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クロメンガタスズメ
学名:Acherontia lachesis

カラスザンショウに止まっている本種(2009.9.7)
Data
和名 クロメンガタスズメ
開張 100〜125mm
分布 本州,四国,九州,屋久島,沖縄島
出現期 7〜8月
樹液
 幼虫はゴマ科(ゴマ,クコ),ナス科(ナス,トマト,ピーマン,チョウセンアサガオ,タバコ,ヒヨドリジョウゴ),キリ科(キリ),ノウゼンカズラ科(ノウゼンカズラ,キササゲ),クワ科(クワ),モクセイ科(ソケイ)などの葉を食べる。
解説 ドクロマークでお馴染みのメンガタスズメの一種。
大型のスズメガで、胸部に明瞭なドクロマークがある。
メンガタスズメ(Acherontia styx crathis)に似るが、本種は色が明るく、前翅先端付近は赤褐色になる。
幼虫は褐色型と緑色型があり、尾角は多数の小突起があり、先端付近がカールすることで他種と区別できる。
閲覧者様より本種の幼虫をピーマンの実や葉をよく食べているとご報告をいただいている。
 
写真は9月7日の日中にカラスザンショウの幹に止まっていた本種を撮影したもの。このカラスザンショウは幹の至るところにどろどろした樹液が出ており、セミの仲間が多数止まっていた。本種もパッと見、アブラゼミかと思ったが、アブラゼミよりも大きく迫力があった。
12年後の9月5日には近所の林道で幼虫も発見することができた。アサガオやヒルガオを思わせる形の葉を持つ見慣れない蔓性の植物だったが、花や葉からナス科のヒヨドリジョウゴであることが分かった。北上を続けているとはいえ、あまり見かけない蛾なので飼育してみることにしたが、3本ほど取った枝をあっという間に坊主にしてしまった。林道にあるのは本種がいた1ヶ所だけだったため、食草とされているクワも与えてみたところ、見向きもせず飼育ケース内を歩き回った挙句にようやく食べ始めたと思いきや葉を半分食べて食べられないと判断したらしくまたケース内を歩き回るようになった。ナス科とクワ科はかなり違うため、後から食草を変更するのは無理なのかもしれない。現在、同じ場所のヒヨドリジョウゴを与えて飼育中で9月14日に食べるのを止めてケース内に敷いておいた湿らせたミズゴケの中に潜りだしたので蛹化・羽化したらまた紹介したい。
9月17日にケースの底面で蛹化した。2日後に蛹を取り出して管理しやすいよう別の小さい容器に移した。大きさは57mmだった。
 
その後、10月8日に羽化した。残念ながら翅が伸び切らない個体だったが見事なドクロマークを見ることができた。飼育には餌切れをなるべくしないよう気を使っていたにも関わらず翅が伸び切らない個体が羽化した原因については不明だが、食べるのを止めてから蛹化までの期間は蛹化に適した場所を探すために2〜3日動き回っていたことが影響しているのかもしれない。
羽化させて意外だったのは触れるとギィーギィーと音を立てることだった。
羽化させた個体は飛ぶことはできないが元気なので飼育することにした。日中は動かないが深夜に飛ぼうと羽ばたかせる音がよく聞こえている。
PHOTO

カラスザンショウに止まっている本種@
(2008.9.7)

カラスザンショウに止まっている本種A
(2008.9.7)

ヒヨドリジョウゴ上の幼虫@
(2020.9.5)

ヒヨドリジョウゴ上の幼虫A
(2020.9.5)

ヒヨドリジョウゴ上の幼虫B
(2020.9.5)

尾角
カールすることで他種と区別可能。
(2020.9.5)

幼虫がいるヒヨドリジョウゴ
(2020.9.5)

蛹@
(2020.9.19)

蛹A
(2020.9.19)

蛹B
(2020.9.19)

蛹C
(2020.9.19)

新成虫@
(2020.10.8)

新成虫A
(2020.10.8)

新成虫B
(2020.10.8)
 
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