ハスタートノコギリクワガタ(マライタ亜種) | |
学名:Prosopocoilus hasterti moinieri | |
![]() 長歯型の♂68mm(2022/4/30 マライタ島産/CBF6) |
Data | |||||||||
和名 | ハスタートノコギリクワガタ(マライタ亜種) 別名:ハスタート・モイニエリ |
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体長 | ♂:39.6〜69.4mm ♀:35.6〜39.0mm |
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分布 | ソロモン諸島(マライタ島) | ||||||||
寿命 | 約半年 | ||||||||
飼育難易度 | 簡単 ★★★☆☆ 困難 材産みの傾向が強い。♂は気性が荒く、♀殺しが多く発生する。 |
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解説 |
ソロモン諸島原産の大型ノコギリクワガタ。 マルバネクワガタを思わせるような太い体型をしており、長歯型は先端付近と基部近くに内歯がある。中歯型と短歯型は細かな内歯が鋸状に並ぶ。 体色は鈍い光沢のある黒色で、上翅の側縁沿いは帯状に黄褐色をしている。 本種は3亜種に分けられているが、本亜種は上翅に柄がある上、基亜種と同等に大型となるという欲張りな亜種と言える。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。 |
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飼育メモ |
2021年12月12日 ドルクスグッズより新成虫ペア(♂68mm・♀39mm)が到着した。1万円近くになる高級な部類に入るノコギリのようだ。プラケースミニよりやや大きいサイズのケースに仕切られた状態で到着したので、仕切りを外し、♂はコバエシャッター小に移動し、♀はそのままのケースで管理して、活動するのを待つことにした。 続きを表示12月30日 夜、♀が活動を開始して、ケース内を歩き回っていた。 新年ということで撮影のために雌雄を撮影した。♂は休眠中なので悪影響が心配ではあるが、羽化から2ヶ月も経過しているのでそろそろ起きて欲しいところ。 夜、ついに♂が活動を開始した。BE-KUWA情報によると本種等は羽化後6ヶ月は個別飼育するのがたくさん産ませるコツらしいので、2ヶ月後食させて成熟させようと思う。 あらかじめコバエシャッター中で産卵用ケースをセットしておくことにした。マットはフォーテックの産卵1番を使用し、産卵木はやや大きめで硬すぎず柔らかすぎずのものを1本ほぼ完全に埋めるようなセットにした。 ♂は夜間かなり元気なので♀は1ヶ月間は後食しており、自然界でも1ヶ月活動していればとっくに交尾しているはずで、BE-KUWA情報を鵜呑みにすることもないと判断し、まずはペアリングの準備としてコバエシャッター中に♂を単独飼育させておくことにした。 夜、♂が頻繁に飛翔し始めたので、ペアリングできるかと♀を♂のケースに入れてみたが、♂はまったく♀に反応せず飛ぶことにばかり夢中になっていた。もっとも重たい体が宙に浮くことはなかったが。また機会を見てペアリングを試したい。 夜、♂が皿木に登りかけの状態で静止していたので、再度ペアリングを試してみることにした。 ♀を皿木の上に置いて、♂が登って来るまで待ち、ようやく♂が登って来ると♀を素通りしてゼリーを舐め始めたのでまたダメかと諦めかけていたら、方向展開し♀の匂いを嗅ぎだしてそのまま交尾に至った。交尾は数分で終わったが、♂は♀から降りていきなり♀を挟もうとしたので即座に引き離した。 やはり♀殺しが多い種なので、交尾が成功したとしても仲良しになるような性格ではなく、交尾直後♀殺しに至ることもあるようだ。とても鬼畜な性格ではあるが念願のペアリングが成功したのはとても嬉しい。 ♀は早速2/6に準備しておいた産卵用ケースに入れて産卵させることにした。 セット以来、外から変化がなかったが、今日になってケース側面から産卵木を削っている跡とマット中の産卵木にいる♀の姿が確認できた。順調に産卵してるようだ。 ♀が珍しくゼリーを食べていたので、産卵木を少し削って卵を確認してみることにした。 産卵木はマットにくっついて簡単には取り出せなかったので、表面の♀によって削られている部分を穿ってみたところ、卵が出てきた。あくまで観察用としてこの卵1個のみを採卵し、他はそのままにして産卵を続行させることにした。 交尾に失敗して無精卵という落とし穴もあるため、まだ安心できない。 卵は170mlのプリンカップにフォーテックのヒラタ・ノコ1番(以下ヒラタ1番)で管理した。 ここ数日ゼリーを食べ続けていたが、大半を食べた後またマットに潜っていた。 かなり産卵したと思われるので、2ケース目も作っておくことにした。内容は1ケース目と同様にした。産卵木はどちらもクヌギのやや太めを使っている。 夜8時前、♀がマット上の産卵木に姿を見せていたので、3/27にセットした2ケース目に移動させた。現状、餌も食べずに産卵を続けているので、今後の産卵に期待したい。 サンプルとして採取した卵が萎みだした。昨日まで順調に大きくなってぼんやり中に幼虫らしきシルエットが見えてきていたので孵化を確信していたが残念ながら死んでしまったようだ。 最初の産卵用ケースを外から確認したところ、側面にかなり成長した1齢幼虫が1頭確認できた。やはり交尾は成功していたようだ。 ♀のいる2つめの産卵用ケースを外から確認したところ、ケース側面に卵が1個確認できた。材産みの傾向が強い種だが、マットにも産むようだ。産卵木の選り好みもあると思うので、最初の産卵木は菌糸の勢いもよく多数産んでいたようだが、今回の産卵木は菌糸がほとんど発生していないので気に入らずあまり産んでいないということもあり得る。 1つ目の産卵用ケースの割り出しをすることにした。 まずマットからは昨日見た1齢幼虫1頭と材の裏に2齢幼虫も1頭見つかった。 産卵木は幼虫が食い入っていたため、手で割ることができるほどもろくなっていた。産卵木からは1齢幼虫3頭、2齢幼虫7頭、卵3個が得られた。 木片にまだいる可能性もあるため、産卵用ケースはしばらく材カスを入れた状態で放置することにした。 得られた幼虫たち12頭は800mlのクリアボトルに1頭ずつ単独で飼育することにした。マットは無難にヒラタ一番を使用した。やはりギネス狙いだとカワラタケなどの菌糸ビンになってくるとは思うが、節約もしたいのでマット飼育で低コストで大型化を目指していきたい。 ケース側面に産み付けられていた卵はほぼ一日で死滅した。孵化率は低いような気がする。 飼育スペースを確保したいので、材カスのまま置いてあった産卵用ケースを片付けることにした。材の破片を念入りに割っていったところ、2齢幼虫が1頭見つかった。マットからも大きく成長した卵が3個出てきた。 卵はプリンカップで管理することにしたが、日数が経ちすぎているので孵化するか怪しい。 ♂の衰えが激しく、今日は歩行できないほどの瀕死状態となっていた。羽化から半年以上とは言っても、後食開始して5ヵ月程の寿命のようだ。興味深い点としては、元気だったころは上翅の縁取りが淡い黄色だったが、衰えるに伴って暗化していったこと。 瀕死と思っていた♂がなかなか死なず、歩き回ったりはしないものの、刺激を与えると動きゼリーも食べるが、普段はぐったりとしているという状態が続いている。 ♂が死亡した。♀もやや衰えてきている気配はあるが食欲は旺盛。 ♀も死亡した。産卵木にそこそこ産卵痕があるので、1ヵ月後くらいに確認したい。 5/5に発見した取りこぼしの2齢幼虫1頭を500mlクリアボトルで飼育していたが、3ヶ月弱も経過してしまったので、800mlクリアボトルに移動させることにした。取り出してみると順調に成長しており、♂の3齢幼虫になっていた。 4/29にセットした800mlクリアボトルがかなり食いカスが目立ってきたのでマット交換をすることにした。 マット交換するのは12本中、全体的に食い散らかしている6本にした。 ボトルから幼虫を取り出したところ、3頭は大きさから♂のようだったので1500mlクリアボトルに、他の3頭はやや小さく、♀斑が見られないものの大きさと成熟度から♀のように見えたので800mlクリアボトルにセットした。 放置していた産卵用ケースも確認してみたが、産卵木に複数の産卵痕があったものの幼虫は1頭も見つからなかった。過去何度か採卵しているが1個も孵化しなかったことからも孵化率はかなり低いと思われる。 2頭が既に♀の蛹になっていた。 ♀の蛹が1頭羽化していた。もう1頭も成虫が透けて見えており今日明日にも羽化すると思う。 2頭目の♀も羽化した。 ♀の羽化から2週間以上経過したので、最初の♀を取り出してみることにした。 取り出してみると完品の37mmの個体で種親には及ばなかったが、これは幼虫取り出し時に既に2齢幼虫になっていたからだろう。上翅の紋は非常に細く不明瞭で種親の雌雄とかなり異なっていたのは意外だった。 2頭目の♀も取り出してみたところ、この個体は普通に紋が出ている個体で38mmだった。 数日前から複数の♀が活動を開始しているようでゼリーを与えている。 ♀36mm(個体No.6)をヤフオクで出品し、落札していただいたが、フ節が欠けていたのを発見し、同じ体長の個体No.9を代わりに販売することで落札者に承知していただいた。 新成虫なのにフ節が欠けてしまったのは予想外だったが、この個体だけ環境が泥状になっていたようで、取り出し時にかなり泥が付着している個体だったので、長期間多湿な状態に晒されていたことでフ節が脆くなってしまったようだ。健康状態に問題がないため、繁殖用に使用したい。 800mlクリアボトルで飼育中の♂が羽化した。 羽化した♂を取りだしてみることにした。5/5に材カスから出てきた2齢幼虫を500mlクリアボトル飼育でマット交換時に800mlクリアボトルに変更したものなので小型化し、体長49mmの短歯型の♂だった。 |