天然ミヤマクワガタトリオ到着 |
2003年9月2日
ヒラちゃんより8月30日に採集した埼玉県秩父市産WILDミヤマクワガタ♂47.5mm・♀35,36mmが到着した。
オマケに同産地のアカアシクワガタのペアもくれた。
ミヤマトリオを早速用意していた産卵用ケースにセットした。
♂は小型なのでそのまま♀と一緒に飼育することにした。
産卵用ケースは大プラケースに下4cm程カブト幼虫などに使用して黒土化したマットを固く詰め、上に同じマットとクワガタ飼育に使ったマットを混ぜたものを入れ、皮付きのコナラ材2本を斜めに埋めた。
過去、産卵させることはできたが、暑さで卵がどんどん解けてしまったが、今回はもう9月なので期待できるかもしれない。 |
埼玉県秩父市産WILDミヤマクワガタの♀35mm
(2003.9.2)
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産卵用ケース
ケース下部4cm固め易い黒土化したマットを固く詰めて産卵しやすいようにした。
材には産まないが、コナラ材は産卵を誘発させるために入れた。
(2003.9.1)
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♂死亡 |
9月9日
もう♂が死亡していた。寿命なのだろう。
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追加♂到着 |
9月11日
ヒラちゃんが♂が死んでしまったと聞き、自己採集したヒメオオクワガタとともにミヤマクワガタの小型♂をオマケで送ってくれた。
産卵ケースに入れた。
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交尾 |
9月15日
小型♂が交尾しているところが観察できた。
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追加♂も死亡 |
9月19日
オマケでいただいた小型♂も死んでいた。
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採卵 |
ミヤマクワガタの卵@
今回は産卵時期が9月中と時期的によく、解けずに孵化してくれそうだ。
(2003.10.4) |
10月4日
そろそろ採卵してみることにした。
マットをひっくり返してマットの塊りを解してみると次々と卵が出てきた。
結局37個の卵が採取できた。
♀は1匹はマット上で死亡、もう1匹はマット中で死亡していた。
カブトムシ同様、マットを固めてその中に一つずつ丁寧に産みつけるみたいだ。
ほとんどのものが丸く成長していて、中の幼虫が透けて見えるものも多かった。
今回は飼育する時期がよかったので、幼虫がたくさん採れそうで期待できる。
採った卵はプリンカップ大3個にセットした。
マットは産卵に使ったものに発酵済み埋め込みマットを1/3程混ぜたものを使用した。 |
ミヤマクワガタの卵A
1個ずつ、マットの塊りに丁寧に産みつけられていた。
(2003.10.4)
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ミヤマクワガタの卵B
産んで日が浅い卵は細長い。
(2003.10.4)
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孵化 |
ミヤマクワガタの1齢幼虫
採卵翌日、1個が早々孵化していた。
孵化したてでまだ頭部が白い。
(2003.10.5)
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10月5日
何気なく昨日採卵したミヤマの卵を見てみるとなんともう1齢幼虫が確認できた。
孵化したのは1個のみだが、これから続々と孵化してきそうな感じだ。
今回は難しいとされるミヤマの飼育を本格的に挑戦したいと思う。
10月6日
やはり続々孵化が始まり、5頭の1齢幼虫が確認できた。 |
幼虫飼育開始 |
11月2日
ほとんど孵化したみたいなので、幼虫を取り出してみることにした。
プリンカップ大3個を開けてみると1齢幼虫32頭、2齢幼虫3頭、卵1個が出てきた。
なんと死滅した卵はたったの1個ということになる。
採れた卵1個が孵化しなかったとしても90%の孵化率であった。
幼虫飼育はミヤマクワガタはマットの変化に対応できずショックで死亡することが多いらしいので、産卵に使ったマットを混ぜて使うことにした。
採卵後、そのままにしておいた産卵用ケースからマットを取り出してみるとまたミヤマの1齢幼虫が4頭出てきた。
採卵時かなり時間をかけて慎重におこなったつもりだがまだ卵が残っていたようである。
脱皮したての2齢幼虫が取り出した時の圧力で頭部の皮が裂けてしまったものがいた。
元気だがこの幼虫はプリンカップで様子をみてみることにした。
ミヤマクワガタの幼虫がマットの変化のショックに弱いのか実験してみることにした。
1Lガラスビンで単独飼育で奈良オオのカロリーマットのみを使用のもの4頭と、産卵時の埋め込みマットとカロリーマットを半々に混ぜたもの4頭をセットして無事に成長できるか様子をみることにした。
他、10頭を大プラケース、5頭を中プラケースにセットした。
残り15頭は飼育しきれないので販売することにした。
マットはカロリーマットに産卵時の埋め込みマットを1/3混ぜたものを使用した。
中プラケースでは埋め込みマットが足りなくなりカロリーマットの割合が多くなってしまった。
中プラケースの5頭は試しに温度管理していない部屋で飼育、大プラケースの10頭は温度管理している部屋で飼育することにした。 |
ミヤマクワガタの1齢幼虫
90%という高確率で孵化に成功した。
(2003.11.2)
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ミヤマクワガタの2齢幼虫
3頭ほど先に2齢幼虫になっていた。
(2003.11.2)
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1・2齢幼虫
(2003.11.2)
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頭部の皮が裂けてしまった2齢幼虫
脱皮直後の2齢幼虫はまだ柔らかく、取り出し時の圧力で頭部の皮が裂けてしまった。
この幼虫はプリンカップで様子をみることに。
(2003.11.2)
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頭部の皮が裂けていた幼虫 |
12月13日
プリンカップで様子をみていた頭部の皮が裂けてしまった2齢幼虫を見てみると裂けていたところがまったく見当たらず元気に大きくなっていた。脱皮後の変色が遅かっただけなのだろうか?
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3齢幼虫 |
2004年1月8日
ビン飼育の、カロリーマットで飼育していた幼虫が脱皮して3齢幼虫に加齢していた。皮を脱いだばかりでまだお尻に皮が付いていて頭部もまだ真っ白だった。
カロリーマットだけのものと、産卵用に使ったマットを混ぜたものと比べてみたのだが、結局カロリーマットのほうもすべて成長しており、マットの変化によるショック死は見られなかった。
どちらもまだ2齢幼虫も見られたが、もうすぐ加齢しそうな感じだ。
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大プラケースの3齢幼虫 |
3齢幼虫@
とても大きく成長していた。
(2004.3.27) |
3月27日
大プラケースで10頭一緒に飼育していた幼虫達を取り出してみた。
10頭ともに元気で3齢幼虫になっていた。
ミヤマクワガタは中足を後ろ足に擦り付けてギィーギィーとかなり大きな警戒音を鳴らすことができ、過密な条件でもお互いに接触することなく無事に成長できたのであろう。
かなり成長していて、明らかに♂と思われる大型の幼虫は3頭で、体重は12、13,14gであった。
他の幼虫は♀が多いみたいだが、成熟して透明度が無くなっており、♀斑が確認しにくかった。体重は5〜8gで1頭は小型の♂のようだった。
お尻にはオレンジ色の毛が目立ち、印象的な幼虫だった。 |
ミヤマを購入希望の方もおられ、この幼虫達は3齢トリオで販売することにして、1Lガラスビンで飼育している幼虫を最後まで飼育することにした。
1頭半端になった小型の♂幼虫は温度管理していない中プラケースで5頭一緒に飼育しているケースに入れた。 |
3齢幼虫A
かなり大型の成虫になってくれそうだ。
(2004.3.27)
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3齢幼虫の頭部
亀裂線内側には小さい窪みが複数見られた。
大アゴのカーブは強い。
中足を後ろ足に擦り付けてギィーギィーと警戒音を立てる。
(2004.3.27)
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蛹 |
9月11日
ビン飼育しているものにいくつか蛹室を確認できた。
♀のビンは既に羽化しているようだった。♂の蛹を取り出してみると中型の蛹が出てきた。大型になってほしかったが、ややマットが乾燥気味だったのがよくなかったのかもしれない。
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蛹@
小型の蛹だったが、大型個体は残りの幼虫に期待したい。
(2004.9.11)
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蛹A
(2004.9.11)
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羽化、そしてクワ飼育終了 |
羽化した♂61mm
10月から12月にかけて羽化し、最大で61mmであった。
(2005.2.20)
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5月6日
去年の10月から12月にかけてほとんどの個体が羽化した。
他のページでも言っているのだが、体力的にマットのビン詰めがきつくなってしまい、正直ビンを見るのもいやになるほどになってしまった。
羽化した新成虫は大きいもので61mmあり、♀は1匹羽化、マットにミミズが繁殖して真っ黒になっていたものは蛹化できずに死んでいた。
新成虫達は今年の夏まで休眠すると思い、そのまま放置していたのだが、2,3月に活動を開始してしまったようで、気付かずビンの中で死んでしまった。
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まとめ |
ミヤマクワガタの飼育の一番の難関は温度管理である。
特に夏場の卵の管理で、25℃以下の低温管理ができないとほとんど孵化してくれない。
幼虫飼育は発酵の進んだマットがよく、カブトマットでも飼育可能なようであった。
幼虫は乾燥に弱いが、ミミズなどの発生によるマットの劣化がないかぎり、順調に大きくなってくれる。低温管理が出来れば更に大型化も十分期待できる。
飼育記最後のほうは、管理が至らず不本意な結果になってしまい申し訳なく思うが、ミヤマクワガタは山地のシイタケ栽培の環境では日中でもおびただしい数が採集でき、コクワガタよりも多いほどであり、決して珍しいクワガタではない。
環境破壊で絶滅が危惧されている昆虫の中ではシイタケ栽培がある限り、不滅のクワガタであり、またミヤマ独特の出っ張った頭部や微毛など素晴らしい特徴を持ち、大変魅力的なクワガタでもあるので、本種を採集する機会があればぜひ繁殖にも挑戦していただきたい。
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