われる。 蛹もぜひ見たいので、次週掘り出してみたい。 |
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新成虫取り出し | |||
4月24日 早速、蛹を取り出そうと掘ってみると、なんと出てきたのは既に羽化した成虫だった。 どうやら数日前見たのは蛹室内の蛹の脱皮した皮で、蛹の期間はまったく気がつかなかったようだ。 前回のマット交換の直後、すぐに蛹室を造り蛹化してしまったようだ。 出てきたのは、赤い♂78mm、黒っぽい♂80mm、赤い♀59mmであった。 黒っぽい♂は角を前に倒した状態で余裕で80mmあった。 赤いのに期待していたが、黒い♂が羽化したのは恐らく野外で黒い♂と交尾したのではないか?と考えられる。 大きい幼虫を3頭選んで飼育していたので、すべて♂だと思っていたが、運よく赤い♀も羽化したので、赤いもの同士ペアにして100%赤い子ばかりが羽化するのか継続してブリードしていきたい。 赤いペアは幼虫のマットをそのまま使い、大プラケースで飼育することにした。 マットは新しいマットを交換時にすぐに蛹化したので糞が一つも見当たらない状態だった。 黒い♀はQ BOXミニで単独飼育することにした。 |
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![]() 期待どおり、とても赤い♂が羽化してくれた。 (2004.4.24) |
![]() 赤い♀と交尾させて、赤い子ばかり羽化するのか実験してみたい。 (2004.4.24) |
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![]() 黒っぽい♂も羽化した。 恐らく野外で黒い♂と交尾した結果だと考えられる。 (2004.4.24) |
![]() 種親の♀45mmに比べると色は同じだがかなり大きい。 (2004.4.24) |
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屋外飼育のマット交換 | ![]() 特大プラケースに38頭で飼育していたが、飼育当初は約2倍いて飼育しきれずプレゼントで多数手放した。 (2004.4.30) |
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4月30日 外で特大プラケースに多頭飼育しているマットがかなり湿気てしまっていて、幼虫がマット上に出てきてしまっていたので、マット交換をすることにした。 このケースの幼虫は♀46mm・♀35mmから得られた幼虫である。 幼虫は合計で38頭いたが、このまま特大プラケースですべて蛹化してくれるか心配なので、特大プラケースに20頭と18頭に分けて飼育することにした。 マットはすべてオオカブトの飼育などに使った使用済みマットを使用した。 |
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新成虫後食開始 | |||
5月5日 新成虫のケースを見てみるとゼリーが減っていた。 数日前はまだ食べていなかったので、昨日から活動を開始したらしい。 ゼリーは既に真っ黄色に劣化していたので、新しいゼリーをセットした。 皿木の下を見ると♂がいたので、恐らく♂が活動を開始したようだ。 写真を撮ってみると寒いにも関わらずすぐに飛ぼうとするほど元気だった。 |
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![]() まだかなり寒いが、活発に何度も飛ぼうとした。 (2004.5.5) |
![]() 飛ぶので最初はあわてたが、すぐに落下するので、あわてる必要はなかった。 (2004.5.5) |
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5月8日 ♀も活動を開始していて、ケースを開けてみると交尾は確認できなかったが、真っ二つに割ってしまった皿木の下で一緒にいるところが観察できた。 |
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産卵 | |||
5月15日 古いマットをそのまま使っているので、コバエが大発生してしまっていた。 外でフタを開け、コバエを逃がし、少しマットを掘ってみると、卵が2個出てきた。 早速、産卵しているようだ。 卵はそのまま埋め戻して、時期が悪いのでたくさんは採りたくないがそのまま産卵させることにした。 この分だと、真冬に羽化してしまうと思う。 5月30日 少しマットを掘るだけで卵が出てくる。 ケースの側面からは幼虫も確認できた。ミミズも多く発生しているのでよい環境ではないと思うが、問題はないようである。 |
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室内飼育の蛹化 | |||
6月5日 温度管理していない部屋でも10頭前後飼育していたが、先週蛹になっていたので取り出してみたがなんとすべて♀であった。 なんとも嘘みたいな結果になってしまったが、この♀達は羽化したらもとの森に放してあげようと思う。 1ヶ月ちょっと自然のカブトより羽化が早いが、自然界でまた繁殖してくれることであろう。 |
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![]() 大プラケースと中プラケースで10頭前後飼育していたものが、すべて♀になってしまった! (2004.6.5) |
![]() 羽化したら、もとの森に逃がしてあげることにした。 (2004.6.5) |
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羽化 | |||
7月17日 外で大量に飼育していた特大プラケースを見てみるとカブトがマット上に出てきていた。 しかし、残念なことに飼育する量が多すぎたためか栄養が足らずに羽がまったく伸びていない不全個体が続出していた。 唯一クワガタの材割りのカスも混ぜたケースだけは完品で羽化していた。 しかし、中〜小型個体ばかりで、その中でもっとも赤い♂1匹と♀3匹でブリードさせることにした。 残りはお問い合わせのあった方に3ペアを400円で販売して、残り10匹足らずは元の林に放してあげた。 室内で飼育していた♀ばかりの10匹についても欲しいという方にあげて残りは逃がしてあげたが、交尾もしていないのに既に卵を産んでしまっている始末であった。 8月中旬からまたカブトが飛んでくるのを待つつもりである。 |