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オオトラフコガネ
学名:Paratrichius doenitzi

アセビの朽木から出てきた♂(2010.5.23)
Data
和名 オオトラフコガネ
 別名:オオトラフハナムグリ
体長 11.5〜14.5mm
分布 本州(東北〜東海),四国,九州,平戸島
出現期 6〜8月
花の蜜や花粉
 土壌化した朽木
解説 山地性の綺麗なハナムグリ。
はっきりとした模様が大変美しく、世界的に見ても美麗種である。
♀では全体的に黒色で、上翅に小さな黄白色の紋がある。
山地性で花に集まり、飛翔能力が非常に高く、ハエのようによく飛び回る。近似種もいるが、代置種であり分布域は重ならない。
 
2010年5月23日の写真は、2009年7月19日に静岡県の1,000m以上の山地で、アセビの朽木内にいた幼虫を飼育して羽化させたもの。幼虫は赤茶色のアセビの朽木内に見られ、多湿な環境を好むようだった。クワガタの一種と思われる幼虫も含め、7匹ほど採集した。採集場所から持ち帰る朽木は砕いたものを少しだけだったが、ミニプラケースで飼育したところ、小さな破片に入り込んで羽化したものや、ケース底面の土化した朽木で蛹室を作り、羽化させることに成功した。5月23日に成虫を取り出したところ、ミニプラケース内には肉食性と思われるコメツキなどの幼虫もおり、犠牲になった幼虫もいたようだが、本種の♂3匹、♀2匹が出てきた。何の幼虫か分からず飼育していたので、鮮やかな本種が出てきて驚かされた。1年掛かりの飼育ではあったが、標高1,000m以上の山地の本種でも冷房なしの環境で問題なく羽化させることができたことになる。取り出した日の夜には、土化した朽木内で交尾も確認しているので、産卵までできるかもしれない。
5月31日にケースを確認したところ、ケースに薄くしいたマット(採集した朽木の粉末)に1mm程の卵が20個近く発見することができた。産卵用という意識はなかったので、マットは大変乾燥していたので、急遽同じミニプラケースにマットを厚めに敷いてやや加水した。ハナムグリの仲間は産卵数が多いので、産み続ける可能性はある。成虫は綺麗なので幼虫飼育もしてみたいと思うが、餌となるマットは市販のコナラやクヌギが主成分のクワガタ用マットで飼育できるかが問題である。
6月20日には、5月31日に採取した卵のほとんどが孵化しており、更に成虫を管理していたマットからも卵と幼虫が多数確認できた。成虫は♂が2匹死んだようだが、♂1匹と♀匹はまだ生きていた。
 
国内に生息するオオトラフハナムグリ属(Paratrichius)は以下の6種(1亜種)。
和名/学名 分布
オオトラフコガネ
Paratrichius doenitzi
本州(東北〜東海),四国,九州,平戸島
キイオオトラフコガネ
Paratrichius itoi
本州(近畿,中国)
ヒロシマオオトラフコガネ
Paratrichius geibiensis
本州(中国),四国,九州,平戸島
オオシマトラフコガネ
Paratrichius duplicatus duplicatus
奄美大島,徳之島
オオシマトラフコガネ(沖縄亜種)
Paratrichius duplicatus okinawanus
沖縄島,伊平屋島,渡嘉敷島,久米島
キュウシュウオオトラフコガネ
Paratrichius kyushuensis
九州
ジュウシチホシハナムグリ
Paratrichius septemdecimguttatus
本州,四国,九州,壱岐,五島列島,平戸島,下甑島,屋久島
 
2001年の写真は古いデジカメで撮影したもので、標高の高いブナ林に行った時にジメジメした林内に咲く白い花に小型のチョウとハエが群がっている変わった環境で、花に来ていた本種を1匹だけ発見、帽子で何とか採集することができた。しかし、飛翔能力が大変優れていて、かなり速いスピードで飛び、目を放すとアッという間に飛び去ってしまうので、採集するのは至難の業だった。
PHOTO

アセビの朽木から出てきた♂@
模様には個体差があり、この個体は茶色の部分が小さい。
(2010.5.23)

アセビの朽木から出てきた♂A
(2010.5.23)

採集した個体
非常に古い写真。
(2001.7.13)

♀@
(2010.5.23)

♀A
(2010.5.23)

♀B
(2010.5.23)

アセビの朽木にいた幼虫
(2009.7.19 静岡県)

卵@
(2010.5.31 静岡県産)

卵A
孵化寸前で大きくなっている。
(2010.6.20 静岡県産)

1齢幼虫
(2010.6.20 静岡県産)
 
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