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アカアシクワガタ
Dorcus rubrofemoratus
産地:島根県

〜 No.2 〜
 
 
去年の9月に購入した天然のアカアシクワガタ♀単品は
時期が遅かったこともあって幼虫1頭しか採れなかった。
唯一採れた幼虫が無事♂成虫になったので、
今度はもっと多くの幼虫を得られるようブリードに挑戦し、50mmオーバーを目指したい。


新成虫の♂49mm



新成虫活動開始


新成虫の♂49mm
(2003.7.5)

7月5日
 6月6日に羽化した♂49mmが活動を開始したようだ。
中プラケースにコナラ材1本入れて一緒に飼育してみることにした。
産卵
7月19日
 コナラ材をどけてみると材の裏で交尾していたようだった。材にも早速産卵痕が複数見られた。今度は成功させたい。

8月9日
 ♀が材に潜り込んで相当産卵しているように見える。今度は幼虫が採れそうだ。
材ももう1本追加してみた。

8月17日
 あまり観察はしていなかったが、ケースを開けてみるとエサ場で交尾していた。材もかなり多くの産卵痕があり、前回は打痕のような跡が多かったが、今回はオオクワのように材に坑道を掘り産卵もしているようだ。

交尾
よく交尾している。
(2003.8.17)

 

産卵跡
かなり大きな産卵跡が見られた。
(2003.8.17)

幼虫確認
5月21日
 数週間前からマットのあちこちから巨大なキノコが生えてしまい、マットも相当劣化しているようだったが、ケース底面から幼虫が1頭確認できた。線虫の発生も見られるので、休日にも取り出したい。

材割り
9月1日
 産卵跡が多く見られるほうのコナラ材を割ってみることにした。
1齢幼虫が6頭出てきた。今回は上出来だった。


幼虫飼育
 今回は50mmオーバーの大型個体を目指し飼育しようと思うので、800mLのジャムビン2本と1Lガラスビン3本にセット。クヌギマットに小麦粉を添加して発酵させたマットを使用して幼虫飼育を開始した。

セット以来、ほったらかし飼育で、蛹化まで放置した。

蛹化
蛹@
蛹化後、日が浅い透明感のある蛹。
(2004.4.10)

2004年2月21日
 ♀が1頭蛹化した。
3月21日
 ♂も1頭蛹化した。
なかなか大きそうな♂だった。
自家製小麦粉マットは夏場に作ったので、うまく発酵して出来がよかったみたいだ。
4月9日
 2頭目の♂も蛹化した。

4月10日
 昨日蛹化した♂の蛹を取り出して撮影をした。
1頭目のほうが、若干大きそうだ。
まだ蛹化して日が浅い為、透明感が強い。

他はまだ幼虫で、1頭のみ前蛹。
すべてマット交換は一度もおこなっていない。

蛹A
(2004.4.10)

 
蛹B
(2004.4.10)

♀の羽化
新成虫の♀34mm@
WILDの種親に比べ大きな♀が羽化してくれた。
ブリードで羽化した初めての♀である。
(2004.4.10)

3月14日
 ♀が羽化した。

4月10日
 ♀を取り出してみた。体長は34mmだった。
種親の25mmの小さい♀しか見ていなかったので、とても大きく感じた。
光沢も強くてかなり綺麗な♀であった。

新成虫の♀34mmA
前胸部が赤っぽかった種親の♀に比べると前胸部が黒い。
(2004.4.10)

 
新成虫の♀34mmB
腹部はとても赤い。
コクワの♀などと見分けが付きにくくても一目瞭然。
(2004.4.10)

♂の羽化
新成虫の♂48.5mm@
マット交換なしで、立派な完品で羽化してくれた。
(2004.4.25)


4月11日
 ♂も羽化した。

4月25日
 ♂を取り出してみた。
体長は48.5mmで、種親とほぼ同じサイズであったが、自作マットに800mLのジャムビンでマット交換なしだったので、上出来の結果である。

この♂を種親にしてまた、累代を続けていきたい。

新成虫の♂48.5mmA
(2004.4.25)

 
新成虫の♂48.5mmB
(2004.4.25)

まとめ
2005年5月3日
 クワガタのマット詰めが体力的にきつくなり、去年後半よりクワガタの飼育数を大幅に減らしている。
今までクワガタ飼育は楽しかったが、工場員からソフトウェア関係のSI業務になったことで、体力が減ってしまったのである。
そのため、ペアで飼育していた中プラケースはそのままたまにエサ交換をするだけで、幼虫の割り出しをおこなっていなかった。
飼育材がボロボロでもう限界だと思われるので、割ってみることにした。
ボロボロのコナラ材を割ってみると3齢幼虫5頭が出てきて、なんと超小型の新成虫♂27mm・25mm、♀24mmも出てきた。
3匹とも蛹室内から出てきて2匹は羽化して間もないようで、真っ赤な色をしていた。
芯があり、固い部分も少し削ってみると蛹も出てきた。
種親は♀が死亡していたが、♂は健在だった。
1,2齢幼虫の段階で割り出しを行なっていれば多数採れたことは言うまでもない。
ケース内で既に累代していた生命力の強さには驚かされる。
マット内を調べるのを忘れていたので後日、マットを掘ってみると幼虫2頭と蛹が出てきた。
残念ながら蛹は傷つけてしまったので、ゲンゴロウのエサになってもらった。

 アカアシクワガタは好きなクワガタの一つだが、今回で累代飼育は終了したい。
飼育は簡単、大切に育てれば大きく立派な個体を容易に羽化させることができ、非常に良いクワガタであった。

ここで紹介したアカアシの写真は大変好評をいただいて、外国雑誌から掲載依頼もくるほどであった。
しかし、国内にはこの画像を無断で使用してオークションで売っている心無いかたも存在する。
外国で掲載した雑誌社は丁寧なメールに、きちんと掲載費まで(無料でよかったのだが)送っていただいたのに比べると、国内の一部の方のモラルの無さに落胆するばかりである。

少々愚痴ってしまったが、季節はずれに買ったWILDのB品♀1匹から、50mmオーバーにはいたらなかったが、満足のいく結果が出せたので、しばらくは今ハマっている水生昆虫やオオカブト、エビの飼育に専念し、クワガタ飼育はしばらくお休みさせていただくつもりである。

小型の蛹
材から小型の成虫や幼虫も複数でてきた。
(2005.5.3)

 
新成虫の♂25mm
羽化して間もない真っ赤な♂。
いずれも過密だったため、超小型のものばかりであった。
(2005.5.3)


 


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