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ラクダムシ
学名:Inocellia japonica

ラクダムシ(2009.5.23)
Data
和名 ラクダムシ
開張 ♂:約15mm
♀:約20mm
分布 北海道,本州,四国,九州
出現期 4〜8月
解説 日本に生息するラクダムシ科唯一の種。
ヘビトンボヒメカマキリモドキを思わせる体型や翅を持つ。
♀では長い産卵管を持つ。
幼虫は扁平で細長い体型をしており、主にマツやスギなどの樹皮裏に生息している。
近似種にキスジラクダムシ科のキスジラクダムシ(Mongoloraphidia harmandi)がいるが、単眼があり、翅の縁紋内に翅脈があるのに対し、本種では単眼がなく、縁紋に翅脈もないことで容易に区別することができる。
また、現在国内では、上記2種しか知られていないが、キスジラクダムシ科において地域によって交尾器などの違いが認めれれていることから、恐らく2つの科共に複数の種が含まれている可能性が高いとされている。
国内に生息するラクダムシ属(Inocellia)は本種のみ。
 
写真は5月23日の夜、自宅の外灯に飛来した♀を撮影したもの。以前から見つけたかった虫だったが、まさか自宅に来るとは思ってもいなかった。まったく敏捷性はなく、簡単に撮影することができた。
幼虫の写真は2月13日に近所の林道でスギの樹皮下にいたもので、体長は13mmあった。現在持ち帰って飼育している。飼育にはイモリ用人工飼料で勝手に増えていたチャタテムシを使用した。飼育を開始し3週間ほどで姿が見えなくなったので、更に1週間後に探したところ樹皮の隙間で蛹になっていた。
他の昆虫と違い、脚や触角が体に密着していないところが特徴的だった。一緒に入っているチャタテムシの数が多く露出した状態の蛹に悪さしないか心配だったので、プリンカップに湿らせたティッシュペーパーを敷いて管理することにした。蛹は4日後には黒く色付き、脚も動かし次第に歩けるようになっていった。このような蛹を自由蛹というらしい。完全変態と不完全変態の中間に位置するようで興味深い。
PHOTO

自宅の樋に止まっていた♀@
(2010.6.5)

自宅の樋に止まっていた♀A
(2010.6.5)

自宅の樋に止まっていた♀B
(2010.6.5)

外灯に飛来した♀
(2009.5.23)

杉の樹皮下にいた幼虫
(2021.2.13)

飼育下の幼虫@
(2021.2.22)

飼育下の幼虫A
腹面。
(2021.2.22)

飼育下の幼虫B
(2021.2.22)

蛹@
(2021.3.14)

蛹A
(2021.3.14)

蛹B
(2021.3.14)

蛹C
樹皮の隙間で蛹化していた。
(2021.3.14)

蛹D
(2021.3.14)

蛹E
(2021.3.18)

蛹F
(2021.3.18)

歩けるようになった蛹@
(2021.3.20)

歩けるようになった蛹A
(2021.3.20)

歩けるようになった蛹B
(2021.3.20)
 
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