ビソンノコギリクワガタ(ニューギニア亜種) | |
学名:Prosopocoilus bison cinctus | |
長歯型の♂63.7mm(No.15)(2022/8/26 イリアンジャヤ産/WF1) |
Data | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ビソンノコギリクワガタ(ニューギニア亜種) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体長 | ♂:28.4〜75.2mm ♀:26.0〜33.1mm |
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分布 | ウードラーク島,ニューギニア,ビアク島,ヌンホール島,アル島,ケイ島 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
寿命 | 約4ヶ月 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
飼育難易度 | 簡単 ★★☆☆☆ 困難 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
解説 |
黄・黒・赤褐色のストライプが綺麗なノコギリクワガタの美麗種。 大アゴは真っすぐに伸び、細かな内歯の他、基部内側から前方に伸びる太い突起がある。 雌雄共に前胸背と上翅の側縁は広く黄褐色。黄褐色と赤褐色の境界は細く黒色で縁どられる。 ニューギニア産のものは最大で75mmにもなり、全亜種中最大となる。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。 |
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飼育メモ |
2021年12月22日 アリストからインドネシア・イリアンジャヤ・アルファック産の天然個体のペアが到着した。 撮影を済ませて、とりあえず危険なペアリングは避けて♀を単独で産卵用ケースに投入した。 産卵用ケースの内容は、コバエシャッター中にフォーテックの産卵一番を入れてクヌギのやや柔らかめの産卵材をほぼ完全に埋めるようにセットした。(同時購入のフルストルファーノコギリクワガタとほぼ同じ内容) 続きを表示12月26日 夜、産卵用ケースの裏面を見たところ、早くも卵が1個確認できた。 状況的に多数産卵していそうなので、♀殺しのリスクはあるが、複数の遺伝子があるほうが累代にも有利なため、♂も産卵用ケースにいれることにした。が、♂はしきりに産卵木とケースの隙間に入り何かを待ち構えているようで、もしやと産卵木を少し持ち上げると♂の先に♀がいた。非常に狭い空間での接触はかなり危険と判断してペアリングを断念し、♂を再び隔離した。 ケース底面から卵が3個見えている上、産卵材に多数の産卵痕があるため、既に多数産卵していると判断し、♀殺しも覚悟の上で再度♂を入れることにした。 深夜1時過ぎ、恐る恐るライトで産卵用ケースを覗いたところ、♂が♀を探し回り、♀もケース内を歩き回っていた。しばらく観察していると、交尾に至った。ただ合体していた時間は非常に短く一分もなかったが、離れたので♂を隔離した。この時点でケース底面には5個の卵が確認できている。 産卵用ケースのセットから2週間が経過し、マットがだいぶ縮んでおり、産卵材もむき出しの状態になっているので、セットし直すことにした。 産卵材を取り出すと裏に♀が付いていた。産卵材には多数の産卵痕と思われる削られた跡があった。試しに少し材の表面を削ってみるとすぐに卵が出てきた。二個並んでいて産卵密度も高そう。出てきた卵は観察用サンプルとして採取してプリンカップで管理することにした。 ♀はまだまだ産みそうなので、現状の材に加えて更に一本の産卵材を埋めてマットも追加した。しばらくは♀単独で産卵させる。 採卵した二個のたまごの内、小さい方が死滅した。やはり産みたてはデリケートなようだ。 ♂を再び産卵用ケースに入れて再度ペアリングさせることにした。 夜、ケース内を側面から覗くと交尾はしていないが餌場にペアで長時間一緒にいるところが確認できた。かなり仲良さそうなのでしばらくはこのまま同居させることにした。 プリンカップで管理していた卵が孵化した。産卵用ケースの底面からも1頭の1齢幼虫が確認でき、孵化後既に活動している状態だった。 プリンカップの幼虫を800mlクリアボトルにセットした。マットはフォーテックの「ヒラタ・ノコ1番」を使用した。 1齢幼虫は孵化からたった1週間でかなり成長していた。 産卵用ケースは底面から幼虫が見えるようになり、♀も産卵を続けているようなので2つ目の産卵用ケースを作成した。2つ目も初期のセットと同じ内容にした。 産卵用セット作成時に♀が潜っていたため♂を先に移動させたが、夕方に♀もゼリーを食べていたので♀も移動させた。 1つ目の産卵用ケースはしばらく放置し、すべて孵化してから取り出す予定。卵の期間は大体20日間前後と考えられるので、20日後の2/12頃に取り出しをしたい。 1ケース目は沢山産卵したが、2ケース目は産卵木に青カビが発生してしまったせいか、産卵していないようだった。青カビを取り除いてはみたがもう少し産卵木が安定しないと産めないかもしれない。 予定より1週間早いが1ケース目の幼虫を割り出すことにした。マットから14頭(1齢11頭,2齢3頭)、産卵木から1齢幼虫のみ13頭、卵2個が得られた。正確には卵は3個発見していたが1個はプリンカップ投入時に見失った。 結果、27頭の幼虫が得られ飼育中の1頭と合わせて28頭の幼虫飼育をすることになった。 2ケース目の様子を見てみると産卵木の裏でバラバラになった♀の死骸を発見した。♂による♀殺しなのか自然にバラバラになったのかは分からないが、ほとんど産卵木を削ったりマット中を動いた形跡もなく、かなり早いうちに死んだようだ。 得られた幼虫はすべて800mlクリアボトルで単独飼育、フォーテックのヒラタ・ノコ1番(以下ヒラタ1番)で10頭、BIGHORNのクワガタ専用マット(以下クワ専用)で8頭、リーフの菌糸ビン(XL-POTヒラタケ)(以下菌糸ビン)で10頭セットした。 幼虫の飼育状況について以下の管理表に纏めたので、今後の飼育でマットの種類や菌糸ビンによって差が出るかなどを調べてみたい。
昨日採卵した卵が1個孵化していた。昨日見失った卵については不覚ではあった。産卵木から幼虫を潰さないよう割り出すという非常に神経の使う作業の後で注意散漫になっていたのだが、産卵木の残骸は屋外の倉庫で保管しているのであったとしても寒さで死滅するだろうし、後で再利用のためミキサーにかけるので他のケースへの幼虫混入の心配がないため良しとする。マットについてはしばらくケースをそのままにしておくのでもしかしたら幼虫が出てくるかもしれない。 最後の卵も孵化した。正直なところ、最後の卵は薄黒く大きさも小さいため孵化しないんじゃないかと期待していなかっただけによかった。これで30頭とキリがいい数になった。 ♂が皿木に止まった状態で死んでいた。あまりに突然だったのでまさか死んでいると思わず、休んでいると思っていたが、頭部がもげそうになっていたため、死んでいることに気が付いた。触れるだけで頭部と胸部が外れるほどだった。状況から昨日既に死んでいたと思われる。恐らく♀も♂が殺したわけでなく、寿命が来た可能性がある。 最後の卵2個から孵化した幼虫はクワ専用マットを入れた800mlクリアボトルにセットした。 仕組んだわけではないが、これでマット2種、菌糸ビン1種それぞれ10頭ずつ飼育することになる。 菌糸ビンにセットして以来、生存確認ができていなかったが、今日No.15の菌糸ビンの底面に食痕が確認できた。他の菌糸ビンはまだ食痕が確認できない。 No.11に食痕を確認した。1齢で菌糸ビンに入れているものが多く、菌糸に巻かれて死亡するケースもあるため、幼虫の生死が気になっているが、いくつかの菌糸ビンは棚の奥で500mlクリアボトルを乗せているなど取り出しにくいため、全ボトルについては確認できていない。 個体No.1のクリアボトルを見たところ、側面から大きく成長した3齢幼虫を見ることができた。菌糸ビンで確認できる幼虫もいるが、成長が遅いようでまだ2齢幼虫だった。 菌糸ビン内の食痕が目立つようになってきた。ただ、10本の菌糸ビンのうち1本はまったく食痕が見られないため、1齢幼虫のうちに死んだ可能性が高い。 No.21の幼虫が前蛹となっており、蛹化間近の状態だった。大きさから♀のようだった。♂はまだ蛹室を作る気配はなかった。 No.21の幼虫が♀の蛹になった。 棚の奥に積み重ねるように管理しているので、状況が確認できていなかったが、一通り確認したところ、No.4が既に♀の蛹になっており、他にもいくつかのクリアボトルで蛹室を作成している♀が確認できた。♂と思われる幼虫は依然成長を続けているようで、雌雄の羽化ズレが心配。 夜、No.21の♀が羽化した。 No.4の♀も羽化した。 6/4に羽化した♀を出してみることにした。体長は種親より大きい32.1mmだった。 ♂はまだ蛹化していないが、蛹室を作成しているように見える個体も複数見られるようになった。3齢幼虫を撮影していなかったので、取りやすいマット上層部にいたNo.29を掘り出して撮影した。せっかくなのでマット下層部以外はヒラタ1番を半分混ぜたマットに交換した。 ♂もようやく蛹室を作成した個体が複数確認できるようになった。羽化ズレは1ヵ月程度で済みそうだ。 No.5の♂が1頭蛹になっていた。 恐らく一番早く蛹化したと思われるNo.5の♂の蛹を見てみることにした。蛹室の上部のみ開けてみたところ、長歯型の♂の蛹を見ることができた。 菌糸ビン飼育中の2本(No.15と17)が幼虫が暴れていてボトル内の菌床が粉々に砕かれてしまっていたので、マット飼育に切り替えることにした。 マット飼育といっても蛹化するだけと思われるので、本種の幼虫飼育の使用済みマットとヒラタ1番を4:1の割合で混ぜたもので交換した。幼虫はペアだったので、♂は800mlクリアボトルに、♀は500mlクリアボトルにセットした。 羽化後日数が経過していると思われる個体を2匹取り出すことにした。 6/12に羽化したNo.4の♀は34mmだった。 NO.2の個体は6/25に成虫を確認しており、クリアボトル底面から上翅の一部が見えるだけで、羽化が早いのでてっきり♀とばかり思っていたが、♂が出てきた。体長も62.5mmと種親よりも大きい長歯型の立派な個体だった。 同時に飼育中のフルストルファーノコと大体同じタイミングで羽化が進んでおり、数も多いため、羽化後ある程度日数が経過した個体を少しずつ出していくことにした。 撮影しているとどうも頭部を下げて前胸背を上に突き上げて、前胸背左右の眼状模様を強調させて威嚇しているようで興味深かった。 朝、♂の蛹(No.5)が羽化した。特に羽化不全になることもなく、とても綺麗な体色を見ることができた。 No.8の個体はボトルの中層で蛹室を作成していたのを確認していたが、コバエが発生してボトルの底で蛹室を作成して♂の蛹になっていた。幼虫時にフィルターを齧ったため、タイペスト紙に貼り直していたようだったが、穴が開いていた時にコバエの侵入を許してしまったようだ。蛹室は崩壊状態のようなので蛹は人口蛹室に移したが、蛹室を作成しなおしたことで小型化は仕方ないが、無事に羽化してくれるか心配だ。 6/12に羽化したNo.4の♀が活動を開始したのでゼリーを与えた。 6/4に羽化したNO.21の♀も活動を開始していた。昨日活動を開始した♀が後食を開始したことも確認できた。 7/27に取り出したNo.8の♂の蛹が昨日の夜から羽化を開始して、羽化不全を心配したが無事に羽化させることができた。1日気付くのが遅れていたら確実に羽化不全になっていたので危なかった。 幼虫採取後の産卵用マットから1頭幼虫が出てきた取りこぼし分の幼虫を5/8から500mlクリアボトルで飼育していたが、6/24に蛹室内で成虫になっていることを確認、数日前より自力脱出してマット内を動いていることが確認できたので、取り出してみたところ、♀で31mmの個体だった。 使用したマットはヒラタ1番と産卵用マットを3:2で混ぜたものを使用し、栄養価はあまり多くなく使用するボトルも500mlと小さめだったので、若干小さく上翅先端が若干隙間のある個体だった。 No.10の後食も確認できた。 新成虫の多くをヤフオクで少しずつ販売しすべて売れているが、後食開始して日数がかなり経過している個体については即ブリペアと言えるが販売にあまり適さないと思うので、7月下旬に羽化したNo.3の♂63mmと7月中旬〜下旬に羽化したNo.25の♀33mmでブリードを続行することにした。 産卵用のセットは前回の内容で好結果を得ているので、コバエシャッター中に同じ内容でセットした。手間を省くため、ペアで入れた。 未明に交尾しているところが確認でき、日中も♂がずっと♀の上でメイトガードしていたが、夕方になりようやく♀が♂から離れたので♂を隔離し、♀はそのまま産卵させることにした。 ケース底面をみたところ、早速3個の卵が確認できた。 ケース底面をみたところ、数頭の幼虫が確認できた。 |