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ヒラタクワガタ
Dorcus titanus pilifer
産地:静岡県東伊豆町
〜F2個体作出編〜
 
 
WILDペアがなかなか卵を産んでくれず、結局♂3・♀2が羽化しました。
貴重な♀2匹を使って今度は60mm以上を狙いたいと思います。


F1種親の♂55mm
WILD元親:♂33.5mm♀29mm
材より2齢幼虫で割り出し:2001年7月8日
羽化日:2001年11月5日



ペアリング

F1種親の♀34mm(2匹)
WILD元親:♂33.5mm♀29mm
材よりで割り出し:2001年4月16日
羽化日:2001年8月16日/8月21日
2匹の♀34mmは2001年4月17日に同時に孵化した。


2002年5月3日
 ♂♀とも活発に活動していて、気温が上昇するこの時期がペアリングに適していると思いペアリングすることにした。♂59.5mmを使いたかったが、前足が取れてしまっていたので、♂55mmを中プラケースにセットし、まず♂が慣れるのを待つことにした。
5月25日
♀34mmを1匹♂55mmのいる中プラケースに入れ、ペアリングを開始した。

産卵用ケースセット
6月1日
 ペアリングケースから♀を取り出し、産卵用ケースに移した。
産卵用ケースは中プラケースに市販の埋め込みマットに大きめのコナラ材少し硬めを1本、8分目まで入れた。
もう1匹の♀をペアリングケースに入れた。

産卵
6月4日
 早くもコナラ材に削った跡があった。産卵を始めたようだ。WILDでは苦労したが、今回はすんなりいきそうだ。
6月5日
 もう1匹の♀を産卵用ケースに入れた。

材割り

マットより採取した3頭の1齢幼虫
(2002.6.29)

6月29日
 ケース底面に1齢幼虫3頭が見えたので、材割りをすることにした。
マットより1齢幼虫3頭、材より1齢幼虫2頭と卵2個が採れた。思ったより少なかった。
材は表面を削っただけで、食痕が見られなかったのと、柔らかめの材が手元に無かったこともあって、そのまま同じ材でセットしなおした。

幼虫飼育
 採取した5頭を、クヌギの小麦粉発酵マットで1Lガラスビンに1頭ずつセットした。
卵はプリンカップで孵化させることにした。
7月1日
 プリンカップの卵が1個孵化した。
7月7日
 プリンカップで孵化した1齢幼虫がなぜかマット上に出ていた。1Lビンに移した。
もう1個の卵も孵化した。

マット交換(1回目)

3齢幼虫@
(2002.8.24)

8月24日
 食いのよい♂幼虫3頭のマットを交換した。
順調に成長していた。
2頭は部屋の下部、比較的涼しいところに置いた。
残り5頭は中間で夏場28℃付近の飼育。


3齢幼虫A
(2002.8.24)

 

3齢幼虫、頭部のアップ
(2002.8.24)

♀羽化
9月29日
 早くも♀が羽化した。32mmだった。
10月
 もう1匹の♀も羽化していた。また32mmだった。
残りの幼虫6頭はすべて♂幼虫でまたも前回同様の結果になりそうだ。

種親越冬
10月
 種親は物置で越冬してもらうことにした。できれば来年も産んでほしいものである。
今のところフセツ欠けもなく元気にしている。

マット交換(2回目)
10月12日
 食いの進んだ2頭の2度目のマット交換をした。下部で飼育している幼虫はそれほど食いが進んでなかったので、そのままにしておいた。
10月16日
 もう、1頭もマット交換した。1ビンはまったく食痕が見られない。
10月26日
 下部に置いた2匹もだいぶマットが食べられていたので、マット交換した。
11月30日
 食痕のないビンを掘って見たが幼虫は見当たらなかった。早いうちに死亡したようだ。

♂蛹化・羽化
10月27日
 いつの間にか♂が1頭蛹化していた。小型のようだ。やはり温度が高めだと早いうちに蛹化してしまうようだ。
11月15日
 羽化した。55mmだった.。
11月30日
 食痕のまったく見られないビンを暴いてみたら幼虫はすでにいなかった。乾燥死?
12月2日
 いつの間にか蛹化していた♂が羽化した。かなり小さく47mmだった。
12月7日
 2頭目も蛹化した。大きめだが、60mmは超えないサイズ。
12月28日
 2頭目が羽化。58mmだった。

2003年1月22日
 新成虫ペア♂58mm・♀32mmはコクワと共にDさんへ販売した。
今年も増やしたいが新成虫F2ペアと越冬個体のF1♀2匹だけだが、なんとかもっと増やしたいものである。サキシマヒラタやダイオウヒラタのようには簡単に増えてくれず今年はなんとかブリードのコツをつかみたい。
マット交換(3回目)
1月26日
 部屋の中間の高さで飼育したものはすべて羽化したというのに下部で飼育している2頭は依然幼虫のままである。長く掛かりそうなのでマット交換後、中間の高さに置いた。

大型♂蛹化
2月11日
 下部から1月26日に中間へ移動させた2頭のうち1頭が蛹化した。結構大きい。60mmオーバーしているようだ。マット交換して暖かい中間の高さに移動したらたちまち蛹化してしまった感じだ。
2月13日
 2頭目も蛹化した。これも結構大きい。飼育マットは同じなのでやはり温度が重要なことがよく分かった。低温でじっくりが効果的なのだろう。

大型♂の羽化

新成虫の♂63mm
3月4日に羽化した個体

3月4日
 2月11日に蛹化した♂が羽化した。
3月15日に掘り出したところ63mmあった。このサイズになると本土ヒラタでもかなりの迫力。
3月8日
 2月13日に蛹化した♂が羽化した。大きそうだが、63mmには及ばないかもしれない。
3月21日
 3月8日に羽化した♂を取り出してみた。63mmだった。

まとめ
 以前から言われていたことではあるが、今回蓄積温度の影響を改めて実感した。同じマットを食べていても温度が高いと早く羽化してしまうのである。63mmの個体は5ヶ月ほどかなり涼しいところで管理したため羽化も遅れた代わりに60mmをオーバーした。更に低温飼育を続けたらもっと大型になったに違いない。
サキシマヒラタなどと比べなぜか増えにくい。今回も♀は2匹になってしまった。(1ペア販売したので♀1匹)
材よりもマット産みの傾向が強いのかもしれない。ノコギリクワガタのようにマットを黒土などの超微粒子の固めやすいマットを使うことで、産卵数を増やせるかもしれない。


 

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