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ティティウスシロカブトムシ
Dynastes tityus
産地:ノースキャロライナ産
 
 
本種はグラントシロカブトに比べると更に小さく白というより黄色のカブトだが、
光沢が強く綺麗で可愛らしいカブトムシである。
飼いたいとは思っていたが、なかなか購入までは思いとどまってしまっていた。
今回、うちのカブト・クワガタの死骸と1齢幼虫5頭と交換してもらうことができたので、大切に育てていきたい。


ティティウスシロカブトの1齢幼虫



1齢幼虫入手
2003年7月12日
死骸と交換でRINさんからノースキャロライナ産F2ティティウスシロカブト1齢幼虫5頭が届いた。
みんな元気でどれも同じ大きさの幼虫だった。
小さいカブトではあるが、出来るだけ大きく育てたいので、2Lブロー容器にカブト専用マット主体で単独飼育することにした。

1齢幼虫
(2003.7.12)

 

2Lブロー容器で単独飼育
少々高価なカブトマットでできるだけ大型を目指すことにした。
※参考写真

2齢幼虫
7月21日
容器側面から脱皮したての2齢幼虫が確認できた。

マット交換(1回目) 3齢幼虫@
この幼虫は14gだった。最大でも17gだった。
(2003.9.6)

9月6日
 まだ糞は目立たないが、大型を目指す為早めにマット交換をすることにした。
3齢幼虫のようにみえるが、雌雄判別してみると♂の窪みは確認できなかったので、2齢幼虫なのだろうか?
 体重は最大で17g1頭、16g1頭、15g2頭、14g1頭だった。
再び2Lブロー容器で、カブト専用マットのみで大型を目指した。グラントシロカブトに負けないくらい立派なカブトになってほしい。

3齢幼虫A
♂の窪みが確認できず、まだ2齢幼虫かと思っていたが、これで3齢幼虫のようだ。やはりティティウスは小さい。
(2003.9.6)

  3齢幼虫B
今後の成長が楽しみだ。
(2003.9.6)

マット交換(2回目)
12月23日
 2Lブロー容器で単独飼育していたが、そろそろマットもかなり縮んできたので、ケース移動も兼ねて2回目のマットをおこなうことにした。
まず、前回確認できなかった雌雄判別をもう一度おこなってみた。
1頭の尻部には明らかに♂の窪みが確認できたが、もう一頭はかすかに確認できる程度のものがいただけで、残りの3頭はまったく窪みや褐色部分が無かったので、一応♂2頭・♀3頭ということにしておいた。
体重は♂♀とも大差はなく、25,24,22,21,21gで、前回よりも成長していた。
 ティティウスシロカブトは小型で、このまま2Lブロー容器で飼育続行してもまったく問題はないが、できるだけ大型にしたいので♂♀を分けて大プラケースで複数飼育することにした。
 現在シロカブトは他に、グラントシロカブトとヒルスシロカブトを飼育しているので、羽化のタイミングが合えば3大シロカブトが同時に見られるかもしれない。

蛹化 蛹@
やはり小型ではあるが、ティティウスとしては立派な蛹になってくれた。
(2004.9.5)

9月1日
 掲示板でティティウスについての書き込みがあり、ふと確認してみると♂も♀も蛹になっていた。
外から蛹が確認できたのは♂1頭のみだったが、恐らくもう1頭の♂も蛹化していると思う。♀は蛹自体は見えなかったが、明確な蛹室が確認できた。
 ケース下部から確認できた♂と思われる蛹を掘り出してみたところ、やはり♂の蛹が出てきた。確かにグラントシロと比べ、角は短いが、ティティウスとしては立派な個体であった。
蛹室は他のダイナステスの仲間と同様にやや斜めに造られていた。そのまま同じ蛹室で羽化させることにした。
蛹A
(2004.9.5)

  蛹B
胸角基部の突起も確認できる。
(2004.9.5)

羽化
10月10日
 ♂が羽化していた。蛹を掘り出して以来、まったく観察してなかったのだが、既に色付いており、羽化後1,2週間経っているようだ。
大変小さいが、とても綺麗なカブトムシだった。グラントシロには見られない強い光沢も確認できた。
羽化した♂@
しばらく見ていなかったので心配だったが、完品で羽化してくれた。
(2004.10.10)

  羽化した♂A
既に色付いていて、綺麗な体色と強い光沢が確認できた。
(2004.10.10)

新成虫取り出し
10月16日
 新成虫を取り出すことにした。
先週確認した♂より少し小さい♂も1匹出てきた。♀も羽化しており、3匹ともやはり♀で雌雄判別に誤りはなかった。♂の1匹は3齢幼虫時、♂の窪みがほとんど確認できず少し色が付いている程度のものであった。
体長は♂が63mm、57mm、♀は47〜49mmだった。
体色は黄色く、黒点も非常に多い。グラントでは黒点は飼育条件がよいと少なくなる傾向があるが、ティティウスの場合では関係ないようだ。
新成虫♂63mm
思っていたよりも、立派な♂になってくれた。
光沢が強く黒点も非常に多いなど、グラントシロカブトとかなりの違いが見られた。
(2004.10.16)

  角のアップ
ティティウスでは胸角基部の突起がこのように曲がる。
(2004.10.16)

新成虫♂57mm
一回り小さかった♂。黒点の大きさもかなりの変異が見られるようだ。
(2004.10.16)

  新成虫♀47mm
体色はヒルスシロカブトに似るが、前胸部にも広い範囲に色付くことで区別が付くようだ。
(2004.10.16)

販売
2005年2月12日
 未だに休眠している。既に羽化から4ヶ月経っているので、そろそろ活動しはじめると思う。
1ペア販売し、♂1匹・♀2匹で飼育することにした。
撮影のために掘り起こしたが、体色が鮮やかな黄色に色付いていた。
新成虫♂63mm
ツメが強力で、痛い思いをした。
(2005.2.12)

  新成虫♂57mm
羽化後4ヶ月経っていて、未だに休眠状態ではあるが、以前に比べて体色が鮮やかになっていることが分かる。
(2005.2.12)

♀後食開始
3月28日
 ♀が活動を開始しているのに気が付き、すぐにゼリーをセットした。
3月29日
 ♀は2匹とも活発にゼリーを食べている。

♂後食開始
4月5日
 ♂もようやく後食を開始した。

交尾 交尾
♂を♀に乗せるとすぐに交尾、1時間ほどして終了した。
(2005.4.29)

4月29日
 ティティウスの寿命はそれほど長くないと思い、そろそろ交尾させてみることにした。
♂を♀の上に乗せるとすぐに交尾した。そのまま1時間も続いて、離れたところで♀を産卵用にセットした大プラケースに入れた。
マットは固め易いマットのほうが産卵数がアップすると思い、少し古くてコバエも発生してしまっているものしかなかったが、下部を固めて6割ほど入れて、新品マットを7〜8分目まで入れた。
新品マットは質はよいのに、なぜ古いマットを主体にしたかというと目が少々粗く、固めづらいので、産卵には適さないと思ったからである。
♀はもう1匹いるので、また数週間後に交尾させて同じ産卵用ケースに入れるつもりである。

産卵
5月2日
 産卵用ケースの裏を見ると卵が1個確認できた。
グラント同様たくさん産んでくれそうである。

2匹目の交尾
5月10日
 2匹目の♀に♂を乗せると交尾した。
1時間ほどで終了して、1匹目のいる産卵用ケースに入れた。

産卵状況
5月29日
 3匹ともに元気にしている。
ゼリーを交換しようと見てみるとマット上に大きめの卵があった。
かなり産卵に期待できそうだ。
多数の幼虫を得ようとするなら、もう1ケースの産卵用ケースを用意してもいいと思うので、余裕があれば来週にも再セットしようと思う。

孵化
6月9日
 マット上で発見した卵が孵化した。

採卵 卵@
孵化間近の黄色っぽい卵や産卵後日が浅い真っ白で楕円形の卵も見られた。
(2005.6.11)

6月11日
 そろそろ採卵してみることにした。
35個採卵できたが、幼虫は採れなかった。
♀は体力を消耗しているようで、大人しかったが、まだ産卵してくれるかもしれないので、今度は特大プラケースにいれてみた。
孵化した1齢幼虫は500mLブロー容器にセットした。

卵A
やはり卵も小さい。
(2005.6.11)

  1齢幼虫
マット上に産んでしまった卵をプリンカップで孵化させた。
(2005.6.11)

♂隔離
6月26日
 雌雄ともに徐々に元気がなくなってきているようだったので、この状態での交尾は命の危険があるので、♂を隔離した。

孵化
7月3日
 プリンカップの卵が続々と孵化している。
孵化間近と思われる卵と産卵直後の白くて小さめの卵は別管理しており、孵化間近の卵を管理していたプリンカップはすべて孵化しているようなので、取り出すことにした。
合計14頭の1齢幼虫が得られた。何個入れたのかは記録していなかったので、孵化率は分からないが、腐った卵が見当たらなかったので、100%だと思う。
1頭ずつプリンカップ大にセットしたが、数が多いので、4頭は販売することにした。
グラントシロカブトも多数幼虫が採れているため、スペース的にかなり厳しいが、飼育している以上、やはり大型を目指したいので、シロカブトはすべて1齢幼虫からプリンカップ大で個別管理している。
グラントシロカブトやヒルスシロカブトに比べて、胸角が短いのがいまいちのカブトではあるが、大きく育てることによって、グラントのような長い胸角になる可能性は十分あり得るので、できるかぎり大型を目指して飼育していきたいと思っている。

♀死亡
7月11日
 産卵用ケースを見てみると♀が2匹とも死んでいた。
♂は別のケースで管理しているが、とても元気で数日前はゼリーのカップに頭を突っ込みそのまま突き抜いて取れなくなり、ペンチでカップを切って助けたこともあるほどである。

採卵(2回目)
7月23日
 ♀は死んでしまったので、最後の採卵をすることにした。
取り出してみると、1齢幼虫15頭、卵3個が得られた。
1回目で採卵した分も順調に孵化して、これ以上は管理しきれないため、販売することにした。

♂死亡
9月3日
 数日前からぐったりとしていたが、遂に死んでしまった。
しかし、羽化からほぼ11ヶ月とかなり長生きであった。後食開始から約5ヶ月活動できるようである。

F3新成虫取り出し 新成虫の♂51mm@
(2006.12.23)

2006年12月23日
 今年は毎週昆虫撮影に出かけていたため、飼育にまで手が回らなかったが、冬になり昆虫たちもいなくなり、落ち着いてきたのでティティウスのケースを確認してみると♂の新成虫がマット上に出ていることに気が付いた。
マットはケースの4分の1に減っておりしかもかなり乾燥が進んでおり、羽化不全を心配したのだが、取り出してみると♂2匹・♀4匹の新成虫が完品で出てきた。大プラケースに♂3頭で飼育していたので1頭は幼虫のうちに死んでしまったことになるが、♀は大プラケースで4頭飼育しており、すべて羽化してくれたことになる。
今回の新成虫たちは大きさはたいしたことはないが、すべて黒点が少ない綺麗な個体ばかりであった。
更に前翅は青みがかっており、ブルーヘラクレスの一歩手前くらいの色だった。
早速この1年昆虫撮影で修行してきた愛用の一眼レフで撮影してみた。じっとしてくれるので楽だった。
新成虫の♂51mmA
(2006.12.23)

  新成虫の♂51mmA
(2006.12.23)

新成虫の♂51mmB
(2006.12.23)

  新成虫の♀
(2006.12.23)

 

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