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コエゾゼミ
学名:Tibicen bihamatus

♂(2012.7.28 山梨県)
Data
和名 コエゾゼミ
体長 50〜55mm  ※翅の先まで
分布 国後島,色丹島,北海道,礼文島,利尻島,焼尻島,天売島,奥尻島,本州,佐渡島,四国
出現期 7〜8月
ブナ,ミズナラ,エゾマツ,カラマツ,シラカバ,ナナカマドなどの木の汁
 幼虫は地中から木の根の汁を吸う。
解説 山地に生息するセミの一種。
体色は黒色で胸部背面に特徴的な淡黄色の斑紋がある。
本種は標高900m以上の山地に生息し、寄主植物は広葉樹から針葉樹まで幅広い。
樹木の比較的高い位置に止まり、ジィーーと鳴く。
同属のエゾゼミは本種に比べ、棲息する標高は低いが900m付近では混生する。本種では胸部背面の横帯の色が緑がかることや、中央付近の黄色い横帯が左右で途切れる点、本種のほうが小型である点で区別できる。ただし、個体変異による例外もある為、♂では腹面にある腹弁が重なるのがエゾゼミ、重ならないのが本種という判別方法が最も確実。
また、本種と酷似したキュウシュウコエゾゼミは、♂の腹弁が短く、第3腹板に達しない点で同定できる。
 
国内に生息するエゾゼミ属(Tibicen)は以下の5種。
和名/学名 分布
エゾゼミ
Tibicen japonicus
北海道,焼尻島,奥尻島,本州,佐渡島,隠岐,四国,九州
コエゾゼミ
Tibicen bihamatus
国後島,色丹島,北海道,礼文島,利尻島,焼尻島,天売島,奥尻島,本州,佐渡島,四国
キュウシュウコエゾゼミ
Tibicen kyushyuensis
本州(広島県,山口県),四国,九州,九州
ヤクシマエゾゼミ
Tibicen esakii
屋久島
アカエゾゼミ
Tibicen flammatus
北海道,奥尻島,本州,佐渡島,四国,九州
 
写真は7月28日の夜、山梨県の標高1,600m付近に設置したライトトラップのそばを歩いていた羽化して間もない♂を撮影したもの。翌朝にはコスモスに止まっている♀も撮影することができた。そばには♀の抜け殻も見ることができた。本種の声はよく聞くが、活動中はかなり高い場所に止まっていて姿を見ることができなかったが、丁度発生時期だったことで活動前の成虫を初めて見ることができた。
PHOTO

♂@
(2012.7.28 山梨県)

♂A
(2012.7.28 山梨県)

♂のアップ
(2012.7.28 山梨県)

♀@
(2012.7.28 山梨県)

♀A
(2012.7.28 山梨県)

♀のアップ
左の写真をトリミングしたもの。
(2012.7.28 山梨県)

♀B
(2012.7.28 山梨県)

抜け殻@
(2012.7.28 山梨県)

抜け殻A
(2012.7.28 山梨県)
エゾゼミとの相違点

コエゾゼミ
@胸部背面のラインが黄緑色
A胸部背面中央のラインが途切れる
B♂では腹側の腹弁が比較的小さく、左右で重ならない
C体長が50〜55mmとやや小型
(2012.7.28 山梨県)

エゾゼミ
@胸部背面のラインが黄色
A胸部背面中央のラインが途切れない
B♂では腹部の腹弁が大きく、左右で重なる
C体長が65〜68mmと大型
(2016.8.8 山梨県)
 
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