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フェモラリスツヤクワガタ | |
学名:Odontolabis femoralis femoralis | |
![]() ♂69mm(2023/7/2 マレーシア産/WILD) |
Data | |||||||
和名 | フェモラリスツヤクワガタ 別名:フェモラリスオニツヤクワガタ,アカアシツヤクワガタ |
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体長 | ♂:51.4〜94.5mm ♀:42.0〜48.2mm |
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分布 | マレー半島 | ||||||
餌 | 樹液 幼虫は発酵が進んだマットを食べる。 |
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飼育難易度 | 簡単 ★★★★☆ 困難 | ||||||
解説 | マレーシアに生息する大型のツヤクワガタ。 100mmオーバーしないものの巨大な頭部に湾曲した太い大アゴは迫力満点である。 上翅は黄褐色で毛細血管のような細かな模様がある。 脚は赤褐色。 本種は基亜種でボルネオに別亜種が生息するが、基亜種のほうが太く巨大であるが大アゴが湾曲するため、体長はボルネオ亜種に一歩譲る。
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飼育メモ |
2022年7月22日 前々から気になっていたマレー産の原名亜種の本種の幼虫4頭をヤフオクで競り合うことなく落札することができた。 本種は原名亜種とボルネオ亜種がいるが、原名亜種は最大サイズでは一歩譲るものの大きく湾曲した大アゴと巨大な頭部の迫力は間違いなく原名亜種に軍配が上がるのではないだろうか? 成虫から飼育したいというところはあるが、本種は羽化ズレが激しいようで、たまにどちらか単品で出品される程度で、雌雄ぞれぞれ落札できる確証がないため、買えずにいたので幼虫から始めようと思う。 続きを表示7月27日 幼虫が到着した。1頭は死着保証のようで5頭届いた。すべて2齢幼虫で大きめのプリンカップに1頭ずつ入っていた。 500mlのクリアボトルに移し、不足分1/3程度はUマットで補充した。 各ボトルを確認したところ、マットの劣化はしていないが、いずれも3齢幼虫に成長していたのでボトルのサイズアップをすることにした。 ♀斑は確認できなかったが、頭幅に差があるので雌雄によるものなのかもしれない。頭幅が大きい3頭と、小さめ2頭だったが、一際大きい1頭については大型化に期待して3200mlクリアボトル、頭幅が大きい残りの2頭は2300mlクリアボトル、小さめの2頭は1500mlクリアボトルにセットした。 マットはマット交換によるショックを避けるため、サンギール産スティーブンスツヤクワガタの幼虫飼育に使用した使用済みマットを主体にUマットを3割、残りはNマットと既存のマットを混ぜたものを使用した。 2300mlクリアボトルの1本にコバエが発生してしまったので、マット交換をすることにした。小さめの幼虫だったため、♀の可能性がある。 もう1本の2300mlクリアボトルは特にマットの劣化はないがかなり大きく成長しているので、♂と判断し3200mlクリアボトルに移動させた。 2頭に使用したマットはツヤクワ幼虫の使用済みマットを主体にコバエが発生していないほうの既存のマットとUマット、Nマットを混ぜたものを使用した。 1500mlクリアボトルで飼育中の1本にコバエの幼虫を確認したため、マットの全交換を行った。 1500mlクリアボトルで飼育している2本の内、1本は幼虫のトンネルが巨大化して中央部に柱と化したマットの周りがほとんど空洞になっていたので、Uマットとツヤクワ使用済みマットを混ぜたもので補充した。 もう1本は12/12にコバエが発生してマット交換したものだが縮んではないものの新しいマットに馴染まないようでマット上にいるので、ツヤクワ使用済マットを乗せるように補充してみた。 その他のボトルは時々巨大な姿を見ており、順調そうなので長歯型に期待している。 2300mlクリアボトルで飼育している1頭がマット上に出てしまっていた。よく見ると前方付近がやや半透明で後方の気門周囲が黒ずんでおり、病気の可能性がある。病気となると対処しようがないので周囲のマットを加水する程度で様子を見ることにした。 マット交換後に拒食を起こしていた1500mlクリアボトルの幼虫が死んでしまった。マット交換にかなりシビアでコバエの発生でマット全交換したことが良くなかったようだ。 1500mlクリアボトルで飼育中の個体は1/9の時点で繭玉を作成していたと思われ、そろそろ成虫になっているか遅くとも蛹になっていると思うので割ってみたところ、新成虫の♀が出てきた。 体長50mmの完品の個体だった。残りのクリアボトルについては♂の可能性が高いのでもう少し待つことにする。 ヤフオクで丁度同産地の本種のワイルド個体が出品されていたこともあり、飼育中の♂の3200mlのクリアボトルを確認することにした。 慎重に掘っていくとさほど成虫の死骸が出てきた。羽化には成功しているようで何故死んでしまったのか不明。もう1匹も確認したが残念なことに幼虫で死亡していた。 BE-KUWAにも書いてあったが、本種は全ステージで予兆なく死ぬ個体が一定数いるらしく、ある程度の数を飼育する必要があるので、やはりペアで落札し、種親からのブリードに挑戦したい。 夜、ヤフオクで短歯型のペアを落札できた。 産卵用ケースはコバエシャッター大を使用し、日中にセットしておいた。本種は赤枯れマットは不要らしいので、ツヤクワ類の幼虫飼育に使用したマットを主体にNマットと混ぜて、ノコギリ系の幼虫飼育に使用したマットも1割程混ぜたものを使用した。 これでうまくいけばワイルド♀と現在休眠中の羽化させた♀の2匹で産卵させられると思うので、まずはワイルド♀の産卵に挑戦したい。 生体が到着した。 マレーシア キャメロンハイランド産の♂69mm・♀46mmとの事。 新成虫と見分けが付かないほど擦れ傷のない綺麗なペアだった。撮影後早速♀を産卵用ケースに入れた。 ♂は休眠中の♀とペアリングさせるまで死なないよう大切に飼育しておきたい。 産卵確認をしたところ、卵は見つからなかった。試しに赤枯れマットを少量混ぜて、再度水分を調整してみた。 羽化させた♀が後食を開始した。 産卵用ケースに入れていた♀が死んでおり、卵も見つからなかった。 ♀のコンディションは良かった印象だったので突然死ぬとは予想外だった。 苦戦続きのため、破れかぶれで羽化させた♀とワイルドの♂を産卵用ケースに同居させることにした。 ここまでで数回喧嘩をするたびに♀が♂の脚に噛み付いて引き離すのに苦労しており、♂より♀のほうが異常な程攻撃的で一旦興奮すると身の周りにあるものすべてに噛み付こうとするほどでだった。 1週間経ったので確認したところ、残念なことに♀が前脚1本を残し、すべて切られてしまっていて歩行もできない状態となっていた。 ただ、マットからは8個の卵が確認できたのでギリギリ間に合ったようだ。昨日は喧嘩を止めた際にはどちらも無傷だったので♂の隔離が1日早ければは思うがここまで仲が悪いと交尾に至っている可能性は低いと判断していた。 得られた卵は特大プリンカップで管理、♀はダメ元で産卵用ケースのマットの中に埋めてみた。少数精鋭で飼育し、長歯型を目指したい。 これまでの飼育から本種は気性が特に激しく、相手の脚を切るというかなり厄介な攻撃をする習性があるようなのでツヤクワの中でも特にペアリングが難しい種と言える。 卵を管理しているマットに線虫が多く発生しており、その影響か死滅した卵が多く出たが1週間程前から孵化を確認したため、取り出すことにした。 1齢幼虫3頭確認、数が少ない為500mlクリアボトルでの単独飼育とした。 種親の♀は元気ではあるがマット上でひっくり返っており、移動すらできない状態となっていた。 |