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スジブトヒラタクワガタ
Dorcus metacostatus
産地:奄美大島宇検村

 
 
内歯上がりの太くて立体的な大顎、点刻された艶消しのボディーに
作り物のような綺麗な縦隆条!異色のヒラタクワガタである。
飼育した結論から言ってしまうと失敗に終わってしまったが、
一応2代目までは作出したので、失敗談としても参考にして下さい。


F1:♂57.5mm



種親購入
2000年3月26日
DRE○Mより奄美大島宇検村産
新成虫なので♂♀別々に管理してエサを十分に与え、成熟を待つことにした。
♂♀ともとにかく凶暴で持つとまるで蛹のように頭部をもたげて噛み付こうとする。
挟む力も半端じゃなく強いので、移動させるときは皿木などに挟ませてから手を放した。

F1:♂57.5mm

 

F1:♀41.5mm

ペアリング

ペアリング

6月4日
大プラケースに小麦粉発酵マットを7分目まで入れ、コナラ材を2本埋めた。
ペアリングの為、まず♂だけ入れて慣れさせるため待つ事にした。
6月11日
産卵用ケースに♀も入れた。
産卵
6月23日
右の材に削った跡があり、産卵跡だと思われる。
6月24日
ペアリングは済んだものと判断、事故を防ぐため♂をケースから出した。
※ココで♂を取り出すのは既に遅すぎた。3日以内にすべきだった。
6月25日
左の完全に埋まっている材周辺のマットがトンネル状に掘られており、材・マットに産卵しているようだ。

種親♀死亡
6月30日
数日前より動きが鈍くなっていたので、気になって見たところ死んでいた。
腹部が濡れていたのでよく見ると腹部に♂に挟まれてできたらしい傷があり、体液が少しずつ出ていってだんだん弱っていき、遂に死んでしまったようだ。2週間のペアリングは長過ぎたようだ。
しかし、傷つきながらも産卵した♀の生命力にはビックリ!!(@_@)

幼虫割り出し

1齢幼虫

7月9日
マット側面に1齢幼虫を見つけ、採取した。
7月13日
左の材より2齢幼虫4頭、右の材より1頭採取した。
7月9日
採取した6頭の幼虫を全て菌糸ビン(ヒラタケ菌・クヌギオガコ使用)で飼育した。
12月24日
飼育開始から全く食痕が見られない。

マット交換

マット交換時の3齢幼虫
高温の為、劣化が起こり、ビンの底には黄色い液体が溜まっていた。

2001年2月17日
セットから半年も経っているのに食痕はほとんど見られないが、ビン交換をした。
1頭死亡していたが、他5頭は無事3齢幼虫になっていた。
どうやらヒラタケ菌は高温に非常に弱いらしく菌糸がダメージを受けた為、劣化しアンモニア等の影響で食いが非常に悪くなったようだ。夏場は30℃以上、上がらない程度の管理であった。
おなじ菌糸ビンで飼育していたオオクワガタも同様の結果だった。
ちなみに同じ環境でオオヒラタケ菌、ガラスの菌糸ビンではオオクワガタは非常によく食べていた。

♀の蛹化・羽化
4月28日
♀幼虫1頭が蛹になっていたのを発見した。
しかし、プラボトルなので曇っていて観察出来ないのが残念だ。
5月23日
♀の蛹が羽化した。

新成虫の羽化
6月23日
菌糸ビンより♂59mm・♀4匹(38mm1匹・39mm2匹・41mm1匹)を取り出した。
♂はミニコンテナで単独飼育、♀は中プラケースで一緒に飼育した。
※ココでも注意!!♀も非常に凶暴で複数飼育すると噛み付き合って足などを失うことになる

7月28日

羽化した新成虫がエサを活発に食べるようになった。

F2:♂59mm@
羽化した唯一の♂。
種親より少し大きく、内歯が更に上がっていてカッコいい!

 

新成虫の♀
何とか無事に羽化してくれた。

種親♂死亡
8月15日
♂57.5mmが死んでいた。既にバラバラになっていた。

その後の飼育

F2:♀41mm
他の♀をダルマ個体にして無傷で生き残った強い♀。


その後の飼育を簡単に説明すると、8月中旬から1匹ずつペアリング(1匹♂による事故死)、その後大プラケースで3匹一緒に飼育した。
結局、♀は足の無いダルマ個体続出、1番大きな41mmだけ無傷で生き残った。
しかしその後、再ペアリング時♂により☆になってしまいました。

まだまだ勉強不足でしたが、特にヒラタの飼育のポイントとしては、
@ペアリングは3日以内
Aペアリングの時期は越冬後の春におこなう
B♀でも単独飼育

以上を踏まえ、他のヒラタで好結果が得られています。
またいずれチャレンジしてみたいと思います。

ちなみに♂59mmは現在(02.8.19)も元気にしています。



 

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