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コンフキウスノコギリクワガタ
Prosopocoilus confucius
産地:ベトナム タムダオ
 
 
日頃、虫友としてお客様として大変お世話になっているシマイチさんから
コンフキウスノコギリクワガタの1・2齢幼虫を6頭いただくことができた。
ギラファノコ同様大型になるノコギリクワガタで、姿もギラファそっくりで
近縁種のようだが、大アゴは内歯が小さく湾曲も無くまっすぐ伸びる。
ギネスが106mmで小麦粉マット飼育で100mmオーバーは難しそうなので、
とりあえず90mm後半は出せるよう頑張って飼育したい。


ベトナム タムダオ産コンフキウスクワガタの1・2齢幼虫



1・2齢幼虫到着 1齢幼虫@
まだかなり小さい。
(2003.10.12)
2003年10月12日
 シマイチさんよりベトナム タムダオ産/WF1コンフキウスノコギリクワガタ1・2齢幼虫6頭が到着した。
WILD♂92mmペアからの子だそうだ。
1齢幼虫3頭、2齢幼虫3頭だった。
 1Lガラスビンに自家製クヌギ小麦粉発酵マットを詰めて1頭ずつセットした。
フスマ発酵マットを使用してギラファノコで好結果を得ていたのだが、フスマにコナダニが付いていたので用心して小麦粉に切り替えたのであまり大型になってくれるか自信はないが、早めに中プラケースに移すなどして大型に育ててみたい。

1齢幼虫A
(2003.10.12)


 

2齢幼虫
(2003.10.12)


3齢幼虫
11月24日
 かなり巨大な幼虫の頭部が、ビンの側面から観察できた。
相当デカいが、まだ糞はあまり目立たないので、そのまま様子をみることにした。

中プラケースへ移動 3齢幼虫
♂は順調に成長しており、中プラケースで単独飼育させることで大型を目指す。
(2003.12.27)


12月27日
 マットが食い尽くされそろそろ中プラケースへ移動させることにした。
1頭♀幼虫が蛹室を造っていたので、他に外から♀幼虫と判断できた1頭はそのままマット交換せずに蛹化させることにした。
4頭を取り出してみると♂幼虫が3頭と♀幼虫が1頭だったので、ちょうど雌雄半々になってくれた。
♂幼虫は28,27,27g、♀幼虫は14gだった。
♂幼虫は中プラケースで単独飼育、♀幼虫は1Lビンで飼育続行することにした。

♀の蛹化
2004年1月3日
 ♀が蛹になっていた。
1月30日
 ♀が蛹化した。3頭目の♀も既に蛹になっていた。

♀の羽化 新成虫の♀41mm
ギラファの♀と酷似している。
(2004.2.8)

1月21日
 ♀が羽化した。
2月8日
 2頭目も羽化した。
最初に羽化した♀を取り出してみた。
41mmだった。
ギラファノコそっくりだが、やはり大きさは50mmオーバーにはほど遠かった。
♂の蛹化 ♂の前蛹
蛹室はケースの側面に沿って造られていた。
ギラファほどではないが、結構大型が期待できるかもしれない。
(2004.3.14)

3月1日
 遂に1頭の♂が蛹化した。
3月13日
 2頭目の♂も蛹化した。
3月14日
 3頭目の♂も蛹化寸前で、プラケースの側面に造られていて内部がよく観察できたので、写真を撮ってみた。
蛹室も大きく、3頭目が一番大きそうだ。
3月15日
 3頭目の♂も蛹化したが、大アゴだけ確認できない。
どうやら脱皮が失敗したらしい。
♂の羽化
3月28日
 ♂が羽化した。外からはお尻の部分しか確認できないが、後翅も綺麗に畳まれて完品で羽化してくれたようだ。
4月14日
 2頭目の♂も羽化した。
4月16日
 大アゴだけ脱皮できなかった♂も羽化したが、前翅も開きっぱなしの完全な羽化不全であった。

新成虫♂の取り出し
4月17日
 そろそろ1匹目の♂を取り出すことにした。
完品で99mmの個体だった。自家製の小麦粉マットにしては上出来な結果だ。

新成虫の♂99mm@
自家製小麦粉マットで羽化した1匹目の♂。
100mmオーバーは無理と思っていたが、それでも99mmという満足のいく結果となった。
(2004.4.17)

  新成虫の♂99mmA
大アゴの形状は少し本土ノコの面影がある。
(2004.4.17)

5月22日
 2匹目の♂も取り出してみることにした。
1匹目よりも羽化が遅かったが、86mmと1匹目より小さかった。
しかし、内歯の発達が大型個体よりもよかった。

新成虫の♂86mm@
1匹目より小さかったが、なぜか内歯が99mmの個体よりも発達していた。
(2004.5.22)

  新成虫の♂86mmA
上から見るとノコギリらしくないが、横から見るとノコギリらしさがよく表れている。
(2004.5.22)

♂活動開始
8月8日
 ♂がようやく活動を開始した。羽化してから4ヶ月経つことになり、羽化後の休眠期間が予想以上に長かった。
しかし、2月前後に羽化した♀2匹は未だに休眠しているようだ。

♀後食開始
8月下旬
 ♀もようやく後食を開始した。

ペアリング
10月
 ここからは管理人の体調不良もあり詳しい記録は取っていなかったので、大雑把に説明すると♂を飼育している中プラケースに♀を入れて2,3日後に♀を取り出し、産卵用にセットした大プラケースに移した。
2匹目の♀も2,3週間後に同様にして同じ産卵用ケースに入れた。

産卵用ケース
 産卵用ケースは大プラケースに黒土化した固め易いマットをケース下部2,3cm固く詰め、その上に普通の埋め込みマットを敷き、少し大きめのコナラ材を1本埋めた。
固め易いマットをケース下部に詰めたのは、本土ノコのようにマット産みなのか分からなかったので、材産みでもマット産みでも産卵できるようにセットした。

材割り 材から出てきた2齢幼虫達
幼虫はほとんど材から出てきた。
マットには産まないようである。
(2005.4.9)

2005年4月9日
 産卵セットしてから、材を見る限り目立った産卵痕が見当たらなかったのでダメかと思い、半年ほど諦めてほったらかしにしてしまい、そろそろ片付けようかと思い、材を割ったところ大きめの2齢幼虫が続々と出てきた。
1本の材から1齢幼虫2頭、2齢幼虫8頭、3齢幼虫1頭、マットからも2頭出てきたが、材から溢れ出たようであった。
他にもかなり大きくなった3齢幼虫の死体も出てきて、恐らく他の幼虫か種親の♀に齧られてしまったのだろう。
とっくに死んでいると思っていた♀がなんと2匹とも元気であった。
♂はかなりの大食漢だったため、エサの補給に間に合わず、去年餓死させてしまったので、まだ産卵できるか分からないが、新しく産卵ケースをセットした。

まとめ
 本種と近縁のギラファノコの飼育でかなりよい結果が出ていたのだが、羽化後日が浅いうちに取り出してしまい、♂が後食と同時に突然死が多発し、累代飼育ができず残念であったが、本種ではそのことを踏まえて新成虫♂の取り出しを羽化後約1ヶ月おいて取り出した。
結果は突然死することなく大成功だった。突然死の要因としては、羽化後はまだ体内が柔らかく、未熟でちょっとした圧力や衝撃などで体の組織が破壊されてしまうようである。
 成虫はかなり活発に活動し、相当な食欲であったが、16gのゼリーではかなり食べ辛く、ゼリーのカップをへこませてゼリーを盛り上げて与えていた。しかし、あまりの食欲にゼリーがすぐになくなってしまい、つい交換をサボって餓死させてしまった。
 産卵は今回の結果を見る限り材産みであった。もっともマットの質によってはマットにも産むのかもしれないが定かではない。

クワガタ幼虫のマット詰めという作業はかなり疲れて、しばらくは累代をお休みするつもりである。
今回採れた幼虫達はすべて販売して、クワガタ飼育に関してはしばらくの間充電期間としてお休みさせていただくつもりである。


 

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