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ヤエヤママドボタル
学名:Pyrocoelia atripennis

発光中の♂(2018.10.29 西表島)
Data
和名 ヤエヤママドボタル
 別名:オオシママドボタル
体長 約15mm
分布 石垣島,西表島,竹富島,黒島,小浜島,波照間島,黒島
出現期 1,9〜12月
甘露
 幼虫は陸生の貝類(カタツムリの仲間)を食べる。
解説 八重山諸島に生息する大型のマドボタル。
前胸背は赤色で複眼の上部は透明になっている。
♀は大型で翅がほぼ退化して飛ぶことはできない。
幼虫はじめじめした落ち葉の下などに生息し、ウスカワマイマイなどの陸生貝類を食べる。
幼虫の表皮は鎧を纏っているように固く、動きも鈍い。
本種の♀は大型で翅がなく、腹部は白く大きい。飛ぶことができないが、光ではなくフェロモンで♂を呼び交尾する。
 
本種とよく似た種にオキナワマドボタル(先島諸島亜種)がおり分布域が重なるが、オキナワマドボタルでは前胸背に黒い縁取りがあることで区別できる。また出現期も春のみと本種と異なる。幼虫は酷似しており、前胸背板の白い縁取りの形状で区別できる。
 
国内に生息するマドボタル属(Pyrocoelia)は以下の8種(2亜種)。
和名/学名 分布
オキナワマドボタル
Pyrocoelia m. matsumurai
沖縄島,瀬底島,屋我地島,渡嘉敷島
オキナワマドボタル(先島諸島亜種)
Pyrocoelia m. abdominalis
石垣島,西表島,小浜島
オキナワマドボタル(久米島亜種)
Pyrocoelia m. kumejimensis
久米島
ヤエヤママドボタル
Pyrocoelia atripennis
石垣島,西表島,竹富島,黒島,小浜島,波照間島,黒島
クロマドボタル
Pyrocoelia fumosa
本州(近畿地方以東)
アキマドボタル
Pyrocoelia rufa
対馬
オオマドボタル
Pyrocoelia disciollis
本州(近畿地方以西),淡路島,四国,九州
アマミマドボタル
Pyrocoelia oshimana
奄美大島
ミヤコマドボタル
Pyrocoelia miyako
宮古島,下地島,伊良部島,来間島
イリオモテマドボタル
Pyrocoelia iriomotensis
西表島
 
写真は10月29日の夜、西表島の標高25m付近の林縁で発光していた♂を撮影したもの。幼虫もよく光っているのを見ていたが、成虫は初めて見ることができ数匹が草などに掴まって静止したまま発光していた。
PHOTO

発光中の♂@
(2018.10.29 西表島)

発光中の♂A
(2018.10.29 西表島)

幼虫@
サキシママドボタルの幼虫と酷似するが、前胸背板の縁取りがオオシマでは中央部で反る。
(2007.3.13 西表島)

幼虫A
(2007.3.13 西表島)

発光する幼虫
(2007.3.16 西表島)

発光する幼虫(腹面)
(2007.3.16 西表島)

幼虫の発光部
(2007.3.16 西表島)
 
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